戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
番外編第3弾は、今日誕生日の響と上条さんの絡みです。
お誕生日おめでとうございます。
またこの物語には、謎のポエム要素とキャラ崩壊かもしれない映写があります。あらかじめご了承ください。
それではどうぞ。


陽だまりとは違う温もり

鼻血が出た。鼻血が出る理由として色々と挙げられるが、まさか小腹を満たすために先程まで食べていたピーナッツが原因ではないだろう。そうこう考えている内に鼻血が服に落ちてしまった。

 

「・・・不幸だ」

 

9/13AM0:00と今の日付がディスプレイに表示されている。上条当麻はその携帯電話を消し、浴槽から出る。()()()()()()()()()()と洗面台は目と鼻の先なのでさっさと服を脱いで洗剤に漬けておく。鼻血を落とすのには早めに洗わねばならないが、最近の洗剤は優秀なので漬けておけば明日洗っても問題はない。

 

さて、この家の家主上条当麻が風呂場で寝ようとしていたのには理由がある。別に風水の向きが良いだとか、狭いところが好きだとかそういう理由ではない。とある事情で自分のベッドが占領されているからだ。上条は現在ワンルームマンションに住んでおり、服が置いてあるリビングと現在使用不可よなっている寝床が一つの場所にあるため、半裸のままリビングに向かう。部屋に入る前に、チラリとベッドの方を見る。そこには黄色いパジャマを着た少女がいた。

 

「とうまー、みくー、アイスクリームの天ぷら作って〜・・・・ZZZZZ」

 

「・・・んなもん作れるか」

 

幸せそうな寝言を呟いている少女の名前は立花響。上条の同級生であり、元気ハツラツで太陽のような明るい親友である。とある事件が原因で一時期暗く壊れそうになっていたことがあったが、今は元の明るさを取り戻している。ただそのハツラツさや趣味である人助けのせいでトラブルに巻き込まれることもあり、目が離せない存在である。

 

話を戻すが上条がベッドで眠れないのは彼女がベッドを占領しているからである。彼女が今日泊まらせろと言って無理矢理押しかけられ、1度は断ったがその後すぐ捨てられそうな子犬のような顔になってなり、悪いことしていないのに罪悪感がじわじわと湧き出てしまい、結果不承不承ながら了承してしまった。

だがそういった関係でもない男女が一緒の部屋で寝るのは色々と不味いし、『もしも』のことが起きれば確実にもう一人の親友に殺されかねない。だからといって女の子を浴槽や床で眠らせるわけにもいかないので、遠慮する彼女を『泊まりたかったら家主に従え』と脅迫し(説得し)無理矢理ベッドで眠ってもらっている。

 

それでも納得がいかなかったのか、何かの抵抗なのか分からないが、立花は広くはないベッドの端っこで眠っていた。そこにはもう一人分が眠れそうなスペースがあり、まるで本来の寝床の主と一緒に眠るために空けてあるように見えた。だがこれは上条の推理であって事実かどうかはわからない。以前もう一人の親友が『ふふふ、ねえ知ってる当麻。私、響とお泊まりするときは一緒に眠ってるんだよ。羨ましいでしょ』とドヤ顔で謎のマウントとってきたK・Mさん(プライバシー保護のためイニシャルのみ)のことを思い出し、彼女と一緒に寝てるときの癖でやっているんだろうな、思考を切り替えた。

 

そっと立花から目をそらし、ティッシュと替えのパジャマを探す。

 

(・・・・・ティッシュってどこにあったk)

 

ガンッ!足の小指に衝撃が走る。

 

「ッ~~~~~~~!!?」

 

真夜中の暗い部屋では家具の位置もおおよそでしか分からず、どうやら小指を机の脚にぶつけたようであった。だがこんな真夜中に、そして自分の近くに静かに眠ってる少女がいるのに叫ぶわけにはいかない。何とか歯を食いしばり痛みをこらえようとその場にうずくまろうとするが、痛みのせいかバランスを崩しあろうことかベットの方に倒れ込んでしまう。

 

(マズ・・・ッ!?)

 

ここから持ち直すことは不可能。ならせめて彼女にぶつからないように、とベットに手をつきこれ以上重力に身を任せないようにした。ドスン!目論見通りなんとか手をつくことに成功したが場所が悪くまるで少女に覆い被さるように手をついてしまった。そしてベッドにて発生した小さな地震のせいで少女の目が覚めてしまう。

 

「んん・・・なに?」

 

(げ・・・ッ!)

 

「じしんでもおきたの・・・・・」

 

少女の意識は少しづつ覚醒し、目の前の状況にやっとピントが合ってきた。

 

ではここで問題。半裸で、しかも鼻血を垂らしている男性が真夜中に女性に覆い被さっていたら相手はどう思うでしょうか?

 

「・・・・・・・・・・・・・!?は、はわわ、はわわわわわわわわわわわわ///!!!!??」

 

答え。顔を真っ赤にしてテンパる。

 

「まって、待って下さい立花様!これはその事故でありまして決してわざとこんなことをしようとは思っていないのでありまして・・・!」

 

「ああああのね当麻。こういったことはもっとお互いのことを知ってというかね、それに私たちまだ中学生だし。ああでも、確かに明るい部屋より暗い部屋でのほうがロマンチックな感じがするし、こう色々と見えにくいのもなかなか乙だってこの前見た雑誌に載ってたけど・・・///」

 

「お前が読んだ雑誌の内容が色々年齢に即したものかどうかが気になるがマジで落ち着いてくれ!?」

 

そう思うならでさっさと離れろよ、ともしこの状況を誰かに見られていればそんなことを言われそうだが上条もまたテンパってしまっているため急いでこの体勢をやめるという選択肢が完全に消えていた。この場に一人でもツッコミが出来る人間がいればもう少し丸く収まっていたかもしれないが基本的にツッコミ役の上条が役である上条も暴走し、立花も体をモジモジさせながら完全に乙女モードという現実逃避に奔ってる。

 

(どうする、この場を誤解なく収める方法はないのか・・・っ!?)

 

先程より冷静になった上条は考え出す。最善最高の答えを見つけ出し、ハッピーエンドで終わらせるために!

そして意を決して立花に話しかける。

 

「立花、立花!すこし冷静になって話を聞いてくれ!」

 

「ふぇ!?は、はい・・・///」

 

上条は真剣な(鼻血付き)顔で立花の目を見て始める。少年の珍しい真剣な表情を見て、ぷしゅーーー、と頭から蒸気が噴き出すような音が聞こえてきそうなほど体が熱くなってくる。

 

「いいか、立花・・・」

 

「はい・・・」

 

こんなに胸がドキドキするのは初めてだ。少女漫画等であるありたいていな表現だが今の自分にはそんな言葉でしか言い表せない。

 

(もしかして私、彼氏いない歴=年齢から脱することができ・・・っ!?)

 

そして少年は口を開き、

 

「立花、俺の好みは寮の管理人のお姉さんであって、お前のような元気っ子じゃねえんだ。だからお前にはそういった興奮は覚えていないから安心しろ」

 

そんな事を笑って告げた。

だがこれは嘘である。この男、さっきから心臓が信じられないほど早く動いており、無防備な彼女を見て少しだけ『そういった感情』を抱きかけていた。だが、そんな事実を赤裸々に告白すればドン引きされ、彼女の誕生日に嫌な思い出を残してしまうがそんな事を認めるわけにはいかないため、『自分は紳士であって貴方に危害は加えませんよお嬢様(意訳)』と伝えた。

 

(よし、これなら立花も安心して眠るだろう!我ながら紳士な対応だったぞぉ!!)

 

そして自信満々に立花の顔を見ると・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほぉ」

 

絶対零度の瞳でこちらを睨んでいた。まるで腹を空かせた肉食獣の如く機嫌が悪くなっている。あと心なしか部屋の温度にも下がっている気がする。あ、鳥肌立ってきた。

 

「・・・当麻、ちょっとそこに座って」

 

「え、あの何故「座れ」ハ、ハイっ!」

 

そういって彼女から離れベッドの上で正座する。今の彼女に逆らうのは、ライオンに素手で挑むのと同じくらい無謀な事だと本能が警告している。

 

「もう一度聞くけど、ほんっっっっっとうに私で少しも興奮していないって私の目を見て言える?」

 

「あ、当り前だろ!何言ってんだよ急に・・・」

 

「ふーーーーん・・・」

 

まだ納得がいかないのかこちらを睨んだまま立花は、四つん這いでこちらに近づく。やばい、殴られる!と身構えようとした瞬間、

 

「えい♪」

 

「ふぁっ!?」

 

思いっきり抱きついてきた。上条の硬い胸板には、自分と同じ人間の物なのかと疑いたくなるような柔らかいものが当たっていた。抱きついてた時に彼女の髪はなびき、ふわり、と自分が使っているシャンプーと同じ筈なのにそれよりもいい匂いが鼻に広がった。女性の体温は男性よりも高いと言うのを聞いたことがあるが、本今の彼女は湯たんぽのように暖かかった。

 

「あ、あの立花さん!急にどうなされたのでせうか!?」

 

「・・・当麻はさっき、私じゃドキドキしないって言ったよね。でも、心臓の鼓動すっごく早くなってるよ〜。おかしいな〜」

 

「それは、その・・・」

 

「ほ・ん・と・う・に、私で興奮しないの」

 

耳元で喋られ吐息が掛かったために、ぞわわわと背中がむずがゆくなる。

ここまで近づかれると嘘をつくのは難しくなるので、正直に上条は小さな声でごめんなさい嘘つきました、とつぶやき返した。

 

「そっかー、当麻は私で興奮したんだーー。ふーん」

 

顔を耳から離しこちらの顔をニヤニヤと見始める立花。

 

「・・・なんでそんなに嬉しそうなんだよ」

 

「ふっふーーん、教えてあーげない」

 

そういって立花は上条から離れて、テーブルの下に落ちていたティッシュを渡す。礼を言って上条は鼻にティッシュを詰め込み、なんだかここにいるのはマズいと思い出て行こうとするが、今度は背中の方から抱きつかれたまま、ベッドの方に押し倒され抱き枕状態になってしまった。

 

「逃げちゃダーメ。嘘ついた罰として今日はこのまま寝ること」

 

「イヤイヤまてまて待ちな「残念待ちません、それじゃあおやすみなさい」おいお前男一緒に寝るとか正気か!?」

 

「ちなみに断れば未来にさっきのこと話すけどいいのかな〜?」

 

とてもいい笑顔で言ってきた悪魔のような提案にさすがの上条もしぶしぶ頭を縦に振ってしまった。

 

「・・・・・分かったからせめて服だけ着させてくれ」

 

いいよ〜、と妙にテンションの高い声で上条を離す。そのまま逃げずに替えのパジャマに着替える。寝る前に鼻血が止まっていた事は、立花に血が付着するようなことにはならず良かったことだと思いたい。

 

「・・・・・これでいいぞ。さあ煮るなり焼くなり好きにしろ」

 

「そんな事しないよー。それじゃあおやすみ~」

 

そんな声と共に上条を抱き枕にしながら今度こそ立花は目をつむり眠り始めた。後ろからスースーとかわいい寝息をBGMとし、上条もまた眠気には勝てずそのまま寝てしまうが背中にあたる柔らかいもの等のせいで浅い眠りになってしまい、微妙な寝不足のまま次の日の朝を迎えた。

 

 

 

 

 

夢を見た。暖かくて心地の良い夢を。

その温かさは、陽だまりのいい場所にいるのとは違う、まるで火に当たっているような温もりだ。

火は、人を温め、また闇を照らす光になることもある。だけど、火に近づきすぎると、火傷をしてしまうことや全てを燃やし尽くそうとすることだってある。

そして、私にとっての火は、陽だまりと同じくらい一緒に欲しいものだ。いつまでも、どこまでも。

だけど火は、いつでも私を照らし温めてくれるとは限らない。誰であろうとどこであろうと、私では無い何かを照らし、温め、時には燃やそうとする。

火よ、どうすれば一緒にいられるの。どうすればいつまでも側で温め続けてくれるの。

誰か教えてください、火の居場所に、なれる方法を。




誤字、脱字、感想等お願いいたします。

上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

  • 風鳴翼
  • 雪音クリス
  • 月読調
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  • マリア・カデンツァヴナ・イヴ
  • セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
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