ヤマト2202 防衛軍戦記   作:化猫

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本章よりオリジナル要素が加速していきます。

2020/10/1 改稿 宇宙軍司令部→艦隊司令部
         参謀本部→宇宙軍作戦本部 


1章
1-1 休息の合間に


浮遊大陸での戦い直後、地球では怪現象が発生していた。親交のあった人間が何かを伝えてくる。そんな白昼夢を見たという人間が、多発したのだ。謎の怪現象として処理されそうになったこの事件はある報告により、予想外の方向へ逸れていく。

 

 

 

浮遊大陸の戦いから四日、古代進は久しぶりに真田志郎の元を訪れていた。ガミラス戦役後古代は宇宙艦隊、真田は艦隊司令部へ配属されていた。お互い連絡こそ取り合うものの直接顔を合わせるのは約一年ぶり、英雄の丘であって以来だった。

 

「久しぶりだな、古代。いいところに来た」

 

そう言って出迎える真田の眼もとには隈が浮かんでいたがその瞳は爛々と輝いていた。

 

「真田さん、お久しぶりです、元気そうですね」

 

「まあ、今は趣味に没頭しているからなぁ」

 

作戦に参加していたものは多かれ少なかれ休暇をもらいそれを謳歌していた。少なくとも目の前の真田は艦隊司令部の仕事を忘れ、自室にこもり何やら没頭しているようだった。

 

「新見さんの具合は?」

宇宙軍作戦本部に配属された彼女は数少ない例外として休暇を取らず激務を熟していた。そうして三日目の晩真田が倒れている新見を発見し病院に担ぎ込んだ、と言う次第である。

 

「まだ検査の結果は出てないが、過労だろうとのことだ。まあ、あの作戦の後だ、作戦本部は相当キツいみたいだよ。そっちはどうだ?」

 

「休職が明けたらこき使われることになりますよ。」

 

そう告げる古代の顔に少しの葛藤を見受けながら真田はさりとて踏み込まず、話を変える。

 

「古代、お前を呼んだのは他でもない。面白いデータを見つけてな。これを見せたかったんだ」

 

ダイニングルームの大半を占拠する机とPC。そしてそこにつながれているのはかつてユリーシャが持ち込んだ...

 

「あぁ、ユリーシャ殿下が持ち込んだ親書だよ、桐生君から借りたんだ。公文書館に顔が利くみたいでね。見てもらいたのはこのデータだよ。」

 

指さすモニターには二種類のグラフが移っている。一つはどうやらスターシャ殿下の親書を基に作成したようだが…

 

「音声ファイルのデータグラフですか?」

 

「その答えはイエスでありノーでもある」

 

そう曖昧に答える真田はイスカンダル製のホロディスプレイを取り外し渡してくる。

 

『...ねく知的生命体の救済、それが』

 

ディスプレイから聞こえる声は寸分たがわずイスカンダルで聞いたものだった。

 

「鈴を鳴らしたような声に流暢な発音、気品を感じずにはいられない、そう思わないかい?」

 

いささか衝撃を受けながら古代は真田に先を促す。

 

それが顔に出ていたのだろう。

 

「そこまで驚かなくてもいいだろうに...何か気づかないか?」

 

そう言われ、しばしの熟考ののち答えをだす。

 

「中原何とかのおかげ、とかですか?」

 

「ちがうな」

 

真顔で否定する真田はいたって真面目な顔である。それがまた古代の笑いを誘うのだが、そんなつもりは毛ほどもないだろう。

 

「流暢すぎると思わないか?ファーストコンタクトでありながらこの親書は極めて流暢な日本語だ。それにユリーシャ殿下あてのメッセージ、これも日本語で録音されている。」

 

そもそもがおかしいのだ。と真田は言う

 

「もしイスカンダルが地球の言語に堪能だとすればサーシャ殿下に翻訳機は必要なかっただろう。加えて言えば外交任務に堪能な士官が通訳として地球で同道することもない。旧国連軍のアーカイブにはオリジナルのデータがアップロードされているから、各国ともにこの親書の内容は把握している、にもかかわらず各国で翻訳されたデータが存在しないんだ。」

 

どうにも難解であるが詰まるところ親書の言語がどうして簡単に聞き取れるのか、という事だろう。

 

「そこでこいつの音声データを抽出してみた、驚いたよこれはどうもイスカンダルの言語で記録されているみたいだ。それがどういう訳か聞く時は聞く者の第一母語に聞こえるんだ。これは予想になるんだが、何らかの装置でこちらの認識を変えているのではないかとね。この仮説に基づいて佐渡先生に協力してもらい作成したデータがそれなんだ。一種の脳波のデータだと思ってくれて構わない。」

 

そう告げられモニターに目をやる。何が何やら解らないが一つ目のデータはイスカンダルの親書を聞いた時のデータなのだという。中央病院の設備を佐渡先生に借り受けて試したと言うのだから、大したものだろう。

 

しかし、では2つ目のデータは?

 

「古代、あのガトランティスの戦艦が沈んだ時、地球圏全域で強力な電磁パルスが発生したのを覚えいているな?あの瞬間、奇妙な白昼夢を見たという報告がいくつか上がっている。かく言う私も守の夢を見た。」

 

「俺も、見ました。艦長の夢を。ヤマトに乗れ、と。」

 

そうあの時、確かにヤマトに乗れと言われた。そうしてヤマトに乗らなければ、と言う使命感に駆られた。

 

「俺もだ、守はヤマトに乗れと。そう伝えてきた。佐渡先生も見たらしい。ちょうどその時に脳波スキャンを行っていた患者がいたそうだ。例の白昼夢を見ていたその瞬間の、な。そのデータがそいつだ。似ているだろう?」

 

確かにグラフは似た数値を出していた。グラフの端と端は全く同じと言ってもいい。しかし

 

「そこまで似てますか?」

 

その間の部分。大まかには同じだろう。しかし細かな違いは幾重にもあり、一致しているとはいいがたい。

 

「うん、その通り。だが私のカンが告げているのだよ。何かあると。佐渡先生も同じ意見なようでね。私に調査を依頼してきたんだ。そしてちょうどこのホロディスプレイにデータの入力が終わったところだったんだ。君も見ていって欲しい。」

 

そう答えると、真田は装置を起動する。ノイズが流れ、やはり失敗かと思われた時、メッセージが流れ出した。

 

 

 

 

 




時系列的には本編と違い浮遊大陸戦から沖田艦長の命日までおおよそ2週間ほど期間が空きます。

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