カブトボーグ・リリカルヴィクトリー   作:ryanzi

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ボーグバトル!それはどういうわけか全次元世界に広がった「なにか」!
ボーグバトル!そして一人の少年は『平穏な戦い』に身を投じる!

「キング・ケサル。一緒に行くよ」


カブトボーグ・リリカルヴィクトリー第十三話 ラスト・タスク・オブ・リンチェン!

〔時間之外的往事〕

 

・・・つまり、私が何を言いたいのかといえば、転生者がいるからといって、必ずしも世界は良い方向に進むとは限らないということである。

一番いい例は面壁者羅輯だ。彼は確かに本来の要素としては存在していなかった。だが、彼の行動によってアリシアは死に至り、プレシアは本来の目的だけでなく、ボーガーの根絶も視野に入れて行動するようになってしまった。

なぜそうなったのか?それはひとえに『物語』という壮大で残酷な真理が無知を許さなかったからだといえるだろう。

本来、『物語』に転生するものは必ずと言っていいほど、それに関する知識を有しており、残酷な過去を変えることで、自分にとって都合の良い未来に変えたがるのだ。だが、それは彼らが『物語』を超越しているということが条件となる。

では、羅輯はどうだろうか?確かに彼は魔法少女リリカルなのはという『物語』を超越している。だが、結局は私と同じように別の『物語』の人物である。結果として、羅輯は物語を超克することがかなわなかった。いや、超克すらしようとしなかった。彼はこれまでと同じような現実として己の人生を全うしようとしたのだ。彼は周囲の人間と同じ歩幅で歩もうとしたのだった。

だが『物語』はそれによって狂ってしまったといえるだろう。結果としてあのような悲惨で新しい『物語』に書き換わってしまった。

さらに、『物語』内部の転生者が好き勝手に暴れるようにもなっていた。『物語』は自分にに関わろうとしないものには寛容だった。どこかの転生者がイギリスを1984に変えても、それは『物語』にはかかわらない。なので『物語』は無視を決め込むのだ。

そういうわけで、中東は私のいた世界の公元紀元の中東よりかも悲惨な現実が日々繰り広げられるということになった。テロリストや米軍だけでなく、世界征服を企む悪の組織、それを妨げようとするボーガー・・・。そんなものが入り混じる世界となったのだ。

もちろん、現地の人間にはいい迷惑で、ある善良な転生者は事態を少しでも良くしようと中東に渡った。そして、そこで会った少女に『物語』の情報を与えた。

何が不幸だったかといえば、少女が恐ろしく賢い人間だったということだろう。

彼女は与えられた少ない情報だけで正しい行動を取ってしまった。もう一人の転生者と接触し、松岡勝治とも対面した。そして、異なる『物語』の出身であるリンチェンを総帥に据えることによって、魔法少女リリカルなのはという『物語』からの影響力を減退させようとした。試みは成功したともいえる。このままいけば、彼女の望み通りに地球は巨大な文明によって統治され、全ては上手くいく可能性があっただろう。もちろん可能性に過ぎない。ミッドチルダは危機紀元の美しい社会をいまだに築けていないからだ。

まあ、結局のところ、私は少女にある言葉を送りたい。それは・・・

 

 

 

 

 

 

「宿題は自分でするものです」

 

手錠をかけられたレイラに向かって、リンチェンは言い放った。

 

「・・・一人で終わらないからこうしているんじゃないですか」

 

リンチェンの協力のもと、アースラとエーテル・スペースの二隻がタンヌ・千葉の上空に展開された。そして、地球ミッドチルダ組織本部に武装隊が突入した。

 

「このボーガーの言う通りだ。僕たち時空管理局は宿題を成し遂げた者にだけ手を差し伸べることができる」

 

クロノの表情は暗かった。

 

「・・・私を裏切ったんですか?」

 

レイラはリンチェンに言った。その眼には怒りよりかは悲しみのほうがこもっていた。

 

「あえて言いましょう・・・」

 

リンチェンはリュウセイのことを思い浮かべる。

 

「・・・『可愛い子には旅をさせよ』」

 

「・・・ボーガーはそれだからずるいです」

 

だが、レイラはどこか満足気に見えた。

 

「・・・行くぞ」

 

クロノはレイラを転送ポートに連行していった・・・。

 

 

 

海鳴沖。そこにはRED BANKというタンカーが浮かんでいた。・・・沈みかけているが。

 

「・・・すずか、私は君の父上の取引相手で」

 

「お父さんは見捨てたけど?そんな地球を売り渡すような人と商売はできないって」

 

「そういうわけだ。・・・我とすずかの仕事は終わった。なのは、あとは頼むぞ」

 

「はーい!そういうわけで・・・スターライトブレイカー!」

 

「ぐわあああああ!」

 

少なくとも、前世のようにワイヤートリックの応用で死ぬよりかはマシだったといえる。もちろん、一命を取り留めて連行された。

 

 

 

「なのは・・・まだかな」

 

「もう少し時間がかかると思うよ」

 

ユーノとフェイトは港でなのはが来るのを待っていた。

 

「・・・ところでさ、フェイトさんはリンチェンの前世の記憶を見たんだよね?」

 

「・・・どうしてリンチェンに前世の記憶があるのを知ってるの?」

 

「ライアルに聞いたんだ。アイツも前世でリンチェンと知り合いだって」

 

「・・・そうだったんだ。でも、言えないや。リンチェンにとってもあまりいい思い出じゃないと思う。・・・『今は今、昔は昔!』と言って許してくれそうな気もするけど」

 

「僕たちボーガーはそんなもんですよ。だから外道なんです」

 

ユーノの言う通りだった。彼らは毎回のように今までの行動パターンから外れることが多い。それゆえに道を外れると書いて、『外道』とボーガーを呼ぶのだった。

 

「・・・そこがボーガーの悪いところだと思うよ」

 

フェイトは頬を膨らませて、少し怒っているということをアピールした。

 

「そうやって言い訳するから、余計に嫌われるんだよ。リンチェンもユーノも、本当は良い人なのに」

 

「・・・そう?」

 

「そうだよ!もっと自信を持って!」

 

その様子を監視している者がいた。

 

「よかったぞ・・・!父さんは感動したぞ!」

 

「よかった、本当に良かった・・・!」

 

リンチェンの両親が涙を流していた!

そして、また別のところで、別の意味で涙を流している者がいた!

 

「母さんは認めないわよ・・・!」

 

アリシアだった。親バカになった。

羅輯?エーテル・スペースで寝込んでいるけど?

 

 

 

 

 

 

 

〔時間之外的往事〕

 

・・・何はともあれ、今日も『物語』では日々が過ぎていく。アリシアは『物語』に戻らなかったが、これを書いている私のすぐ横で松岡勝治と幸せそうに過ごしている。

ちょっと鬱陶しいが見逃してやろう。

まあ、大事なことは歩幅を合わせることだ。

それが『物語』のなかで何を引き起こすかわからない。だが、神山伊織は結果的に歩幅を合わせて、千秋明はそれをしなかった。それだけだ。

 

 

続く・・・




次回予告・・・


その男は一人の愛国者として生きた。ただ、ミッドチルダを守るために。


次回、次元の方舟 前編
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