がっこうぐらし! 『わたしたちはここにいます』エンド 作:ランガー
やっぱり己の趣味に合うのが一番だぜ
順調に好感度が上がっているがっこうぐらし、はーじまーるよー。
三日目の朝です。
結局めぐねえはすっかり爆睡してますね。まあかれらは来てないので、ままエアロ。
「おはよう、レーヴェ。大丈夫だった?」
お、りーさんが起きてきました。
グースカ寝ているめぐねえをりーさんに任せ、レーヴェ一人は職員室に向かいます。
職員室の入ってすぐの壁にいろいろな教室の鍵が掛けてあり、その中から『厨房』の鍵をパクります。
たまに鍵が置いてない時がありますが、その時は無くても大丈夫です。
みんな起きたら飯だ飯。今日は登校時間より前に動きたいので素早く食えるものにしときましょう。カップ麺でいいか。
食事は正気度にダイレクトに影響するのであまり節制しすぎないようにします。まあ無いもんは食えんがな。
三階を解放すると朝のミーティングタイムが始まります。主人公が生徒会長や教師、戦闘要員だと予定を自由に決められるのがうま
今は人数過多と防共協定のおかげで食事事情がまずいですよ!状態なので、物資調達をメインにしましょう。
出撃メンバーはレーヴェ、くるみ、たかえ、りーさんで行きます。
今回のメインは戦闘ではなく物資の持ち帰りです。戦闘要員は必須ですが、なるべく力持ちなキャラで固めましょう。
いい男♂のレーヴェに筋力一位のくるみ、三位のりーさん、四位のチョーカー姉貴が居れば労働力は何の問題もないね♂
ただ残りメンバーにはバリケードや屋上菜園のチェックを任せるので、リーダー格が片側に寄るのはキャンセルだ。
だから筋力二位のめぐねえを残す必要があるんですね。
「先輩、私は留守番ですか」
当たり前だよなぁ?(即答)
戦闘要員としては優秀なみーくんですが、やはり筋力値の低さがネック。小柄なのもあって持ち運び能力は結構低いです。重い物を持つと強みであるスピードが殺されるのも、いやーきついっす。
だから居残りして、どうぞ。
「……わかりました」
ゆきちゃんも同じ理由で、圭はコミュニケーション的サポート役です。
リーダー格同様にコミュニケーション係(チョーカー姉貴と圭)も別々のチームにした方がやりやすいですわよ。
この時点で圭が居ることは非常に珍しいがな!
納得させたところで、カバンを装備してイクゾー!
バリケードを越えて階下をチェック。よし、居ませんね。
まだ朝早いのでガラガラです。今のうちに持って帰るモン持って帰るぞ。
ここからはスピード勝負なので二手に分かれて行動します。
購買部を掃除したら三人にはここで物資を確保させ、その間にレーヴェは食堂……前を通り過ぎて厨房へ。
通常、厨房に行くなら食堂内を横切らなければなりませんが、実は鍵を持っていれば裏口から入れます。
これならかれらが集まることで有名な食堂も安全にやり過ごすことができます。
だから、鍵を取っておく必要があったんですね。
購買から持って帰るものは、物資管理のスペシャリストRISNが居るのでAI任せでダイジョーブ。なにせ今回はお手紙飛ばす用の風船も要りませんし、圭救出フラグ用のラジオも要りません。
気兼ねなく厨房に突撃しましょう。
おっ、開いてんじゃーん。
厨房では米や肉などを物色しながら食堂の様子をチラ見。
……めちゃくちゃ居るじゃねえかよ(困惑)。これこそ食通だな。
鍵ルートがあってよかったぜ(安堵)。
あ、そうだ(唐突)。職員室に鍵がない時は最初から開いてるのでご安心を。その場合はかれらになったコックが居ますがね。
物資を漁っている間、ゲーム版のイレギュラーこと祠堂圭と
圭と貴依は原作でほぼ出番がないからか、どちらも平凡なステータスをしています。ステータス的な個性と言えば貴依が若干戦闘寄りで圭が内政寄りかなってくらいのもの。
無個性とか言った人のところにはゲシュタポが家庭訪問に伺います。
そんな彼女たちの最大の特徴はスキル。貴依は『面倒見』、圭は『可愛がられ力』という最強クラスの発狂防止スキルを持っています。
どちらも話し相手の正気度を回復させるスキルですが、『面倒見』はゆきちゃんなどの年下キャラ(年下とは言ってない)に、『可愛がられ力』はりーさんなどの年上キャラに特に効果が大きいんです。
さらに、二人は正気度が非常に低いキャラが居るとオートで話しかけに行って正気度を回復させるという優秀っぷり。
この二人が居れば正気度で困ることは『発狂させたいのにできない』という鬼畜プレイヤー以外はないでしょう。
今ルートでも正気度は下げますが発狂はさせないのでありがたく活用させてもらいます。
「結構残ってたなぁ」
「これだけあればしばらくは大丈夫そうね」
物資回収が終わりましたね。さっさと戻りましょう。長居はフヨウラ!
バリケードを越えればひとまず安心です。ただいマンボウ。
帰ってきたレーヴェたちに気付いた由紀圭がわーっと走ってきました。カワイイ。
好感度は十分高いようです。しかも塞ぎ込みがちだったゆきちゃんが元気に来たってことは、ゆきちゃん化の第一ラインである『幼児退行』が始まっていますね。これなら雨の日の前には基盤が整うでしょう。
物資の管理はりーさんと圭に任せます。
物資を託したら生徒会室横の生徒指導室へGO。ここがレーヴェの寝室です。男一人なのでみんなとは別室ですね。
寝室に来てやることは一つ。寝ます。
急務だった物資集めは終わり、今日やらなければならないことはもうありません。
昨日の徹夜疲れを無くすために、しっかりと昼寝しましょう。
世界がこうなってから、三回目の夜。
ぐっすり寝ている圭たちを起こさないように、寝室となっている職員休憩室を出る。
見張り担当者は居ない。
昨日一昨日と夜中にかれらが来ることはなかったしみんなが休めた方がいい、とレーヴェ先輩の鶴の一声でなくなった。
全く不安がないわけではないが、こういう時に怪しまれないのはありがたい。
なぜ夜遅くに出歩くのかと言うと、単純に眠れないからだ。
明日に疲れを残さないためにもちゃんと寝ないといけないのはわかっているのだが、それでも眠れないでいた。
寝る前に本を読んでいた日々が恋しい。
さすがにこの暗がりでは読めないけれど、枕元にでも置いておけば少しは気持ちが安らぐだろう。
そう思った私は生徒会室に向かう。あそこにはいくつか本がある。かれらは入ってきていないので、まだ無事なはずだ。
生徒会室にはレーヴェ先輩が居た。窓に寄りかかって外を見下ろしている。
月明かりに照らされた先輩はまるで芸術作品のように幻想的で、思わず見とれてしまった。
……どれくらい見とれていただろうか。先輩がこちらに気付いた。
「おや、美紀。起きていたのか」
「なかなか寝付けなくて。……隣、いいですか?」
「ああ」
本はまた今度でいいかな。本を探すより先輩と話していた方が有意義だし。
先輩の隣に寄り添って一緒に外を見る。
見渡す限りのどこにも文明の明かりはなく、こうして見ると本当に世界が終わってしまったかのように感じる。
「先輩って夜更かしする方なんですか?」
「普段はあまりしないな。まあ昼寝もしたし、俺にだって眠れない時もあるさ」
先輩は、生徒会長として接する時は自身を『私』と呼ぶが、オフの時は『俺』と呼ぶ。
二人っきりの時にそれを聞けるとなんだか嬉しい。
……まあ私相手にしか使わないわけじゃないけど。
「…………」
「…………」
沈黙が場を支配する。
そうだ、あのことを聞いてみよう。
「あの、先輩」
「ん?」
私の声に先輩が顔をこちらに向ける。そこにいつもの自信に溢れた表情はなく、どこか儚げに見えるのは気のせいだろうか。
「なんで、私に戦わせてくれないんですか?」
これまで、かれらとの戦いは全て先輩がやっていた。相手が大人数であろうとも私たちに任せることはしなかった。
一緒に安全圏から出ることは許可してくれたけど、汚れ仕事は全部先輩がやった。
「私だって先輩におんぶに抱っこじゃ嫌なんです」
そりゃあ私だって戦いが得意なわけではない。というか戦ったことすらない。
足の速さには多少自信はあるけど、ただそれだけだ。武術をやっていたわけでも、力が強いわけでもない。
それでも、かれらに後れを取るとは思っていない。
「駄目だ。お前に戦わせるわけにはいかない」
「ッ! ……確かに私は先輩より弱いです。恵飛須沢先輩にも勝てないでしょう。でも、それでも、私は先輩の負担を――」
「違う。そうじゃないんだ」
先輩は私の言葉を遮り、再び顔を外に向けた。校庭には数人のかれらが――昼間見たときより数が減っている――ふらふらと歩いている。
「美紀。人の姿形をしたやつらを殺すということがどういう感じか――いや、俺がどういう気持ちになったかわかるか?」
「…………」
わかるはずがない。やったことがないのだから。
「どうだった……んですか……?」
でも想像はできる。
かれらになっても人間は人間。しかも生徒や教員だった人たちだ。
守るべき生徒たちをその手にかける。そんなの
「楽しかった」
「…………え?」
「楽しかったんだ。俺の持ったナイフがやつらに刺さり、血肉を掻き分ける感触が。窓から放り捨てられたやつらが地面でバラバラになっているのを見るのが。この手で殺すという感覚が。どうしようもないほどに楽しくて楽しくて……仕方がないんだ」
先輩が両手で顔を覆う。その手は微かに震えていた。
「俺はもう戻れない。例え世界が元通りになろうとも、巡ヶ丘学院高校第二十三代生徒会長に戻ることはできない」
「先輩……」
生徒会長としての言葉ではなく、ただのレーヴェ・アドラーとしての言葉。
顔には出ていないけど確かに感じられる、心の慟哭。
……初めて聞く、先輩の弱音。
「だから美紀、お前は来るな。お前はこちら側に来てはいけないんだ」
私の両肩を掴んで、そう言う先輩の目は力強く、
ひどく悲しげで、
縋りつくかのようで、
そしてとても美しかった。
「先輩」
先輩の両手をそっと握る。
「それでも私は先輩の隣に立ちたいです」
嘘偽りのない私の本心。覚悟はできている。
「先輩が戦うなら私も戦います。先輩が狂っていると言うなら私も狂います。先輩が地獄に行くなら私も行きます」
「美紀……」
そんな泣きそうな顔をしないでください。私の楽園は先輩の側なんです。初めて会ったあの日から、ずっと。
「来るなと言われて逃げ帰るような女じゃないんです。私って頑固で強欲で自分勝手でわがままなんですよ。知りませんでした?」
「…………」
私の決意に折れたのか、先輩はいつもの優しい顔で、私の頭をくしゃりと撫でた。
「……お前って、バカだよな」
「そうかもしれません」
あんなに輝いていた月はいつの間にか雲に覆われていた。
これってヤンデレと言っていいんだろうか
前回の終わりはあんなん書いたけど私はこういう他者を害さない系クレイジー愛が好き(隙自語)
最初はいろんなキャラの視点を書こうと思っていたのに気づけばみーくんとめぐねえばかりじゃねえかよ(呆れ)