インフィニット・ストラトス -Record of ATX-   作:No.20_Blaz

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捕捉。
ラングレー基地ですが、アインスト戦で崩壊はされず、大破と言う状態です。
詳しい事は・・・・・・何時か書きますw


Record09

欧州戦線の戦況。

 

パリの参謀本部を囲む為に環状線に沿って反乱軍は包囲した。

その外縁部四キロの所に後方支援部隊が配置されている。

 

対する連邦軍は都市部一帯の一般市民に避難命令を発動。

外縁部部隊を殲滅する為に欧州各地から部隊を召集し、外縁部部隊を攻撃させる為に反乱軍を包囲した。

そして、参謀本部守備部隊は半数近くが撃破され、本部敷地内に撤退。

参謀本部陥落は時間の問題となっていた。

 

その為、反乱軍包囲部隊を攻撃しようと進撃を開始するのだが・・・

 

 

 

 

外縁部連邦軍、ライノセラス級・仮司令戦艦「ニダヴェリール」

 

「・・・・自走砲か。」

 

「はい。環状線線路に列車砲と自走砲が配置されています。そして、対空ミサイルと対空砲が配置されて、地上から侵攻しようとすると、自走砲などで。空からでは対空砲などが反撃してきます。」

 

戦艦のブリッジで司令官と副司令官が反乱軍の配置で頭を悩ませていた。

二人の話し通り、環状線の線路には自走砲と列車砲が配置されており、その近くには対空ミサイルや対空砲が配置されていた。

連邦軍は何度か進撃をしたのだが、地上からだと自走砲の砲撃。

空から空襲しようとすると、対空砲などが反撃を仕掛ける。

その為、司令官はこれ以上の被害を防ぐ為に侵攻を中止していた。

 

「・・・・ふむ・・・シロガネはどうなっている?」

 

「イギリス海峡を通過中です。」

 

「速いな。それなら間に合うか・・・・?」

 

「時間からして、そろそろ海峡を抜けるはずです。其処から、ルーアン(フランス北西部の街)を抜けて侵攻すれば・・・」

 

「なるほど。では、それを合図に進撃を再開しよう。」

 

「了解です。」

 

 

 

 

 

シロガネ、ブリッジ・・・

 

そのシロガネでは、朱音が先程の旗艦から通信を受けており、作戦の内容を聞いていたのだ。

 

「では。我が艦は北西部から進撃を?」

 

『そうだ。シロガネが北西部から進撃し、包囲していた部隊をX字にするように集結。その後、全部隊同時に進撃を開始する。』

 

「・・・・元帥。つかぬ事お聞きしますが。包囲している我が軍の編成は?」

 

『うむ。戦車五個師団と対空部隊が二個大隊。リオンが四個中隊とランド・バレリオンが三個師団。そして、ゲシュペンストが一個中隊とISが・・・・全20機だ。』

 

現在の自軍の戦力に朱音は息を吐いた。明らかに戦力不足だからだ。

反乱軍の戦力は情報によれば、無人戦車六個師団、対空部隊が五個大隊と自走砲が一個大隊に列車砲が20台。そして、戦闘機が三個大隊とISが100機以上あるとの事だ。

大半が無人とはいえ、明らかな戦力の少なさに朱音は何もいえなかったのだ。

 

『・・・此方はかき集められるだけ集めたんだ。それ以上は何も言うなよ。』

 

「・・・了解しました。では、北西部にある第三軍は私が指揮します。」

 

『・・・いいだろう。各司令官に通達しておく。』

 

「解りました。では。」

 

プツッ・・・・

 

 

「・・・・・・・。」

 

朱音は帽子を深く被り、それを見たアンは朱音を気遣った。

流石にここまで戦力が集められなかった事に呆れていたらしい。

だが、戦力がコレ位でもまだマシだ。と同時に思っていたのだ。

 

「・・大丈夫か、姉貴。」

 

「・・・ああ。問題ない。全く・・・今まで無駄に戦力を消耗させていたと言う事だな。連中は。」

 

「仕方無いさ。AMなどの実戦投入と経験は無いんだし、第一それがあるのはスペースノア級の艦長ぐらいでしょ?」

 

「・・・・そうだな。グチグチ言っても仕方ないか。」

 

そう言って割り切った朱音は通信を開き、誰かに連絡を取ったのだ。その相手は・・・

 

『何でしょうか、艦長。』

 

「キョウスケ中尉、作戦の説明をしたい。直ぐにブリッジに上がってくれ。」

 

『・・・・了解です。』

 

 

 

 

 

格納庫・・・

 

格納庫では自分達の機体の整備を整備班に任せ、近くのコンテナに集まって軽いブリーフィングをしていたのだ。

 

「報告では包囲をしている連邦軍の勢力が思った以上に少ない。其処で、一気に短期決戦を仕掛ける事にした。」

 

「短期決戦・・・でありますか・・・」

 

ラウラがきっぱりと言った戦法に、シロガネに残った大尉の部隊一人が冷や汗を垂らしつつ聞いたのだ。確かに戦力的に差がある状況で、且つ敵に自軍の位置が知られていては、それがベストである事は間違いない。しかし、状況からして正面突破しかないという状態で、それにその一人は少し怯えていたのだ。

 

「迂回の手もあるが、それはそれでメリットが無い。それに・・・」

 

「三方からの挟撃・・・って手もありますけど、それじゃあ敵にやられるだけ・・・」

 

大尉とブリットが更に蛇足を加え、選択肢の無さをより現していた。

敵部隊の展開が薄い所に迂回して行っても、其処から他の所の部隊が集まって挟撃などを受ける。そして、三方からの攻撃は一部隊の数が減ってしまい、敵の反撃を行ってくれと言わんばかり。

その為、一気に短期決戦で仕掛けるしか方法が無かったのだ。

 

「と言っても・・・方法はどうする?地上は自走砲と列車砲。空は対空兵器の嵐だぞ。」

 

「そこ等辺は考えていますよ・・・・」

 

「・・・まさか・・・・・」

 

そう言ったブリットの後ろから、キョウスケが歩いてきた。当然。言う事は唯一つだ。

 

「正面突破だ。」

 

「やっぱり・・・・・」

 

「けど、どっちで行くの?地上か空か。」

 

頭を抱えるブリットの隣で、エクセレンがキョウスケに質問する。

キョウスケはリオンを指で指しつつ説明をしたのだ。

 

「無論、地上からだ。その為に、リオン部隊には使い捨て式のロケットブースターを装備させる。敵が此方を射程に納め、砲撃に入るまでに自走砲台に辿り着く。」

 

「なんともまぁ・・・・で、僕等はどうするの?」

 

「IS部隊は俺たちと共に一気に自走砲台と対空砲台を潰す。その後はシロガネが食い破った所に陣取って包囲網を破壊していく。」

 

「つまりは・・・正面突破して敵陣殴りこみって事?」

 

「簡単に言えば、そうなるな。」

 

その言葉にほぼ全員は頭を抱えた。

艦長まで突撃大好きになったのではないかと思うぐらいシンプルで無謀。且つ大胆すぎる作戦だった。だが、単に突撃するだけの作戦ではない。敵の砲撃までに何処まで近づき、その次の砲撃まで何処まで近づけられるかも重要である。

 

「自走砲の次弾装填時間は30秒。列車砲は40秒。つまり、一発目を回避し、次弾装填の35秒以内に自走砲と列車砲の陣地に行かなければならない。」

 

「あ・・・あのぉ・・・・」

 

「何だ、アリス。」

 

「もし、35秒以内に辿り着けなかったら・・・・」

 

「その時はその時だ。今は35秒以内に辿り着くことを考えろ。」

 

「あ・・・はい・・・・・・」

 

 

 

 

その後。シロガネ所属の機動部隊は全機出撃用意に入り、キョウスケ達が先発して出撃をした。そして、その発進直後のキョウスケに朱音から通信が入った。

 

「朱音艦長?」

 

『すまんな、中尉。実は敵陣突入後に、グルンガスト参式を此方の直掩に回してくれないか?』

 

「・・・構いませんが・・・・」

 

『すまんな。AM部隊だけでは本艦をカバーしきれない。だが、特機である参式にも支援を頼もうと思っていたのでな。その代わり・・・と言うわけではないが、中尉と少尉には参謀本部侵攻部隊を殲滅して欲しい。』

 

「了解しました、艦長。」

 

『頼むぞ・・・中尉。何か嫌な予感がするからな・・・・』

 

朱音が通信を切り、コクピットで用意をしていたキョウスケは考えにふけていた。

彼女が嫌な予感と言うのは大抵当たる事が多く、滅多に彼女は口にしない。

だが、その不安が何であれ、自分は自分がやる事をやる。

キョウスケはそう思い、進撃の用意を待つのだった。

 

 

 

一方。カタパルトでは、IS部隊が出撃用意をしており、恭介達と同じく先発であるラウラ達がエリンたちに通信を開いていたのだ。

 

「我々が先行する。そちらは後から付いて来てくれ。」

 

『了解しました。無理はしないようにして下さい。』

 

「・・・・解っている。出撃するぞ!」

 

 

カタパルトが起動し、機体は射出される。それと同時に彼女には正面からGが掛かるが、それ位で根を上げはしない。カタパルトから離れると下部のブースターを吹かして地面に着地する。そして、上を見れば後から出撃したリオンとラファールの部隊が降りて来ていたのだ。

 

「各機。用意はいいか。ココからはノンストップだぞ。」

 

『アサルト2、何時でもいいわよー』

 

『アサルト3、同じく何時でも行けます!』

 

『アサルト1st、此方も良いぞ。』

 

『アサルト2nd。おなじくー』

 

『アサルト3rd。何時でも。』

 

 

「ATXチームはよし・・・大尉、そちらは?」

 

『此方も何時でも行けるぞ。』

 

『同じく、バルゴラ小隊も行けます。』

 

 

「・・・よし。各機、行くぞッ!!」

 

全機が敵部隊が布陣する方を向き、構えを取る。

リオンの追加装備であるブースターがエネルギーを集めていき、放出までのカウントダウンが始まる。それはアルトアイゼンも同じだ。

 

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ。」

 

 

刹那。一気にスラスターなどか火を吹き、全機正面からのGと共に突撃したのだ。

今まで掛かった事のないGに一部のメンバーは吐き気がする程だった。だが、そんな事だけで下りる事は出来ない。

賽は既に投げられたのだ。

 

 

「がっ・・・!?」

 

「ぐっ・・・!!」

 

武装などは使用しない。そんな暇があれば今は突撃する。

そんな感情が今の突撃部隊のメンバーの頭の中にしかなかったのだ。

 

 

 

 

そして。その対象である反乱軍は、その無謀な作戦に驚き、焦っていたのだ。

 

「なっ・・・何コレ!?」

 

「どうした?」

 

「て・・・敵部隊の強襲!物凄いスピードで一直線に此方に向かってきています!」

 

「何っ!?」

 

包囲の一角を任させていた司令官は驚いていた。

回された映像には確かにリオン四機とアルトアイゼン・リーゼ、ライン・ヴァイスリッター、グルンガスト参式。そして速すぎて映像が取られなれなかったが、ラウラ達の三機とラファール2nd一機、そしてラファール三機が向かってきていたのだ。

それが正気の沙汰だとは思えなかった司令官だったが、取り合えずと思い、迎撃の用意を命令したのだ。

 

「くそっ・・・敵はついに馬鹿に成ったか!?自走砲と列車砲に砲撃用意を!発射用意完了と共に順次砲撃!」

 

「り・・了解です!」

 

「中佐!!」

 

「今度は何だ!?」

 

「列車砲などの弾がさっきので殆ど切れてしまい、現在補給をしていまして・・・」

 

「何っ!?」

 

司令官の女性はその言葉に耳を疑った。

だが、自分は確かに砲撃を多くしたという感じが、前の小競り合いで感じたのでまさかとは思っていた。だが、その最悪の事態が現実となり、司令官の頭の中は半分近くが真っ白だったのだ。

 

「それと・・・・観測衛星から奴等の後方に弩級戦艦が此方に向かってきていると・・・」

 

「っ・・・・!?」

 

「いかがしますか?」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

焦る司令官。だが、殆どと言う言葉を思い出し、報告に来た兵士に尋ねたのだ。

 

「・・・・砲台に弾は後何発残っている?」

 

「・・・平均二発・・・・」

 

「・・・・解った。それを全て使え。いいな。」

 

「は・・・・はいっ!!」

 

 

 

 

そして。現在突撃を掛けているキョウスケ達は・・・

 

(・・・そろそろ敵の自走砲などの射程か・・・・)

 

既にコレくらいのGに慣れていたキョウスケは冷静になって状況を確認していた。

砲台のレンジがかなり長く、しかも正面から此方は向かってくる。

砲撃をするなら、そろそろして来る筈だと思い。キョウスケは正面に目を光らせた。

 

「各機に通達。そろそろ敵の射程内だ。気をつけろ。」

 

 

(ま・・・マジかよ・・・この速度で普通に話せるって・・・・・)

 

(相変わらず化け物染みてるわね・・・キョウスケ。)

 

平然としているのは突撃部隊の中でも数名だけで、その面々は返事をしたが、他のメンバーは歯を食いしばるのに精一杯でやっと顔を縦に振るのが限界であった。

 

「よし・・・・」

 

 

 

刹那。

 

 

 

 

 

 

ズドオンッ!!

 

 

一射目が自走砲と列車砲から放たれた。

砲撃は容赦なく先頭のアルトアイゼンに向かっていき、対してアルトアイゼンは何もせず、キョウスケもただペダルを強く踏んでいただけだった。

 

 

 

 

 

そして。

 

 

 

 

「一射目、敵先頭の機動兵器に着弾ッ!!」

 

「・・・先ずは一機・・・次弾装填急げ!!」

 

司令官はアルトに着弾したことを確認すると、直ぐに砲撃部隊に次弾装填を急がせた。

後は装甲の脆いリオンとIS。そして、詳細不明の白い機体(ヴァイスリッター)と特機のグルンガスト。特機とヴァイスに注意すれば後は簡単だ。

そう思っていたが・・・・・

 

「・・・・えっ・・・嘘・・・・・・」

 

「どうした?」

 

「ち・・・着弾した筈の機動兵器が・・・・・・・先頭を走っています?!」

 

「っ!?」

 

司令官は再び驚き、モニターを見た。其処には堂々と先頭を走り、しかも無傷のアルトアイゼンが居たのだ。正直に言えばアルトアイゼンはこの様な砲撃ではビクともしない。それを司令官は知らず、撃破できたと思っていたのだ。

アルトの装甲がたかが砲撃一発でビクともせず。且つビームコートを装備していると知らず。

 

「次弾装填まで後30秒!急ぐぞ!!」

 

キョウスケはそう言い、先頭をアルトと共に走っていた。

自走砲等までの距離は後二十キロ。時間は残り約30秒。

普通なら絶対に届かない。

だが、それだから良い。

 

キョウスケはそう思い。顔をにやけさせていた。

 

 

 

「っ・・・・・無人戦車起動!到着したら一斉砲撃だ!!」

 

『り・・・了解です!』

 

「それと、待機しているIS部隊にスクランブル!包囲網を崩させるなぁ!!」

 

「は・・・はい!!」

 

残り25秒。反乱軍司令官が焦りつつも部隊に出動の要請をする。

無人の戦車が起動し、主砲を突撃部隊が来る方向に向ける。

その後ろで補給と整備をしていたIS部隊が起動。ラファール全30機近くが出撃した。

 

 

「後・・・・十六キロッ・・・!!」

 

残り19秒。ブリットが力ずくで口を開く。万が一の時には自分がキョウスケと共に味方の盾になる。そして、それしかもしかしたら出来ないと思い、参式の状態をモニターの近くに表示されているディスプレイに目をやる。其処にはスラスターの熱がみるみる上がり始めているのだ。最悪、スラスターがオーバーヒートし、飛べなくなるだろう。

それでも、と思い。ブリットも歯を食いしばるのだった。

 

 

 

「と・・・届く筈が無い・・・・計算だと、ギリギリ届かず、自走砲の射程内だ・・・」

 

残り12秒。

司令官が焦りと共に妄想などを口にし始める。

時間的に絶対に届かない。勝利を確信した。

 

 

 

 

10秒。

 

「ぐあああああ・・・・・!!」

 

リオンに乗る新人兵士が声を上げる。身体が限界に近づいていた。

 

 

9秒。

 

「来るはず・・・無いわよね・・・・」

 

配置に付いた反乱軍のIS部隊が冷や汗を垂らし、銃を構える。

 

 

7秒。

 

「届けッ・・・・・・!!」

 

アリスが頼みを口にスラスターを限界まで出力を上げる。

 

 

 

6

 

「間も無く砲撃用意完了です!」

 

 

5

 

「フフフフ・・・か、勝った・・・・・」

 

 

 

 

4

 

ふわっ・・・

 

「っ・・・風?」

 

 

 

 

3

 

「見たいね。しかも向かい風・・・」

 

 

 

2

 

「えっ・・・・・」

 

「向かい・・・風・・・・?」

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レンジ・・・越えたぞッ・・・・・・!!!」

 

 

 

刹那。キョウスケは笑みと共に全機に通達する。

そして、司令官と通信兵は唖然とする。

 

追い風だけでスピードが上がった。

たかが追い風だけでだ。

それでも、彼等がレンジを越えたのは事実だった。

 

「全機、攻撃開始ッ!!!」

 

 

「エントリィィィィィィィィィィィィィ!!」

 

新人の兵士が叫びと共にリオンのブースターをパージ。装備のロックを外す。

そして、同時に一斉射をし、他の皆も一斉に自走砲台などに向かい砲撃を放ったのだ。

 

多数のミサイルと砲撃などが自走砲台や列車砲を襲い、次々と破壊されていく。

それを見て司令官はただ立ちすくんでいたのだ。

 

「嘘・・・・・・でしょ・・・・・?」

 

 

 

 

「クレイモア。」

 

ガシャッ!

 

 

ラウラの機体のクレイモアのポットが開き、其処からベアリング弾が放たれる。

そのベアリング弾の嵐は自走砲一台を軽く穴ぼこにしてしまったのだ。

 

「きゃっ!?」

 

「このっ・・このっ!!」

 

 

ラウラの機体に向かい、銃撃が行われる。しかし、アルトのコンセプトを元に作られた機体にはアルト同様、効果は無かった。

 

「ラウラー動かないでねー」

 

その隙を突き、シャルロットが長身のライフルで攻撃していたISを打ち抜いていく。

そして、その近くでは、大尉のリオンがマシンキャノンで戦車を撃破していった。

 

「敵戦力は確実に潰していけ!遠くの自走砲台などはシロガネが潰してくれる。我々はシロガネの配置場所を確保するぞ!」

 

 

 

「し・・・司令官ッ!後方の弩級戦艦が、向かってきて・・・こちらに射程を・・・!?」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「司令ッ!?」

 

「う・・・・うそ・・・・・・・・たったあれだけの相手に・・・・・・男に・・・・・・私達が・・・・負ける・・・・・・?」

 

 

 

 

 

「それが現実だ。」

 

刹那。朱音が手を振り、砲撃の合図を送る。それと共にシロガネの下部の砲台から砲撃が放たれ、司令官達が乗っていたライノセラス級のブリッジを貫いたのだった。

そして、シロガネから幾つ物砲撃が放たれ、周りの砲台が破壊されていく。

周りの防衛部隊も動き始めるが既に包囲網に大穴が開いていたのだった。

 

 

「全機に通達。本艦はココに待機し、周りの自走砲などを潰していく。補給の必要がある機体は直ぐに帰還しろ。」

 

「現在、残る三方も少しずつではありますが防衛部隊へと攻撃を開始。周りの部隊が其処に集まっていってます。」

 

「よし。キョウスケ中尉とエクセレン少尉は参謀本部に直行。侵攻部隊を後ろから襲撃しろ。ブリット少尉は本艦の援護だ。」

 

『アサルト1了解。行くぞ、エクセレン。』

 

『オッケー!ブリット君、後よろしくー♪』

 

『任せてください!』

 

 

そう言い、アルトアイゼン・リーゼとライン・ヴァイスリッターはその場から離れて、更に奥地に向かって行った。そして、グルンガスト参式はシロガネの直掩に付き、ブーストナックルなどで敵を破壊していった。

 

「よし。このまま包囲網の後方を潰していくぞ。」

 

「了解。副砲二番・四番撃てッ!!」

 

 

『朱音大佐。』

 

「・・どうした、シール中尉。」

 

『IS部隊を両サイドに居る敵部隊に向かわせてはどうでしょうか。今なら自走砲などを壊滅させられる筈です。』

 

「・・・・・いいだろう。ATXチームは左翼。中尉の第3小隊は右翼の敵を叩け。」

 

『ありがとうございます。』

 

エリンがそう言って通信を切ったが、その会話相手の朱音はエリンの顔を見て不安がまた込みあがったのだ。何故かと言う理由はわからない。だが、今はと思い。その感情を押し殺すのだった。

 

 

 

 

「両サイドの部隊を・・・ですか。」

 

そして、朱音はラウラ達にも敵部隊攻撃を指示しラウラは攻撃を中断して通信に集中していた。

 

『そうだ。既に右翼に第3小隊が向かった。左翼はそちらに任せる。』

 

「・・・了解しました。」

 

『気をつけろよ。』

 

通信が切れると、ラウラはシャルロットとアリスと共に環状線を登った。

そして、配置されている敵部隊を倒していき、少しずつではあるが確実に制圧範囲を広めていったのだ。

 

その頃。他の部隊も順次自走砲台を潰していき、制圧範囲を広げていた。

しかし、やはり無謀さがあったのか、母艦に被弾したりと被害も大きかったのだ。

 

司令戦艦「ニダヴェリール」・・・

 

「第二軍旗艦停止!行動不能との事!」

 

「同じく、第四軍の随伴艦に被害が出ています!」

 

「・・・我が部隊の状態は?」

 

「現在、AMなどの被害が出ていますが、今の所戦艦に被害は見当たりません。」

 

「・・・よし。このまま進撃を続行。確実に包囲網を崩せ!」

 

この結果。包囲部隊の後方は確実に蝕まれていき、第一軍が参謀本部へ侵攻する部隊にも攻撃を仕掛けることになった。同じく、第三軍もある程度の攻撃は行ったので、一気に本部の援護に入ろうと言う事になっていた。

そして。その為にIS部隊がシロガネに帰還。補給と簡単な整備を受けるのだった。

 

「あ・・・すみません。忘れ物をしたので、一旦部屋に取りに行って来ます!」

 

「解った。急げよ。」

 

アリスが突然、忘れ物を思い出し、自分達のチームが使用している部屋に向かって走って行った。部屋に戻ると、其処に置かれていたメモリーを取り、ドックタグを首にかけた。

そして、急いで格納庫に戻ろうと部屋を出たのだが・・・

 

「・・・・・?」

 

彼女はバルゴラ小隊の一人が格納庫とは別の方に向かったのを見たのだ。

一応、声をかけておいた方が良いだろうと思い、アリスは一人あとを追った。

しかし、その向かう場所が機関室である事を知り、不安が過ぎったのだ。

 

(・・・・・・・・・。)

 

その彼女が機関室に入ると、アリスもゆっくりと後をつけて行く。

足が止まったので、見える距離で隠れて見ていたアリス。

 

「・・・・さて。これで・・・・」

 

そう言うと彼女は手に持っていた何かを機関部に張り、その場を後にした。

アリスが隠れ、彼女が行くのを音で感じると、直ぐにその場に駆け寄った。

其処には

 

「っ・・C4爆弾ッ!?」

 

C4爆弾が張り付いており、それを見たアリスは驚いた。

何故、彼女はこんな物をココに設置したのか。どうして彼女なのか。そして、同時にまさかの考えも頭を過ぎったのだ。

 

「と・・兎に角解除しないと・・・・・」

 

しかし。

 

 

 

 

 

 

 

パカンッ!!

 

 

 

刹那。アリスが後ろから撃たれ、その場に倒れるのだった。

 

 

 




次回予告

戦争は裏切り、裏切られはよくある事。
何故裏切るのか。
全ては行う者達しか解らないものである。

次回「戦線崩壊」
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