インフィニット・ストラトス -Record of ATX-   作:No.20_Blaz

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忘れていましたが、ブリットのグルンガスト参式は現在は一人での運用です。
理由としてはクスハがテスラ研で手伝いをしているので結果、何故かブリット誰は再びATXチーム
で嫌がらせの戦地回りと成りました。ま、後々クスハも出しますがね。
ちなみに理由はキリヤの命令だそうです。

その為、参式は現在ブリット一人で運用しています。




Record.11

Record.11 「Blue Knight」

 

 

学園正門付近・・・

 

学園に一台のトラックが入る。カーゴにはロゴが張られており、マオ・インダストリーと書かれていた。トラックの運転手が数枚の紙を警備の女性に渡すと直ぐに女性は運転手に返し、軽く帽子をあげて挨拶したのだ。

 

「どうも。」

 

そして、運転手も挨拶すると、トラックはゆっくりと中に入っていった。

 

 

 

時刻は午前七時。

 

生徒達は朝食を取っていた。何時もなら、少女達が楽しく談笑しつつ朝食を取り、その後授業などの準備に入る・・筈だったのだが、其処には普段は居ない筈の千冬の姿があり、専用機持ちの面々に何かを伝えていたのだ。

 

「マオ・インダストリーからの・・・ですか?」

 

「そうだ。午後の授業を中止してその時間にマオ社から持ち込まれたISとの模擬戦闘を行う。」

 

唐突な事に少し驚く面々。

すると、鈴が少し解らなかったのか、隣に座っていたアリスに小声で尋ねたのだ。

 

「アリス。マオ社って確か、新型のISとかを生産している会社よね?」

 

「はい。マオ・インダストリーは現在、ISを主軸にPTやAMの開発にも携わった大手企業です。私の使っているビルトシュバインもマオ社製ですし。」

 

「ふーん・・・・・」

 

 

(けど、マオ社は最近新型を作ったって報告は受けてないし、話はマオ社の機体・・・って事は・・・?)

 

 

「ですが、どうしてこんな時に?」

 

少し思考の海に潜りかけていたアリスはセシリアの話し声で意識が戻った。

そして、彼女の質問に千冬は簡潔ではあるが説明をしたのだ。

 

「うむ。実は、数週間後にIS開発の新興企業が合同で新型のトライアルをするらしくてな。他の企業は企業同士でデータ収集をしたりするらしいが、どうやらマオ社はココに目をつけたらしい。」

 

「目的は・・・専用機ですか。」

 

「恐らくな。専用機との戦闘はココで位しかできん。其処で、マオ社と傘下の企業がココに要請したらしい。」

 

「よく要請を受諾出来ましたね。」

 

「これが学園の意向だと思うか?」

 

千冬のその言葉を聞き、面々は「まさか・・・」と思った。

前例がある為まさかとは思っていたが・・・

 

「生徒会ですか。」

 

「そうだ。しかも満場一致のな。」

 

生徒会の奇想天外さに呆れる一同。

取り合えず、話を済ませた千冬は仕事がある為、その場を後にしたのだ。

 

「・・・兎も角、確かに伝えたぞ。昼休みが終わるまでにはアリーナに入っておけ。」

 

 

「・・・・・やれやれ。生徒会もとんでもない事を許可したものだな・・・」

 

「ま。会社の機体相手にするんだし、適当でいいんじゃない?」

 

箒が呆れつつ緑茶を飲み、鈴がつけ面をすする。

確かに、この手の事は相手である企業を勝たせなくては最悪のデモンストレーションになる。それが適切か、とラウラ達も賛成はしていた。

しかし。

 

 

「あり?みんな、どうしたの?」

 

「お。ほののん。」

 

其処に本音とヨン、そしてもう一人水色の髪をした少女が寄ってきたのだ。

どうやら、本音が気になったらしく、話を聞こうと思ったらしい。

 

「いや、大した事では・・・」

 

「あ。もしかして、午後の模擬戦の話ですか?」

 

「・・・・・・・。」

 

アリスが言いかけた所に、ヨンが的確に言い当てる。

それには箒とラウラが少し睨んでいたがヨンは余り気にせず、何故知っているのかとセシリアがヨンに尋ねたのだ。

 

「っ・・・どうしてそれ・・・ってもしかしてジェバナさん・・・・」

 

「すみません・・実は私達聞こえちゃって・・・」

 

「まーまー。ヨンヨンも気にしなくて大丈夫だって。」

 

(ヨンヨンって・・・)

 

(また増えたのか・・・)

 

また本音のあだ名付けのメンバーが増えた事に内心苦笑するラウラと箒。

しかし、その後に、本音は意外な事を言ったのだ。

 

「それに、私達だってもう知ってる事だしねー」

 

「えっ・・・それってどういう事?」

 

「あ・・・実は・・・・・」

 

 

「実は私とヨンヨンはマオ社の機体で模擬戦してって頼まれたの~。」

 

 

刹那。その言葉で、専用機持ちの面々は言葉を失い。硬直したのだ。

そして、一番先に回復したアリスが口を開き、再び尋ねたのだ。

 

「えっ・・・・と・・・・・・もしかして・・・・・・」

 

「うん。みんなの対戦相手は私とヨンヨンだよ~」

 

 

 

 

さて。ココで簡単にではあるが、二人のISの能力を言っておこう。

本音は以前のテストで高い能力があったと言う事は解っている。伊達にこの学園に来れた訳ではないと言うことだ。

しかし、問題はジェバナ。以前のテストで被弾ゼロと言う成績を叩き出したのは、全員の記憶に新しい事である。実力は未知数。今解るのはそれだけである。

 

「アレ。って事は、そちらさんは待機って事?」

 

すると。シャルは今まで話に加わってなかった少女に目をやった。少女は少し反応し一歩下がる。人付き合いが苦手だと言うのが直ぐわかる仕草だ。

その彼女を見て、本音は一行に彼女の紹介をしたのだ。

 

「そうだよ~名前は簪ちゃんだからみんな覚えてね~」

 

そういって簪を紹介する本音。箒達は特に彼女に感情を持たなかったが、鈴とアリスは不審なとこに気がついていたのだ。

 

(・・・・・あれ・・・・・・あの頬の傷・・・・・・)

 

(最近付けられた様な跡・・・・・まさか・・・・ね・・・)

 

簪の頬の傷。明らかに何かで切られた「切り傷」だ。

長さは大体四センチと言った所。もしかしたら、と思いアリスが簪に質問を投げようとしてた時である。

 

 

 

「全員、さっさと食事を済ませろ!」

 

 

千冬の声に反応し、まだ食べていた女子達は一斉に食べるスピードを上げる。

一方、今し方食べ終わった、または既に食べ終わった者達は食堂を後にする。

箒やラウラ達もその部類で、トレイを戻して授業などの用意に入ろうとしていた。

だが、まだ食べ終わってない鈴とアリスを見て、箒が二人に声を掛けたのだ。

 

「先、戻っているぞ。」

 

「ふご(訳:わかった)。」

 

「あ。はい。」

 

「じゃあまたね~」

 

そう言って本音たちも食堂を後にする。

騒然とし始めた食堂で鈴は食べ終わるとアリスに尋ねたのだ。

 

「・・・・アンタ・・・あの簪って子の傷・・・・見えた?」

 

「ええ。あの頬の傷。もしかして・・・・・・・・」

 

 

 

それから数時間後。二時間目の休み時間にて、一組で生徒達が午後の模擬戦の話をしていたのだが、偶々通りかかった箒は其処で気になる事を幾つか小耳に挟むことになる。

 

「ねえ。午後に模擬戦をする機体。あれって新型だよね?」

 

「うんうん!話しじゃマオ社の開発した量産機でしょ!けど・・何か、三機位運ばれてたね。」

 

「それって確か今回の模擬戦が三対三だからじゃない?」

 

「あー・・・なるほどね。で、その機体の名前ってなんだっけ・・・・」

 

「すごく言い難かったよね・・・・ひ・・ヒュッケ・・・と・・・ケシュペンスト?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ・・・

 

「で。結局、相手はヒュッケバイン一機とゲシュペンスト二機という事か。」

 

時間は更に進み、昼休みが終わる頃。箒がアリーナにて相手の機体について言い、それを聞いてアリスも納得していた。そして、当然解らない面々も居るのでアリスが解説するのだった。

 

「ヒュッケバインに・・・ゲシュペンスト(亡霊)?」

 

「あ。そうだ・・まだ公には出ていませんでしたね。」

 

「・・・話し位は私は聞いていましたわ。けど、実物は今回が初めてですわね。」

 

「ゲシュペンストは意味が解るけど・・・ヒュッケバインって・・・何?」

 

 

「ヒュッケバイン。それは発音の仕方が英語読みなだけで、本来はドイツ語読みだ。」

 

「えっと・・・・確か・・「フッケバイン」・・だっけ?」

 

「そう。第二次世界大戦時に設計された幻のジェット戦闘機。それがフッケバインだ。それの読み方を英語読みにしたのがヒュッケバイン。という事だ。」

 

ラウラの解説を聞き、全員は「へー・・」と声を上げて関心する。

流石に其処まで知らなかったのか、アリスも同じで、ラウラは少し呆れていたのだ。

 

「で。模擬戦の詳しい事は?」

 

「あ・・はい。模擬戦は三対三を二回。私達が三人一組で一回ずつらしいです。ですが、相手は一組だけ、なので・・・・・」

 

「一組目は確実に負けろって言うけど・・・・・相手が相手だし、負けるのも至難の技になってるわよ・・・」

 

 

相手は本音とヨン。どちらも侮れない相手だ。

しかし、問題はヨンの実力。未知数の相手にどう戦うのか。

それは今から解ることである・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ、ゲストルーム・・・

 

アリーナにあるゲストルーム。

其処は主に開発企業の重役などがアリーナでの戦いを観戦する所である。

其処に二人の人物が観戦をしようとしていたのだ。

 

「さて。ATX計画の機体が公に出るのはこれが初めてか。」

 

「ああ。だが、まだ開発企業などに知られてないから・・・完全にとは言えんがな。」

 

ATX計画を知る二人の人物。

その内の一人はアリーナの中にある片方のピットを見つめるのだった。

 

 

 

 

 

そのピットは企業側のピットで数人のスタッフが機体の最終調整を終え、準備を整えたのだ。其処に、今回の搭乗者である本音とヨンそして、二人の戦いを間近で見たいという事で簪も居たのだ。

 

「ヨンヨン。準備できてる~?」

 

「ええ。えっと・・・本音がゲシュペンストで・・私がヒュッケバインだよね・・。」

 

「そうそう。結構この子と相性良かったしね~♪」

 

本音はそう言いスーツの上に制服の上着を来て答えた。

そして、調整が終えた二人の前に簪と千冬が現れた。

どうやら模擬戦前に意気込みを聞きたかったらしい。

 

「二人とも。用意はいいか?」

 

「はーい!」

 

「はい。」

 

「よし。ジェバナ、ヒュッケバインは色々とクセのある機体だ。気をつけろよ。今回はあくまで、データ収集が目的だからな。搭乗者に何かあれば大惨事になる。」

 

「解りました。」

 

「よし。では行って来い!」

 

 

「「はいっ!!」」

 

 

そう言って本音とヨンはそれぞれの機体に乗り、軽く手足を動かした。

そして、問題がないと確認すると歩き出してカタパルトに向かって行ったのだ。

 

機体は勢い良く射出されゲシュペンストは深い青色を。

ヒュッケバインは蒼を基調としたカラーを日に浴びせたのだ。

 

 

後はココで二人の戦いを見るだけ。と思っていた簪だったが、千冬が何か少し変だと思い、

彼女に質問したのだ。

 

「あの・・・・織斑先生・・・?」

 

「どうした。」

 

「その・・・・何でさっきから軽い運動をしてるんですか?」

 

「・・・・・・さてな。」

 

 

この言葉で簪はまさかと思っていた。

そして、その言葉が直ぐに現実に現れるとは思ってもいなかったのだ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

フィールドには既に出撃した本音とヨン。そして、対戦相手の鈴が先に出ていた。

少し準備に時間が掛かったのか、その後にセシリアが出撃。

残るは一人となったが、その人物は当然・・・

 

 

 

「えっ・・・・・アレ・・・・・新型!?」

 

ヨンは相手の乗る機体を見て驚いた。

最後の一機は今まで見たことの無い機体だったからだ。

橙を基調とし、背部には二つのドリルスラスター。

他の二人よりも重装甲な装甲。

 

 

「データ検索・・・・あった!」

 

直ぐに検索すれば見つかった。

しかし、その機体のデザインとは全く違う。

カスタム機か。答えは否だ。

 

 

 

「ヨンヨン・・・アレって・・・何?」

 

「・・・・・テスラ・ライヒ研究所が製作した機体・・・・・・・・グルンガスト・・・」

 

 

 

 

「の、参式だ。」

 

 

グルンガスト参式。搭乗者は箒。

以前大破した紅椿に変わる彼女の今の愛機だ。

機動性は低いものの、それを補う火力と防御力などを持つ機体だ。

 

「つまり・・部類は特機タイプ・・・相手が少し悪いかな・・・」

 

 

「よくよく見るとゴツイ機体ねぇ・・・・・」

 

「それだけの火力と防御力は期待して貰っていい。」

 

「それじゃあ・・・遠慮なく盾にさせて貰いますわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは・・・・・・・始めッ!!』

 

刹那。アナウンスで試合開始の合図が叫ばれる。

それと同時に五機はそれぞれ動き始めるのだが、専用機持ちチームは疑問を持っていたのだ。何故、相手はたった二機なのか。もしかしたらもう一人は遅刻なのか。と。

 

「考えても始まらんか・・・」

 

箒がそう言うと右腕を構え、殴りのポーズを取る。

そのまま殴るのかと思いきや、肘辺りから火が噴出し、それを思い切り放ったのだ。

 

「い゛ッ!?」

 

平然と行われた攻撃モーションにヨンは驚きつつも回避。

ヒュッケバインの装備であるフォトンライフルを放つ。

だが、グルンガストの装甲には余り効果はなく、ヨンも納得はしていたのだ。

 

「やっぱり無理か・・・!」

 

 

「そりじゃあ・・・!」

 

その後ろから追撃とばかりに本音がスプリットを発射。

分裂したミサイルは全て参式へと飛んでいったのだ。

 

「っ・・・!」

 

「今の内に・・・!」

 

しかし。箒と参式の後ろからは盾にしていた鈴が甲龍と共に飛び出し、双刀でカウンターに出たのだ。

 

「しまっ・・!」

 

「貰った!!」

 

カウンターは決まり、ヨンのヒュッケバインのシールドエネルギーは減少する。

しかし、これで黙っている訳もない。更にヨンはカウンターとしてプラズマカッターを出す。

 

「このっ!!」

 

「ッッ!!」

 

双刀の振りで隙が出来ていた鈴。ヨン程ではないがダメージは入り、シールドエネルギーは削られる。

 

「っ・・・ヨンヨッ・・・!」

 

直ぐに援護に入ろうとする本音。しかし、其処に狙撃が割り込み、咄嗟にブレーキを掛けた。更に、ビット兵器が数機向かってきたので、それを回避しつつ三人との距離をとる。

 

「やっぱり・・・伊達ではありませんわね・・・・!」

 

「セッシー的確だね~」

 

 

一方で箒も戻ってきた腕を再装着し、次の攻撃に移る。

脚部に装備されたミサイルを発射し、弾幕を張る。

 

それを距離を取って対応する本音達。しかし、それは予想済みだったセシリアがスターライトMk.Ⅱで攻撃。ゲシュペンストへと当てるのだったが。

 

「っ・・・・回転でギリギリ回避ですか・・・」

 

そう。一瞬にして身体を回転させた本音は攻撃が掠っただけで済み、ダメージも軽減されたのだ。

 

そして、更にはM950マシンガンで反撃を仕掛けるが、それは相手に届かず、セシリアも一応の回避でノーダメージで済んだ。

 

「こりゃ律儀だねぇ・・・・」

 

「ええ。けど・・・次からはそうは行きませんよ。」

 

そういった本音とヨンは体勢を整える。追撃を放とうとする箒達。

しかし、敵が再び散開したのでそれぞれ追撃に出るのだが、どちらにも攻撃が一撃も入らなくなったのだ。

 

「アレッ?!」

 

(読まれた!?この短期間でか!)

 

(観察と適応・・・なんて速さなんですの・・・!)

 

 

ゲシュペンストからスプリットが放たれる。

八発のミサイルはそれぞれの方へと向かっていくが、いずれも直撃は無かったのだ。

 

「当たらない・・・・・?」

 

違う。当てなかったのだ。

瞬時にそれが牽制と目くらましと気づくセシリア。直ぐに左手をスターライトから離し、武器を出そうとするのだが、既に目の前にはヒュッケバインとヨンが跳んでいたのだ。

 

「っ・・・!!」

 

彼女の右手にはロッシュセイバーが握られ、それをセシリアに突き刺そうとしている。

この距離ではまずいと考えスラスターを吹かし、距離を取ろうとするのだが、ヨンがロッシュセイバーをセシリアに向かって突き刺したのだ。

 

 

「えっ・・・!?」

 

しかし。ギリギリのタイミングで間に合ったインターセプターが彼女の左手に握られており、それを使って軌道を僅かにずらしたのだ。

 

(間に合ったッ!)

 

「くっ・・・!」

 

スラスターを吹かし、インターセプターで反対側へとセイバーを流すセシリア。

追撃を入れようとするヨンだが、一歩早く箒のブーストナックルが彼女へと向かうのだった。

 

「させんっ!!」

 

「っ・・・!!」

 

 

機体を上昇させ、ブーストナックルを回避するヨン。

反撃のチャンスが消え、またしばらくは回避しかできないと思っていた。

 

 

 

 

だが。

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ・・・・出てもいいんじゃねぇか?」

 

「・・・・・だな。」

 

マオ社側のピットでは千冬が誰かと会話をしており、其れを見ていた簪の顔は完全に驚きや焦りなどが満載の顔だったのだ。

 

(こ・・・これってもしかして・・!?)

 

その表情の意味は直ぐに解る事である。

 

 

 

 

一方で反対側のピットではラウラ達が戦闘を見ており、驚きを口にしていたのだ。

 

「まさか、ヒュッケバインとゲシュペンストで特機と渡り合うとはな。」

 

「いやいや。驚くべきは其処じゃないっしょ・・・」

 

「そうですね・・三対二で同等って所が・・・・と言うか、下手したらあの二人・・・」

 

「日本の代表候補・・・か。有り得ん話しでも無いな。」

 

「まぁ。寧ろ学園に居る以上はコレくらいは当然と言うかなんと言いますか・・・」

 

そう言って再びフィールドを見るのだが、其処では一進一退の攻防が続いていたのだ。

 

 

 

 

「むぅ・・・・そろそろキツイかな・・・・・」

 

 

距離を取って地面に着地する本音とヨン。

空となったマガジンを交換し、マシンガンの弾をリロードする。

対する箒達も多少息は荒くなっているが戦闘自体は問題は無かった。

 

「そろそろ落とさないとな・・・」

 

「流石にそろそろキツくなってきたわ・・・」

 

「・・・・・・。」

 

そんな中、セシリアは唯一人考え込んでいた。

それは運ばれた機体の数と今戦っている相手の数。

つまり、三人目が誰なのか。と考えていたのだ。

この場合だと、考えられるのは恐らく代表候補クラスの相手。

しかし、今の学園には僅かしか残っておらず、その全員を確認している。

では誰か。

 

その時だ。

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・!?」

 

「嘘ッ!?」

 

 

 

突如観客席から驚きの声が上がったのだ。

それを聞くやフィールドに居た箒達もそれにつられ、気を逸らしていた。

何故なら、周りからそんな驚きの声が上がっていたからだ。

 

「何だ・・・・?」

 

誰もが驚く相手。最後に残った一機。

 

「っ・・・・!!」

 

まさかと思った。

だが、他にこの状況を説明する事は出来ない。

それをいち早く理解したセシリアは直ぐに二人に声を掛けた。

 

「・・・箒さん、鈴さん。ココからが正念場ですわよ。」

 

「は?そんなの当たり前・・・」

 

「・・・・・・・オイ。まさかと思うが・・・・」

 

 

 

「ええ。そのまさか・・でしょうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カシュン

 

機体の脚部がカタパルトに装着される。それを確認すると姿勢を低くし、体勢を取る。

そして、勢い良く機体は引っ張られフィールドへと飛び出るのだった。

 

 

 

 

 

 

反対側のピットではその機体の情報がホログラムのディスプレイに現れ、ラウラ達も目を疑ったのだ。

 

「なるほど・・・・・これは・・・・・」

 

「僕等も・・・・多分死ぬよ・・・コレ・・・・・」

 

二人がそう言って冷や汗を流す機体。

それをアリスは敢えて口にするのだった。

 

 

 

 

「ゲシュペンストMk-Ⅱ タイプS・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では。授業と行こうか。三人とも。」

 

青き亡霊に乗るのは、最強の騎士。

 

「・・・こうして戦えるとは・・・・嬉しいですよ・・・・・千冬さん。」

 

 

 




次回予告

三人目は千冬だった。
その圧倒的スキルに少女達は苦戦を強いられる。
そして、ついにラウラ達も出撃するのだった。

次回「ゲシュペンスト・カーニバル」




余談。

マオ社側の機体は本音が「量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ」
ヨンが「量産型ヒュッケバインMk-Ⅱ」
そして、最後に出てきた千冬が「ゲシュペンストMk-Ⅱ タイプS」
ちなみにカラーリング全機蒼です。(当然ですが・・)
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