ゲール少将の胃痛   作:化猫

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独白

 

 

子供のころから戦艦が好きだった。それは大人になっても、例え生まれ変わっても変わらなかった。

 

バレラスそれが第二の故郷の名だ。

 

12歳になる頃、軍に憧れた。空を飛ぶ重巡、宇宙を行きかう戦艦。

その巨体に、そしてその強さに。

軍は延々と拡大する領地に対して兵士が、士官が圧倒的に足りていなかった。

士官学校の中等部には簡単には入れた、三年間はずっと陸戦訓練だけだった。

高等部に進級してからは延々戦艦に乗りっぱなしだった。

兵士が足りず演習名目で何度も前線に駆り出された。

同期で入学した奴らは半分死んだ。

代わりに成績だけはいい奴らは相も変わらず士官学校でぬくぬくとしていたらしい。

大学部には入れなかった。

落ち込みはしたが、納得はできた。今軍と祖国がほしいのは前線の指揮官と兵士だ。

後方にいる高級士官なんてものは少ないほうがいい。

准尉として任官することになった。

最初に配属されたのは天の川方面遠征軍だった。

第五旅団第四分艦隊旗艦グレイアーⅡの艦橋要員、肩書きはいいが、任官一年目など雑務要員扱いだ。

とはいえ三ヶ月ほどで雑用要員ではなくなった。航宙魚雷の操作要員が、コントロール室ごとお亡くなりになったようで、艦内の余剰人員で

再編された部署の選任士官として任命された。各地を転戦するグレイアーⅡの中でただ死なぬよう必死に戦い抜いたと、おもう。

仕事を任されて3年すでに大尉になっていた俺は第三旅団に転属になった

聞いた話だと同期のゼーリックは近衛艦隊の巡洋艦を任されているらしい

うらやましいものだ

第九旅団直属艦隊の駆逐艦EDD112の艦長を任されてからは今までになくひどかった

前線を延々転身、敵と戦わなかった週はなかった

いくら倒しても沸いてくる敵遠ざかる昇進

そんなことを気にしてはいられなかったが

8年戦い階級は中佐

今度は本国艦隊に転属になった

ほかの駆逐艦なんかもそろって本国に回されていた今思えば異様だったと思う

本国で待っていた知らせは母の死と大佐への昇進から重巡艦長への就任だった

そして本国艦隊で四年務めていたある日事件が起こった

クーデターだ

あの日本国艦隊に回されていた駆逐艦の艦長はクーデターのため帝都に集められたものだった実は俺もクーデターに誘われていた同期のバルツエルからの誘いだった

最初から協力する気なんてなかったが

戦場に十年以上身を置いておいてなんだが

軍隊は平和を守るもので平和を乱すものではないと思ったからだ

前世の記憶のせいかもしれない

クーデター軍の情報を売り

そして鎮圧にも参加した

バルツエルは自決したそうだ

しかし情報を得ながらもクーデター軍の攻撃を受け総督府は崩落

総統はあの世へと連れていかれてしまった

そのせいか知らないがこの時から早くない出世がさらに遅くなった

いつしか同期の奴らにまで抜かれていった

ゼーリックなんてもう少将だ

この時ほかの同期と一緒にゼーリックのもとに連れていかれた

奴はこれから派閥を大きくしていっていつしかこの国の中枢を握るのだとうそぶいた

確かにクーデターで軍政どちらも上の人間が足りていない

総統などまだ二十歳になったばかりの若造だ

奴の派閥に加われば好きな役職をくれるらしい

御大層なことだ。…だがあの頃に戻りたいとも思っていた自分がいた

本国艦隊の事務机ではなくキャプテンシートに座る自分を思い出し羨んでいた

味気ない今ではなく輝かしいあの時を

そのことを伝えるとゼーリックはどう解釈したか

「貴公は野心家だな」と言ってきやがった

何が野心家だ

だが辺境艦隊につけてくれるならば列に加わると伝えてその日は帰った

それから一週間半ば忘れていた時に辞令がきた

准将への昇進と新編成される第121航宙旅団の旅団長への就任だった

任務先は天の川銀河古巣だ

渡された艦隊は揚陸艦も含めて186隻大艦隊だ

バラン鎮守府で補給を済ませた後すぐに任地へと向かった

惑星ターミラ此処の攻略が任務だった

彼奴らがこちらの輸送船を沈めたことから始まった戦争だ

高々無人船を沈められたぐらいで何をやっているのか

しかしその三年間は実に充実していた

気付けば40になっていた

しかしまた戦場から離されてしまった

ゼーリックのモミあげが

少将への昇進と銀河方面作戦司令官への就任

断れるはずもない

それからの七年間は退屈だった

戦場から離されただすることもなく、叔父に勧められ結婚までしてしまった

相手は35の気の強い娘だ、いや娘なんて呼べる年ではないか

そして今日あることを思い出した

いやなぜ思い出さなかったのだろう

いままでヒントはたくさんあったはずなのに

「ゲール指令テロン人の船が超空間ジャンプ(ゲシュタムジャンプ)を行ったようです」

 

「テロンの船が………?」

気づいた気づかされた自分が誰なのかを

ゲルムト・ゲール銀河方面軍作戦司令かの腰巾着だと

 

 

 

 

 

 

 

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