インフィニット・ストラトス -Record of ATX-   作:No.20_Blaz

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後編です。騒乱の収集が主体と軽いオマケ(?)です。


Record 10 後編

Record 10 「戦線崩壊」

 

 

 

 

「死ねよ、このゴミカスがああああああああああああ!!」

 

エリンのその一言で、ラウラの心の何かが外れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッ!!

 

刹那。ラウラはスラスターを吹かし、一気にエリンに接近した。

笑いながら死体を撃っていたエリンはそのまま顔をラウラのいる方向に向ける。

 

「ハ・・・・・・・?」

 

 

顔が完全にラウラの方に向いたとき。既にラウラの右腕はエリンの腹に届いていた。

 

 

 

 

 

一気にエリンは殴られて吹き飛ばされる。

我を忘れていたエリンは直ぐに自我を取り戻す。そして、ライフルを構え、反撃しようとするが、立ち上がると同時にラウラが既に彼女の前にいたのだ。

 

「えっ・・・・・・」

 

何が起こったかと理解できないエリン。

彼女は左のアッパーを喰らい、そのままチェーンガンの嵐に巻き込まれる。

 

「がはっ・・・・!?」

 

シールドエネルギーが削られる。だが、空中なら体勢を整えられる。

そう思ったが、またも彼女の前にラウラが現れたのだ。

 

「・・・・・・?!」

 

何がどうなっているのか。

エリンはそう考えつつ、蹴りを入れられた。地面に叩き付けられ、クレイモアを喰らう。

そして、ラウラはポットを閉じると再び突進する。

 

「っ・・・・舐めるなぁ!!」

 

エリンも負けじとライフルを発砲する。だが、それをラウラは背部の飛行ユニットをパージして、それを盾代わりにしたのだ。

ライフルの攻撃はユニットに当たり、そのまま爆発する。

 

その中を突っ切り、ラウラはエリンに向かって行ったのだ。

 

「ひっ・・・・!?」

 

何をしても効果がない。いつの間にかダメージを受けている。

理由が分からない状況でエリンは唯、怯える事しか出来なかった。

 

 

どすっ

 

 

ステークがエリンの右肩を貫く。

まさかと思うエリンだったが、今の彼女は容赦はない。

ステークのハンマーが倒され、撃発が起こる。

 

それと同時にエリンの腕は吹き飛ばされたのだ。

 

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!??!?!?」

 

 

 

自分の腕が吹き飛ばされたエリンは何とも言えない言葉で叫んだ。

腕はそのまま民家の壁に叩き付けられた。

 

だが、これで終わりはしない。其処からワイヤーブレードがエリンの至る所に突き刺さり、更にはプラズマ手刀が彼女の腹を切り裂く。其処からダメ押しで蹴りを入れられ、エリン

は機体共々地面を擦り付けられる。

 

「がああああああああああああああああああ!??!」

 

痛みに耐えつつ、エリンはラウラを睨んだ。

しかし、彼女の顔は既に死んでいたのだ。

感情が消え、本能がむき出しとなっている。

今、何を言っても無駄だ。唯、自分を殺す事しか考えない、野生の獣だと。

 

 

「この餓鬼がああああああああああああああああああああ!!」

 

エリンは、それでも彼女の後ろに偶然自分が設置していたガトリングと左腕のシールドミサイルを全弾発射した。五発の内、二発は対艦ミサイルで当たれば、幾ら彼女でも唯では済まない。そう思うエリンだったが

 

 

ゴッ!!

 

 

それをラウラは構いもせずに突進したのだ。

それを見てエリンは死ぬ気かと思うのだが、今の彼女にはそんな考えは無かったのだ。

 

 

 

 

ドゴオォォォォォォォォォォォォォン・・・・・

 

 

 

 

正面で爆発が起きた。これで死んだか?そう思ったが、それは甘かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラは対艦ミサイルを物ともせずにエリンに向かっていたのだ。

そして、エリンは再び殴られ、地面へと叩き付けられたのだ。

 

「ひっ・・・・?!」

 

何か策は無いかと武装を見る。しかし、ライフルは右腕と共に飛ばされ、ショットガンは使用不可。ガトリングは遠くにおいて、更にはミサイルは残弾なしであった。

 

「あ・・・・ああああ・・・・・・」

 

打つ手は無くなった。ラウラは容赦なくチェーンガンを構える。

その所為で、エリンは怯え、恐れ、命乞いをしたのだ。

 

「お・・・お願い、助けて!!すべて謝罪します!何でも言う事を聞きます!だから・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな願いが届く筈が無い。

ラウラはチェーンガンを問答無用で発射した。エリンは狂声と共に泣き始めた。シールドエネルギーは減っていき、遂にはシールドが消えたのだ。

それでもラウラのチェーンガンの残弾はまだたっぷりとある。

次第に体の彼方此方に穴が開き、心臓を突き刺し、顔が崩れていった。

 

 

 

カタタタタタタ・・・

 

やがて、チェーンガンが無くなると、ラウラは腕を下げたのだった。

其処には唯の鉄の塊と肉の塊があったのだ。

 

 

 

その時である。事態が終結したのか、キョウスケとアルトアイゼンがラウラの元に到着したのだ。コクピットから降りると、其処にはコクピット部が大破し、大尉の死体があったのでキョウスケは驚いた。そして、其処から十メートル程の所にラウラが居たので、キョウスケは近くにあった、エリンのラファールの装備であるガトリングを持ち、ラウラに駆け寄ったのだ。

 

「ラウラッ!!」

 

 

だが。その時。ラウラは突如、肉と鉄の塊に向かい、クレイモアを発射したのだ。

それにはキョウスケも驚き、ガトリングを捨て、ラウラの肩を掴んだのだ。

 

「おいッ!!」

 

そのまま彼女の身体を振り向かせた瞬間。突如ラウラは獣の様に叫び始めたのである。

 

「あああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「っ・・・・!!」

 

キョウスケは彼女の精神状態がまずいと思い、そのまま彼女の身体を無理矢理倒したのだ。

機体の重さが原因で中々身体を起こすことが出来ないラウラ。まるで子供は獣の様に暴れ、キョウスケはそれを抑えるだけで精一杯だった。

 

「くっ・・・・落ち着け・・・!!」

 

「があああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どすっ!!

 

ラウラのステークがキョウスケの左肩を突き刺した。

キョウスケはまさか自分の愛機のメイン武装で攻撃されるとは思ってもおらず、その考えを隅に置き、ひたすら彼女を止めたのだ。

 

「っ・・・・・・・!!!」

 

とてつもない痛みがキョウスケを襲う。しかしそれでも、キョウスケは諦めずに彼女を抑えていたのだ。最悪、撃発が来る。しかし、弾は既に無く、それを知っててか、キョウスケは力を入れ続けた。

 

 

 

ラウラの顔にキョウスケの血が滴る。

それが切っ掛けになったのか、ラウラは正気を取り戻したのだ。

彼女の目の前には、キョウスケと。

彼の肩にステークを突き刺す自分が居たのだ。

 

「・・・・あ・・・・・あああ・・・・・・・・・」

 

「・・・・・大丈夫か・・・・・・・」

 

「・・・・・・どうして・・・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

自然とステークが抜け、腕から力が抜ける。身体中からもだ。

そして、キョウスケは無言でラウラを抱きしめる。

自然と、彼女の目には涙が溢れていた。

 

 

 

すると。其処にシャルロットが遅れて到着した。何がどうなっているのか、その全ては周りが語っていたのだ。惨状を見つつ、キョウスケ達に近づくシャルロット。

気づけば、ラウラは眠っており、キョウスケは彼女を抱き上げ、シャルロットに対し「その姿」について質問したのだ。

 

「・・・その血。どうした。」

 

「・・・ちょっとね。こっちも・・どういう事。」

 

「・・・・解らん。」

 

質問を質問で返され、冷静に答える二人。

キョウスケはそのままラウラを連れ、コクピットに入り、その場を後にしたのだ。

その後をシャルロットも付いて行くのだが、原因の現場であった場所を名残惜しそうに見つつ、離れていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シロガネ・・・

 

シロガネではブリットがアリスを見つけ出し、急いで助け出していた。

爆破で鉄骨などが落ち、アリスはその下敷きになっていたのだ。

 

「っ!!アリスッ!!」

 

ブリットは鉄骨などを押しのけ、アリスを回収する。どうやら、鉄骨などが彼女に強く押された程度だったらしく、その証拠に足などに擦り傷や打撲の後などがあったのだ。

 

「・・・・・・・。」

 

彼女の安否を確認したブリットはそのまま機関室を後にした。また火の元が残っているかもしれないからだ。

 

機関室を後にし、医務室に向かったブリットだったが、医務室に近づくにつれて怪我人等が廊下の端で臨時のベッドなどに寝かされているのが多く見るようになっていた。

 

医務室では副艦長であるアンがクルー達の手当てをしており、どうやら一段落したようだった。

 

「ふうっ・・・・ってアレ?ラックフィールド少尉、どうし・・・って!」

 

「副艦長!直ぐに手当て出来ますか!?」

 

「ち・・・ちょっと待ちんしゃい!今こっちも重傷者来て大変なのよ!!」

 

「重傷・・・・?」

 

 

其処に手当てを受けたシャルロットが近づき、ブリットの右の後ろ肩を叩いた。

振り向いたブリットは其処に頭や頬に手当ての後があるシャルロットを見て少し驚いていたのだ。それは、彼女が今までそれ程の怪我をした事が無かったからだ。

 

「っ・・・シャル・・・・」

 

「少し・・・席、外そ。アリスちゃんは副長が何とかしてくれるから・・・」

 

「えっ・・・ああ・・・・・」

 

アンも彼女がそんな態度をとる理由を知っていたのか、静かにアリスを引き取ったのだ。

そして、二人は医務室から放れ、一旦外に出たのだ。

其処では艦首の甲板で各所からやって来た部隊の機体がそこで軽い補給や整備。

稼動に問題の無い機体はシロガネの修理作業を手伝っていたのだ。

 

「・・・・で。どうしたんだい?」

 

そんな中、ブリットはシャルロットに質問した。

その本人は深刻な顔をして彼の質問に答えたのだ。

 

「・・・・ラウラが重傷だって。」

 

「っ・・・・・。」

 

「それで・・・医務室のベッドの一角で寝てる。キョウスケさん居るから大丈夫だと思うけど・・・」

 

「キョウスケ中尉も・・・?」

 

「・・・・・・・。」

 

沈黙の肯定をしたシャルロット。

未だに理由を理解できないブリットは悪気は無くとも、さらに質問をしたのだ。

 

「どうして・・・?」

 

 

「・・・解んない。詳しい事は全部、キョウスケさんとアン姉さんしか知らないから・・・」

 

「・・・他の人には・・隠しているって事?」

 

「・・・・・・。」

 

再び肯定するシャルロット。

何故なのかとブリットは一人考えるが、その時シャルロットが静かにブリットに倒れ掛かったのだ。突然の事に驚くブリット。すると、シャルロットは静かに涙を流していたのだ。

 

「・・・・・ねぇ・・・どうしたら・・・いいの・・・・」

 

「・・・シャル・・・・・・・」

 

「ラウラ守れずに・・・・こんなのって・・・・・・どうしたらいい・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

 

「何で・・・・ラウラだけ・・・・・・・」

 

 

 

木霊するシャルロットの言葉にブリットは唯頭を撫でるしか出来なかった。

今の自分には、それしか出来ないと思い、無力だと感じ・・・

 

 

 

 

 

その頃。エクセレンはヴァイスと共に一旦帰投していた。

今まで本部の状況確認の為に偵察に出ていたが、それを終えてやっと戻ってきたのだ。

 

「・・・・・色々と大変な状況ねぇ・・・」

 

『ご苦労、少尉。どうだった?』

 

朱音が通信を繋ぎ、エクセレンはヘルメットを取った。

そして、軽く息を吐くと報告をしたのだ。

 

「本部はボロボロ。周りに居た部隊も旗艦は私達と最初に指令を送ってきた戦艦だけらしいわ。」

 

『三つ巴の時に・・・か?』

 

「そうらしいわよ。一隻は流れ弾、もう一隻はIS部隊にタコ殴り。」

 

『・・・・残存戦力は四割・・・・手酷くやられたものだな。』

 

「そうね・・・シロガネは大丈夫なの?」

 

『ん?テスラ・ドライブの損傷が酷くてな。このままではラングレーには戻れん。だから、一度アビアノに行って補給と整備を行う。』

 

 

「そうだ・・・ラングレーどうなってるの?」

 

『ラングレーは無事だそうだ。周囲を囲んでいた反乱軍も此方と同じような事でやられてな。壊滅したそうだ。』

 

「自爆・・・って事?」

 

『そうらしい。結果、ラングレーにこれといった被害はナシ。反乱軍の大半は壊滅したと言う訳だ。』

 

「・・・・・ようやくね。」

 

『・・・だな。この三ヶ月・・・どう穴埋めをするか・・・・』

 

朱音はそう言い、艦長席から外を見つめていた。

雨は上がり、其処には半壊している街が見えたのだ。

そして、その中には多くの残骸があちらこちらに捨てられていたのだった。

 

 

 

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現在、IS学園・・・

 

 

「・・・なるほど・・それがその傷のか・・・・」

 

 

時は現在に戻り、箒は自分のベッドの上でラウラからの話を唯じっと聞き、話が終わると唯一言そう言ったのだ。

 

「・・お前、その時は何処に?」

 

「私はずっと日本に居た。用事があって戻ったのだが・・まさか、あんな事になるとは思っても無かった。」

 

「・・・確かに、事の始まりはヨコスカだったな。」

 

「そうだ。横須賀での反乱を鎮圧する為に軍部にかり出されてな。だが、その時は既に・・・遅かったのかも知れんな。」

 

「・・・かもしれんな。」

 

 

しかし、過去を気にしていても始まらない。

そう思い、二人は話しを終えるとベッドに入り、静かに眠りに付いたのだった。

 

 




次回予告

時は再び現在に。
新興企業等の後押しで専用機持ちの面々は新型機との模擬戦を行う。
しかし、その相手は・・・

次回「Blue Knight」
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