インフィニット・ストラトス -Record of ATX- 作:No.20_Blaz
一応ですが・・・
Record04 「Knight in Back」
生徒会長、更識の謎の行動。一組と二組の模擬戦から翌日。
ついに学園祭が開かれることになった。
昨日の疲れが残るメンバーも居たが、それでも滞りなく、最終準備が進んでいたのだ。
「セットの用意はこれで良し。衣装は・・・・
最終確認を舞台の上で行う箒。周りでは生徒達が内心のワクワクを抑えつつ楽しそうに、且つ忙しそうに用意を進めていたのだ。
ちなみに、衣装はセシリアの手製らしく。他の生徒(本音など)は「別に大丈夫だろう。」と言っていたので今回は心配を持ちつつも信じてみることにしたのだ。
「さてと。問題は・・・・・」
校庭では、連邦軍の広告として様々な機体が学園に到着していた。
日本の伊豆に所属するPT。
SRX計画の機体であるR-1・R-2・R-3、そしてR-GUNとART-1。
更には、ゲシュペンストやビルトビルガーとビルトファルケンなどが立っていたのだ。
「おーやっぱり伊豆の皆は強制出張なのね。」
「当然だ。日本の防衛する機体を知ってもらわんとこの先テロリストと間違われるかもしれんからな。」
「さ・・・流石に其処まではないと思いますが・・・・」
すると。そんな展示所に新たに数機の輸送機が到着した。ラウラは「これ以上何か居たか?」
とは思っていたが、まだ居たのだ。そう。
「あ。アルトとヴァイス。」
「・・・・・・・・。」
「あ。ホントですね・・・」
ATXチームの機体も強制出張させられていたのだ。
「うっわー・・・錚々たるメンバーだね。」
「ラドム博士の意地・・・なんですかね・・・・」
「・・・・・・・誰か私のうわさを・・・・?」
その言葉で博士がくしゃみをしたと言うのはココだけの話。
一方。ラウラ達とは別の場所では千冬が今回展示させる機体の確認をしていた。
と言っても、今回展示される機体はATX・SRXチーム、そしてゲシュペンストのみで機体も個性豊かなので直ぐに確認を取れたのだ。
そんな千冬に対し近づく男。伊豆基地所属の「カイ=キタムラ」である。
「これで全機だな。」
「その様ですね。しかし、土壇場でマリオン博士がATXチームまで参加させるとは・・・」
「・・矢張りSRXチームだけを認知と言うのに納得できなかったのだろう。だから土壇場でキョウスケたちを入れてきたんだろうに。」
「・・・だからと言って、ヴァイスは大丈夫なのですか?あの機体、ATX計画とは余り無関係なのですよ?」
「其処は・・・・・博士を信じるしかあるまい。」
「・・・・・はぁ・・・・・。」
この事に、二人は心配と不安以上に何も考えられなかったのだった。
「やっほー!」
すると。そんな二人の元にATXチームの一人、「エクセレン=ブロウニング」が軽い挨拶で姿を現したのだ。
「ん。エクセレンか。」
「少佐もおっひさー♪」
「お前・・機体の方はいいのか?」
「ああ。そっちはブリット君に任せてるし、アッチにはキョウスケも居るからねー」
「そしてお前は一人見学か?」
「まぁまぁ。それに、愛しの我が「娘」にもこうして会いに来たのもあるしね♪」
ピンポンパンポーン・・・
『只今より、IS学園・学園祭を開始します。』
全校放送が鳴り、いよいよ学園祭が開かれた。
その放送を聴き、エクセレンは千冬に出し物を聞いたのだ。
「そういえば一組って何するの?」
「一組は劇場。二組は模擬店だ。だからと言って余りハメを外したりしすぎるなよ。」
「解ってまーす♪」
エクセレンはそう言ってスキップを踏みつつその場を後にした。その後姿を見て千冬は「まぁ、大丈夫だろう・・」と思いつつも内心何か変な事をしないとか心配をするのだった。
特に親子揃って。ではあるが。
学園祭が始まり、後半の店番の生徒は各学年・クラスの出し物を見に行き、前半の店番の生徒は自分の持ち場で慌しく動く。
そんな中、特に午前・午後とやる事の無いラウラ達は箒と共に、のんびりと店を回っていた。ラウラの隣を歩くシャルロットはミニカステラをほお張り、アリスもそれを時折つまみ食いするのだった。
「しにても、二年の出し物はかなり富んでますね。」
「お化け屋敷に昔ながらの当て物。焼きそば・お好みとそしてカードゲーム会場と・・・」
「何でカードゲームが採用されたんだろうね。」
「かなりの種類だったな。」
「・・・隊長?」
「まぁ・・・今年は先輩曰く、かなり富んでいるって言ってるからね。」
「あ。鈴さん。」
そんな一行の前には鈴とココに居たら可笑しい筈のセシリアがいた。
「オルコットも・・・お前、出番はいいのか?」
「劇場自体はまだ時間がありますわよ。」
「・・・ならいいが、鈴はどうなんだ。店番は?」
「・・・・ジュースとケーキを売るだけだから人数足りてるって。」
「・・・・・・・・・。」
「で。追い出されたと。」
「・・・・つまみ食いするからって・・・・ぐすん。」
そんな訳で、鈴とセシリアを入れ、一行は外にあるPTの展示所に向かっていた。その道中からでも、ものすごい存在感でPT達が誰の視界からも離れなかったのだ。
「・・・にしてもPTってデカイわね・・・」
「対大型機動兵器用だからな。特機はあの倍だ。」
「だったらグルン持ってこなくて正解だね・・・・」
「確か特機は・・・・」
「特機は平均でも50~60メートルの大きさだ。確か知っている機体で最もデカイのは・・・」
「ガンドロじゃなかったっけ?確か70あるかって言ってたけど。」
この話の余談ではあるが、特機の基本ともいえるグルンガストでも全長は48。
ダブルGは55。そして、ガンドロことジガンスクード・ドゥロも70程の巨体である。
ちなみにPTの平均は20程。特機のほぼ半分である。
「・・・来させなくてよかったわね・・・・」
「最悪学園の一角が踏み潰されてたかもよ?」
そんな会話をしていると機動兵器の展示場所に着いた一行。周りには一般人の他にも生徒達が紛れており、機体を背にして写真を取ったりと観光気分な者も中には居たのだ。
「おおー結構人来てるなぁ。目当ては何かなー?」
「見るからに・・・アルトやR-1の様だな。」
「おう!そりゃR-1はカッケーからな!」
「・・・出たな。スーパーロボット馬鹿が。」
振り向けば、其処には三人の人物が立っていた。一人は日系。一人は白人。もう一人は日系の女性と人種は少しバラバラであったが、三人は同じ蒼の軍服を着ているという共通点があった。この三人こそ、Rタイプのパイロット、「リュウセイ・ダテ」「ライディース・F・ブランシュタイン」そして「アヤ・コバヤシ」の三人で「SRXチーム」と呼ばれているメンバーだ。
「ご無沙汰しています、少佐。」
「ああ。リクセント以来だな。」
「?」
「あ。それは後々・・・」
「あ。リクセントの時居なかったアヤさん。」
「ヴッ・・・・それはお父様の用事で・・・・」
「・・・アタシ、リクセントに自体居なかったんだけど・・・・・」
「所で。軍人の貴方達にも自由行動が出ていた筈だ。何処か見に行くのか?」
「いや。行くのはリュウセイとアヤ大尉だけで、俺は警備だ。」
「警備って事は・・・・・」
「ATXチームからも一人が警備だ。」
さらに、其処に新たにATXチームのメンバー、「キョウスケ・ナンブ」「ブルックリン・ラックフィールド」そして、エクセレンが姿を現したのだ。それを見てシャルロットは目を輝かせ、飛び掛ったのだ。
「マーミィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
「我が愛しのむっすめー!!」
「「「「「えっ、娘!?」」」」」
「言ってなかったか?」
そして、意外な一言をシャルロットとエクセレンが言う側で驚き、それに対してATXチームの面々が驚いていた。
「実は・・・先輩、エクセレン少尉の所に養子入りしたんですよ・・・。」
「話しには聞いていたが・・・事実だったとはな。」
「って事は・・・・」
「コイツの本当の名前は「シャルロット・D・ブロウニング」だ。」
ラウラからの言葉を聞き、一行は「はー・・・」と唖然とした顔で親子を見ていた。
それは傍から見ればネコと飼い主の様なシュールな光景だったと言うのはその場に居た面々しか知らないが。
「アリス。元気にしていたか?」
「はい。兄さんもお変わり無いようで。」
「えっ・・・兄さん!?」
「言ってなかったか。彼はブルックリン・ラックフィールド。アリスの兄だ。」
「うっそー・・・・・」
意外な事を多く聞き、唖然としていたSRXチームや鈴達。結局、どちらも知っているはATXチームだけだったと言う事だ。
さて。改めて面々はそれぞれ自由に行動し、キョウスケとエクセレンはブリットに警備を任せ、リュウセイとアヤはライに警備を任せてしばらく学園を見て回ることにした。
ちなみに、ブリットが警備を志願したと言う理由はこの後解る。
「・・・あの人たち大丈夫なの?」
「何がだ?」
「いや・・・・何かひと騒動起こしそうで・・・」
「・・・心配いらん。それに、大よその行動は予想できる。」
「え?」
「先ず、キョウスケ中尉は博打を探す。」
「ん?ポーカーか。」
「あらら・・またキョウスケの悪い癖が・・・」
「続くリュウセイはISを見に行く。」
「うっひょー!やっぱカッケーな!」
(何でなの・・・何か行動がバレている気が・・・・)
「そして、ライディース少尉とブリットは女に囲まれる」
「あ、本当だ。」
「ちょっ!?そんな事言ってないでヘルプー!!」
「さ・・・流石に我々でも無理が・・・・・」
「兄さん・・・・」
「警備で人前に出ないから大丈夫だろうってブリットの考え。大ハズレだね。」
「この学園の女子は男に飢えてるからな・・・・」
「そんなゾンビ見たいに言わないで下さい、箒さん。」
「ん?お前達か。」
「あ。カイ少佐。」
そんな所に、カイが現れ「何があった。」聞かれ、それをアリスが説明したのだが・・・
「そうか。だが、それは二人の顔的にも仕方あるまい。」
「まぁ傍から見れば美男子ですもんね。」
「まぁな。それに・・・・・」
「それに?」
「・・・すまん。俺もだ・・・何でかは知らんが・・・」
気付けば、周りにはカイ目当てのギャラリーが居ており、その人数を見て一行は唖然としていたのだ。
「流石ダンディ・・・・」
「伊達ではないか・・・・」
「それは褒めているのかけなしているのか解りませんわよ?」
ヴィー・・ヴィー・・・・
「ん?」
「あら、もうそんな時間でしたのね。」
セシリアは唐突に腕に付けていた腕時計を見て少し驚いていた。
それを見て何かと思う一行だったが、どうやら時間的に劇場の用意の時間だったらしい。
それを聞き、ラウラ達少女は劇場が行われる大型の体育館(最近改装されたらしい。)に移動。セシリアは楽屋に行き、ラウラ達は舞台裏のアシスタントをする事になった。(ちなみに鈴もらしい)
「あれ・・・アタシって二組よね・・・・・」
「考えたら負けだ。」
「り・・・理不尽だ・・・・・」
そして。劇場が始まり、舞台裏ではシャルロットがこっそりと客席を見ていた。客席は満員で、其処には良く見ればカイや千冬などが紛れていたのだ。
「あ。千冬さんだ。」
「ん。ホントだな。」
「アレ?山田先生は?」
「先生も出るらしい。」
「・・・・マジで?」
「マジで~」
物語は基本シンデレラと同じ。
「あれ。シンデレラってこんなストーリーだっけ?」
「・・・どうやら、グリム童話なども加えているようだな。」
「グリム童話が私達の知る「シンデレラ」ではないのか?」
「あれは最近ので、グリム童話は結構グロッキーもあったよ。例えば、最後辺りにシンデレラの靴あわせがあるでしょ?」
「あれはグリム童話だと姉達が無理矢理靴に足を合わせるために爪や踵を切るんだ。」
「うわっ・・・・・・」
「女の意地って恐ろしいね~・・・」
「その女なんだがな、私達・・・・・」
話は進み、いよいよ劇はメインともいえる城の舞踏会のシーンになった。
ココで王子はシンデレラに惚れ、シンデレラもそれに答えようとする。
しかし。約束の十二時に近づき、シンデレラは急いで帰るが、途中靴を絡め取られて片方の靴を落とすのだった。
「あ。あそこって・・・・」
「ああ・・・実はグリムの方で王子が予め階段にヤニを塗ってたらしくって・・・」
「・・・女の敵だな。」
「だからって刀を抜刀しないでくださいね、箒さん・・・・・」
さて。その頃、PTの警備をしていたライとブリットはようやく生徒達から解放され、
一息ついていた。
「はぁ・・・何でこうなった・・・」
「仕方ないですよ少尉。アリスが「ココの女子は男に会う確率が低いから、結構大変ですよ。」って言ってましたし・・・」
「・・・・それで済めばいいのだがな・・・・・」
「そうですね・・・・・・・・・」
「・・・?どうした、曹長?」
「・・・・いや・・・でもまさか・・・・・・?」
「・・・・・・?」
その時、ブリットはある人影を見た。だが、その人物はココに居るのかでさえ怪しい人物で、その仮定を未だに信じられなかったのだ。
その頃、劇場の方は予想通りの展開で、シンデレラ探しをしていた王子とその噂を聞きつけて、街中の女達が靴を履くのだが、サイズが合わず、姉達もナイフで爪や踵を切って履くのだが、血でバレてしまい。結局誰かは解らないと言うシーンだった。
其処にシンデレラが現れてハッピーエンド。
の筈だったのだが・・・・・
「後はセシリアが履くだけだよ。」ヒソヒソ・・・
「解りました。それでは・・・」ヒソヒソ・・・
「・・・・・・・・できない。」
「ん?どうしたの藍?」
「納得・・・できな・・・い・・」
「えっ!?ちょっ・・これはお芝居で・・・」
「だからって納得できるかああああああああああああああ!!」
「っ!?」ビクッ!?
突如数人の女子生徒が話しに納得できないという理由でガラスの靴争奪戦となったのだ。
そして、ステージ上はガラスの靴を取ろうとするチームと靴を守ろうとするチームに分かれてのキャットファイトになったのだ。
ちなみに、客はこれも一種の演出かと思っていたが、カイや千冬は理解したので呆れていたのだ。
「あーあ。完全に暴走状態だよ・・・」
「どうします?流石に抑えないと不味いんじゃ・・・・・」
「だからってあの中に入ったらボコボコにされるわよ・・・・」
「なら、私のクレイモアで・・・」
「ISをそんな事に使うな!」
そして。ついにはガラスの靴はラウラ達とは反対側の舞台裏に向けて投げられてしまった。
それを見ていた生徒は「ア゛ー!!」と声をあげ、客はその靴を「おー」と眺めていたのだ。
このままではガラスの靴は粉々になる(本当にガラスなので)。
そう思っていた、その時だった。
ぱしっ。
「えっ・・・・・・」
突如。向かい側にいた誰かが靴をキャッチしたのだ。
だが、驚いたのは其処ではない。
キャッチしたのは一組の生徒の誰でもなかったのだ。
「だ・・・誰?アイツ?」
「あんな役居た?」
「お・・王子役はココに居る筈・・・・・」
「じゃあ・・・・アイツは・・・誰!?」
その人物は黒いハットにタキシードとマント。そして、目の部分のみを隠す仮面をつけており、まるで怪盗か何かと思う姿だった。さらに、体格から箒達はその人物が男と分かり、警戒を強めていた。
男はゆっくりと歩き、乱闘の中に居たセシリアの下に着いたのだ。そして、静かに靴を出すと、セシリアは何故か流れに身を任せ、靴に足を入れたのだ。
そして・・・
チュ・・・
男は静かにセシリアの手に口付けをしたのだった。
それを見て周りの役者達は唖然とし、舞台裏の面々も驚いていた。
「・・・貴方が、あの日の夜に、この靴を落としたお方なのですね。」
「はっ・・・・・ハイ・・・・・・」
「・・・・約束どおり・・・・お迎えに上がりました・・・・・・」
(っ・・・・・・・・!!)
「・・・貴方は・・・・・・・」
「・・私は・・・・・永い旅をした王子です。そして・・・ようやく、貴方に会えた。だから・・・どうか、私と共に参りませんか?」
「っ・・・・・・!!//」
「・・・あの人・・・どっかで・・・・・って箒さん?」
「おーい、大丈夫かー?」
「・・・・・・・喜んで。」
そして。壮大な音楽と共に、幕は閉じ、盛大な拍手と共に波乱の劇場は終わりを告げた。
だが、それと同時に千冬が突如席を離れ、カイも少し後にその後ろを追うのだった。
その頃、幕が完全に下がったステージ上では男は気付けば姿を眩ましており、箒は急いでステージ上を探すのだが、何処にも先ほどの男は居なかったのだ。
「居ない・・・って何で!?」
「さっきまでココにいた筈・・どうやって・・・・・」
驚くシャルロットと考え込むアリスを他所に箒と鈴の方を見ていたラウラとセシリア。二人の顔は「まさか」と思っているような顔で、どうやら。二人は彼の正体を知っているらしく、ラウラは二人に問い詰めたのだ。
「二人共。あの男の正体を知っているのか。」
「・・・・・・ああ。だが、確定はしていない。」
「・・・そうか。」
「・・・取り合えず。お前達、各自で捜索だ。」
「っ・・・・教官・・・」
ラウラの近くにはカイと千冬が来ており、セシリアは着替えてその捜索に参加した。
さらに、後からカイがキョウスケやリュウセイにも呼びかけ、学園内を探し回ったのだ。
アリーナ・・・
「ここじゃなさそうだな・・・・」
「リュウ、次に行きましょ!」
「おう!」
食堂・・・
「流石に居ないか・・・」
「・・・・・・・。」
「千冬。覚悟は・・・しておけ。」
「・・・はい。」
屋上・・・
「ココも居ないですわね・・・・」
「むー・・・ココから探せないかな~・・・?」
「流石に其処まで簡単に見つかるのは・・・・」
PT展示場・・・
「ブリット。そっちはどうだ?」
「いえ、こちらには特に・・・・・」
「全く・・・何処に王子様は逃げたのかしら?」
「・・・アリス。そっちは?」
「駄目です・・・・・先輩の方は・・・」
「・・言うまでも無く。」
学園のあちこちを探すラウラ達。残る報告は箒と鈴の二人からのだけであった。
そして、その二人は学園の道を歩いており、少し諦めの表情だった。それもその筈だ。
確信の持てない自信。何時までも見つからない状況。流石にもう駄目だ。無理だ。
そう判断せざる得なかった。
「・・・・やはり・・・・見間違い・・・・・・」
「・・・・・・なのかな・・・・・信じたくないけど・・・・・」
しかし。その時である。
(・・・・・・・・・・・・・。)
「・・・・・・・え?」
「・・・どうしたの?」
「・・・・・・・まさか・・・・!」
すると。突然箒は走り出し、突然の事に霖は驚きつつもあとを追ったのだった。
だが、箒のほうが体力と運動神経が高かったのでみるみると差が開いたのだ。
「ってアイツ速ッ!?」
学園の敷地にある海の見える一角。
時間も時間なので夕日が見える場所だった。
「はっ・・・はっ・・・はっ・・・・・」
其処に箒がやって来て、息を切らしつつ周りを見回していた。
其処には・・・
「っ・・・・・・!」
「・・・久しぶりだな。箒。」
「い・・・・・ち・・か・・・・・!」
其処には、箒がかつて共に過ごし、分かれ、そして再び出会い、共に戦った男。
「織斑一夏」が立っていたのだ。
「っ・・・・・!!」
箒は一夏に向かい、走り、思い切り抱きついたのだ。
一夏は少しふんばり、箒を受け止めると片手でゆっくりと箒を抱くのだった。
「また・・・・・また・・会えた・・・・・!」
「すまなかったな。今まで色々と立て込んでいたかなら。」
「そうか・・・・・そうなのか・・・・!」
「所で・・・箒、痛い・・・・」
「あ・・・すまん・・・・・!」
箒は気付かず身体に力を入れていたらしく、一夏に言われて初めて気付き、一旦放れるのだった。
「だが・・・一夏、どうしてココに?」
「ん?ああ、実は・・・・・・」
「・・・・?」
「束さんが学園祭があるって聞きつけてそれにつき合わされて居たんだ・・・・・」
「・・・・・あの人は・・・・」
ココに来た理由。それがたとえしょうもなくても、それでも箒は心の底では嬉しかった。
一夏は苦笑し、箒は呆れる。こんな光景は彼女にとっては数ヶ月ぶりの光景だったのだ。
だが、それも直ぐに終わることになった。
「・・・・・・んじゃ。そろそろ・・・・・」
「・・・・行くのか?」
「ああ。まだ色々とやる事があるからな。」
「・・・・そうか。今は何を?」
「束さんの手伝いでアースクレイドルを解析とかしてる。」
「・・・そうか。解った。」
「おう・・・・・んじゃ、短い時間だったが・・・俺も嬉しかったよ。」
一夏はそう言い、一回転すると黒いISを纏い飛翔していたのだ。
その機体はかつて箒と共に戦った時に使い、中破した機体だったのだ。
「ヴァイサーガ・・・もう直ったのだな。」
「おう。コイツじゃねえと、何かしっくりこないんだ。」
「・・・フフ・・・白騎士と黒騎士か・・・・・・」
「・・・かもな。」
「また・・・会えるよな。」
「会えるさ。幼馴染だしな。」
そして、箒が軽く笑うと、一夏も笑い、その場を後にしたのだ。
その後、一夏が見えなくなる頃にやっと鈴が辿り着き、息を切らしていたのだ。
「はぁ・・・はぁ・・・・アレ?アンタさっき誰かと話してなかった?」
「ん?まぁな。」
「・・・・何、妙にスッキリした顔してんのよ。」
「そうか?」
「そうよ。」
「・・・そうか。そうかもな。」
鈴は箒の言葉を理解できず、頭に「?」を浮かべていた。
箒はそれを見て軽く笑い、一夏が去った方向を見つめていたのだった。
次回予告
学園祭は無事に終わった。
しかし、波乱の学園生活はまだ続くのだった。
そして今度は・・・
次回「Unknown Girl」