sin 罪と罰   作:宇宙人と呼んで

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第3話

※※※ ※※※

 

「罪を恐れるってのは、罰に怯えることと同じだ。産まれて初めて罪の意識を抱いた瞬間を人は覚えちゃいない。当然だよな、人間らしいもんだ。思い出せるのであればそれは嘘だ。怯えが写す幻だ……それを乗り越えなきゃ俺達は戦えない」

 

脳裏に浮かんだのは、こんな言葉だった。誰が言ったのか記憶も定かではない。けれど、しっかりと心に根付いている不思議な言葉だ。内容を覚えていなくとも、夢見が悪い時には決まって過るので、また悪い夢をみたのだな、という程度に考えていた。しかし、ここ最近は虫の知らせにしても多すぎる。

俊が目を覚ますと、柔らかな感触に全身を包まれていた。それが布団だと気付くまで数秒、自宅のワンルームのアパートだと察するまで数秒、そして、部屋の中央で黒い着物に身を包んだ黒髪の少女が正座したまま、俊を眺めていることに気付くまで数秒……

ん?女の子?

ばっ、と顔を向け、叫びだすまで数分を要した。

 

「なんで!なんで君がここにいるの!?」

 

「あーー、もう!うっさい!」

 

両手を耳に当て、前髪の奥にある眉間を狭めた少女は、清廉そうな佇まいとは裏腹に、乱暴に立ち上がる動作の中で俊の身体に股がるや、右手を伸ばし俊の口を塞ぎ、枕に押し付ける。一瞬にも思える早技に目を剥いた俊の顔に、少女の吐息と長い黒髪が落ちてくる。

 

「ここはアンタの家で、アンタをここに運んだのはアタシ、何故ここにいるのか、それはこれから説明する。理解した?」

 

口を塞がれている以上、意思を伝えるには、首を動かすしかない。

少女は、俊の瞳が怯えを宿して揺れている様を苛立たし気に見詰めてから、眉間の皺をより深くして手を放す。

そこでワンルームのリビングへ繋がる扉が開かれた。慌てて少女が振り返れば、ノブを掴んだまま、壮年の男性が呆然と佇んでいた。

改めて、少女は、自身と俊の格好を見比べて みる。

衝撃ではだけた胸元をそのままに、荒い息をして、潤んだ瞳は自身を見詰めている。勿論、これらは俊の装いだ。

赤面し、唇を震わせたた少女が、再び、勢いよく振り返ると、男性は口元を隠していた左手で右手を打ち、合点がいったとばかりに言った。

 

「年頃だもんね」

 

「ち、違ーーーーーーう!」

 

甲高い絶叫が響いた。

 

※※※ ※※※

 

「なんだ、そんなことなら、こちらに伝えてくれたら良かったのに」

 

「賢人さんが声も掛けずに入ってきたんだから、 無理ですよ」

 

「それにしても、こちらも驚いたんだよ?真夜ちゃんも成長したんだなって……」

 

「張り倒しますよ?」

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