久方ぶりの本編投稿ですが今回上条さん名前しか出てないのでクロスオーバー感が消えています。
あと今日からとあるIFにてこのすばとコラボ開始です。不幸(アクア)と不幸(上条当麻)が交差する時、物語が始まる!!
それでは第20話どうぞ。
1
上条が飲み物を買いに行き、共通の話し相手がいなくなったため病室内には静寂が漂っていた。二人きりになった彼女たちはどっちから何を話しかけるべきかを考え始めた。そして、先に話し始めたのは翼の方であった。
「・・・ねえ、立花」
「何ですか、翼さん!?」
憧れの人から話しかけられたのが嬉しかったのか少し興奮気味な立花である。
「少し落ち着いて、彼について少し聞きたいことがあるの」
「当麻について、ですか」
「あなたが来るまで彼と話していてね、なんて言ったら良いのかしら・・・。こう、事件や困っている人を見かけたら自分から巻き込まれに行く性格なのかしら?」
「うーんそうですねー。小学校の時はどうか知らないですけど、私が知る限りじゃそうだと思いますよ。そういったことを見かけると取り敢えず首を突っ込む感じですかね。それで酷いときなんかは入院沙汰になっちゃったりするんで、本当に困った親友ですよ」
でも、と立花は話を続ける。
「そんな誰かを助けようとするところが本物のヒーローみたいで格好いいんです。私も当麻に助けてもらった一人だから、そう言った姿にすごく憧れちゃうんです」
「・・・それじゃあ彼に戦ってほしくないとは思わないの?」
「勿論戦ってほしくないとは思いますよ。でも言ったところで聞くタイプじゃないですし、なら私が当麻に追いつけば良いんだって思ったんです。だからシンフォギアの力を持ったとき初めて、当麻と一緒の所に立つことが出来たって思えたんですけど・・・」
先程までのまるで人懐っこい犬のような表情から一転して、陰りが見える。
「それでも結局、空回りして迷惑かけちゃって。・・・私ってやっぱりダメダメですよね。アームドギアも未だに上手く使えないし・・・」
守りたいものを守れず、それどころか力に飲み込まれ、少年に危害を加えた事が彼女の自信を奪っていた。そんな彼女に、翼は真剣な目つきで助言を与える。
「最初は誰でも力に悩み、迷い、時には間違った使い方をしてしまう事もある、でもそこから学び、新たな糧になることだってある」
ただし、と前置きをおく。
「力を持つということは、戦士になるということ。つまり、それだけ人の生き方から離れていくことになる。・・・立花響、あなたにはその覚悟があるのかしら」
立花響も彼と同じイレギュラーであり、本来ならこちら側に来る人ではない。それでも、もしあの少年と同じくらいの覚悟があるのなら、誰かを守る理由があるのなら聞いてみたい。いや、聞かなくてはならない。そう思い、翼は問いかけた。そして、胸に奇跡を宿す少女はその問いに答える。
「・・・守りたいものや力になりたいって思いがあるんです。それは、何でもないただの日常や助けを求めている人、そしていつも一人で全部抱え込もうとする不器用な友人・・・他の人からしたらたいしたことないかもしれないけど、私にとってはとても大切なものを守り、力になりたいと思うんです・・・だけど、思うばかりで空回りして」
「・・・戦いの中、あなたが思っていることは?」
「ノイズに襲われている人がいるなら、一秒でも速く助けたい。最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に駆けつけたい!」
自分には、人より速く動ける力がある。重いものを持ち上げられる力がある。だから戦える。目の前の困難に立ち向かえる。もう二度と、自分のような思いをする人を増やしたくない。それが、どこにでも居る平凡な少女の思いであった。それを聞いた翼はもう一つ質問する。
「その相手が同じ人間なら、どうするつもり?」
「・・・もしも相手がノイズでなく人なら、どうしても戦わなくちゃいけないのかっていう胸の疑問を、私の思いを届けたいと考えています」
「・・・そう、分かったわ」
そう言って翼は微笑んだ。自分とは違う思いや考えであっても、目の前に居るこの少女には、あの少年と同じくらいの覚悟があることを、理解したのだ。だが立花はその笑顔がまた何か間違ったことを言ったのではないかと思っていた。
「あのぉ、私、また変なこと言いましたか?」
「変な事ではなんかじゃないわ。少なくとも彼のような一般人ではなく戦士として戦おうとするあなたの思いについて、私が決める事ではない。あなたが考え、あなた自身が決める事よ」
「・・・私自身で決める」
「他人の意見を参考することはあっても最後に決めるのは自分自身よ。そしてその決意こそが立花響のアームドギアに他ならないわ」
「・・・アドバイスありがとうございます、翼さん。私これからも頑張ります。頑張って、翼さんや当麻に追いついてみせます!!」
「期待しているわよ、立花」
「はい!!」
元気よく、立花響は返事した。それと同時に、グーーーという音が誰かのお腹から鳴った。
「あ///」
音の主は立花であった。
「ご、ごめんなさい。大きな音を立ててしまって・・・」
「よっぽどお腹がすいているのね」
「い、いつもじゃないんですよ!ただちょっと気が抜けたというかなんと言いますか・・・」
ここに上条か小日向がいれば、嘘つけ、と突っ込まれていたであろう。
「はぁ、当麻、早く帰ってこないかな・・・」
「飲み物を買いに行くと言って随分経つようだけど」
「多分、当麻が買おうとした瞬間に売り切れて、遠くの自販機に行ってるんだと思います」
「・・・そんなことあり得るのかしら?」
「ハズレなし!って謳い文句のくじ引きでハズレ引く位ですからね、絶対あり得ますよ。ああもう、携帯電話持っていけば早く帰ってきてって言えるのに。何のための文明の利器なんだか」
ぶーぶー、と文句を言う立花を見て翼はおもわず苦笑してしまった。穏やかな空気が流れるなか、マナーモードにしていた立花の携帯電話が、鞄の中から甲高い電子音が鳴り響いく。どうやら誰かからの連絡であった。
「あれ、師匠からだ。すみません、ちょっと席をはずします」
「ええ」
一言断ってすぐ近くの電話可能な場所に移動する。
「もしもし、立花です」
『響君、ネフシュタンの鎧の反応があった。至急、現場に急行してくれ!!」
「わかりました!!」
そう言って立花は現場へと走って行く。今度こそあの少女に胸の疑問を届けるために。
2
「はぁ」
小日向未来は一人寮へと帰っていた。少女の足取りは少し重く、何かを悩みながら歩いて行く。寮へと帰る途中、ふらわーにてお好み焼きを食べて頭の中を整理したつもりだったが、もう一度思い返すとやはりモヤモヤとした感情がまた出てきていた。
(・・・あれは一体何だったんだろう?)
なぜあのツンツン頭の友人は女性のそれも大人気アーティストの下着をもっていたのか、何故あの場所にもう一人の親友はそこにいたのか。もし、あの三人に接点があるとしたら、それは親友の人生を滅茶苦茶にしてしまった、自分だけがいなかったあのライブの日、それ以外に思いつく物はなかった。
(・・・また私だけ関われていない)
そう思っているだけなのかもしれないが確信が持てない。なんせ昔からの親友の立花響以上に無茶やとんでもないことをしでかす少年、上条当麻がいる。あのツンツン頭は笑って何かを隠したり、誤魔化したりする。だがそれは自分を不安にさせたくなかったり、巻き込まないためのものだというのは分かっている。だが、それでもよく二人そろってボロボロになって帰ってくる事が多々あり、そのたびに似たような笑い方で心配や迷惑をかけないようにしてきた。だから今回も巻き込まないために嘘をついているのではないのかと、親友達を疑ってしまう。
(・・・ううん。そうじゃなくて、信じて待つって決めたんだから)
立花響の
ノイズが居た。
「え」
思わずそんな間の抜けた声が出てしまった。ノイズの発生は自身と同じく予知できるものではないのだと、例え専用の機械を使って予知できたとしても発生してから誤差が出てしまうものだというのは知っていた。だから、ノイズが出現したことを知らせるサイレンが聞こえないのは、目の前に居るノイズが発生してすぐだということを告げるようなものであった。だが、今そんな事はどうでもいい。
だってどれだけ考えていても、目の前で起きている現実は変わることがないのだから。
(なんで、なんで・・・!?)
まだやりたいことだっていっぱいあるのに、あの二人を信じる待つって決めたのに。だからここから逃げないと、そう思っているのに陸上部時代に走り込んでいた足は言うことを聞かない。恐怖で足が震える。だんだん足から力が抜ける。ついにその場に座り込んでしまった。
(・・・誰か、誰か助けて!)
心の中でどれだけ叫んでも誰も来ない。口に出そうにも声はでない。そんな思いを無視してノイズはこちらに向かってくる。あれに触れられたら、人は炭になる。ニュースや学校や、親友達が言っていた当たり前の事実が襲ってくる。
色のない災害によって一人の少女の命が終わる。
「私の親友にッ!」
終わる、筈だった。
「手を出すなァあああああああああああ!!!!!!」
そんな声と共に、オレンジ色の閃光が迸る。瞬間、少女に襲いかかろうとしたノイズが炭と化した。何が起きたのか理解ができなかった。だけど聞こえてきたその声は、自分が知っている声だ。だってその声の主は、
「ひび、き・・・?」
自分の大好きな親友だったのだから。
3
気がつくと体が勝手に動いていた。ピストルの弾丸のように真っ直ぐ、一直線に自分の親友の元へ駆けつけていた。立花響は、今ほどシンフォギアの力に感謝したことはなかった。だけど、今のこの状況は良いものだとは言えなかった。
(未来にバレた・・・ッ)
隠し事というものはいつかはバレてしまうものというのは分かってはいた。それに対しての心の準備も出来ていたつもりだった。だけど、いざ実際にそのことが起きてしまえば、そんな準備は全て水の泡になったかのように消え去っていた。今の自分の顔を鏡で見れば相当余裕のない表情をしているだろうと、立花は思った。でもそんな弱音や顔を後ろにいる親友に見せるわけにはいかない。守りたいものを不安にさせるわけにはいかない。
「未来、大丈夫!?立てる!?」
「え、あ・・・」
「どこか怪我したの!?」
「!?え、えっと腰が抜けて立てない・・・」
「分かった、じゃあ肩に手を回して」
親友の指示に従い、小日向は立花の肩に腕を回す。そして立花は小日向の腰と太ももに手を回す。所謂、お姫様抱っこの形になる。
「未来、しっかり捕まってて」
「うん・・・」
足に力を込め、空高く飛ぶ。親友を守りながらあの量のノイズを倒すのは難しい、だから先に彼女を避難させてから倒す。そう考え親友を連れ出す。
「未来、色々聞きたいことや言いたいことがあると思うけど、私行かなきゃ」
「待って、響・・・!?」
「・・・・・ごめん」
小日向の耳に届くか届かないか分からないくらいの声で謝り、立花響は再び危険地帯に身を投じる、後ろにいる親友の目にたまる涙に気づかずに。
誤字、脱字、感想等お願いいたします。
上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
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