戦姫絶唱シンフォギア IB   作:ドナルド・カーネル

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どうも作者です。
評価バーが赤になりましたが、中々書く暇が出来ずに更新が滞っている状態ですなんとか月に二回か三回は更新できるよう頑張ってみます。
それでは番外編どうぞ。
7/26追記:久しぶりの投稿で設定のいじり方を間違えて投稿した話が見れないようになっていました。本当にすみません。


ありうべざらかる物語の始まり

1

『あの子か。ヴァルベルデで行方不明になっている音楽家の子供は』

 

『出国前に風邪をひいいて一緒に行けなかったんだよ。運が良いのか悪いのか・・・』

 

『それで誰がこの子の面倒を見るんだ?』

 

『あの二人親も兄妹もいないから、施設に行くしかないだろ』

 

『ぱぱ、まま・・・』

 

写真とバイオリンを模したおもちゃを抱えて、白い髪の毛を持つ少女は一人泣いている。

周りにいる大人達は彼女の事を話ながらも、彼女の事を見てはいなかった。

周りをみる余裕がないほど泣いているのか。

それともそれが今、大人(あの人)達のやるべき事を邪魔してはダメなんだと思ってなのか。

少女も、誰かに助けを求めたりはしなかった。

涙をで滲んだ視線には、誰も映ったりはしない。

 

『きみ、だいじょうぶ?』

 

ただ、心配そうに尋ねる声はハッキリと聞えた。

 

 

 

 

「・・・夢、か」

 

カーテンから差し込む朝日がまぶしくて、目を覚ます。

懐かしくて、悲しくて、なのにそれ以上に嬉しいと思える夢。

それを見るのが嫌だとは思わないし、かといって何度も見たいとは思わないも、不思議な夢。

ベッドから体を起こし、目を擦る。元々起きる時間よりまだ早く、もう一眠りしようかと考えてると。

 

「やべーーッ!!姉ちゃん遅刻だ!!」

 

ドダバタッ!!と奥の方から騒がしい声が聞える。目覚まし時計より騒がしい音により眠気は消え、バタンッ!と勢いよく部屋の扉が開かれる。そこにはおろしたての学ランに赤いシャツ、わざとツンツン頭になるよう髪をセットする少年の姿が見えた。

 

「姉ちゃんなにのんびりしてんの!?俺の所もうすぐ始業式始まる時間なんだけど、姉ちゃんとこの学校もヤバいんじゃねえの!!?」

 

「・・・とりあえず、異性の部屋に入るときはノックするようにって話は何時分かってくれるのかな?あと、わたしは学校もうちょっと後だから急がなくてもいいの。だから・・・」

 

「遅刻かもしれないの、俺だけ・・・・・?」

 

「そういうことだね」

 

「・・・ああもう、朝から不幸だーーッ!!」

 

扉を力尽くで閉め、外に出て行く声が遠く消えていく。

同居人の騒がしさに頭を抱えながらも、口元はすこしにやけていた。

ベッドから離れ、部屋の机に立ててある二つの写真の片方を手にする。

そこには、白い髪の小さな女の子と、彼女と同じ髪色の女性、そして彼女と似た笑みを浮かべる男性が写っていた。

 

「・・・パパ、ママ。今日も頑張ってくるね」

 

そう微笑んでから写真を元に戻して、()()()()()()、上条クリスは学校へ行く準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

2

「それじゃあ、二人の入学を祝して」

 

「「「カンパーーイ!!!」

 

放課後のファミレス、学生達の騒音に負けない位の嬉しそうな声が聞える。

そこにはツンツン頭の少年、長い銀髪の髪を持つ少女、大きな白いリボンが特徴の少女達がいた。

 

「改めて、二人とも入学おめでとう」

 

「ありがとうございます、クリスさん」

 

「おめっとさん小日向。てか、一人暮らしとか大変なんじゃねえの?」

 

「大丈夫だよ上条君。寮暮らしだから学校の同級生いるし、何かあったらクリスさんに相談するから大丈夫だよ」

 

小日向はそう言って、ほんわかとした笑みを浮かべていた。だけどなぜか憂いの表情も見受けられて。

 

「・・・もし、()とも一緒にいられたのなら、もっと楽しかったんだろうな」

 

その言葉を放ったと同時に、上条達の空気が冷え固まった。それは、本当なら小日向未来の隣に座っていたかもしれない少女の事を指していた。それは言うべきではないと気がついたのはそれから数秒後、慌てた様子で謝ろうとするがそれよりも先に上条が話をし始めた。

 

「気にすんな小日向。あいつは元気に生きてると思うよ。それに、ここにいればまた会えると思うし」

 

「会えるって、響に会ったことがあるの!?」

 

「俺が会ったんじゃなくて、姉ちゃんが会ったんだよ」

 

「ぶっ!!」

 

上条当麻()からのキラーパスのせいで口から思いっきり、ジュースを噴いてしまう。

口を拭きながら上条クリス()は慌てた様子を見せていた。

 

「と、当麻。それは誰にも言わないって約束したよね!?」

 

「響に会ったって、本当なんですか!?」

 

「ちゃんと話すから落ち着いて未来ちゃん」

 

弟を軽く睨みながら、横で自分の肩をつかみかかって話を聞きに来る小日向をいったん落ち着かせて事の一端を話し出す。

 

「会ったって言うのはちょっと違って、アルバイト中に見かけたことがあるって話なんだよ。その時見た響ちゃんは、私の知ってる響ちゃんと違う雰囲気だったから、響ちゃんだって気がついたときにはもう・・・」

 

「そう、だったんですか・・・」

 

「あの時、私がすぐにでも気がついてたら、もしかしたらここにいたのかもしれなかったのに・・・。ごめんなさい、未来ちゃん」

 

「あ、謝らないで下さい!私、怒ってなんかいません。それどころか、感謝しています。この街にいれば、いつか響に会えるんだって分かったんですから」

 

先程の曇った顔から、温かい日向のような笑みへと変わった。それを見た二人も、優しい笑みへと変わっていた。

そして、クリスは上条の口を引っ張りながら、

 

「もう、なんでこのことすぐ言っちゃったのよー」

 

「ひ、ひぃひゃねえか。こひぃにゃたにはいっときゃなきゃりゃめだとおみょってちゃひ・・・(い、良いじゃねえか。小日向には言っときゃなダメだと思ってたし・・・)」

 

「だからって会ってすぐ言わなくても良かったのに~~」

 

引っ張ってはいるが力は込めておらず、端から見れば姉弟(きょうだい)によるスキンシップのようであった。

その様子を見ていた小日向が先程の会話で疑問になっていたことを問いかけてみた。

 

「そういえばクリスさん。さっきアルバイトをしているって言ってましたけど、どんなアルバイトをしてるんですか?」

 

「え、えっと。人の役に立つものかなぁ・・・」

 

「そう言って姉ちゃんいつも誤魔化してるけど、いい加減も教えてくれてもいいんじゃねえの?」

 

「そ、そのぉ・・・」

 

冷や汗をかき出し、余裕がなくなってきたなと感じ始めた瞬間、ポケットの中にある携帯対が震え始めた。

内容を確認すると、彼女の顔は余裕のない表情ではなく、真剣で何か使命を帯びた顔つきになっていた。

 

「二人ともごめん。私ちょっとアルバイト頼まれちゃったから行ってくるね。それと当麻、今日のお金はここからだしといて。もし残ったらあとで私に返してね。それじゃあ行ってくる」

 

そう言って上条に封筒を渡し、クリスは急いでアルバイト先へと向かった。

 

「結局聞けずじまいか」

 

「なんだかせわしなかったねクリスさん。大丈夫だろ」

 

「アレもいつものことだし、いつもちゃんと帰ってきてるから大丈夫だろ。それより俺イタリアンプリン頼むけど、小日向も何か頼むか?」

 

「じゃあ私は・・・」

 

そうして二人はデザートを平らげたのちに、入学祝いはお開きとなったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

3

「ああ、疲れたぁ」

 

空の色が太陽の明るさが映える青色から、星の瞬きの美しさを阻害しない青へと変わった頃。クリスは一人家路に着いたいた。ただし髪は少しボサボサで顔や服には土埃が付いており、明らかに何かあったとしか言えない状態であった。

 

(最近()()()()の発生率が高くなっているな。私と()()とで今は何とかやれてるけど、あの子いつも手伝ってくれる訳じゃないし、前任者は行方不明のままだし、このままだとマズいよね・・・)

 

悩み事に頭を抱えながらも、そろそろ家に着くので同じ家に住む住人に悟られないよう頬を叩いて悩みに凝り固まった表情をほぐした。

 

 

 

「ただいまー。当麻、帰ってるの?」

 

リビングの方に足を運ぶと、テレビを見ていた弟の姿が映った。

 

「おかえりー姉ちゃん。ノイズが発生したみたいだけど、大丈夫だったか?」

 

「うん。アルバイト先のほうじゃなかったけど、一応避難したからこっちは大丈夫だったよ」

 

「でもその割には顔や服が汚れてるし・・・」

 

「逃げてるときに汚れただけだから大丈夫だよ」

 

「そっか、なら良かったよ。・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「・・・・・」

 

悲しく、辛そうな言葉と表情を出した弟を見て、姉は弟の方へ近づいて。

 

「・・・大丈夫だよ、私は消えたりしないから。大切な家族を置いて何処へも行ったりもしないから」

 

そう言って優しく弟を抱きしめた。ギュッと力を込めて、肌身を通して優しく温かさを感じる抱擁であった。

 

「でも、立花は・・・」

 

「響ちゃんが消えたのも、当麻のせいじゃない。あれはちょっと間が悪かっただけなんだから。それに、未来ちゃんにも言ったじゃない。『ここにいればまた会える』って。言った本人がそれを信じないでどうするの」

 

「・・・ごめん。そうだよな、また会えるよなきっと」

 

「うん。私も探すの手伝うよ」

 

(いつかはきっと、本当のことを言うから。だからそれまでは、不安にさせちゃうけどごめんね・・・)

 

「・・・姉ちゃん俺もう大丈夫だからさ。そろそろ離れて貰えないでせうか?」

 

「んー、いや。お姉ちゃんちょっと疲れたからもうちょっとこのままで」

 

「いやでも、なんかこう柔らかいというか大きいものが当たってるんでせうが!?」

 

姉弟(きょうだい)なんだからこれくらい普通だよ。・・・多分

 

最後の方は自信なさげであったが、その後は弟の言い分を無視して三十分くらい抱きしめたままであった。

思春期真っ盛りの弟としては恥ずかしいモノであったが、姉としては何時までも可愛いモノなのか気にする様子はなかったのだ。

というかむしろ、姉の方は半分弟としてではなく、一人の男の子としてみている節もあった。

 

(血は繋がってないし、お父さんが言うには元の名字も残ったままだから、これから当麻ともずっと一緒にいようと思えば出来るんだけどなぁ)

 

あの日、泣いていた自分に声をかけてくれた少年。それからずっと共に暮らし、楽しいことや悲しいことを分かち合った少年。

彼に対する情の強さは家族のそれをも超えているものであったが、一番に願うのは自分の都合ではなく。

 

(もしも当麻に一生一緒にいたいパートナー(ひと)が出来たのなら、私はその幸せを願うよ。でもいつまでも我慢出来るとも限らないし、もし見つからないなら私が一緒にいてあげるからね)

 

そう思いながら、弟の温もりを堪能する姉であった。

 

そして次の日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だ。姉ちゃんと立花が痴女みたいなコスプレでうろついてるなんて嘘だぁぁぁああああああああッッ!!!!!」

 

 

「ちょっと話を聞いてぇぇぇええええええええええええ!!!!???」

 

 

「・・・・・///」

 

 

 

少年は目の前の現実を受け入れることが出来ず、少女二人は恥ずかしさとバレてしまった事への焦りが出てきて。

 

「・・・またでやがったな。()の偽物がッ!!」

 

鎧を纏った青い髪の少女は、黄色の少女に憎悪の視線を送っていた。




相も変わらずなウニヘアー 上条当麻
何時いかなる時もドレスコード(学生服)での行動を心がけている少年。ただなぜ休日や長期休暇まで学生服なのか、それ以前にパーカーと学生服の組み合わせはドレスコードとして相応しいのか、謎が謎を呼ぶファッションセンスをしているが、彼にとってはこれが平凡な高校生の服装なのだ。決して私服がダサいとかそういうあれではないのだ。


お義姉ちゃんパワーは最強なのだ 雪音クリス(ロングヘアー)
ツンデレ属性と引き換えにお姉ちゃん属性を手に入れた少女。姉を名乗るお隣さんではなく、本物に義姉である。失った個性は大きなものだが、そこから新たに得られた個性もまた、それに匹敵するもになることを作者は願ってる。あと、弟への矢印の大きさがとんでもないことになっているがまあいいでしょう(マスロゴ感)。
噂ではGカップと言われてるが真相は神のみぞ知る。

誤字、脱字、感想等ご報告お願いします。

上条×IF装者 見たいのは?(ビッキーは『翳裂閃光』があるので今回はなしで)

  • 風鳴翼
  • 雪音クリス
  • 月読調
  • 暁切歌
  • マリア・カデンツァヴナ・イヴ
  • セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
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