がっこうぐらし! 『わたしたちはここにいます』エンド   作:ランガー

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気分上々↑な時はゴリラを、(上々じゃ)ないですな時はこっちを書いてたらこっちばかり書いてたので初投稿です。


一日目 仮初(かりそめ)の終焉

 みんな一緒に道を外れるがっこうぐらし、はーじまーるよー。

 

 もはやお馴染みとなった『がっこうぐらし!』で、今回は伝説のエンディング『わたしたちはここにいます』を目指します。

 

 じゃあ早速……はい、よーいスタート。

 

 

 キャラクリはします。

 と言ってもそんな細かく決める必要はありません。

 

 名前は『レーヴェ・アドラー』。

 性別はいい男♂で学年は三年生、将来の夢は世界征服。

 そして部活選択画面でコマンド入力、YLLYRRY↑↓START! これで出てくる『生徒会長』を選びます。

 他はランダムでゲームスタート。

 

 オープニングは飛ばせないので、その間に説明でもしましょう。

 

 

 『生徒会長』システムは最近発見された隠し要素で、これになると高校メンバーの初期好感度が上がります。

 上昇量はランダムなので運に左右されますが、全員上がるのはうま(あじ)。(幼馴染のようなキャラごとの恩恵は)ないです。

 それと、要所要所で主人公がリーダーポジに選ばれやすいという特徴もあります。非常事態に直前まで生徒の代表やってた奴がいたら、リーダーに推薦されるのは当然です。だよねめぐねえ?

 ちなみに生徒会は部活扱いなので、他の部活と兼ねることはできません。また、会長以外の役員になることもできません(できないと言うよりやり方が見つかっていない)。

 

 今回はこの生徒会長をフル活用しながら、伝説のエンディング『わたしたちはここにいます』を目指します。

 

 伝説というより最早呪われたエンディング『わたしたちはここにいます』。通称『永久留年ルート』。

 これはその名の通り、卒業しません。ずっと高校で暮らします。

 心が壊れたみんなと一緒に、仲良く明るく楽しい日常を送り続けます。

 

 ……なんだこれは、たまげたなぁ。

 でも幸せならオッケーです!

 

 一応バッドエンドに分類されるのかな? 私にとってはグッドエンドですけどね(鋼の意思)。

 『がっこうぐらし!』なんだから、学校で暮らすのは当たり前だよなぁ?

 

 しかしこのエンディング、普通にプレイしていてはまずお目にかかれません。条件がアホみたいにめんどくさいです。

 

 その一、ゆきちゃん幻想入り

 原作と同じく、ゆきちゃんには幻覚の世界にトリップしてもらいます。

 これはそんなに難しくないですね。三階制圧後に日常っぽいことをしていれば、めぐねえが生きててもなります。

 

 その二、学園生活部全員生存

 主人公、ゆき、くるみ、りーさん、みーくん、めぐねえ、圭は一度も噛まれてはいけません(1敗)。

 抗ウイルス剤で助かってもダメです(14敗)。もちろん行方不明でもダメだゾ☆(5敗)

 チョーカーさんに関しては不問ですが、生存状態で見かけたら救出必須です。見捨てたら再走(1敗)。

 助けた後で実は噛まれてたって? はい再走(4敗)。

 

 その三、全員好感度8~10かつ愛情度6~9(どちらも最大は10)

 簡単に言うと依存させます。全員主人公に従うメス犬にしましょう(問題発言)。

 ところが愛情度10のキャラが複数居ると、間違いなく修羅バーに突入するので注意です。

 修羅場になると学校で暮らすどころではなくなります。

 ヤンデレ祭りも好みですが、今回はキャンセルだ。

 だから愛情度を9以下にする必要があるんですね(メガトン構文)。

 

 その四、くるみ・りーさん・みーくんの正気度が19以下(最大100。りーさんは50)かつ発狂していない

 正気度が20以上だと現実を見るのでアウトです。

 下限はないですが、発狂されると今度は全員生存が難しくなります。ゆきちゃん化もNG。

 ちなみに圭とチョーカーさんは好感度さえあれば主人公に合わせてくれるので、下がりすぎないようにするだけでOK。

 ゆきとめぐねえ? ガンガン下げます(鬼畜)。

 

 おっと、そろそろオープニングが終わりますね。

 実はあと一つ条件があるのですが、それはその時に話します(時間配分ガバ)。

 

 

 今回使うキャラは『レーヴェ・アドラー』。略してレア君の金髪赤眼ドイツ人です。いよいよ私もレア物か……。

 設定した通り将来の夢は世界征服で、人の上に立ちたい煙っ子です。

 

 ……これだけ書くとなんかヤバい人間ですが、元々このルートは常人にはできないので何の問題もないね♂。

 

 能力値はどれも高め。一番低い直感でさえ平均よりは上です。

 かなり優秀と言えるでしょう。

 実は精神異常が付きやすいという隠しデメリットはありますが、元々走者がクレイジーなので誤差です。

 

 スキルは『短剣術』と『話し上手』。

 『短剣術』はそのまんま、ナイフによる攻撃が強くなります。実際はアイスピックやドライバー(工具の方)なども対象ですが、杖術と違って長すぎる棒(意味深)だと効果はありません。

 『話し上手』はコミュニケーションスキルですね。会話による好感度・愛情度・正気度が上がりやすくなります。

 

 将来の夢を世界征服にしたのはスキルを変えるためです。

 夢次第でさまざまなスキルが追加・変更されますが、これで『話し上手』をパワーアップさせます。

 

 パワーアップしたスキルはズバリ『人心掌握』。

 会話していなくても時間経過で好感度が上がり、かつ会話による正気度キープにマイナス補正がかかります。

 物騒な名前の通り、『話し上手』よりも依存に重きを置いた、まさしくこのルートのためのスキルですね。

 これは最初から『話し上手』を持っているキャラを選んで、将来の夢を世界征服または独裁者にすると習得します。後から覚えることはできません。

 スキルチャートに人心掌握なんてあっても困るし、多少はね?

 

 

 さて、スタート時点は……当日放課後の教室ですか。

 パンデミック前の好感度稼ぎがあまりできませんが、まあいいでしょう。

 

「あっ、先輩。まだ教室に居たんですか」

 

 スキルはちゃんと変わってますね。ヨシ!

 再走のしすぎでよくうっかりガバります(5敗)。エンディングを迎えて初めて気付いたこともありました(真顔)。

 

「早く行きましょう。会長がいないと締まりませんよ」

 

 ちなみにレーヴェは何故かナイフを隠し持っています。暗殺者かな?

 日本在住の高校生とは思えませんね……。

 

「おーい、せんぱーい。聞いてますかー?」

 

 まあいいや。これからのことを考えると助かります。

 メニューを閉じてMGNEにでも媚びを売りに――

 

「先輩!」

 

 艦尾に被弾!(小ダメージ)

 誰だケツをシバいたのは!?

 

「ようやく気づきましたか。ずーっと話しかけてたのに……」

 

 えっ、なんでみーくんが居るんですか?(困惑)

 

 確かに初期好感度は上がってるはずですが、学年も違う教室に来るなんて滅多にありません。ってかショッピングモールに行ってんじゃねーの?

 

 ……あっ、これかぁ!

 みーくんが『書記』の腕章を着けていますね。つまりみーくんは生徒会役員です。

 

 役員は全校生徒の中からランダムで選ばれます。役員になったキャラは最初から主人公と合流しており、主人公の指示や意見を聞き入れやすくなります。選ばれたのがモブだったら、生存どころか出番すらないけどな(無慈悲)。

 

 しかしこれでみーくんが選ばれたのは大きいですよ!

 

 みーくんはその冷静な判断力で、度々このエンディングを阻止して来ます。加入が遅いのもあって、何もできずに通常ENDに入った回数は数知れず。

 挙句の果てに(^o^)な顔したみーくんが再走と書かれたプラカードを持ってNDK?する夢を見ます。見ました(1敗)。

 駄菓子菓子、役員なら懐柔は容易い! ようやく悪夢から解放されるんじゃ~。

 

 とりあえず選択肢が出たので適当に媚びを売っておきます。

 『ああ、今行くよ』で、ままエアロ。

 

「じゃあ行きましょう。圭が待ってますから」

 

 えっ、何さらっと手握ってきてるんですか(困惑)。

 好感度高すぎない? もうS○X!してるとかないよね?

 

「美紀ー! レーヴェせんぱーい! 遅いよー」

 

 やっぱり圭とも仲がいいようですね。

 

 ……お前も手を握ってくるのか(困惑)。さらっとファーストネームで呼んでるし。

 

 って圭も腕章着けていますね。お前も役員だったのか(イマサラタウン)。

 原作キャラが二人も選ばれるなんてかなり珍しいですねぇ!

 

 そうこうしているうちに生徒会室に着きました。

 

 会長の机を調べて『執務』を選ぶとパンデミック開始のイベントが始まります。

 世界が崩壊する瞬間まで働く社畜の鑑がこの野郎。

 

 

 さて、生粋のSCHOOLLIVER(ガッコウグラッシャー)兄貴は『めぐねえ探さなくていいの?』とお思いでしょう。

 確かに最初にめぐねえを探しておいて、事件開始と同時に屋上まで誘導するというプレイングは、RTA通常プレイ問わず一般的です。

 

 でも今回はフヨウラ!

 

 なぜなら屋上に籠城しないから。

 今回の初期籠城地点はこ↑こ↓生徒会室です。屋上組は途中までガン放置します。

 だから、めぐねえを探す必要がなかったんですね。

 

 

「……? 何か外が騒がしいですね」

 

 廊下から喧騒が聞こえてきました。パンデミックが始まったようです。

 

 ここは屋上と違って室内なので、校庭からの悲鳴が全く聞こえません。防音設備良スギィ!

 だから音が聞こえたということは、もうすぐそこまで来てますね。

 とりあえず外の様子でも――

 

「アドラー! 良かった、ここは無事か……」

 

 ってチョーカー姉貴! チョーカー姉貴じゃないか! なぜここに……逃げたのか? 自力で脱出を?

 

 走ってきたのか肩で息をしていますが、噛まれてはいないようです。これは救助ルートだな。

 

 ……正直言うとゆきちゃんのゆきちゃん化のために消しておきたかった(小声)。まあ仕方ないね♂。

 チョーカーネキがいても大丈夫です。ちゃんと特殊エンディング行けるって安心しろよ~。

 

「えっと、三年生の方ですよね? 一体何が……?」

 

「校庭で暴動だよ……! でも、普通の騒ぎじゃなくて、本当に大変なことになってて――」

 

 だいぶKONRANしていますね。

 通常プレイなら会話で落ち着かせるところですが、時間がないのでキャンセルだ。美紀圭に任せましょう。

 

「とにかく外はもうダメだ! 下も――ひっ!」

 

 あ、もうかれらが来ました。はっやーい!

 美紀圭も廊下の惨状を見て正気度減少中ですね。

 

 戦闘の前に、ここで三人がやられたらリセットなので、まずは生徒会室にぶち込んでおきます。

 

「きゃっ!」

 

「えっ、先輩!?」

 

 戦えない子はしまっちゃおうねぇ~。

 

 扉を閉めたらナイフを装備。複数あるので二刀流で行きます。

 名前はオーソドックスに『邪剣(じゃけん)(よる)』と『王刀(おうどう)(ゆく)』にしましょう。

 

 かれらとの戦闘ですが、特に気にするポイントはありません。よっぽどの不意打ちでない限り、『短剣術』とナイフでゴリ押せます。数は多くても、雨の日のように一度に大量に来ることはないからね。

 

 あっ、そうだ(唐突)。

 屋上組は途中までガン放置と言いましたが、合流は二日目です。正気度を下げるために放置プレイします。

 正直言うとみーくんもそうしたいんですが……この状況で放置すると確実にレーヴェを探しにきます。そしてあっさり噛まれます。

 好感度が高い場合、美紀圭は行動力の塊ですのですぐに助けに来るんですよね(助かるとは言ってない)。なるべく生徒会室前から離れない方がいいでしょう。

 

 三階は後の生活区域になるので、なるべくスプラッター祭りにしないように始末します。

 

 大和魂(独逸製)を見せてやる!

 

 

 ~日本兵(ドイツ人)奮闘中~

 

 

 終わり! 閉廷! 明那賀遺産!

 

 だいたい10人くらい倒せば『人心掌握』をレベル2まで上げられます。

 正直言うとレベルなんぼでも行けるっちゃ行けますが、ここは高ければ高いほど後々楽です。

 もちろんガバって噛まれたらリセなので、己の腕との相談ですね。

 今回はすでに美紀圭と合流しているので低めで行きます。

 

 ここはほぼ無限湧きで全滅させるまで数時間かかるので、経験値を稼いだらとっとと戻ります。

 

「「先輩!」」

 

 生徒会室に入ると後輩ズが迎えてくれました。好感度バッチェ上がってますよ~。

 外はもうダメだと説明したら、波が去るまでここに籠城です。ロッカーをバリケードにして抑えましょう。

 おっ、すぐに意図を察して三人とも手伝ってくれましたね。足がすくんで手伝ってくれないこともあるのでうま(あじ)

 

 バリケードを作ったら、ドアバンが去るまで休憩タイムです。(ロッカーを置けば連打しなくても突破され)ないです。

 血錆びすると困るのでナイフは今のうちに洗っておきましょう。

 

 みーくんも圭もチョーカーネキも一言も喋りません。こんな状況じゃ仕方ないね♂。

 下手に会話して嫌われても困るので、頭を撫でるだけにしておきましょう。

 

 後輩ズを可愛がりながらステータスチェック。

 『人心掌握』を上げて――えっ、ちょっ……なんで精神異常が付いてるんですか(困惑)。初戦で付くとか早すぎませんかね?

 しかも『殺人衝動』とはたまげたなぁ。

 レア物君はかれらとの戦いで人を頃す喜びを覚えてしまったようです。

 

 『殺人衝動』は名前の通り、人を頃したい衝動に駆られるようになります。サイ○パスです。

 時折発散しないと正気度が下がっていき、0になると札人パーティ一直線。サイコ○スです。

 

 かなりヤバいのが付いたとお思いでしょうが、これは正直精神異常の中ではまあまあ当たりの部類です。

 

 というのも、よっぽど正気度が低くない限り、突発的に頃したりはしません。割と自制が効きます。

 衝動の発散も、このゲームには『人だったもの』が文字通り腐るほどいるので問題ありません。

 通常かれらを攻撃すると正気度が下がりますが、これがあるとむしろ回復します。最強か?

 

 ――もちろん付かないのが一番だけどな!

 みんなにバレたら追放されちゃ~う。ゾンビパンデミック物で一番恐ろしいのは人間、はっきりわかんだね。

 

 まあ付いたモンはしょうがねぇ。正気度減少のための戦闘を増やすか。

 とりあえずポイントを割り振っておきましょう。

 

 

 お、ドアバンが止みましたね。

 パパパっと耐えて、終わり!

 

 もう外は暗いので懐中電灯を引っ張り出しましょう。

 その明かりで帰りの会です(帰るとは言ってない)。

 

「……私たち、どうなるんでしょうか」

 

 (未来のことなんて誰にもわから)ないです。でも大丈夫だって安心しろよ~。

 

 生徒会室には壁天井は当然として、非常食料・調理場・寝袋があり、このゲームで最も籠城しやすい部屋だと言えます。

 屋上組には悪いが、存分に使わせてもらいましょう。

 デメリットとしては屋上組の様子がわからない、合流が遅れる分好感度や正気度稼ぎも遅れる、ぼっち籠城になりやすい(今回は違うけど)、と言ったところでしょうか。

 

「大丈夫だよ。自衛隊の人とかもすぐに来ると思うし……」

 

 (来)ないです。

 でもそんなことを言うと不信感を持たれるので、適当に同調します。そうだよ(便乗)。

 

「すぐっていつ!? 明日!? 来月!? 一年後!? それとも――」

 

 おっと、みーくんがりーさんになるなんて珍しい。

 でも争いの火種はキャンセルだ。こんな状況で、しかも最も仲が良いであろう美紀圭が殺伐としたら、全員生存なんて夢のまた夢です。

 

 おいおいおいおい待てよ待てったら! 本当に美紀は怒りっぽいんだから。イライラしちゃって働きすぎィ?(筋肉式宥め術)

 

「あっ……すみません。急に怒鳴ったりして……。圭も……ごめん」

 

「私の方こそ無神経なこと言っちゃって……ごめんね」

 

 ああ~いいっすね~。友情ですよ友情。レズとか言った奴は極刑ゾイ。

 

「どのみちアタシらには待つしかないんだ。だったら少しでも希望を持とうじゃないか」

 

 そうだよ(便乗)。

 陛下は我々にこの御土地を死守することを期待されておる(適当)。

 

 しかしみーさん化したということはだいぶ心にキていますね。正気度ダウンは上々でしょう。

 

 というわけでさっさと寝ます。どうせこの状況では食事もろくに喉を通らないし、下手に動いて正気度が回復しても困るし。

 オフトゥンは職員休憩室にしかないので寝袋を探しましょう。

 

 おう圭、寝袋どこや?

 

「寝袋……? 確かこっちに……」

 

 OK!(激旨ギャグ)

 ちゃんと全員分ありますね。

 

 おーし、お前ら寝るぞ。

 

「……そうですね。起きてても心が疲れるだけですし」

 

 机類を端に寄せてスペースを確保したら寝袋にIN。

 

 野郎と同棲なんて華のJKは難色を示すと思いますが、んなもん無視だ無視(鬼畜)。

 四人で寝るには手狭だけど他の部屋は解放してないからね仕方ないね♂。

 

「あの、先輩……隣で寝てもいいですか?」

 

「私も……」

 

 おや珍しい。後輩ズがすり寄ってきましたね。

 好感度が高いのもありますが、今の二人は精神的支柱を求めているのでしょう。いいゾ~これ。

 

「相変わらずモテモテだな、アドラーは」

 

 さすがにチョーカーネキはすり寄って来ませんか。

 でも嫌悪感は無さそうなので、後輩ズほどでなくとも好感度はそこそこありますねぇ!

 

 一日目は好スタートと言えるでしょう。

 

 では、おやすもと言ったところで今回はここまで。

 次回、『忍び寄る影』でまた会おう!

 

 

 

 

 

 

 

 私は第二十三代生徒会書記をしているが、入学当初は生徒会なんて考えてもいなかった。

 

 入るきっかけとなったのは、去年にあったレーヴェ・アドラー先輩の生徒会長就任演説だ。

 

 『新生徒会長の挨拶がある』と体育館に集められた時は、正直時間の無駄だと思っていた。どうせ当たり障りのない挨拶や決意表明をして終わりなんだし、別にやらなくてもいいんじゃないかと。

 

 

『生徒諸君。君たちは学校が好きか?』

 

 金色の髪、赤い眼、高い背。

 目立つ容姿をしているその生徒会長は、壇上で更なる存在感を放ちながら開口一番にそう言った。

 

『好きだと自信を持って言える人も居るだろう。返答に口ごもる人も居るだろう。むしろ一秒たりとも居たくないと断言する人も居るだろう』

 

『それを踏まえた上で、聞かせていただこう。君たちは現状に満足しているかね?』

 

『私は満足していない。私は青春を、楽園のような青春を望んでいる。眩しいほどに輝かしい、希望に満ち溢れた学校生活を。君たちはどうだ? この巡ヶ丘高校に通う我々に、今送っている生活では足りないだろう?』

 

 みんなが満足していないことなどお見通しだ、と言わんばかりに先輩はニヤリと笑う。

 

『君たちがもっと楽しい青春を送りたい(楽園に行きたい)と言うならば、協力は惜しまない。勉強がわからないなら私が教えよう。部活で成果が出ないなら私が鍛えよう。友達が居ないなら私がなろう。進路に悩むならアドバイスを送ろう。恋愛で悩むなら背中を押そう。だが、待っているだけの者に蜘蛛の糸は下りて来ない。こうありたいと願い、行動するのは君たち自身である』

 

『君たちがヒーローを望むなら私がなろうじゃあないか。しかし私だけがなるのではない。皆がなるのだ。全員が、誰かのヒーローとなるのだ』

 

 先輩の一挙一動、言葉の一つ一つが引き込んでくる。それだけのパワーがあった。

 

『自分にできるのか、と自信を持てないかもしれない。確かに我々は五百に及ばぬ高校生だ。何の変哲もない若造にすぎない。だが諸君は世界に羽ばたく英雄(ヒーロー)の卵であると信じている。ならば我々は身にまとう殻を破れば一人の英雄(ヒーロー)となれる』

 

『君たちを抑えつける殻を破ろう。君たちの心の内で眠りこけている才を叩き起こそう。顔を上げ眼を開けて、楽しい学校生活(がっこうぐらし)を味わおう。雛は巣を飛び立ち天へと羽ばたく。希望の光は目の前だ』

 

 

『さあ諸君、楽園を作るぞ!』

 

 瞬間、歓声が体育館を支配した。

 生徒会長は全校生徒の心をガッチリと掴んだ。

 

 圧倒的なカリスマ。求心力。

 

 私も圭も、その力にすっかり魅了された。

 

 

 それからは早かった。

 

 その日のうちに先輩に会いに行って、他の役員がまだ決まっていないと聞いて、すかさず立候補して。そして私たちは生徒会役員になった。

 

 今でもフルメンバーではないけれど、四人(・・)で力を合わせて頑張ってきた。

 生徒会の仕事は楽ではないけど、毎日が充実していた。

 イベントを企画したり、生徒を庇って先生に啖呵を切る先輩を止めたり、テストに向けて勉強会を開いたり、たまに羽目を外して遊んだり。

 

 

 そんな日常は一瞬で消え去った。

 

 

 突如、何かから逃げてきたかのように生徒会室に駆け込んで来た三年生の生徒。

 話を聞いても何が起きているのかわからなかった。

 

 でも廊下の惨状を前に、嘘ではないことはわかった。

 

 床や壁に付いた血、割れた窓ガラス、文字通り人に喰らいつく人たち。

 

 まるで映画のような非常事態が広がっていた。

 

 

 唖然とする私たちに気付いたのか、かれらの一人がこちらを向いた。

 

 ――殺される。

 

 逃げましょう、と口を開く前に、先輩に生徒会室に投げ込まれた。

 

「お前たちはここに居ろ。私が戻ってくるまで開けるんじゃあないぞ」

 

「えっ、先輩!?」

 

 伸ばした手は何も掴めず、先輩が閉めた扉に阻まれた。

 

 ……助けに行ったんだ。居るかどうかもわからない他の生存者を。

 この惨状の中、外に行くことがどれだけ危険なことか、わからないはずがない。

 

 それでも、助けに行った。

 生徒会長だから。誰よりも生徒を大切に思っていたから。

 

 私だって行かなければ。

 何のために先輩の下で一年近く働いたのか。守るべき生徒たちの悲鳴をBGMに休むためじゃない。

 

 わかっているのに。恐怖に支配された私の足は、動いてくれなかった。

 

 生徒会室の扉は何よりも厚く、高く、そして重かった。

 

 

 しばらくすると、先輩が戻ってきた。

 外はもうダメらしい。一人も連れていないということは、そういうことなんだろう。

 でも私は先輩が無事に帰ってきたことが嬉しかった。

 

 

 それから。圭に怒鳴ってしまったり先輩たちに止められたりして。

 

 

 寝袋に入ったまま考える。

 

 救助が来るとしても、一体いつになるかわからない。

 戻ってきた先輩は血で汚れたナイフを洗っていた。

 あの状態になった人はもう……殺すしかないんだろう。

 

 ふと、先輩の就任演説を思い出した。

 

 

『私だけがなるのではない。皆がなるのだ。全員が、誰かのヒーローとなるのだ』

 

 

 ――そうだ。私も助けないと。

 

 大切な先輩、圭、無事な生徒。

 

 私だって、守りたい。

 

 

 もう二度と今日の惨めな自分にはならない。

 

 

 そう誓って、眠りについた。




最初男主人公で書いて迷って途中で女主人公に変えたけどやっぱり男主人公に戻して……を10回くらい繰り返したのでミスが直ってなかったらごめんなさい

☆解説
・生徒会長
キャラクリの部活選択画面でYLLYRRY↑↓STARTとコマンド入力すれば選べるようになる。
ゆき、くるみ、りーさん、めぐねえ、みーくん、圭、貴依の好感度が上がる。上昇量はランダム(最低1、最高10)で、個別に判定がある。
他部活には所属できないので、『生徒会長と園芸部になってりーさんの好感度上げまくるぜ』みたいなことはできない。

・生徒会役員
主人公を生徒会長にした時のみ、全校生徒の中から完全にランダムで選ばれる。必ずしも原作キャラになるとは限らず、選ばれたモブが登場することもない。
役員は騒動時に確定で学校にいる、会長の指示に従いやすい、好感度が上がると言った恩恵がある。
これをメリットと見るかデメリットと見るかはあなた次第だ。

・殺人衝動
精神異常の一つ。人間もしくはかれらを殺すと正気度が回復し、それ以外では徐々に下がる。
見た目は冷静に振る舞っていても、心は血を求めている――

・みーさん化
みーくんがりーさんみたいになること。
いつも冷静な彼女だって、冷静でいられない時もある。
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