さぁアンケートで一位だった未来さんの短編小説です。ほんと強いな未来さん・・・。
またこの話には軽度のキャラ崩壊があります。あらかじめご了承ください。
それではどうぞ。
とある事件の後、上条当麻は小日向未来と話す機会が増えた。
初めの頃は2人きりで話していると、独特な雰囲気を感じいていたが、今ではそんなものは感じず、気を抜いた表情をする回数も増えた。
そして今、上条と小日向、そして立花響の3人はファミレスのスイーツフェスタを楽しんでいた。
「「ん〜、美味しい~~♡」」
「・・・・・、」
スイーツを食べていたのは女子二人で、残った男子は至高のドリンクバーのみを注文。おいしそうに食べている彼女らのスイーツの味を想像しながら、コーラを飲んでいた。
じーっと自分たちのことを見ている少年の視線に気がついた小日向は、
「当麻、もしかして一口欲しいの?」
「ん。別に要らねえよ」
「じゃあ、さっきから私たちのことずっと見てるけど、どうしたの」
「あー、いやなんて言うかさ・・・」
自分の思いをどう言葉にするか考えて、上条は笑って言った。
「小日向。お前なんか(雰囲気が)丸くなったな」
ビキリ、と。上条達を中心に空気が固まる音が聞えた気がした。
甘く幸せな世界が、この世の地獄の果てかと思えるような最悪な場所へと変わっていくのを、立花は感じていた。
こんな顔の親友は見たことがないが、これはマズいと立花は隣の親友が動く前に先に話しだした。
「こらこらこらこらこらぁッ!!当麻!女の子に向かって何言ってるのっ!!?」
「え、だから丸くなったなって・・・」
「それはオブラートに包んだ表現かもしれないけどね、ぜっんぜん包めてないんだよっ!?」
「?包むどころかそのまま思って事を言っただけなんだけど」
「なおたち悪いわぁ!!」
頭の中が?だらけになっている上条と、その様子にツッコミながら怒りゲージが貯まってきている小日向の板挟みになった立花の心労は刻一刻と増えていく。
「お前あいつの幼馴染みだろ。ここ最近の小日向のヤツ変わったって、お前が一番分かってんだろ立花」
「ちょっっとぉおおお!!??こっちにとんでもないキラーパス跳ばさないでよぉぉおおおおおおお!!!???」
「・・・・・響も、そう思ってるの?」
血管を浮かび上がらせ笑いながら小日向は立花の意見を聞こうとする。
「ひぃっ!?わ、私は・・・・・」
「なーに言いにくそうな顔してんだよ。お前も言えば良いじゃん」
「え、あぁ・・・」
言えるわけがない。仮に、そんな風に思っててもそれは言って良いものではない。
少しでも気を緩むと目から水が流れそうになる。
もうダメだぁ、おしまいだぁ。そう思った彼女に救いの光が差し伸べられた。
「ほら、お前も思ってんだろ。
「へ」
「え!?・・・あ、ああ!!そうそう、私もそう思ってたんだよねっ!!」
小日向の顔は呆け、立花は勝機を零すようなことせず、すかさず上条の言葉に賛同した。
「なーんだそうだったんだ。ごめん、ちょっと私勘違いしてたよ~」
「間違いは誰にでもあることだから、気にしなくて良いよ未来!」
「てか、小日向はどうかんち「当麻ー!これおいしいから食べてみなよっ!」もごっ!!」
一口サイズとは言えないケーキの塊を上条の口にぶち込み、無理矢理黙らせる。これ以上余計なことを言って話を戻すのは良くない。
そうして小日向の怒りは収まり、甘く幸せな世界は戻ってきたのであった。
そしてその後、小日向は自宅にて。
「・・・響や当麻はああ言ってたけど、本当に勘違い、だよね・・・・・」
お風呂上がり、洗面所にて体重計を起動させていた。
それはある意味乙女の天敵でもあり、自分を知るための鏡のような存在であった。
「・・・だ、大丈夫。部活止めてまだ一ヶ月も経ってないしそんなには・・・・・」
恐る恐る体重計に足を載せる。
そして、ピーという電子音の後。
甲高い悲鳴が小日向家から鳴り響いた。
そして一週間の時が経った。
「・・・あいつなんか変わったよな」
「・・・うん。やっぱりそうだよね」
「・・・・・、」
モグモグと。二段弁当の上の弁当箱いっぱいに詰め込まれたドレッシングで彩られていない緑黄色野菜のサラダと下部分には薄い塩の味がする蒸し鶏(部位:胸)を食べていた。
おいしくも、マズくもなさそうな表情で、ただただ無心で食べている。
ここ一週間の小日向未来の昼食、いや全ての食事はこんな感じである。
「・・・なー立花。もしかして小日向のヤツh・・・・・」
「当麻、それ以上言葉を発するのと本気ビンタか首を絞めあげるよ」
「ひっ!?」
無表情なのに、怒っていることがよく分かる小日向の視線が上条を射貫く。
立花はヤレヤレといった表情をとりながら、小日向の心配をする。
「未来、それだけで本当に足りるの?」
「大丈夫。部活も止めて、食べる量も減ってるからね」
「そう・・・・・」
そう言う割には顔色はほんの少し悪いが、本人が大丈夫だと言っているのでそれ以上は何も言わなかった。
一方、小日向を怒らせた上条は謝罪も込めて自分の弁当のおかずである筑前煮の里芋をあげる。
だがその里芋を上手く飲み込めず、喉に詰まらせてしまう。
「!?!?!?」
「おい、大丈夫かっ!?」
「ああ水、水!?」
立花は小日向のカバンから水筒を探し出し、上条は彼女の背中をさすりだす。
すると。
ぷち、っと小日向のブラジャーのホックが外れる感覚が上条の指(少年は気づいていない)に伝わった。
「っ!?」
その途端無言で拳を握りこみ、上条のお腹の真ん中めがけて容赦なく突き刺した。
ずどむっ!ととんでもない音と共に上条の体はくの字に折れ曲がりそのまま床に転がり込む。そして小日向は、詰まった里芋を飲み込み、そのまま化粧室に走りこんだ。
「な、なんで急に・・・」
「・・・今のは当麻が悪い」
立花は自分の胸を隠すように、腕をクロスに交差していた。
「今日は一人、か・・・」
学校は終わり、小日向は一人家路へと足を進める。
立花は風鳴翼のCD購入のためそのまま町へ出かけ、上条は日直の仕事のためにまだ学校にいた。
(ちょっと走り込んだ方が良いかな?よし、帰ったらトレーニングウェアをだして・・・)
帰ってからの予定を立てていると、急に世界が暗転する。
それと同時に身体の力が抜けていく。
(え。あれ、一体・・・・・)
とっさに受け身を取ったが、それが限界だった。
そこから先、意識を保つことは出来なかった。
「う、ううん・・・。あれ。私、浮い、てる?」
「よお。目、覚めたか」
「と、当麻!?」
目が覚めた小日向は上条におぶられていた。急に宙に浮いている感覚に驚きながら、自分の身になにがあったかを思い出そうとすると、
「お前、道端で倒れてたんだぞ。ったく、無茶なダイエットすっからこうなんだぞ」
「う!?・・・そ、そう言われても気になる物は気になっちゃうし・・・・・」
「いや、お前全然太ってないぞ」
「はぁっ!!?」
急に乙女の地雷を躊躇いなく踏み抜いた上条の耳元で小日向は叫ぶ。
「!?テメェ、いきなり耳元で叫ぶんじゃねえよっ!!」
「当麻が変なこと言うからでしょっ!?」
「だって、お前全然重くねえし、これ以上軽くなったらそれの方が心配だっつうの」
「っ!・・・・・」
自分が気にしていたことを少年は気にしていないと言うの聞いて、顔が赤くなった。
「てか、何で急にダイエット始めたんだよ?」
「・・・当麻のせいだよ」
「はぁ?なんで」
「この前、『丸くなった』って言ってたじゃん。当麻や響は違うって言ってたけど、本当は身体が丸くなったって思ってるのだと思うと・・・」
「あぁ、そりゃ悪かった」
自分の言った言葉に体して素直に謝る。男同士の付き合いと男女の付き合いはこうも違うものなんだと実感する。
「言葉一つでここまで重く捉えちまうなんて、やっぱ男女の付き合いって難しいな」
「うん、だから次からは気をつけてね。もしもっと重く取っちゃう
「分かったよ。でもお前も無茶なことすんなよ。男はな、女の子が思ってるよりムッチリしてるのが好きなんだぜ」
「当麻、それフォローになってないからね」
その言葉を聞いた小日向は、上条の首に腕を巻きつけ力を加えていく。
「ちょ、く、苦しい。じゃ、じゃあいつものお前のままでいてくれならどうでせうか・・・」
「・・・それなら普及点かな」
そう言って小日向は力を弱め、少年に体重を預けていく。
「あの姫、ちょっと背中に何かがあたってるのでせうが・・・」
「!?何意識してんの変態っ!!」
「ば、バカ暴れんな!!落としちまう・・・ッ!」
バランスを取りながら、何とか小日向を落ち着かせようと言葉をかける。
「だ、大丈夫。お前のはちっちゃいからそんなに体重かけなきゃそんなに気にs」
「当麻」
重く、低い声が小日向の口から漏れる。
小日向は顔を上条の耳元に近づけ、ゆっくりと言った。
ぶ・ち・こ・ろ・し・か・く・て・い・ね。
それと同時にまた上条の首に腕が巻き付けられ先程よりも強い力で締め上げられた。
「く、苦しい・・・ッ!?」
「もう絶対許してあげないんだよ・・・ッ!!」
「ちょ、ま。・・・不幸だーーーッ!!!!」
今日上条が学んだこと。
女の子の前で身体の話をするのはできるだけ止めておこう。
誤字、脱字、感想等ご報告お願いいたします。
上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)
-
風鳴翼
-
雪音クリス
-
月読調
-
暁切歌
-
マリア・カデンツァヴナ・イヴ
-
セレナ・カデンツァヴナ・イヴ