ボーグバトル!そして一人の少年は『平穏な戦い』に身を投じる!
「キング・ケサル。一緒に行くよ」
「チベットから転校してきたリンチェンです。よろしくお願いします」
生徒の反応は様々だった。
「えっ、あの中国チャンピオンが」
「すげえ、サインもらお」
「・・・ボーガーかよ」
「行儀はいいけど、どうせボーガーだから・・・」
「・・・」
好意や好奇心を向ける者、ボーガーという理由で評価を下げる者、ただじっと見つめるという者・・・。
(わかってはいたが・・・)
ボーガーは人気者になりやすいが、同時に嫌われやすい人間なのだ。
「・・・何かリンチェン君に質問のある人は手を挙げてください」
何かを察した担任が助け舟を出す。
次々と生徒は手を挙げる。
・・・一時間もすると、リンチェンはクラスの状況を理解した。
まずリーダー格となっているのはアリサ・バニングスという少女で、かなり面倒見がいい女の子だった。転校してきたばかりのリンチェンを助けてくれるが、ボーガーというのが彼女のリンチェンに対する評価を下げているようだった。
そして、彼女の親友である高町なのはと月村すずかだ。彼女たちもリンチェンの手助けをしてくれるが、高町なのはの場合はボーグのことを話題にするのも嫌なようである。逆にすずかはそこまでボーグに対して拒否感を持っていないようで二人と比べてリンチェンに好意的である。
次に神山伊織と千秋明である。神山は金髪で一人称が「我」であるなど、かなり尊大であるが、意外とアリサと同じくらい面倒見がいい。ボーガーには嫌悪感を持っていないようで、リンチェンと隣の席にもなり、すぐに仲良くなった。
千秋明はクラスの女子からはかなり人気があり、優しい性格である。だが、長い時を戦ってきたリンチェンはどこか彼に違和感を抱いた。
神山と明の関係は意外にも悪いようである。一見すると良好に見えるが、リンチェンには断絶の壁が見えてしまうのだ。六角形の壁が・・・。
放課後。リンチェンは明に体育館裏に呼び出された。
「お前、転生者だろ?」
一瞬、何のことかリンチェンにはわからなかったが、すぐに相手の言いたいことが理解できた。
「ええ、そうです」
彼自身、最近は忘れていたが、リンチェンは勝治に第二の人生を与えられたのだ。
「もしかして君も松岡勝治さんに会ったのですか?」
「松岡勝治・・・?ああ、あのキャラクターか」
リンチェンは困惑した。話が通じてない。
「なるほど、そういうことか」
明は勝手に納得していた。
「道理で、この世界にカブトボーグなんておもちゃが流行ってると思ったよ」
「・・・玩具?」
「当たり前じゃないか。あんなのくだらないおもちゃじゃないか」
「・・・ふざけないでください」
リンチェンはキング・ケサルを取り出す。
「戦う気なのか?そんなおもちゃで?」
明はどこからともなく杖を取り出す。服装も変わっていた。
「魔法も使えないような奴が俺に敵うと?」
「・・・魔法とか知らないけど、絶対に許さない。よくもボーグを馬鹿に・・・」
「やっぱりボーガーは気違いばっかりだ」
リンチェンは怒りに身を任せていた。
「塵一つ残しません」
「そこまでだ!心配だから様子を見ていたが・・・!」
振り向くと神山が仁王立ちしていた。
「・・・くそ、踏み台の奴」
明はそう言い捨てて、一瞬で消えた。
「神山君!何故邪魔をする!」
「落ち着かんか!お前が怒りに任せてボーグを振るっていたら、どうなるか考えろ!」
その一喝でリンチェンは冷静になり、朝の教室の様子を思い出した。自分に向けられていたのは好意だけではなかった。敵意も向けられていたのだ。
「すみません神山君。少しは頭を冷やせました」
「・・・大丈夫そうだな」
「ところでその服装は・・・?」
神山は変な金色の鎧を着て、髪も逆立っていた。
「おっと忘れていた」
一瞬で神山はいつもの姿に戻った。
「もしかして、神山君も僕やアイツと同じように・・・」
「そうだ。我もこのリリカルなのはの世界に転生してきた人間だ」
「そうですか。・・・リリカルなのは?」
「そうか。お前の場合は原作がどうこう言うよりも、まず作品そのものを知らぬか。仕方がない。こんな場所ではあれだからな。近くのボーグ広場で話をしよう。お前もそこだったら落ち着くだろう」
「ええ、そうしましょう」
次回予告!
リンチェンは驚愕の真実を神山から告げられる!
この世界はアニメの世界だったのだ!
そして、最初の人生を送っていた世界も・・・!
そして、謎の仮面ボーガーが現れる!
次回カブトボーグ・リリカルヴィクトリー、衝撃!虚構の宇宙!