インフィニット・ストラトス -Record of ATX-   作:No.20_Blaz

14 / 26
1stクール・・・
けど僕等は気にせず書き続ける。

正直この後どうしようかって思う自分が居ました。




Record.12

Record.12 「ゲシュペンスト・カーニバル」

 

 

 

 

ウドドドドドドドド!!

 

 

タイプSの装備であるM90アサルトマシンガンが連射される。

それを回避する甲龍と参式。しかし、その行動を読み、ヒュッケバインとゲシュペンストがロッシュセイバーとプラズマステークで接近戦を仕掛ける。

 

「っ・・・・!!」

 

ギリギリの回避マニューバーで回避する鈴。だが、攻撃は掠り、シールドエネルギーを削ったのだ。それでもと思い、反撃の攻撃を双刀で行う。

 

「くっ・・・・!?」

 

その攻撃はヨンに当たり、ダメージを与えた。

しかし、これも鈴同様、僅かなものであったのだ。だが。

 

 

「鈴さん、左ッ!!」

 

「い゛っ!?」

 

 

セシリアの声に気づき、左を向く鈴。其処にはいつの間にか距離を詰めていた千冬が居ており、プラズマステークを振りかぶっていたのだ。

 

それを回避しようとスラスター全開で回避しようとする鈴。しかし、千冬のスピードが速く、ステークは左側の衝撃砲に突き刺さったのだ。

 

「嘘ッ?!」

 

「チッ・・・外したか・・・・」

 

(心なしか、本性が一瞬漏れた気が・・・・・)

 

 

セシリアは千冬の呟きをチーム同士での回線で漏れていたので、それを聞き冷や汗を垂らしていた。至近距離の鈴の目の前には、まるで獣の様に鋭い目つきで見ていたのだ。

そして、双刀で無理矢理、千冬を振り払い、距離を取ったのだ。

 

「大丈夫か。」

 

「あー・・・怖かったー・・・・・お陰で衝撃砲が一つ、おじゃんよ。」

 

「それはまだマシでしょう・・・次は多分・・・・」

 

 

 

「さて。次はアレで行くか。」

 

 

 

「死にいく覚悟で行かんと・・・マジで殺されるぞ・・・・・」

 

千冬の目つきと姿勢で次から覚悟を強めると決心する三人。

隣に居るヨンと本音も実は少し怖かったのは後から知る事である。

 

そして、千冬達が動き出し、箒達も再び散開する。

三人は意図的にバラけ、千冬の相手を箒にするようにした。

これは即席ではあるが、現在考えられる最善策でもあった。

機体が損傷した鈴。遠距離主体のセシリア。

どちらも当たれば直ぐに墜ちるのは確実である。

ならば、特機型である箒を戦わせるしかない。

 

苦しい決断ではあるがこれが残された対抗策だった。

 

 

が。

 

 

 

 

「予想済みだ、馬鹿者。」

 

 

 

「へ?」

 

刹那。千冬のゲシュペンストの胸部の装甲の一部が開いた。

其処には銃口の様なものがあり、其処へとエネルギーがチャージされたのだ。

 

「高エネルギー反応・・・!?」

 

「あれは、確か・・・・・ッ!!」

 

 

 

「メガ・ブラスターキャノン・・・・!」

 

「不味いッ!!避け・・・」

 

箒が次の言葉を言おうとした瞬間、青い一閃がタイプSから放たれた。

それは、真っ直ぐに甲龍へと向かい、鈴はその光に呑まれて行ったのだった。

 

「い・・・一撃で・・・・・」

 

 

「シールドエネルギーを全て削ったな。」

 

「前にも見たけど・・・実際、喰らうとなるとえげつない攻撃だよね・・・」

 

 

 

痛恨の一撃を喰らった鈴は気絶しており、ラウラの予想通り、全てのシールドエネルギーが削りきられていたのだ。

だが、これを黙って見る時間は箒とセシリアには無かった。

それは正面に次の攻撃に移る千冬が居たからである。

 

「まだ行きますの?!」

 

「ッ・・・!」

 

 

「戦いには待ったナシって言うけど・・・・流石にヒドイ様な・・・・」

 

 

それでも彼女の攻撃は止まらない。両拳を合わせ、スラスターを吹かしてジャンプする。

その間をチャンスと見て、当然二人は射撃武装で攻撃しようとするのだが、同じく当然にヨンと本音がカバーしたのだった。

 

「ッ・・・・・!!」

 

「なら、ブルーティアーズで・・・!」

 

最後の手立てとしてビットを起動させるセシリア。しかし、其処を本音のゲシュペンストがスプリットミサイルを放ち、幾つか撃破する。そして、その中を突破したビットも射程が届かず、マシンガンで撃破されたのだった。

 

「くるぞ!!」

 

「な・・・何がですか!?」

 

「こうなれば相場は決まっている・・・・!」

 

 

 

 

- SHOUT NOW!!-

 

 

 

 

 

「そうだな。では、決めさせてもらう・・・!!」

 

 

 

そして、高く飛んだタイプSは右足を前に某仮面ライダー達のキックのポーズをし、スラスターを全開にした。突き出されている右足にはエネルギーが集中し、後は

 

 

「究極・・・・・・・・・ゲシュペンストキックッ!!!!」

 

 

蹴るだけである。

 

 

 

 

「ッ・・・・・!?!?」

 

「セシリア!?」

 

キックはそのままセシリアに直撃し、シールドエネルギーを削る。

だが、彼女はそれだけで終わる気は無い。僅かに意識が残っているうちにゼロ距離でミサイルを放とうとした。

 

「何っ・・・・!」

 

「最後に・・・・・!!」

 

ミサイルはゼロ距離で千冬とタイプSに放たれた。

だが、キックを喰らったセシリアはその後地面に叩きつけられ、千冬は多少体勢を崩したが、地面に着地したのだ。

 

 

「両名・・・再起不能か・・・・・」

 

アリーナの新設備として再起不能になった選手達をピット内に転送するシステムが起動した。鈴とセシリアが転送させると残された箒は首筋に冷や汗を垂らしていた。

 

 

対する千冬も箒の方へと顔を向け、余裕の表情を見せるが、内心は少し後悔していたのだ。

 

(・・・・少し・・・やり過ぎたか。)

 

千冬の機体のモニターには脚部にダメージが集中しているのと、エネルギーの残量が少ないと表示されていた。

メガ・ブラスターキャノンとゲシュペンストキックは威力が高いが変わりに消費エネルギーが高いという典型的なリスクを持つ技だった。

更に、ゲシュペンストキックは機体脚部に大きく負荷が掛かる技でほぼ一度きりの技でもあるのだ。

 

つまり、戦況は僅かに千冬達が有利と言うだけであり、箒が一人でこれを巻き返せるチャンスもあるという事にもなる。

 

 

(恐らく・・・あのブラスターで相当のエネルギーが食われた筈。斬艦刀が無いのは心許ないが・・・・やるしかないか・・・!)

 

 

(来るか・・・・・!)

 

 

先に動いたのは箒。参式脚部のミサイルを発射し、囮に使う。

それに気づき、三人はバラバラに散開する。

 

「よしっ・・・・・!」

 

しかし。これが箒の狙いとは気づけず、最初の標的は本音とゲシュペンストMk-Ⅱとなった。

 

 

「ありっ・・・・・」

 

 

スラスターをフル稼働させ、本音の後ろに回り込む。

そして、ブーストナックルを直ぐに放ったのだ。

 

 

「後ろッ!!」

 

 

ヨンの言葉に気づいた本音だったが、ナックルは直ぐ其処まで来てしまっていたのだ。

其れを見て本音は

 

 

「ごめん・・・・流石に無理・・・・・・・」

 

 

ナックルが本音の腹に直撃する。それの追撃で箒は容赦なく胸部からオメガブラスターわ発射。量産機に対し、容赦ない攻撃でゲシュペンストを撃破したのだ。

 

(すまん、布仏・・・・・後で謝罪はするからな・・・・・・)

 

 

 

流石に大人気ないと思った箒だったが、その一瞬の緩みが命取りとなったのだ。

 

 

「獲ったぞ。」

 

「なっ・・・・・!!」

 

撃破された本音の後ろに気づけば狙撃の構えをするヨンとステークの構えを取る千冬がいたのだ。

当然、ヨンが狙撃で箒の機体の半身を捻らせて動きを止める。

反撃の手立てが無くなった箒は千冬がステークを入れると思い、残った半身と腕で守りを固めた。しかし、千冬はココで意外な行動に出たのだった。

 

 

 

 

 

カシュッ

 

 

 

 

 

 

「えっ」

 

 

 

 

「悪いな。私の勝ちだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・で。ご感想は?」

 

その後、箒も撃墜され。事実、千冬唯一人に全員負けるという結果で鈴は怒り表情に表れ、セシリアと箒は呆れた表情だったのだ。

 

「良いわけないでしょうが。」

 

「ま・・・そりゃそうか。」

 

 

「けど、まさか織斑先生自身がご出撃とは・・・」

 

「話では、確か昔の友人がマオ社に居たという話だったな。」

 

「ええ。その伝手でテストパイロットをしていたって・・・」

 

 

アリスは彼女が昔の伝手でテストパイロットを請け負っていたというのは知っていたが、それがまさか社長だというのは知りえなかった。

その訳は単に社長自身が話さない事と、自分の過去を余りいう事が無いからだ。

 

(教官・・・・昔は一体何を・・・・・)

 

(なるほど・・・・・あの人、昔のことを余り話してないのか・・・・)

 

 

 

「んで。次はあんた達だけど・・・対策とかあるの?」

 

「いやぁ・・・・流石にあの人に対策と言う対策は無いでしょ・・・・」

 

頼みの綱ともいえたATXの面々でさえもシャルの言葉が代理となって答えた。

其れを聞き落胆する鈴とセシリア。そして、仕方ないかとため息を箒は吐くのだった。

 

 

「だが、方法が無いわけではない。」

 

「ま。そうだろうな。」

 

ラウラの言葉に同意した箒。どうやら、多少ではあるが方法に察しが付いていたようだ。

その言葉に全員は目をラウラの方に向けた。

 

「簡単な話。エネルギー切れにさせれば良い。それしか方法は無い。」

 

「つまり、長期戦って事ですか?」

 

「長期でもあり、短期でもある。正直、出方は全て教官次第だ。」

 

「・・・んな簡単な事で大丈夫なの?」

 

「まぁ、理に適っているが・・・」

 

現在の第三、及び第2.5世代の機体には、シールドエネルギーとは別のエネルギーリアクターと言うものを搭載しており、ビームやレールガンなどに使用するエネルギーを其処から供給する。

現存する機体で最もリアクターの容量が多いのは、汎用性が高いラファール2ndで続きゲストとの騒乱で一度は破壊されるもその後ロールアウトしたブルーティアーズの簡易量産型「ブルーメイジ」。と言ったものである。

 

「一応、それ以外に対策はありますが、事実此方の方が得策なので・・・」

 

アリスは補足を入れて話しを繋げた。

彼女達が大丈夫だと言っているのだから大丈夫なのだろうと思うが、それでも不安は残るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

一方・・・

 

「そうか・・・・解った。」

 

マオ社の方は本音自身に大した怪我は無かったものの、ゲシュペンストが中破。時間内の修復は無理と判断された。

 

「うぁちゃぁ・・・・・」

 

「どんな感じ、簪。」

 

「・・・・駆動系とかの大事な所は余り痛んでない。けど、装甲とかがボロボロだから、一旦変えないと・・・」

 

「という事は、時間内は無理という事か。」

 

「あ・・・・はい・・・・・」

 

千冬の言葉に少し驚いた簪。それでもオドオドしつつ答えた。

それを聞き、千冬は軽く息を吐くと意外すぎる事を口にするのだった。

 

 

「仕方ない・・・・・・・次は私一人で行くか・・・・」

 

 

「「「・・・・・・・え?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有限実行。

 

 

 

今の状況は正にそれである。

 

 

 

『ええっと・・・・・デモンストレーション二戦目の対戦形式の変更をお知らせします。第二戦はえっと・・・・・・一対三!?』

 

放送をしていた真那もつい先程持ち込まれた変更の紙を見て驚いた。

つまり、千冬一人に対し、ラウラ達三人で相手にするという事だからだ。

それにはラウラ達も聞いてびっくりの表情だった。

 

「うっそぉ・・・・・・」

 

「って事は・・・・・最悪、織斑先生の独壇場になるんじゃ・・・・」

 

「あの人、リクセントでタイプSに乗ってたからな・・・そろそろ身体が温まっているだろう・・・・」

 

※リクセントでの事はTINAMI掲載の「Record_of_ATX」をご参照ください。

 

 

 

「だが、同時に好機でもある。」

 

「まぁ・・・勝てるかどうかって聞かれたから、今のでやっと五分かなぁ・・・」

 

 

余裕さの中に少しの不安を残すラウラ達。

だが、ラウラ自身はそれ以上に興奮があった。彼女とこうして模擬戦ではあるが、拳を交えられるからだ。

 

「んじゃ。行きますか、隊長さん。」

 

「・・・・・そうだな。」

 

 

制服を脱ぎ、下にスーツを着ていた三人。アリスは箒とハイタッチをすると、カタパルトへと向かっていった。

それぞれの機体であるビルトシュバイン、ラファール・リヴァイブの改修機。そして、シュバルツェア・レーゲンの改修機。

 

「えっ・・・・ちょっ・・箒・・・・アイツの機体・・・・でかくない?」

 

「確か・・・話じゃ1.5倍だとか。」

 

「・・・・デュノアさんのは対して軽量・・・銃撃特化ですか・・・・」

 

「連携を前提にした機体。「ATX計画」の産物。」

 

 

 

 

「さて。初めての模擬戦と行くか。ボーデヴィッヒ、デュノア、ラックフィールド。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アサルト3rd。ビルトシュバイン、行きますッ!!」

 

 

「アサルト2nd、ラファール・シュヴァリエ。いっきまーす!」

 

 

 

「アサルト1st。シュバルツ・アイゼン。出るぞ。」

 

 

 

三機が順次射出され、千冬の前に三人が出揃った。

 

アリスが駆る、量産型ビルトシュバイン。

 

シャルが乗る、ラファール・リヴァイブⅡの改修機。ラファール・シュヴァリエ。

 

そして。ラウラの愛機、シュバルツェア・レーゲンの改修・複合機。シュバルツ・アイゼン。

 

 

 

 

「これってさ、ハカセOKしてるのかな。」

 

「多分、何も言ってないって事は大丈夫だと思いますけど・・」

 

「無駄話は其処までだ。相手はあの教官。全力で行くぞ。」

 

 

「あいあいさー」

 

ラウラの言葉にシャルは軽い返事で長身ライフルのロックを解除する。

 

「了解です。」

 

その反対側でアリスはきっちりと返事をし、M950マシンガンを構える。

 

最後に言いだしっぺのラウラは右腕の固定武装のステークのハンマーを外し、弾倉を回す。

 

 

覚悟は出来た。

表情を一切変えない千冬の前に屈せず、少女達は対峙するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは、第二戦目・・・・・・はじめッ!!』

 

 

 

 

 

合図は叫ばれた。

亡霊たちは一斉に空を舞い、客席の生徒はその跡を目で追うのだった。

 

 

 

 

 

 

「さてと。どっちが勝つかなぁっと。」

 

そんな戦いをマオ社のピットで見る男が一人。

すると。その男に後ろから声を掛けられたのだ。

 

「さあ。どっちでしょうね。」

 

後ろに居たのは制服に着替えた箒だった。

だが、男は声で判断したのか、そのままの喋り方で箒に返答したのだ。

 

「・・・・来たか。元気にしてたか?」

 

「してたかじゃないですよ。連絡の一本もくれないのはどういう意味ですか。」

 

「ははははは・・・・すまねぇ、色々と立て込んでたんでな。」

 

「・・・・全く・・・・」

 

 

「えっ・・・あの、篠ノ之さん・・・その人とは・・・・・」

 

話についていけなかったヨンは隣で座っていた本音と簪の変わりに代弁して尋ねた。

それに箒は簡潔ではあるが答えたのだった。

 

「ん・・・・・まぁ・・昔からの知り合いだ。」

 

「知り合いって言うか、親戚のおじさんって言うか・・」

 

「ロケットエンジン付きのお下がりの三輪車をくれた人を親戚とは思いませんよ。」

 

「ゲッ・・・・まだ根に持ってたのかよ・・・・・」

 

「そりゃあね。姉さんからもいい加減謝罪しろって言われてるそうですから、ねぇ?

 

 

イルム兄さん。」

 

その後。歳が離れた二人がしばらく子供染みた言い合いをヨンたちは聞く羽目になったのだ。

 

 

 





次回予告

一対三のハンデを持ちつつ戦う千冬とATXチーム。
果たして、どちらが勝つのか。

次回「亡霊対亡霊」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。