戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
シンフォギアXD、どうやら今度はガメラとコラボするようですね。
とあるシリーズにも、砂鉄や炎の巨人や巨大ドッペルゲンガー等怪獣っぽいキャラもいますけど、何時の日かコラボすることを願ってます。
そして浜面、バトルキャラ実装おめです!なお本編の扱い・・・。
それでは第32話どうぞ。


第32話 防人の歌

7

『翼さん、今日立花からライブのチケットもらいました。本当にありがとうございます』

 

『そう、なら良かったわ。本当なら、あなたに直接渡したかったのだけど、ライブの打ち合わせやリハーサルやら、なかなか時間がとれなくてね。・・・やはり、あなたの学校に行ってでも渡すべきだったかしら?』

 

『もし仮に、俺のとこへ直接渡すことになったら、学校の男子全員から命を狙われることになるんで、気にしなくていいっすよ』

 

『どうしてそんなに、殺伐とした展開になるのよ・・・』

 

『男子の生態なんてそんなもんなんっすよ・・・。翼さん。俺、楽しみにしてますし、雪音も連れて絶対に行かせてもらいます』

 

『ええ。楽しみにしてくれ上条。そして、約束通り私の歌を聴いてくれ』

 

『はい!』

 

 

 

 

「って約束したのに、もうすぐ開演時間じゃねえかぁぁああああああ!!!!??」

 

学校を飛び出し、夕焼け空が消え、大人の時間である夜の幕が上がりはじめる頃、上条当麻は汗だくになりながら全速力で街を駆け抜けていた。

本来なら学校の授業は終わった時点では余裕を持ってライブ会場に赴けるはずだったのだが、あの日から毎日雪音クリスと同じ布団を使うようになり、以前よりも寝不足酷くなっていたのだ。そのせいで今日という大切な日の授業中に居眠り、しかも自身の担任でありどこからどう見ても小学校低学年にしか見えない女性を泣かしてしまった事と、ここ最近の低い出席率のせいで、居残り補習となってしまったのだ。そして補習が終わったのは、ライブ開始の1時間前、さらに会場までは走ってもギリギリ間に合うか否かの時間であった。

 

(翼さんの出番は真ん中らへん。多分このまま行けば間に合う筈だけど・・・)

 

ただ先程から信号に足止めをくらうは、車に轢かれそうになったり等、到着時刻が先程から延びているのだ。

 

「確かここ曲がれば・・・」

 

独り言をぽつりと呟き、スピードを上げようとすると、足が止まってしまう。

そうなってしまったのは、信号待ちをするというのもあったが、一人の女性に視線が釘付けになってしまったのだ。

ベージュ色の修道服といった見たことのない服装に、自身の腰の長さまである金色の髪、エメラルドのような深い碧眼の外国の人。

ここまでのその女性の感想は少し変わったコスプレイヤーであるが、何故かは分からないが上条はその女性がここに居る事に違和感を覚えた。

まるで雛壇の一番上がお内裏様とおひな様ではなく、西洋人形が居座っているような、そこに居ること自体が間違いのような感覚、それなのに誰も彼女に目を向けずに歩いて行く。そんな異様な光景に違和感を覚えざるを得なかった。

そんな彼女に視線が釘付けになっていると、その女性(ヒト)はこちらを向いた。

 

「・・・・・・、」

 

「っ!?」

 

その綺麗な碧眼がこちらを見た瞬間、金縛りにあったように体が動かなくなった。

それは、あまりの美しさに見とれてしまったからなのか、それともなにか別の感情が働いたからなのか。ただ、動くことが出来ず、女性(ヒト)はゆっくりと近づいていくる。

そして、上条との距離が腕一本まで近づくとその女性は口を開いて、

 

「・・・こんばんは。今日は綺麗な満月ですかね?」

 

「・・・あ、ああ。どうもこんばんは。満月かどうかはわからないですね」

 

女性の口から出てきた不思議な質問にも面食らったが、それ以上に彼女の日本語はあまりに綺麗で、長く暮らしているのではないかと考えてしまうものであった。

その女性は、上条の返答にはさほど興味を持たなかったようで、

 

「そう。もし満月が見えたのなら、ついでにウサギの餅つきでも見られるのかなって期待したのだけどね・・・」

 

「・・・それは、残念ですね」

 

「そしてそこにいるウサギ達を捕まえて、お餅と一緒に煮込んで食べてみたいわね~」

 

「唐突にとんでもねぇこと言いだしたぞこの人!?」

 

メルヘンチックなことを言い出したかと思えば急に真逆なことを言いだし、上条はひいてしまう。

その反応にむぅっと頬を膨らますような表情をしだした。

 

「失礼ね。ヒトが生きていく上で食事は必要なことでしょ。それとも君は、霞を食べて生きている仙人なのかしら」

 

「うっ!それは・・・」

 

「まあでも、ウサギのお肉って軟らかくって思っている以上に食べちゃうことってあるわよね」

 

「『あるわよね』って賛同求められても、俺食べたことないんですけどっ!?」

 

「あらあら、あんなおいしいもの食べたことないなんて。君の人生、少し損をしているわよ」

 

「そこまで言うのかよ!?」

 

あまりのマイペース加減について行くことが出来ず、ツッコミに回っている上条だが時間がないことを思い出し、会話を終わらせようとする。

 

「悪い、俺急ぎの用事がるんだ。用がないんだったらもう行くぞ」

 

「あら、つれないわねぇ。余裕を持てない男はモテないわよ」

 

「うるせぇ、人が気にしてること言うんじゃねぇよ。じゃあな!」

 

「ええ、さようなら。・・・もしもまた会えたら、今度はゆっくり話しましょう」

 

女性の言葉に返答せずに、信号が青に変わったと同時に少年は走り出した。

目的の会場までは、あと少し。

 

 

 

 

 

 

8

「ハァハァ、やっと、ついた・・・」

 

あれから走り続けて10数分、息を切らしながら上条はライブ会場へとたどり着いた。そしてそこは、ある意味では始まりの場所とも言える場所であった。

 

(・・・・・もうあれから2年、か・・・)

 

立花響と知り合いになって、ノイズに襲われて、そして天羽奏に助けられた場所であった。そしてこの場所で復帰ライブを行うとは、神様はいたずらに賽を振る存在なのだと感じざるを得なかった。

立花達は先に着いてるのか一度も顔を合わすことはなく、自分とは席が近かった事を思い出し、彼女たちを目印とし自分の席を探し出す。

そして、両手にサイリウムを持ち、いつものような落ち着いた雰囲気ではなく、とても興奮した様子の立ち見をしていた小日向未来を見つけた。

 

「小日向、悪い遅れた!」

 

「当麻当麻!見て見て、テレビでしか見たことない人が歌ってるんだよ!」

 

「おおー、ほんとだな。今歌ってるのだって一一一(ひとついはじめ)だし、有名人ばかりだなー」

 

「このライブって元々チケットの倍率凄いことになってたんだけど、翼さんの復帰ライブになるって決まった瞬間、もっと高いものになってたからね!もうほんとっ、翼さんには感謝しなくちゃっ!」

 

「そうだな。・・・あれ、立花と雪音は?」

 

「ええっと、実はね・・・」

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁあああああッッ!!」

 

「おいッ!射線に入んじゃねぇ、撃ちにくいんだよッ!!?」

 

「わわ、ごめんッ!」

 

銃弾と拳が打ち込まれる音が響き渡る。その中心地帯にいるのは立花響と雪音クリスであった。

本来ならライブ会場にいる彼女たちは、そこから離れた場所でノイズの殲滅をしていた。

次々と湧き出てくるノイズ達に、雪音は悪態をつき始めた。

 

「クソッ!あのデカいのを潰さねぇと、このうざってぇ大名行列は終わんねえぞッ!?」

 

「クリスちゃんってさ、すごく独特な言い回しをするよねぇ」

 

「やかましいッ!てか、お前以外と余裕だな!?」

 

「だって、私だけじゃなくてクリスちゃんがいるんだもん!一人だけならちょっと心細かったけど、二人ならなんとか出来る気がするんだよ!!」

 

「ッ!?・・・そう、かよ」

 

「あれぇ、もしかし照れて「うるせぇ!今は前に集中しろこの甘ちゃん特攻バカがッ!?」ぎゃぁああ!!こっちに向かってミサイル撃ち込まないでぇぇええええ!!!!??」

 

「それが嫌なら集中しろッ!? あいつの堅さはあたしのアームドギアじゃぶち抜けねぇ。今この場であのデカブツを一撃でぶち抜けるのは、お前だけなんだぞ!それに、もしここであたしらが負ければ・・・ッ!」

 

「・・・翼さんや当麻が戦う事になる。・・・そんな事はぜっったいにさせないッッ!!」

 

確かに風鳴翼は、この国を守る一振りの剣なのかもしれない。上条当麻だって、助けを求めたら駆けつけるに違いない。

でも、今この時だけは、彼らを戦わす訳にはいかない。片翼を失ってもトップアーティストとして、歌い続け、その歌を待ちわびている人たちの為に歌うと決心した思いを、本来なら戦わせること事態が間違っている少年の当り前(日常)を、壊すようなことをさせてはいけない!!

 

「分かってんなら、お前はあいつをぶん殴る事だけ集中しろ。それまでの時間くらいあたしが稼いでやるッ!」

 

「分かった!それじゃあ、背中は任せたよ、クリスちゃんッ!!」

 

 

 

 

 

「・・・じゃあ、あいつらは今も・・・・・」

 

「うん。クリスは途中まで一緒に居たんだけど、ノイズが出てきたからそっちへ向かったの」

 

「そうか・・・」

 

正直なとこ、なんだかおいてけぼりにされた感が強いが、これは彼女たちの思いであり、こうして戦わない事が当り前なんだと上条は思った。だが、彼の顔はそれに納得していない表情をしていたようで、そんな彼をなだめるように、小日向は話しかけてくる。

 

「・・・大丈夫だよ、当麻。私たちの親友は、弱くなんかない。親友である私たちが、今も人知れず戦ってる響達のことを信じてあげないで、誰が信じるの?」

 

「それは・・・」

 

「こうして戦ってる響達を応援しながら待つことも、ある意味では一緒に戦ってることになるんだって、私は思うよ」

 

「・・・お前は、やっぱり強いな」

 

「そんなことないよ。私にも、響達のような力があれば一緒に戦いたいって思ってるもん」

 

「俺も同じだよ。俺には右手(こいつ)があるけど、正直な所、もし貰えるのならシンフォギア適正のほうがよかったな、って思うよ」

 

例え力があっても、資格が足りえなければ前に出たところで足手まといになるだけだ。今まで怪我はあっても死ななかったのも、ある意味では幸運と呼べるものである。

忘れてはいけない、上条当麻は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことを。

そして今この場には、もう1人同じ立場の人がいることを忘れてはいけない。

 

「ほら、当麻。翼さんの歌始まるよっ!」

 

小日向の言葉を耳にしたと同時に、現実に意識が呼び戻された。ステージ上には、人を守る防人としてではなく、人に勇気や希望を与える歌女として、剣ではなくマイクを持つ、風鳴翼が現れた。

翼の登場と共に会場のボルテージは一気にMAXになり、いよいよ、青き歌姫によるライブの幕があがる。

 

軽快なリズムと共に、先日行ったカラオケ屋の何万倍の大きさのスピーカーによって歌声が会場全体に響き渡る。彼女の歌が始まると、ほとんどの人が席を立ち、同じようにサイリウムを振る姿を見ていると、一つの大きな繋がりができはじめているように感じた。

それは、二年前の時と同じような感覚であった。あの時も、ツヴァイウィング(あの二人)の歌を聴いていると、自分と自分以外の誰かが、同じ感情を持ち、同じように興奮していた。

 

翼は歌いながら、今までに感じたことのない高揚感を覚えた。そして、久しぶりに歌うことが楽しくて気持ちが良い事なんだと思い出した。

あの日から、ずっと一人で片翼のままで歌い続けていた。今みたいに楽しいと思うことは出来ないと思っていた。

でも、またそう思うことができた。親友が守り抜いた二人と出会い、そこから新たな繋がりを持つ事が出来た。

少女は思い出す、自分がとても歌が、誰かに歌を聴いて貰えることが大好きであったことを。そして、それを思い出させてくれた人たちに感謝の思いを込めて、歌はいよいよクライマックスを迎える。

 

 

もう二度と飛べないと思っていた片翼の鳥は、新たな翼を経て、もう一度羽ばたき始めたのだ。

 

 

そして、歌は終わり、それと同時にオーディエンスからは今までにない歓声が湧き出てきた。

 

「ありがとう、皆ッ!!こんなに気持ちよく歌えたのは久しぶりだ・・・ッ!」

 

感謝の言葉を伝えながら、目はあの少年達が来ているかを探していた。ここからはでは見つけることは出来ないが、彼らは、いや、ここにいる全ての人が私のことを見てくれて居ると信じて、自分の思いを伝えたかったことをマイクを通して伝える。

 

「実は今、海の向こう側でも歌わないかってオファーがかかってるんだ。・・・自分が何のために歌うのかずっと迷っていたけど、今の私はもっと沢山の人に歌を聴いてもらいたい。言葉は通じなくても、歌で通じ合える物があるのなら、世界中の人に歌を聴いてもらいたい」

 

大勢の観客はそれに賛成するように、サイリウムを振り、歓声を上げている。

 

「私に歌が、誰かの助けになると信じて、皆のために歌い続けていた」

 

そして、青き歌姫は一人の、年相応の少女としての言葉を言った。

 

「我が儘と言われるかもしれないけど、皆の中に自分も加えて歌いたい。・・・それが私の、たったひとるの我が儘(お願い)だ」

 

(許してくれるかな、奏)

 

心の中で、もう一つの片翼に願うように呟く。

すると、翼の後ろのほうから、

 

(許すさ、当り前だろ)

 

 

「ッ!?」

 

後ろを振り向くが、誰も居ない。でも少女の耳には、確かに天羽奏の声が届いていた。

 

 

 

「・・・翼さん、後ろの方を振り向いたと思ったら、なんか泣いてないか?」

 

「え、そうかな・・・?」

 

「ほら。笑って手を振ってるけど、目から涙が流れてるだろ」

 

「うーーん・・・、わかんないや」

 

「そっか・・・」

 

まあ、後でテレビやら新聞でも見れば分かるだろう。そう思い自分もサイリウムを振り出すと、

 

(ありがとな、上条)

 

「えっ!?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、天羽さんの声が聞えたような・・・」

 

「?・・・気のせいじゃないの」

 

「そう、なのか・・・」

 

気のせいとは思えないほど、あの時のように優しい言葉が、確かに少年の耳に届いていた。

こうして、とある少年少女達の活躍により、歌姫の復活のライブは大成功にて幕を閉じた。

 

 

 

 

 

「いやー、すげえ歓声だったなーー」

 

一人で家路につきながら今日の出来事を思い出す。キラキラと光ってまぶしくて、目をつむればさっきまでの記憶が浮かび上がっていた。

ただ一つだけ、残念だと思うのは、

 

(立花と雪音も、一緒に見ることが出来ればよかったなぁ・・・)

 

雪音はどう思っているのか分からないが、筋金入りのファンである立花は見に行けなかったことを残念に思っているだろう。そのため、今日の小日向はライブのことを聞かれまくられ、眠ることは出来ないな、と心の中で、ご愁傷様っと祈った。

もう雪音は家に帰っているのだろうか、今日はとても頑張ってたからなにか甘い物でもかうべきであったかと悩みはするがもう家は目と鼻の先であった。

 

(・・・明日学校終わったら、どこか遊びにでも行くか)

 

そんな風に明日の予定を考え出すと、小さく白っぽい髪の毛の少女がこっちに向かって走ってきた。

その正体はすぐにわかった。

 

「おー雪音、おつk「カミジョーッ!無事かッ!?」っておいどうしたいきなり抱きついてきて!?」

 

「良いから来いッ!お前の家が・・・ッ!?」

 

「家がどうか・・・」

 

雪音に引っ張られ、自分の部屋が見える場所まで行くと、そこで見えたのは・・・。

 

 

半壊状態となっていた自分の部屋であった。




誤字、脱字、感想等お願いいたします。

上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

  • 風鳴翼
  • 雪音クリス
  • 月読調
  • 暁切歌
  • マリア・カデンツァヴナ・イヴ
  • セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
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