サボり癖のある指揮官の話   作:鰯くん

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ROいいですよね、今回のイベである秩序乱流でも掘り下げられていて嬉しかったです 
あと個人的にはAK-12とAN-94も好きですね
最初はAN-94が好きだったんですか気がついたらROに変わっていた…。


副官交代騒動

指揮官、起きてください。朝ですよ。」

 体を揺すられて目を覚ます。

 枕元の時計を見ると5時半と表記してある。

 ……朝早いなぁ。

 もう一度布団に入って寝たいところだが、きっと目の前にいる彼女が許してくれないだろう。

 まだ覚醒しきってない意識を何とか持たせつつ、上半身を起こした。

 「RO…おはよう」

 「顔早く洗ってください。着替え出しておきますから」

 それだけ言うと慣れた手付きでクローゼットからいつも着ている制服を取り出す。

 俺はそれを横目に洗面台へ向かった。

 ……眠い。

 「おう…」

 一通り終わらせて戻ると制服の掛かったハンガーの隣に腕を組んで立っている。

 俺を確認すると慌ててこちらに近付いて来た。

 「あーもう、ボタンずれてますよ!それに寝癖もまだ直してないですし…」

 「良いよどうせここ(基地)から出ないし」

 「良くないです!!身嗜みぐらいしっかりしてください!」

 「ご、ごめんなさい」

 「ほら早く!」

 「わっわかったから急かすな」

 「先に執務室行ってますからね?」

 「了解」

 俺の返事を聞くと最後にチラッとこちらを見ると司令室へと向かっていった。

 ……何時からこんな生活になったっけ? 

「なあ、指揮官ってROが居なかったら生活成り立つのか?」

 今日も何時もと同じように書類を見ているとM16が良く分からん事を言ってきた。

 「何言っているんだM16。成り立つに決まってるだろ」

 「今日の朝はどうだった?」

 今日の朝は……。

 「ROに起こして貰った」

 「それだけか?」

 「…身嗜みのチェックとかも」

 「駄目じゃないか」

 呆れたように頭を抱える仕草をする。

 「そ、そんなことはない!一様俺23年生きてるんだよ?出来るってそれぐらい。それに俺はここを仕切る指揮官だぞ」

 そうだ、その生活のなかでは勿論一人で過ごしていた時期もある!

 「ならここ1ヶ月の間副官を変えて見たらどうだ?」

 どうだろうか、俺は良いけど。

 「ROが許可するかな…」

 「なんで指揮官が副官に許可を仰ぐんだよ…」

 M16がまた頭を抱えた。

 「いやあいつ何も相談しないで俺が何かやると怒るから。『何かやる時は私に一声かけてください!』って」

 確か何かやらかした時に言われたな。

 「ROは指揮官のお母さんか何か?」

 「いや?」

 「今の話聞いた限りだとやんちゃな子供とその親にしか聞こえないぞ…」

 そこまでは言うのなら俺にも意地がある。

 「わかった、そこまで言うなら副官を変えてやろう」

 これで俺がちゃんとした生活が出来ればいいのだろう。

 「ん?本当に大丈夫かそれ。言っちゃなんだが成り立つのか?」

 こいつは俺をバカにしているのだろうか?

 と顔を見てみると本当に心配してそうな顔をしているからこっちとしても不安感が出てくる。

 「大丈夫だろ、俺少なくても三年ここで働いてるんだ」

 「それもそうか、指揮官も親離れする良い機会じゃないか」

 「バカにして…何も出来ないわけじゃないんだからな?」

 「楽しく拝見させて貰うよ。で誰にするんだ?」

 「何が?」

 「副官だよ」

 誰にしようか……そうだ。

 「あー、AN-94に、いやAK-12にしよう」

「ほう、何でそのメンツなのかはわからないが楽しみにしてるよ」

 「ったく、楽しんじゃってさ」

 「頑張れよ?へましないように」

 「あたぼうよ」

 こうして俺の副官交代期間が始まった。

 ※

 宣言道理俺は次の日から副官をAK-12に変更した。

 あれから1週間が過ぎて2週間目も半ばに差し掛かる。

 業務としては特に不自由無く進んでいると思う。

 今日も何時もと同じように書類を見ていると、執務室に誰かが入ってきた。

 「すまない指揮官。もう戻す事は出来ないか?」

 「どうした?」

 入ってきたのは疲れた表情をしたM16だった。

 「その…駄目な方は子ではなく親の方だった」

 「え?」

 「言いづらいんだが、実を言うとROがもう限界なんだ」

 「???」

 いったい何が限界だったのだろう?

 「ずっとそわそわしてて落ち着かないんだ。『指揮官大丈夫かしら』とか、気になって作業が疎かになったりする始末だ」

 「まだ半月しか経ってないぞ?」

 「半月も持ったんだよ…やった次の日から少しずつおかしくなってな…他の奴から聞いた話なんだかな最近何か執務室と指揮官の部屋を行ったり来たりしてるらしくて」

 執務室の扉の方からガタッという音が聞こえる。

 黄色い袖が扉の隙間からチラついた。

 「重症?」

 「重症」

 すると扉の向こうから話し声が聞こえてくる。

 『あら?ROどうかしたのかしら?』

 『い、いえ。特にはありませんけど…』

 『そう、ならどうしてここに?』

 『な、何でもないです。失礼しますね』

 遠ざかって行く足跡が聞こえた後、司令室の扉が開く。

 部屋に入ってきたの入ってきたのはAK-12だった。

 「指揮官、さっきROが司令室の前にいたわよ?あら?M16も来てるのね」

 「どんな様子だった?」

 「何か落ち着かない様子だったわ」

 「そうか…」

 すると自室の方からドアの開く音が聞こえる。

 すると中からAN-94が出てきた。

 「え?」

 M16が驚いた声を出す。

 「指揮官、部屋の掃除をやっておいた」

 「ああ、助かるよ。ありがとうAN-94」

 部屋の掃除をしてくれたAN-94に感謝の言葉を告げると正面に立っていたM16にいきなり胸ぐらを捕まれ引っ張られた。

 「どういう事だ?なんでAN-94が指揮官の部屋から出てくる!?」

 「そりゃ…俺の部屋を掃除してくれたからだろ」

 「だから何でその状況が生まれるんだ!」

 「AN-94が掃除してくれるって言ったからお願いしただけだけど…」

 「それは本当なのかAN-94?」

 本当に嘘は言ってないからと言っても信じてくれなそうだ。

 「今日の朝起こしに行ったら少し散らかっていたから、時間が開いた時に掃除すると指揮官に言ったが…」   

 「いや、答えになってないぞ…この半月で何があったんだよ」

 「指揮官が私を必要と言ってくれた…他の人の為に生きてきた私を」

 

 ※ 

 目が開いてる方の銀髪が柔らかい表情で指揮官の方を見つめる。

 「何で堕ちてるんだよ…そしてなんでAK-12はこうなるまで止めなかったんだ」

 肩を落としながらもう一人の目を閉じている方を見る。

 「初めはしっかりしていたのよ?指揮官も朝来たらちゃんと起きてたし、だからAN-94と接触してから二人がどんどん駄目になっていくのが面白くて」

 「いや、見てないで止めろ!末期だぞこれ」

 「大丈夫よ、AN-94よ?こう言ってはなんだけど彼女はそんなにチョロくないわよ?普段は笑ったりしないし常に冷静なんだから」

 (感情が乏しくて冷静…)

 AN-94を見てみると指揮官の方を見つめており、心なしか微笑んでいるようにも見える。

 私の気のせいかも知れないが…。

 「と言うかなんでここに副官でも無いAN-94がここに居る」

 「着いてきたのよ『AK-12が居ないと不安だって』」

 (お前(AN-94)もそっち側だったかー)

 「でも最近は私が居ない時もこっちに来るらしいしけどね」

 「私から普段離れることないAN-94が自分から進んでここまで足を運ぶんだから凄いわよね、指揮官って」

 AK-12が指揮官の方へ視線?閉じた瞳を向ける。

 「…お前は、指揮官に付いてどう思ってる?」

 「私?私は指揮官に対しては多少興味を持ってるわ。でも別にそれが好きとかではないから安心して」

 「まあそうだよな」

 安心した。

 これなら心配はないだろう。

 「でも、指揮官って寝顔可愛いのよね」

 ふふっと思い出したかのように小さく笑う。

 前言撤回。

 「堕ちてるじゃないか!?」

 「違うわよ、たまたま起きて来なくて起こさないといけないって部屋に入ったらまだ寝てただけ。そのあとは普通に起こしたわ」

 「そうか…なら平気だな」

 「当たり前よ」

 本当に大丈夫だろうか?

 と言うよりもこれは前と変わらないのでは?

 ROの立ち位置がAN-94になっただけだろう。

 「指揮官、もう止めにしようか」

 「ん?別に良いけど」

 なんとも無さそうな指揮官の顔を見ていると彼にとってROとはどんな存在なのだろうか。

 ともあれこうして約2週間における副官交代期間は終了した。

 

 ※

 いきなり副官を交代すると言われた時私はとても驚いた。

 すると思わなかったからだ。

 自身が副官を降りるなんて考えた事もない。

 訳を聞いて渋々承諾した。

 でも大丈夫なのか心配になる。

 朝はちゃんと起きれるのだろうか。

 ボタンや寝癖はしっかり直してるだろうか。

 考えれば考えるほど心配事が増えていく。

 最初の日は無意識に起こしに行ってしまった。

 その時に副官に渡される合鍵が手元に無いことがとても悲しかったし辛かった。

 次の日は行きはしなかったがやはり心配になる。

 チラッと執務室を覗くとちゃんと身嗜みを整えてデスクに座っている指揮官が目に写る。

 それでいて業務や仕事中にちょっと抜けているところがあると何故だか嬉しい気持ちになる自分がいた。

 そのまま時間は過ぎていって2週間が経過していた時に、副官を元に戻すとM16から言われた。

 心なしか疲れているようにも見えたが気のせいだろうか?

 何はともあれ明日からはまた副官として指揮官を支えなければ。

 そう思いながら私は目を瞑った。

 

次の日朝、昨日M16から貰った副官のみが持ち歩ける指揮官の部屋の鍵を片手に部屋の前に行くと、既に誰かが立っていた。

  「あれ?貴方は…AN-94?」

 「RO?どうしたんですか?こんな朝早くに」

 時刻は5時半前。

 指揮官はまだ寝ているはず。

 「いや、私は指揮官を起こそうと思いまして」

 「私も指揮官を起こそうとここに来たんだが…」

 「え?なんでですか?今日から副官は私なんですけど…」

 「私は副官関係なく起こしに来ているんですが」

 「え?」

 「ん?」

 「ならそこを退いてくれると嬉しいんですけど…指揮官を起こさないといけないので」

 「いや、私が起こすから大丈夫だ。だからその間に朝の準備をするといい」

 「AN-94こそ、出撃と訓練の準備をしてきてはどうですか?」

 「今日は朝早くから行う訓練は無い。ROこそ準備をしないと始業が遅れてしまう」

 AN-94の一歩も譲らない姿勢にどうしようかと悩んで居ると、部屋の中から何か聞こえてきた。

 「…」

 「…」

 「何か聞こえませんか?」

 「確かに、誰かの話し声が聞こえる」

 ドアに耳を当てて中の音を聞く。

 『ちょっAK-12!?どうやって入ってきた?』

 指揮官?もう起きている?

 『普通に入ってきたわよ?』

 『しれっと嘘を付くな入ってこれる筈がないだろ!ロックが掛かってたんだから!』

 ん?何か話の雲行きが怪しい。

 『私目を閉じてるから良く見えなくて、掛かってなかったんじゃない?それにしても杜撰なセキュリティね。これじゃあ指揮官を守ることなんて出来ないわ』

 『何が言いたい?てか嘘つくな』

 『指揮官?ここに電子戦特化の人形が居るのだけれどどうかしら?部屋のセキュリティを強化できるわよ』

 『間に合ってる!グイグイくるな布団の上に乗るな!』

 これは止めに行った方が良いのでは?

 『本当に?不審者が指揮官を夜な夜な襲ってくるかも知れないわ、それでも良いの?』

 『誰もこないだろ!?てかお前が来てる!!』

 『さあ?どうかしら?もしかしたら私以外にもいたかも?』

 一瞬で冷や汗が出てきた。

 「…どうしたんだRO。汗が凄い

 」

 「い、いえ、大丈夫です」

 『第一誰が来るんだ?俺だぞ?ましてやロックしてあるのに入れるわけないよ』

 お願いだから早く終わってほしい。

 『なら言いましょうか?指揮官、私実は4日前から夜部屋に入っていたの』

 『な、何をした?てかお前は入れるだろ!さっき電子戦特化って言ってたもんね!』

 『別に何もしてないわよ?寝顔がかわいかったからついね』

 『寝顔ガッツリ見てるじゃないですか!』

 『大丈夫、見ただけよ』

 『大丈夫じゃないだろ見られたくないよ!』

 『いいじゃない、減るものでも無いのだし。なら私の寝顔見る?』

 『いや普段から目閉じてるだろお前…』

 『もしかしたら目を開けながら寝ているかもしれないわよ?』

 『んなわけあるか!眼球カッサカサになるわ!』

 『わからないわよ?実際に見て見ないと…』

 『ちょっ布団の中に入って来るな近い近い!てか何で目開けてるの?』

 『正直、元々は指揮官の事、あんまり期待してなかったのに。でも、何故か私の目を奪ってしまう……これは貴方の魅力なのかしら?ワクワクするわね……』

 『ワクワクすんな!ちょっ本当に洒落にならないから!お前スタイル良いんだからマズあっ…本当に止めて下さいお願いします』

 「ちょっと!!」

 扉を開けようとしても隣に居るAN-94が妨害をしてくる。

 「ダメだ、AK-12の邪魔をしてはいけない」

この期に及んで何を言うか、事件は今現場で起きていると言うのに。

 「良いんですか?指揮官の大切な物なくなりますよ!?」

 その大切な物に関しては決して口からは言えませんが。

 「それは…でもAK-12を邪魔するのは…」

 AN-94が葛藤しているのか頭を抱えている。

 「なら私だけでも…あれ?ロックが開かない?」

 その隙にカードキーをタッチするがドアのロックが解除されない。

 「恐らくAK-12の仕業だろう」

 横を見ると感心したような言い方をする。

 「確信犯じゃないですか!?指揮官!!大丈夫ですか!」

 『その声はROか!助けてんぐっ……』

 『……静かにしないとダメよ?いきなり声を出したらビックリするでしょ?』

 『俺はお前の行動にビックリしたよ!』

 指揮官は今何をされたの!?

早く開けないと。

 「AK-12!!部屋を開けなさい!!」

 『はぁ…仕方ないわね』

 するとピッと電子音が鳴ると共にドアが開いた。

 ベッドに座っている指揮官の元へ急ぐ。

 「指揮官!!大丈夫ですか?」

 「な、なんとか」

 「良かった……」

 指揮官は見た感じ特にこれといった変化は無い。

 「おはよう、指揮官」

 空いたドアから部屋にAN-94が入ってくる。

 「AN-94もおはよう」

 「AK-12!!ここで指揮官に何をしていたんですか?」

 「何もやっていないわ?ただ指揮官を起こしただけよ?」

 「そんな筈がないでしょ!声が外からきこえてるんですよ!」

 ならさっきの指揮官の声はどう説明をつけるつもりなのか。

 「何もなかった、そうよね?指揮官」

 「…何もなかった」

 「何があったんですか!指揮官萎縮してんじゃないですか!あーもう大丈夫ですか指揮官?」

 「大丈夫、大丈夫だからちょっと一人にして」

 これ絶対に大丈夫じゃない奴じゃないですか!?

 出来れば一緒に居たいところだけど、指揮官がそういうならここは出るしかない。

 「わかりました、ほら、皆出ますよ?」

 「はいはい、わかったわ」

 「支度ができたら声をかけて欲しい」

 「了解、支度がで来たら声かけるよ」

 

 ※

 皆が部屋を出ると…AK-12は最後まで駄々をこねていたが。

 皆が出たのを確認するとドアを閉める。

 「はぁ、なんだかんだあれが俺のファーストキスなのか?」

 指先で唇を触る。

 ついさっきのやり取りを思い出した。

 今日は始まったばかり。

 1日は長い。

短い針が6を指していないのを見て肩を落とす。

何で朝からこんなに疲れるんだ。

やっぱROが一番だな、彼女ならこんな事しないだろうし。

 ※

 モニターにとある男性の寝室が映し出されている。

 すると、司令室から繋がる扉の方では無く、廊下へ直接繋がっている扉が静かに開いた。

 するとフードが付いたジャケットを着た少女が部屋に入る。

 部屋に入るとそのまま寝ている男の元まで向かう。

 そしてベッドの目の前に着くと少し止まると屈んで男との距離を0にした。

 2、3秒すると体を元に戻して彼の体を揺すった。

 『んあ?……おはようRO』

 『おはようございます、指揮官』

 映像はそこで途切れた。

 

  

 

 

 

 

 

 

   




ハーメルンの方の更新が遅れていたので、その文を更新しました。
色々まだストックハーメルンあるのですが、見直し、出す順番など、まだまだ本文の方も修正する所がありそうなので、pixiv→ハーメルンの順に出していこうと思っておりますゆえ、何卒よろしくお願い致します 
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