戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
なんだか筆が乗らずエクバ2や、ボックス周回や、違うのを書いていたら1週間がたっていました。でも書けたからよし!
さて、とあるifの次のコラボは灼眼のシャナ!この調子だとデュラララともやりそうですよね。シンフォギアも待っています!
それでは第25話どうぞ。


第25話 仲直りの仕方/fist fight

4

復活の呪文を唱えた。

上条は復活した!!

 

「あれ、記憶が飛んでる・・・・・」

 

思い出そうと記憶の海をたどる。確か小日向と話していると雪音が目を覚ましてなにか白い物が、というかなんにも見えなかったような・・・・・。

 

「!?あ、そういえば雪音のはだ・・・・・

 

「それ以上言えばもう一発本気で殴るよ!!!!??」 

 

「理不尽にもほどがある・・・っ!!?」

 

顔を真っ赤にして脅迫する小日向未来と、体の全部を隠すように布団にくるまって『ミラレタ・・・オトコニハダカヲ、ミラレタ・・・』とフルフル震えている雪音クリス、そして頬におおきな紅葉ができた上条当麻というカオスすぎる空間ができあがっている。

 

「てか、なんで下だけ履かせてないんだよ!?」

 

「下着の替えなんて持ってきてるわけないでしょ!バカなのっ!?」

 

「いっそノーパンでもズボンくらい履かせてやれよっ!」

 

「ほっっんとうに、デリカシーないなコイツ・・・っ!?」

 

さっきまでの険悪な雰囲気が嘘のように漫才を始める二人。

そんな光景を見ている雪音は、ただただ混乱するしかなかった。

 

(・・・あたしは一体何を見せられてるんだ・・・・・?)

 

「未来ちゃーん、上条くーん。さっきから大きな声が聞こえてるけどお友達は大丈夫なのー?」

 

「あ、はい。もう目が覚めたみたいです」

 

「あら、よかったー。あ、貴女の服汚れてたから洗っといたわよ」

 

洗濯籠には赤色のドレスがあり、彼女が眠っている間に洗ってくれていたようだ。

 

そして今から干そうと思ってるおばちゃんを手伝おうと上条は立ち上がった。

 

「あ、俺干すの手伝います」

 

「でもその怪我じゃ・・・」

 

「一人で暮らしてると怪我しても洗濯しないといけないんでやれますよ。それにここにいると寿命が縮みそうなんで・・・」

 

「何があったのよ一体・・・。じゃあ手伝ってもらおうかしら」

 

目についた焼きそばパンをポケットに入れ上条はおばちゃんの所へ行こうとする。すると部屋を出る直前小日向から、

 

「取り敢えず、あとでちゃんと話は聞かせてもらうからね」

 

「・・・ああ」

 

歯切れが悪い返事と共に部屋を出た。

彼の後ろ姿を見た小日向は、少しだけ悪いことをしたような感覚を覚えた。ここまで落ち込んでいる彼を見るのは久しぶりな気がする。

 

 

「・・・なあ、あんた」

 

「あ、どうかしたのかな、ええっと・・・」

 

「クリス、雪音クリスだ」

 

「クリスだね、私は小日向未来。よろしくね」

 

「・・・よろしく」

 

布団から顔だけ出しながら自己紹介をする雪音は、まるで巣から顔をだすリスみたいに愛らしい存在に見え、小日向は柔らかい笑みを浮かべた。

 

「それでどうかしたの、お腹すいた?それとも汗拭きたいの?」

 

「ええっと、その・・・」

 

ぐ~~、とお互いの腹から音が聞こえた。空腹を知らせる音、小日向はその音を聞いてほんのり頬を赤らめ、雪音はさっきから表情が忙しい女だなという感想が出てきた。空腹が限界を迎えたため、上条を待つのは止め先にご飯を頂こうと袋の中を探り出すとあんパン、メロンパン、焼きそばパンが出てきた。

 

「クリスが先に選んでいいよ、どれにする?」

 

「・・・見たことないパンばっかだ。これ、何なんだ?」

 

雪音が指をさしたのは芥子のみが振りかかったパン、所謂あんパンであった。

 

「あんパンって言って、中にあんこが入って美味しいよ。クリスのいた国じゃああんパンなんてないから珍しいかな」

 

ちなみに上条が買ってきたパンは全て日本発祥であるため、名前が全部カタカナのメロンパンも海外にはないことを小日向は知らなかった。

彼女的には会話の種としてふった内容であったが、雪音の口からでた返答はそんな甘いものではなかった。

 

「・・・・・あたしが食べてきたパンは、黒くて固いパンだった。味も食感も最悪で、でもそれしか食べさせてくれるものなんてなかった・・・」

 

「・・・・・・・・・・・、」

 

「いつも冷たくて、たカビの生えていた物だって出されたことだってあった。でも文句なんか言えば殴られる。大人達(あいつら)はいつもそうだ。あたしの言葉なんて何時だって聞いちゃくれなかった・・・ッ!?」

 

何も、言えなかった。何をどう言えばいいかなんて分からなかった。自分の住んでる世界ではありえないような言葉が、目の前にいる彼女の口から出てくるのが理解出来なかった。

慰めの言葉は出てきても、それを言うことなんてできない。自分のような恵まれた人間の口から出る軽い言葉が、彼女を癒やすことなんて出来るわけがないと思ってしまった。だけど、雪音の言葉は止まらなかった。

 

「でもさ、温かい物を食べられる時もあったんだ。いつもじゃないけど、一人じゃなくて一緒にご飯を食べてくれて、そこがあたしの居場所なんだって、そこにいるためなら何でもしてやるって思えたんだ」

 

でも、その言葉はまた彼女に何かが起きたことを察するには十分であった。

 

「そいつもあたしのこと道具のように扱って捨てたんだ・・・。結局、どいつもこいつもあたしをぼろ雑巾のようにしか扱わなかったんだッ!?」

 

怒りをぶつけるかのように布団を握りしめる雪音、そんな彼女を見て小日向は今の彼女に何が出来るかを考えるが、いい案は思い浮かばない。

自分ではないの誰かなら、上条当麻や立花響なら、相手の事を気にせず話にかけるのだろう。それが正しいかどうかは分からないが、相手の心に入り込もうとするだろう。だが自分にはその勇気がない。今の状態を壊すようなことは出来ない。

そうして考えているとふと、お好み焼き屋のおばちゃんの言葉を思い出す。お腹がすいてる状態で考えてもいい考えなんて浮かばない、ならば先にお腹を膨らましたほうがいい。

そう思い立った小日向は、あんパンが入った袋を開け半分に分け、片方のパンをかぶりついて見せた。

 

「お前なにして・・・」

 

「・・・うん、このパンは大丈夫!あんこ以外は入っていない、普通のおいしいあんパンだよ」

 

だからどうぞ、そう言ってもう片方のあんパンを雪音に渡す。恐る恐るパンを受け取り食べ始める。一口食べると柔らかい食感と口の中に甘みが広がる。そのパンは今まで食べたことのない程おいしい物だった。二口、三口、食べるごとに口と手の動きは早くなる。全部食べ終わるのは先に食べ始めた小日向より、早かった。

 

「・・・うまいな、これ・・・・」

 

「・・・良かった」

 

雪音の目尻に涙のような物が見えたが、それに触れなかった。

小日向も最後の一口を食べ終わると、雪音の口にあんこが付いているのが気がついた。付いてることを教えてあげると、彼女は顔を赤らめすぐにあんこを食べた。

あれだけの過去を聞いた後なのに、小日向には今の雪音が普通の女の子に見える。そんな事を思いながら、次はメロンパンを半分に分け二人は食べ始めた。

 

 

 

 

「ありがとうね、手伝ってくれて」

 

「いえいえ、俺がやったのは洗濯物渡すくらいでしたし・・・」

 

「それでもよ。やっぱり一人より二人よね~」

 

そんな事を話ながらおばちゃんは慣れた手つきで店の下準備をしていた。その動きの速さと丁寧さが物語るのはそれだけ長い間このお店を切り盛りしていたのかがうかがえる。

一方その様子を上条はぐてーん、とした感じで見ていた。

 

(腹減ったなー。あと地味に血が足りてない感じがする・・・)

 

空腹に関してはポケットの中にある潰れた焼きそばパンがあるからいい物の、貧血の方に関してはどうすることも出来ない。

そもそも血が足りてないと感じるのは、本来ならまだ入院しなくてはならないのに退院した代償であるだろう。あれだけの怪我をしているのに三日で病院を出たのは色々とマズかったのかなと思い始めた。

そんな事を考えながら潰れた焼きそばパンをほおばる。ソースの濃い味は少年の腹を満たすと同時に、先程以上の空腹感を引き連れてきた。

この空腹についての対策を考えていると、おばちゃんから声をかけられた。

 

「時に上条くん、あなた未来ちゃんとに心配かけるようなことしてないかしら」

 

「えっ、どしたんすか藪から棒に」

 

「この前未来ちゃんが一人でうちに来たのよ。その時、暗い顔だったから何かあったのって聞いたら、『私、響と当麻に避けられてるかもしてれない・・・』って悲しそうな声で言ってたのよ」

 

「・・・・・、」

 

改めて、あの少女を辛い目に合わせていたのだと後悔する。内緒にして、傷つけないよう、巻き込まないためにと思ってしたことが、逆に彼女の心を傷つけ悲しませてしまったことを、自分だけ仲間外れにあっていると感じさせてしまったことを心の奥底から後悔していた。

そんな上条の顔を見て、ふらわーのおばちゃんは本当に何かあったことを察した。

 

「その様子だとなにか理由があって未来ちゃんを避けてたようね」

 

「・・・はい。色々事情は言えないんですけど、俺、あいつのこと遠ざけてました。傷つけたくないって、巻き込みたくないって。そう思って・・・」

 

「そう・・・。確かに男の子なんだから女の子の前では格好付けたいんだと思うけどね、案外、何も知らないで待つってのは辛いことなんだよ。それに、上条君はただでさえ大けがしたり、それこそ入院沙汰にもなって心配させてることがあるんだから、本当のこと言うのもありなんじゃないの」

 

それに、生地を混ぜながら言葉を付け加える。

 

「男の子なら、何があっても守ってやるくらいの意気込みでいかなきゃ、女の子は振り向かないわよ」

 

「・・・いや、あいつ異性とかに興味なんてもってない奴ですよ。たまに、立花を見る目が友愛とかそういう感じじゃない時ありますし・・・・・」

 

「だとしても、女の子に心配かけさせて辛い思いなんてさせるんじゃないよ。あんたは強くて優しい子だから、未来ちゃんや響ちゃんを守れるよ」

 

「・・・お世辞でもそう言ってもらえれば少し元気でてきました。俺、ちょっとあいつに謝りに行ってきます」

 

席を立ち小日向の元へ行こうとする上条に、あの子服乾いてたら持って行ってあげなー!、と服を持って行くのを忘れないようにと付け加えた。

 

「・・・・・お世辞じゃないんだけど、あの子の自分の事を低く見る癖はなおらないのかしらね」

 

(・・・あの調子だと、あの子達は苦労するわねぇ)

 

心の中で呟きながらおばちゃんは、仕込みを全て終え、何時もの慌ただしい日常が来るのを待っていた。

 

 

 

 

 

 

「ふーん。じゃあお前は、アイツやもう一人の友達と喧嘩中って訳か」

 

「・・・・・うん」

 

食事を終えたところで、少し汗だくの雪音の背中を小日向は吹いていた。

ただそれだけでは会話がなく寂しいのでので、ガールズトークとシャレこもうとしたが、いつの間にか小日向の悩み相談へと変更していたのだ。

 

「あたしは、あんな所にいたのもあって友達なんてできた事ないから、仲直りの仕方なんて分かんねぇよ・・・」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「なんでお前が謝るんだよ・・・」

 

謝られたせいかバツが悪そうな顔になる。

でも、今自分と共にいる少女には面倒見てもらっており、何とかその礼ができないかと自分なりの方法を考え出す。

背中が拭き終えたと同時に小日向に話しかける。

 

「なあ、いっそアイツやそのもう1人のを方ぶっ飛ばしちまったらどうだよ」

 

「え!?」

 

「どっちかが降参したらそれでお終い。素直に仲直りって感じでさ」

 

「・・・私には、できないよ。確かに色々やらかした当麻を叩いたりすることはあっても、そんな仲直りの方法は私には出来ないかな」

 

「そっか・・・。力になれなくて悪い」

 

「ううん、考えてくれてありがとね」

 

ありがとう、そんな言葉を貰ったのは何時ぶりだろう。記憶の海を探し回るが、見つからない。いや、見ようとしないだけなのだ。

自分にまだ両親がいたあの頃のことを。

自分の意識が少し離れていたところ、扉の向こうから声が聞こえてきた。声の主はあの少年だ。

 

『小日向、入ってもいいか?』

 

「今はダメ!入って来たら許さないよ!」

 

『お、おお、そうか。じゃあ雪音の服扉の前に置いとくぞ』

 

「分かったー。置いといて」

 

そう言いながら雪音に布団に潜るよう指示する。何かの拍子で扉が空いたりすることは、あの少年にとってはよくあることなのだから。

そして、上条は先程とは違うトーンでまた話しかけてくる。

 

『・・・あのさ小日向。隠してた事は悪かった。だから・・・っ!?』

 

何かまだ言葉を紡ごうとした時けたたましいサイレンの音が鳴り始めた。

 

「!当麻、今のって!?」

 

『ああ、避難サイレンだ!先に降りとくからお前らも早く来い!!』

 

そう言ってドタバタと、階段を降りる音が聞こえた。

だが、雪音には聞き覚えのない音だったのか、場違いな質問をしてしまう。

 

「?なんだ、あの音。あれか、『じしんけいほう』ってやつか?」

 

その言葉を聞いた時、見たことがないくらい焦りを帯びた言葉が小日向から走った。

 

「何言ってるのっ!?ノイズが近くに現れたんだよっ!!?」

 

「何ッ!!?」

 

こうして、日常は突如として崩れ去り、非日常が牙を向いてやって来る。




誤字、脱字、感想お願いいたします。

上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

  • 風鳴翼
  • 雪音クリス
  • 月読調
  • 暁切歌
  • マリア・カデンツァヴナ・イヴ
  • セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
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