戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
行間という名の過去回です。
本編はもう少しお待ち下さい。
それではどうぞ。


行間一

「・・・へいき、へっちゃら・・・・・」

 

家族(私達)を置いて消えた父が教えてくれたお呪い(おまじない)を呟きながら、少女は自分の机に書かれた落書きを消していく。

消えたことを恨みながらも、それに縋るように呟く自分はどれだけ惨めな存在なのだろうと少女は心の中で自虐的に嗤う。

どれだけ雑巾で拭いても、油性マジックで書き記された罵詈雑言の類いは消えはしない。

何度も、何度も拭いても文字は滲むことさえしなかった。

ここ数ヶ月、何度消しても増えていく落書き含めた虐めの数々は、少女の心を切れ味の悪いナイフでゆっくりとだが確実に切り刻んでいた。

けれども少女の心が折れなかったのは、昔からいつも一緒にいてくれた幼なじみと。

 

「お、まだ帰ってなかったのか立花」

 

「当麻くん・・・」

 

最近出来た新しい友達がいたからだ。

 

 

 

「結局落書き消えなかったな・・・」

 

「まぁ新しい机に変えて貰ったんだしいいんじぇねぇの?」

 

「でも学校のって古いのばっかりだからあんまり変わんないかも」

 

「油性マジックで書かれたら中々消せないもんなぁ・・・」

 

学校の先生に頼んで今学期3()()()の机替えを行った立花は、上条と共に帰宅していた。

三度目というのに嫌な顔一つせずに変えてくれたのは良かったが、あまり長く続くのはさすがにマズいと感じてはいたが、どうすればそれを止めることが出来るかは、思いつくことが出来なかった。

でも、それでも何とかやっていけるとは思うことが出来た。

 

「そういや今日のニュース見たか?例の脱獄囚が隣町に潜んでるってヤツ」

 

「うん。確かひの、火野・・・。火野何とかって怖い人の話でしょ。私も見たよ」

 

「何十人も殺したようなヤツを怖い人って感想で片付けるって、お前すごいな」

 

「じゃあ当麻君はどう思ってるの?」

 

「絶対に会いたくない人間」

 

「似たようなものじゃん」

 

こんな何気ない会話が、今の彼女の小さな癒しである。

今日も辛いことがあったけ、こうやって一緒にいたい人といる時間があれば、明日も頑張っていけると思う。

だからこれからもずっと一緒に居てくれるのが当り前だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうそう。俺、来月には転校するって事になったから」

 

「――――――――え」

 

ずっと一緒にいてくれるのが当り前だと、この時まではそう思っていた。

 

 

 

 

 

「おかえりなさい響」

 

「・・・ただいまお母さん」

 

「・・・どうしたの?何か嫌なことでもあったの」

 

「ううん、何にも、ないから・・・・・」

 

玄関の前で用事をしている母の声を聞いて、自分がいる場所が家であることだと気がついた。それに気がつけないほど呆然としていたのだと驚きながら家に入ろうとすると、チクリと足に違和感を覚える。

 

「響!?早くどきなさい!ガラスを踏んでるのよっ!!」

 

「・・・あ」

 

足から流れる赤い液体が血であると認識するのに時間がかかった。そしてようやく、違和感の正体が痛みだと気がついた。後ろを振り向くと、ガラスがはめられていた筈の扉が粉々になっていた。

 

「ごめんね。痛かったよね・・・っ!」

 

「・・・・・」

 

そう言って少女の母親は彼女を抱きしめた。

だが少女はそれに対して反応することが出来なかった。

痛みで涙を流すわけでもなく、母の温もりにも何も感じる事なく。

ただ。

 

 

 

(・・・私、やっぱり呪われてるんだな)

 

 

そう思うことしか出来なかった。




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上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

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