ボーグバトル!そして一人の少年は『平穏な戦い』に身を投じる!
「キング・ケサル。一緒に行くよ」
アースラに抑留されてから数日。リンチェンは我慢の限界だった。
「海鳴市民大会が近いのですが」
「そんなこと、僕が知るか!」
だが、クロノは厳しくあしらった。
「僕を殺すつもりですか?」
「ああ死ね!」
こいつ本当に執務官か?
「ライアルさん、なんとかできませんか?」
「大丈夫だ。救援が来た」
アースラの隣に船が近づく。
「・・・エーテル・スペース!ライアル、お前・・・!」
クロノは苦虫を噛んだような表情をした。
「さあ?私はただ羅輯さんと連絡を取っただけですよ?」
十分後にはエーテル・スペースから一人の人間がアースラに移ってきた。
「リンディ提督、お久しぶりですね」
「ええ、お久しぶり。羅輯中将」
なぜか二人の背後で虎と龍の幻影が見える。
「あとリンチェン君もお久しぶりだね」
「ええ、お久しぶりですね。面壁者とお呼びすればいいですか?それとも・・・」
「ここでは中将と呼んでくれ」
形成は逆転した。
「まあ、見ての通りリンチェン君は私の知り合いだ。よしなに頼むよ」
「・・・融合派代表であるあなたのお墨付きなら」
こうしてリンチェンは海鳴市民大会に出場することになった。リンチェンは中国チャンピオンだったが、こういう地域大会というのは出場資格自体も『フリーエントリー』だったので、そこら辺の心配はなかった。
「おい、あの中国チャンピオンがいるぞ!」
「マジか!倒して有名になるぞ!」
「ちくわ大明神」
むしろリンチェンを歓迎している空気が漂っているといえた。
「リンチェンではないか?ここ最近何をしていたのだ?」
会場には神山もいた。
「お久しぶりです、神山君。時空管理局とかいう組織に捕まっていました」
「・・・大丈夫だったのか?」
「・・・ここだけの話ですが、前世の知り合いがいたので助かりました」
「あれ、リンチェン君だ!リンチェン君、一体どこ行ってたの!」
すずかも来ていた。
「・・・あの一件以来、ボーガーであることを隠す必要はなくなってな」
「よかったですね」
「リンチェン君、いくらなんでもそれはないよ。おかげでなのはと喧嘩しちゃったし」
何はともあれ市民大会が始まろうとしていた!これを足掛かりにリンチェンの世界大会の道が開かれるのだ!がんばれリンチェン!世界チャンピオンに向かって・・・!
完!
「リンチェン?リンチェンじゃないか!」
振り向くとそこには幼稚園児がいた。だが、それはリンチェンが前世で会ったことのあるボーガーだった。
「・・・天野河リュウセイ!」
天野河リュウセイだった。
「おい、あの天才幼児ボーガーの天野河リュウセイがいるぞ!」
「討ち取って、首を殿の墓の前に献上するんだ」
「まさか、あの中国チャンピオンと対決するのか!?」
会場はざわついた。
「まさか、あなたもここに・・・」
「まあな、勝治が誘ってくれたからな」
二人はボーグを構える。
「「チャージ・イン!」」
二人のボーグを握った拳がぶつかる!
「神山君!雲が!」
「・・・雲が、天が割れた!」
「大規模な次元震を確認しました!」
エイミイが叫ぶ。
「くそ、こんな時に・・・」
クロノは歯ぎしりする。目の前の映像には、あのフェイトとかいう魔導士が海中にあるジュエルシードに向かって魔法を放っている光景が映っていた。
「まあ、次元震のことはこのさい放っておきましょう」
ライアルが言った。
「ライアル・・・、お前いったいどういうつもりだ!」
クロノはライアルの胸倉をつかむ。
「執務官、あなたも原因は予想できるはずです」
ライアルは笑いながら言った。
「・・・あのボーガーか!」
クロノはライアルを突き放した。
「おや、執務官。どこに行くつもりですか?」
「決まってる!あのボーガーを逮捕しに・・・!」
『ごめんなさい! 高町なのは、指示を無視して勝手な行動をとります!』
「・・・もういい!勝手にしろ!」
一方、海鳴市民大会。
「メテオ・メテオ・レッドバースト!」
リンチェンに隕石が飛んでくる。
「チベット・グレート・シビレゼーション!」
リンチェンはポタラ宮でそれを防ぐ。
「・・・リンチェンが叫んでおるだと?」
「どういうことなの?神山君」
「リンチェンは普段から冷静な奴だ。チャージの時もそうだ」
「確かに、リンチェン君は黙ってチャージするけど・・・」
「そんな奴が叫ぶということは、わかるよな?」
「もしかして、本気で・・・?」
「そういうことだろう」
ちなみに、会場はほとんどボロボロになっていた。
「・・・神山君、あの二人の顔がどう見ても笑っているようにしか見えないけど」
「・・・そういうものなのだ」
事実、リンチェンとリュウセイはボーグバトルを楽しんでいた。もはや、過去の因縁など関係なくなっていた。
二人はただ、楽しいからボーグバトルをしていたのだ!
「・・・次元震が連発してる。ライアル、本当に放っておくつもり?」
エイミイがライアルに尋ねる。
「羅輯さんだったらこう言ったでしょう。計画の一部だと」
「確かにね」
「・・・なんで・・・あんな奴が・・・中将なんだ」
クロノが何か言っているが、ライアルは無視した。
それよりも、今は目の前の映像が重要だ。二人の少女が才能にものを言わせて、ジュエルシードを封印しようとしていた。
「いやあ、神話の光景ともいえますね」
「ライアル、アンタは本当に呑気だね」
「・・・おい、ライアル。羅輯はどこだ?」
「さあ、エーテル・スペースに戻ってるんじゃないんですか?」
その頃、羅輯はアースラにも、エーテル・スペースにもいなかった。
ただ、少女の遺体が収められた冷凍ポッドの前に立っていた。
「・・・二度と会いたくないといったはずよ」
部屋の奥から女性が出てきた。
海鳴市民大会、勝負は白熱していた。
「「うおおおおおお!」」
二人の拳がぶつかるたびに次元震が発生していた。
「どうしたリンチェン、前に戦った時のほうがキレがあったぞ!」
「・・・そうでしょうね!」
拳がまたぶつかる。地面が割れる。
「いったい何があったんだ!」
「恋をね、したんですよ!」
割れた地面が宙に浮き始める。
「すずか、これは逃げたほうが良い状況なのか?」
「神山君、もう手遅れだよ」
神山とすずかも宙に浮いていた。
「そうか!それだけじゃないだろ!」
「その子がね、地球を別の文明に売り渡そうとしてるんですよ!」
周囲のビルが割れ始める。その破片も宙に浮く。
「なあ、すずか。これはもしかしなくても、世界の終わりというものなのか」
「今更気づいても遅いよ、神山君」
神山とすずかはどんどん上昇していた。
「だったら俺が言うことはただ一つ!可愛い子には旅をさせよ!」
たった一言だった。その一言でリンチェンの何かが変わった。二人はボーグバトルを中止した。
「・・・僕の負けです、リュウセイさん」
「よせよ、俺は当たり前のことをいっただけだ」
「でも、リュウセイさんの言う通りです。やっぱり一日一日が大切だったんです」
「おいおい、俺とお前は一応は子供なんだから、もっとフレキシブルな会話をしないと!」
「感動的だね・・・!神山君」
「・・・そうだな!」
「次元震が収まりました。それどころかダメージまで急速に回復しつつあります」
「ほら、執務官。放っといて大丈夫だったでしょ?」
「ライアル・・・貴様!」
その時、雷撃がアースラと戦闘区域のフェイトに直撃する。
「ありゃ、ジュエルシード取られてしまいましたね。センサーも使えなくなりましたね」
ライアルは呑気そうだった。ちなみに、関係のない話だがライアルとクロノは同年齢である。
「・・・久しぶりですね、プレシア老師」
「相変わらず、その老師と呼ぶ癖は治らないのね」
「・・・もう諦めたらどうですか?」
「・・・出て行きなさい」
「言われなくとも」
「一つだけ言うわ。私はあなたが嫌いだった。一番最悪な弟子だったわ」
「・・・」
羅輯の姿が消える・・・。
続く!
次回予告!
アースラに帰ってきたら、なぜかクロノに殴られたがどうということはない!
ちなみにボーグ仲間が増えた!その名もユーノ・スクライア!
「ある事情」でボーガーであるということを隠していたが、今ではライアルも交えてボーグバトルを楽しむ間柄になった!
ついになのはとフェイトの決戦!そして明かされる残酷な真実・・・!
次回カブトボーグ・リリカルヴィクトリー、コピー・オブ・アリシア!
熱き闘志にチャージ・イン!