サボり癖のある指揮官の話   作:鰯くん

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今回はDivisionを題材にさせて頂きました!


The Division:EP1 Stranger

「指揮官様!今日の業務は……これです!」

執務室で、後方幕僚のカリーナがテンション高めで持ってきたのは、いつもとは一味変わった物だった。

「ゲーム?」

思わず口から出た言葉にカリーナが答える。

「はい!そうですよ指揮官様。今日はこのゲームをプレイするのが業務です」

「ゲームをするのが?」

「はい!と言うのも、このゲームのプレイしている所を宣伝の一部として出したいそうです。指揮官様は人形を連れてこのゲームをプレイしているだけで大丈夫ですので、力を抜いて楽しんで来てくださいね!」

なるほど、何時もの巡回やらと比べたら良いのかな?

それに何か脅威があるわけではないし。

たまには息抜きと言うことでそれも良いだろう。

だかここであることに気づく。

「あれ?でもどこでやるんだ?」

ここにはそれをするための機器がない。

コントローラーもなければモニターやゲーム機も無い。

するとカリーナが何処に閉まっていたのかわからないヘルメットみたいなのを取り出した。

「指揮官様?何を勘違いしているのかわかりませんが今回は電脳空間でのゲームになりますから、これを被ってください!」

グイッと差し出された機器を受けとり渋々頭に被る。

『もしかしたら人形達とは別の所から始まる可能性があるので注意してくださいね』

「それじゃ、行ってくるよ」

『はい!こちらからモニタリングしているので、何かあったら気軽に話し掛けて頂いても大丈夫ですよ!』

「どうして良いかわからなくなったら連絡する……」

『では、楽しんでくださいね!』

ゲームなんて久しぶり……だと思っていたがRFBと良くやっていることに気づいた。

でもあれはコントローラーだったしこっちは体感型だ。

それにあれは気軽に出きるもんじゃない。

本気でやらなければ中々解放してくれないのだ。

何かと理由をつけて止めさせてくれない。

いつもは「私に一回勝ったら終わり!」と持ち掛けてきて始まる。

……まあ楽しそうに笑う彼女の顔を見てるとどうでも良くなってしまうのもあるが。

今回はそういうのがなく平和にプレイすれば良いとのこと。

カリーナの笑顔を見たあとに目を閉じると、フワッと一瞬浮いた感覚がした後に背中から急降下していった。

 

暫くエスカレーターの気持ち悪い感覚が続いた後、ドスンと背中に強い衝撃が走った。

「痛っ!……ここは?」

立ち上がって辺りを見渡す。

どうやらここはどこかの市街地らしい。

道路を挟んだ脇にはうっそうとビルが立ち並んでいる。

ただ、少し既視感を覚えるのは今見ているこの光景が何時も彼女達が戦う戦場と酷似しているからだろう。

どのビルも人の気配がしない。

道端にはビニール袋やTシャツ等のゴミが散乱している。

きっとしばらく誰も管理をしていないんだろう。

まずは状況を軽く把握したい。

「カリーナ、ここはどこだ?」

一様セカンダリレベルで繋がっているから彼女とは連絡を取れるはず。

はずなのだが、いくら待っても返事が帰ってこない。

何故?

それでも待っていると、今度は遠くから足音が聞こえた来た。

武装した2、3人の男がこちらへと向かって歩いてきている。

だがおかしい。

あまりにも軽装すぎる。

何故彼らはボディーアーマーを着ていない?

それに服装もとてもカジュアルな物で腕が裸で出てしまっている。

見つかったら面倒な事になりそうだと思いやり過ごす為、近くにある廃車の裏に隠れてた。

割れたフロントガラス越しに目の前を通りすぎていく男達を見送る。

通り過ぎたのを確認したのを確認すると、どっと疲れが沸いた。

やる当初は穏やかなゲームだと思っていたがどうやらそうでは無いらしい。

というよりもこんな荒廃した世界観の時点でおおよそ穏やかなゲームでは無いことをある程度察っしていたが。

取り敢えず武装の確認をしなくては。

手持ちの装備を見てみると、こっちはいつも着ている制服のコートが無くなったぐらいで現実と全く同じ服装だった。

コートが無くなった分お陰で少し動きやすくなった。

ある武器はもちろん拳銃だけ。

ちょっと……いやだいぶ心許ない。

やはり皆と合流するまでは戦闘は極力避けなければいけない。

目の前の脅威が通り過ぎた事によって安心していた俺は背後から来る気配に気づけなかった。

唐突に耳元で誰かが囁く声が聞こえた。

「───合言葉は?」

───!!

反射的に振り返り距離を取ろうとした。

だが車の後ろという事とその人物との距離があまりにも近すぎて距離を取るのが困難だ。

幸いタイヤがパンクしていた為に車高が低くなっていて、ボンネットの上を滑るようにして距離を取った。

着地をしてから拳銃を構えてその相手を確認したあと、銃を下ろす。

この場合は……。

「角砂糖……だったかな」

「そこまで驚かなくてもいい気がしますけど、まあ良いでしょう。今回は立場が逆になりましたね──指揮官」

車を挟んだ向かい側ではAR小隊の隊長であるM4A1が微笑みながら立っていた。

市街地を歩きながら、M4と情報を共有する。

「皆は?」

「私がここで目が覚めた時、1人で他には誰も居ませんでした。恐らく何らかの原因でバラバラになったものと思います。カリーナさんには繋がりましたか?」

「いや、駄目だったよ、何故か繋がらない……そっちは?」

「いえ、私も繋がりませんでした」

「それよりもまずは他のAR小隊のメンバーを探さないと」

「手掛かりはあるんですか?」

「いや、残念ながらない。恐らく外部にいるカリーナなら知っているんだろうが繋がらないからな」

今頃繋がるのを待ちながらモニター越しに写っている俺達を見ているところだろう。

向こうはきっと楽しそうにして見ているだろうがこっちとしてはもう辞めたい所ではある。

「指揮官、ここは一端ゲームを止めて万全な状態になってから改めてやるべきだと思います」

M4も同じ意見のようだ。

「確かにそうだな、正直わからない事が多すぎる。もう少しこの世界に対して知識をつけてからやった方がこっちとしても楽しめるだろう」

そうして宛もなく適当に道路を歩いていると、M4が何かに気がついて立ち止まった。

「あの、指揮官……これどうやってやめるんですか?」

……何にも考えていなかった。

「確かにそうだ、ゲームっぽいメニュー画面が出てこないしな」

「これってひょっとしたら凄く不味いのでは?」

「…………」

これ、きっと外部から何かしないと出てくることが出来ないのだろう。

機械に詳しいカリーナが直ぐにこのゲームを中断しないのはそれなりの理由があるからだろう。

……単純に楽しんでいる事もあり得るが。

「どうしますか?」

M4がこれかの事について聞いてくる。

「まずは他のメンバーと合流しよう。きっと皆も探してくれているはずだ」

「はい、行きましょう」

取り敢えずこれからやることは決まった。

まずは散り散りになったAR小隊の探索だ。

 

道を歩いていると、懐かしむ様にM4が自身の銃を眺めていた。

「あの時もこうしてバラバラになった小隊を、指揮官が探してくれたんですよね」

「あの時はまだ着任したばかりだったからな……まさかあんな事になるなんて思いもしなかったよ」

「私も経験が浅くて……とても懐かしいです」

「そうだな」

「はい、指揮官には本当に感謝してます。今もこうして皆と居られるのはきっと指揮官が頑張ってくれたお掛けですから」

彼女はそう言うと笑顔で目をあわせる。

「買い被り過ぎだよ、この結果は君達が勝ち取った物であって俺はその手助けぐらいしかしていない。肝心な時は皆自分たちで何とかしていたんだから」

「でも、その指揮官の言う手助けのお陰様なんですよ。こうしてまた皆で一緒にいられるのも」

感慨深い、暖かい気持ちになっていると、前から爆発音が聞こえた。

「指揮官!」

「取り敢えず行ってみよう、もしかしたらAR小隊の誰かかもしれない」

近づいて行くと複数の大きな爆発音と銃声が鳴り響く。

装甲車か何かとでも戦っているのだろうか?

事と次第ではこちらも戦闘に介入するかもしれない。

どうやら十字路の交差点を左に少し進んだ所で行われているらしい。

赤い炎が建物のガラスに反射して見える。

交戦が行われている手前の建物の影に隠れて拳銃を取り出す。

後ろからついてくるM4も準備が出来たと振り向いて顔を合わせると頷いた。

どんな状況か確認するため落ちているサイドミラーを拾って建物から少しだけ出す。

どうやらこちらには気づいていないらしい。

完全に後ろを取れている状態だ。 だが問題は今向こうにいる人物だろう。

こんな爆発物が飛び交っている状態だ。

恐らくとても恐ろしい物だろう。

あんなのを食らったら一発で死んでしまう。

この不明瞭な状態で死ぬのは極力避けたいところ。

だがここの物陰に着いてから爆発音がしないことに気が付いた。

ずっと銃声が響いているだけだ。

それでも数が多いため、複数に撃たれている状況だろう。

「M4、恐らく今行ったら向こうに居る人達助けられるだろう」

「はい」

「だが、そいつらも攻撃してきて連戦になる可能性もある」

「わかってますよ……でも行くんですよね?」

「……すまない。だから残弾に注意して戦闘をしてくれ」

「了解です」

銃声の数が少なくなるタイミングを見計らい、後ろから奇襲をかける形で攻撃を開始した。

攻撃をしていたのは合計10人。

前に3人中央に2人後ろに5人だ。

M4は走りながら撃ち込み5人の内3人を倒す。

奇襲に気付いて振り返った残り2人を手に持った拳銃で頭部を撃ち抜き仕留めた。

「流石ですね指揮官」

「そっちこそ、AR小隊の隊長をしているだけある」

「伊達に修羅場を潜り抜けていませんから」

そのまま順調に敵を片付けていく。

だが、前に居た3人の内、1人の男が何かを背負っていた。

一見ランドセルに見えるソレは俺達に振り向く事でそんな可愛いものでは無いことを嫌でも理解させられた。

あれは───。

「M4!車の裏に!」

「指揮官も急いでください!」

耳をつんざく電動機を回したような音をならしながら、その男はアクマを振り回す。

車は瞬く間に穴だらけになり、それは当たったらこうなるぞと言われているようで背筋が凍った。

「ミニガンなんて持って撃てる物じゃないだろ!」

「どうします指揮官。私が引き付けますか?」

「そんな事したら君が危ない。絶対にダメだ」

「……はい」

ちょっと強く言い過ぎてしまったかもしれない

M4がうつ向いて静かになってしまった。

耳元が少し赤くなっている所から見て相当怒らせてしまったのか?

「その……すまない。強く言い過ぎた」

「い、いえ……その、大丈夫です」

でもM4は忙しなく顔を合わせてくれない。

これ以上変に何か言って怒らせたくは無い。

話は後にして、今はあのミニガン持ちをどうにかしなければ。

「指揮官、どうしますか?このままでは2人共……」

未だミニガンの銃撃は続いている。

この車がなんでここまで持つのか不思議なくらいだ。

「なら、俺が前に出るからその隙に──」

動こうとした時に腕を掴まれる。

案を出そうとした最中にM4に遮られた。

「ダメですよ、それはさっき指揮官が自分で否定した案じゃないですか」

「だがこのままでは───!?」

もうダメかと思っていた刹那、急にミニガンの背中についているバックパックが爆発した。

「今だM4、あのミニガン持ちを攻撃する!」

「了解!!」

あるだけの火器を全て使いミニガンに集中砲火を浴びせる。

弾は男の後ろからも飛んで来るところから見て、向こうも一緒に攻撃を仕掛けていた。

前と後ろから撃たれているのにそれでも中々地面に倒れてはくれない。

それから暫く撃ち続けてようやく沈黙した。

「これは本当に人なのか?」

動かなくなったミニガン持ちの方へ歩いていくと、M4では無い声が足音と共に前から聞こえてくる。

「ありがとね!危ない所だったよ~」

「その危機を招いたのはあなたでしょSOP Ⅱ……」

SOP Ⅱ??

聞き覚えのある呆れ声と名前がした方へ向くと。

「あっ!指揮官!それにM4も!」

「SOP Ⅱ!ROと一緒だったのね」

こちらを見つけて走ってくるSOP Ⅱ

とその後ろを追いかけるROがいた。

「良かった……無事で」

ROは俺達を見ると安心した表情をする。

「そっちこそ、厄介な奴と戦っていたな……」

「あのミニガン持ちは何なの?」

俺達を襲ったあの男はなんだったのだろうか?

だか、どうやら2人も詳しくは知らないらしく困った表情をしていた。

「いえ、アレについては私達も良く知らないんです。いきなり撃ってきたので」

「ならあの爆発は?てっきり装甲が厚い敵かと思ったけど……」

「あれはSOP Ⅱが手持ちのグレネードランチャーを使用したんです。最初はもっと数が多くて、でもそのお陰で大半を制圧することができました」

M4と話していたSOP Ⅱがこちらへとやってくる。

「指揮官!私いっぱい敵倒したよー!褒めてー!」

差し出されたSOP Ⅱの頭を優しく撫でると嬉しそうに笑った。

ふとM4達の方を見ると2人は何か話している。

だがいきなり2人ともこちらを凝視し始めた。

目が少し怖い気がするのは気のせいだろう。

「もういいよ、ありがとう指揮官!」

満足したのかSOP ⅡもM4達がいる所へと向かっていった。

この間にもう一度カリーナに通信が届かないかを確認する。

「カリーナ、聞こえてる?」

…………。

少し待ってみたがやはり繋がっていない。

さっきの戦闘で弾薬を多く消費してしまった。

あと残っているのは一つのマガジンと、銃本体のマガジンにある3発だけ。

確かに少し心許ないな……。

「指揮官……あれは?」

ROが指差したほうを見る。

すると不思議な光景が目の前で起こっていた。

 

 

 




Divisionコラボ楽しみです!
彼女達の活躍が早く見たいですね(^-^)
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