それではどうぞ。
追記 一部文章を修正しました。
プロローグ とある少女の願い
『つぎは~中央病院前、中央病院前』
無機質な電子音声がバスの中に響く。小日向未来はその音を聞いたとき、近くにあるボタンを押した。バスは止まり雨が降りしきる中、小日向は今日も一人で病院に行く。
「あらこんにちは。小日向さん、今日もお見舞いに来てくれたの?」
「はい、今日も来ました」
「いつもありがとうね。じゃあここにサインしてね」
そう言って、女性は小日向に書類を渡す。ここ最近通い詰めているおかげか、スラスラと必要事項を書き連ねていった。書き終わった書類を渡し彼女は今日もまた同じ質問をする
「あの、今日は・・・」
「ごめんなさい、
「そうですか・・・・」
「相変わらず、眠り姫ならぬ眠り王子状態よ。全くこんなかわいい女の子が毎日お見舞いに来てるのに目覚めないなんてね失礼しちゃうわよね」
「・・・・・・」
小日向は何も答えない。分かっていたはずだ。自分が来た瞬間、彼が目覚めるなんて言うドラマチックな展開は起こらないことを。彼女がいるときであってもいないときであっても彼はあの日から一度たりとも目を覚ましてはいない。ずっと、眠りっぱなしである。
「はい、書類に不備なし。それじゃあ、いってらっしゃい」
「・・・はい、行ってきます」
彼女はいつも通り彼の元へ行こうとする。すると先ほどの女性から声をかけられた。
「小日向さん」
「何ですか?」
「今日もお話しするの?」
「ええ。おかしいですか?」
「いいえ、その逆よ。」
「?逆、ですか」
「ええ、眠りっぱなしの人だって、事務的な会話より、あなたとのお話の方を聞きたがっていると思うわ。それにね」
「それに?」
「・・・あなたの声はきっとあの子に届いているわよ」
「・・・そうですか、ありがとうございます。ちょっと元気が出てきました」
「そう、それじゃあ面会時間外までお話ししてらっしゃい」
「はい」
小日向は頭を下げ、目的の場所へ行く。ある程度歩くと目的の場所に着いた。そこは一人部屋の病室であった。ネームプレートには『
「こんにちは、当麻」
挨拶をするが返事は返ってこなかった。それもそのはず、彼の体には名前も知らない医療装置が取り付けられており、腕には沢山のチューブが、口には酸素を送るマスクがつけられ、口を動かそうにもマスクが邪魔で話すことは出来ない状態であった。いや、それ以前に彼の頭も体も覚醒状態ではなかった。そんな彼の状態を気にせず彼女は彼の手を握りながら話し続ける。
「今日も天気は雨。ここ最近、雨ばっかりだから外で洗濯物干せなくて大変だよ」
「・・・・・」
「そうそう、今日、私、学校でね、板場さん達と今度『ふらわー』に食べに行こうって約束したんだよ。最近おばちゃんまたお店始めたらしいから一緒にどうって。私、あそこのお好み焼き早く食べに行きたいなー」
「・・・・・」
「・・・そういえば初めて『ふらわー』に行ったときのこと覚えてる?響がお好み焼きひっくり返すの失敗して当麻の頭に落っこちたの。当麻には悪いけど今でも笑っちゃうよ」
「・・・・・」
「・・・それからは『ふらわー』でお好み焼き焼くの当麻の役割になったよね。私、当麻が焼くお好み焼き、好きなんだよ」
「・・・・・」
「・・・ねえ、また目が覚めたら、一緒に食べに行こうよ。
「・・・・・」
「・・・だからさ、お願いだから、目を開けてよとうま。私、とうま
ポタリ、と彼女の目から涙がこぼれ始めた。しかし少年は少女の涙には気づけない。どれだけ少女が泣いても聞こえてくるのは、少女の泣き声と一定で流れる電子音だけであった。
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