破壊神キッテル(キッテル回想記『空の王冠』三次創作) 作:ダス・ライヒ
ワルキューレの基地に潜入し、ニコラウス・アウグスト・フォン・キッテルの詳細な情報を入手したサウンドウェーブは、メガトロンが待つデストロン基地へと帰投した。
「サウンドウェーブ、帰投シマシタ」
「ご苦労、サウンドウェーブ。では、早速手に入れた奴の情報を見せてくれ」
「了解、メガトロン様。トランスフォーム!」
基地へ帰投したサウンドウェーブは報告した後、メガトロンの指示でラジカセにトランスフォームし、コンピューターに装着する。
コンピューターに装着したサウンドウェーブは、画面に手に入れたキッテルの情報を次々と送り込み、主人であるメガトロンに情報を見せる。あの砂漠で百両以上の戦車連隊を単独で撃退した記憶映像もである。
この映像で、メガトロンは直ぐに自分の目に狂いは無かったと豪語する。
「フハハハ、やはり余の見た通りよ! 見よ、この模範すべきデストロン兵士らしい破壊の正確性を! キッテルには、是非とも余の右腕として働いて貰いたい物だ! 見る目が無いのはお前の方だったようだな、スタースクリーム」
「なにぃ! こんな映像が何だってんです!? 俺ならもっと早くに終わらせられるぜ! 肉ケラ如きに、このスタースクリーム様の代わりが務まるもんか!」
「この愚か者めが! 俺なら早く終わらせられるだ? お前なんぞがキッテルの足元にも及ばん事を、この映像を見てまだ分からんようだな!」
映像を見て次の右腕をキッテルと決めたメガトロンに対し、未だに彼の実力を認めないスタースクリームは、人間であるキッテルには自分の代わりが務まらないと言う。
だが、キッテルの実力を二度見て分かったメガトロンは彼の戦闘記録映像に指差しつつ、スタースクリームを罵倒する。
これに腹を立てたスタースクリームは、自分の後釜となるキッテルを抹殺すべく、デストロン基地を抜け出す。*1
「あんたはいつもそうだ! だったらキッテルの野郎を殺しに行くまでよ!」
飛び出していくスタースクリームを、メガトロンは敢えて止めなかった。
どうやら自分等トランスフォーマーに、キッテルが勝てるかどうかスタースクリームで試すようだ。
「メガトロン様、スタースクリームを止めなくてよろしいので?」
「敢えて行かせたのだ。スタースクリームを倒せねば、余の右腕は務まらん。奴にやられるようなら、そこまでの男よ」
スタースクリームを倒せるほどの実力なら、メガトロンは右腕にするつもりだが、自称ナンバーツーにやられるようならキッテルを自分の配下にはしないつもりであった。
スタースクリームの魔の手が迫っていることに気付かず。今日も出撃して着々と反乱軍に損害を与えているキッテルは、次なる出撃をしようとA-10サンダーボルトⅡ攻撃機に乗り込もうハンガーを訪れた。
だが、度重なる出撃でA-10はオーバーホール*2が必要なほどの状態であった。
「参りましたね、出撃できる機体が。別のA-10も代わりが無いですし」
「そうか。なら、あの機体に乗ろう」
「レシプロ機ですか…!? 対空砲でやられますぜ!」
A-10が乗れないと分かれば、予備として一応ながら爆弾を搭載している単発型のレシプロ機を指差すキッテルに整備班長は驚きの声を上げ、乗らない方が良いと告げる。
この世界の戦場は対空ミサイルが飛んでくるので、足の遅いレシプロ機など対空ミサイルなど使わなくとも、対空機関砲で撃墜されてしまう。
ジェット戦闘機が飛び交う空戦に、レシプロ機で出撃しようとするライセンス持ちのキッテルの身を案じ、整備班長は止めようとする。
「えっ、フォッケのG型ですか!?*3 一応、飛べるように整備してますが、制空権が完全に取れるまで出撃を控えた方が…」
キッテルが指差したのは、フォッケウルフFw190G-8型だ。レシプロ単発機であるFw190の長距離戦闘爆撃機型の最終生産モデルである。
Fw190は元が戦闘機であり、爆装を使い果たせば空戦は可能だ。だが、敵にレシプロ機は存在しない。返り討ちにされる可能性がある。
「私を誰だと思っている? レシプロ機は生前に散々乗った。特徴は理解しているつもりだ。ジェット戦闘機とレシプロ機の空戦か…面白いな。よし、エンジンを回せ。出撃だ」
止めろと言われても、それを覆そうとする性質をキッテルは持っている。
決めれば、必ずやり遂げようとする事もあり、キッテルは代わりの機体が用意するのを待つことなく、Fw190G型に乗ると決め、生前のような飛行服に身を包み、その機体に乗り込んだ。
直ぐにキッテルの自殺行為に近い決定は、基地の待機中のパイロット達に知らされる。
「おい、大変だ! ライセンス持ちがレシプロ機で出るってよ!」
「あのコイン機で!? おいおい、今度は自殺か!?」
「無茶苦茶だぜ! そんなに勲章が欲しいのか!?」
このキッテルの行動に一同は驚きの声を上げ、無茶だと言い出す。
単独と独断行動が許されるライセンス持ちであるが、引き換えに勲章を受賞できない規定となっている。勲章物の働きをして同然と見られているのだ。
レシプロ機に乗って多大な戦果を挙げようとするキッテルに、基地のパイロット等はそんなに勲章が欲しいのかとざわつく。
そんなキッテルはFw190に脚立を付け、キャノピーを開けて乗り込み、脚立を片付けるように指示を出す。その間に整備兵等はレシプロエンジンを起動させるために、必死にクランクを回している。
回している内にエンジンが唸り出せば、キッテルは起動レバーを引いてエンジンを稼働させる。それと同時にプロペラが回り始めた。直ぐにキッテルは整備兵等に、クランクを外して退避を命じる。
「エンジンに火が入った! クランクを外して退避しろ!」
彼が命じれば、直ぐに整備兵等はエンジンからクランクを外して退避する。それから機体を外に出し、滑走路まで進む。
滑走路に着く前に無線機を操作し、チャンネルを管制塔に合わせれば、出撃して良いかを問う。
「こちらクロウ〇一、管制官聞こえるか? 出撃したい! どうぞ」
『なに!? クロウ〇一! お前、なんて物に乗っている!? 出撃は許可できない! そんな機体では、棺桶も同然だぞ!』
「棺桶? 私にとってはゆりかごなのだがな。なに、戦闘機や対空砲の類は友軍機に任せるさ。良いから滑走路を空けろ、無理にでも出撃するぞ!」
『なんて無茶苦茶な奴だ! 通りでライセンス持ちなわけだな! 分かったクロウ〇一、近くの滑走路を使え! 撃墜されても知らんからな!』
「こちらクロウ〇一、感謝する! 終わり!」
出撃の許可を貰おうと連絡したが、管制官はキッテルが乗っている機体を見て却下を出した。当然であるが、キッテルは無理にでも出撃すると言えば、管制官は気迫に押されて出撃を許可した。
許可が下りれば、直ぐに滑走路を使って大空に向けて飛んだ。
キッテルの駆るFw190G型の搭載弾薬数は、三十年後余りに搭乗するA-10攻撃機よりも遥かに劣る。これにキッテルは不満に思い、整備兵等に限界までロケットを搭載させるべきだったと後悔する。
「もっとロケット弾を積ませるべきだったか? だが、重くて飛べなくなるな」
十分な高度に到達して機体を安定させた後、操縦桿を動かして機体の重量を覚える。熟練パイロットとしての経験で、大戦中のレシプロ単発戦闘機ではA-10以上の搭載は出来ないと判断して、過剰搭載は我慢する。兵器の過剰搭載は墜落の恐れがあるので、むしろ控えた方が良いと言うか、原則で禁止である。
既定の高度で友軍の交戦地域に向かう中、自分から見て十時方向に、ジェット戦闘機隊に追い抜かされる自分と同じレシプロ単発機の戦闘爆撃機の編隊を見付けた。
機種はフォッケウルフでは無く、P-47サンダーボルト単発戦闘機であるが、搭載量の方はキッテルのFw190の方が多い。編隊の数は一個大隊相当であり、こちらの制空権が取れれば、敵は地獄を見ることになるだろう。
「マークが違うな。何所の隊だ?」
良く見れば、自分が出撃した基地の所属マークでは無いので、無線機で何所の部隊かを問う。直ぐにキッテルのFw190を追い抜いたF-16戦闘機乗るパイロットからの返答が来る。
『第七二戦略爆撃機大隊だ。乗ってるのは女だろうな。後方にはB-25やモスキートもあるぜ』
「本当だ。合わせて二個大隊になるな」
無線機からさらにもう一編隊あると言う返答に、キッテルは敵に憐れみを抱く。パイロットの言う通り、B-25爆撃機とモスキートで編成された爆撃機一個大隊分があるからだ。
乗っているのが女性だというので、試しに接近してキャノピーを確認してみれば、本当に女性が操縦席に座って操縦しているのが見える。接近してきたこちらに驚いているのか、どこかへ行けとジェスチャーをキッテルのFw190に送っている。
直ぐににキッテルは編隊から離れ、爆撃編隊より更に前に出る。
「さて、戦闘地域も近いな。機銃掃射やミサイルに気を付けねば」
前に出たキッテルは、キャノピー越しから見える前方の交戦地域を見て、周囲に気を配って警戒した。これからこのロートル戦闘爆撃機で、ジェット戦闘機が飛び交う空域に突っ込むのだ。
戦闘空域に突入したキッテルを待ち受けていたのは、敵の反乱軍の情報にない機種の存在を知らせる無線連絡であった。
『
『地上にはT-72が居る!』
『レシプロ機は下がるんだ! やられるぞ!』
『そこのフォッケウルフ! 退け! 邪魔だ!!』
「なんと恐ろしいことか!」
ジェット戦闘機はMiGー23まで思っていたキッテルであったが、ここに来てMiGー25が出てきたのだ。しかも地上にはT-72戦車まで出て来ている。Fw190では厳しすぎる相手だ。他には
直ぐに露払いのF-15戦闘機の戦隊が、マッハ3級戦闘機の対処に当たる。*5
「こいつでは手厳し過ぎるな。だが、覚悟の上だ!」
後方の爆撃機編隊並みの旧式機に乗るキッテルであるが、それでも破壊してやろうと思い、地上軍に攻撃を加えているアンフに飛び掛かった。
アンフはガソリンエンジンで動くMSだ。*6前進してくるワルキューレの戦車隊に気を取られており、真上から爆弾を落としに来るFw190の接近に気付かない。他の反乱軍機も同様で、対空砲は飛び交うF-15やF-16に気を取られている。
そんなアンフにキッテルは急降下爆撃を仕掛け、真上より500キログラムを一つ見舞った。
生前で行った急降下爆撃を行ったため、落とされた爆弾はアンフの真上に命中し、頭の無い小人のような外見の人型兵器を吹き飛ばした。
爆風が安定飛行を取るキッテルのFw190まで届き、衝撃がコクピット内まで来たが、何とか操縦桿を動かして安定を保つ。
「あの
それから二つ目の目標、T-72主力戦車*7に急降下爆撃を仕掛ける。アンフに爆弾を見舞った所為か、手持ちのライフルを持っていたサページは、東部の機銃を撃ってくる。
何発か当たるが、ライフル弾であるために機内を貫通してくるだけで済み、キッテルは機銃掃射に負けずに爆弾をT-72に向けて投下。妨害により車体前部の方へ爆弾が落ちてしまったが、それでもT-72を撃破することに成功した。
「爆弾は全て使い果たしたか。ロケットは八発。Aー10は爆弾を外せばバカスカ撃てたが、考えて撃たねばな」
上空へ一旦逃げてからキッテルは現在の武装を確認し、引き続き敵部隊に対する空襲を続ける。
一機のMSと一両の戦車を仕留めたFw190は敵の注目を集めたのか、歩兵の機関銃や車両の搭載機銃による対空射撃が行われる。対空機関砲はレシプロ機には勿体ないと言う判断だろう。
凄まじい弾幕を避けつつ、キッテルは舐められたことに少し腹を立てたが、気にせず大物を狙う。
「レシプロにはライフル弾程度で良いということか。舐められたものだ、驚かせてやる」
敵に自分の存在を見せつけるため、キッテルは新手に出てきたザメルと呼ばれる大型MSの撃破に向かう。
ザメルはジオン軍の長距離砲撃型のMSである。見た目とは裏腹にホバー移動による高速移動が可能であり、更には重装甲を備えている。とてもレシプロの戦闘爆撃機では敵わぬ相手だ。
「まるで巡洋艦だな。放っておけば、味方が蹂躙される。さて、弱点はどこだ?」
ザメルを見たキッテルは驚きの声を上げ、何処が弱点なのか周りを飛んで探す。当のザメルはキッテルのFw190に目もくれず、上空を飛び交っている敵ジェット戦闘機部隊に夢中になり、対空射撃用のバルカン砲を撃ってるだけだ。
歩兵からの対空射撃を受けつつ弱点を探して旋回する中、弱点らしき場所を見付けた。
「あそこにロケット弾を撃ち込めば、爆発しそうだな」
弱点らしき場所は、ザメルの背面のパイプだ。そこにロケット弾を撃ち込めば、このMSから見れば化石も同然のレシプロ戦闘爆撃機でも、撃破できる可能性はある。
キッテル迷わずそこに狙いを定め、旋回してロケット弾の照準器に長砲身のカノン砲を展開して味方の陸戦部隊に砲撃しようとするザメルに向けて撃とうとする。だが、砲身を展開したザメルのもう一つの弱点が現れた。それは発射した際の熱を逃が放蕩後部の排出口だ。
「いや、あれだ!」
直ぐに照準を変え、そこにロケット弾を撃ち込んだ。
全弾放たれたロケット弾は、メルの砲身後部の排出口に命中した。当たったザメルの砲身は爆発し、爆風は搭載弾頭を誘爆させ、機体本体まで達してザメルに内部爆発を起こさせる。迫る爆風にキッテルは操縦桿を切って爆風を躱す。破片が幾つか機体に刺さるが、飛行に支障はない。
このレシプロ機で大型重MSを仕留めることなど、出来る人間は限りなくいない。キッテルはそれを今やってのけた。レシプロ機でザメルを仕留めたキッテルに対し、それを目撃したパイロットたちは驚きの声を上げる。
『おい、あいつ…』
『は、八発のロケットでザメルをやりやがった…!』
『ルーデルできねぇよ! こんなこと!』
『伝説だぜ…! こいつはよ!』
ザメルをレシプロ機で撃破するという伝説を生み出したキッテルにパイロットたちが喚起する中、遂に敵軍の目を引いたのか、MiGー25の編隊がFw190に襲い掛かる。
『クロウ〇一! 敵機だ! 敵機が来ている!!』
「前に出過ぎたか!」
虎の子のザメルを破壊したことで反乱軍は怒り心頭なのか、三機のMiGー25にキッテルの撃墜を命じたようだ。友軍機の知らせでその存在に気付いたキッテルは回避行動を取り、機銃掃射を避ける。*8
「レシプロ機で、第三世代機と空戦を演ずるのは無理だと思うが、悪足掻きはさせてもらう!」
三機の機銃掃射を避けたキッテルは、友軍機の到着までジェット第三世代機相手にレシプロ機で抗って見せることにした。
敵のパイロットはミサイルを使うまでもないと判断したのか、機銃のみでFw190を撃墜しようと何度も旋回して仕掛けてくる。これにキッテルは照準器に敵機が重なるよりも前に苦汁を撃ち、MiGー25と空戦を演じる。
だが、キッテルの機銃は全く当たらない。敵が速過ぎるのだ。それも敵とで状況は違うが条件は同じ。マッハ3の速度が仇となり、遅いレシプロ機に当てるのが困難である。しかも当てられないように小刻みに動いているので、苛立たさせている。
「こちらが遅過ぎて当てるのが困難だろうな!」
自分の機体が遅過ぎて当てるのに苦労している敵のパイロットに向けて聞こえぬであろう言葉を掛け、照準器に敵機が重なる前に機銃を撃ち込む。外れると思っていたが、偶然にも一発が命中したようだ。それも飛行に支障が出る部分に命中したのか、命中させたMiGー25から煙が出ている。その機は直ぐに離脱する。レシプロ機でマッハ3級の戦闘機一機を離脱に追い込んだキッテルは嬉しくなって歓喜した。
「やったぞ! レシプロ機を舐め腐るからだ!」
逃げていく敵機に、レシプロ機を舐めるなと告げるキッテルであったが、たかがレシプロ機に友軍機を離脱させられたことに、業を煮やした敵のパイロットは、R-40対空ミサイルを発射した。
「しまった! ミサイルだ!!」
向かってくるミサイルに、キッテルのFw190に避ける術は無い。なんせジェット戦闘機の標準装備であるフレアが搭載されていないのだ。何とか向かってくるミサイルにキッテルは機体を動かして何とか避けようとしたが、避けられるはずがなく、パラシュートが開く高度まで上昇してからキャノピーを開け、機体から飛び降りた。
パイロットが居なくなったFw190は、追尾してくるミサイルによって撃墜され、木端微塵に吹き飛ぶ。破片が空中に飛び出したキッテルまで飛んでくるが、奇跡的にパラシュートにも当たらずに済む。直ぐにパラシュートを開き、砂漠の上まで安全に落ちるのを待つ。
これに敵が大人しく降ろすのを待っているはずがなく、MiG-23戦闘機が機銃を当てようと旋回してくる。
「ここまでか…!」
旋回して自分を挽肉にしようとするMiGー23を見てキッテルは二度目の死を覚悟したが、その敵機は放たれたミサイルによって撃破された。友軍のF-15戦闘機の攻撃である。
他にも自分と空戦を演じたMiGー25も味方のF-15かF-16に撃墜されていき、やがて制空権はワルキューレに確保される。それからは空から一方的な攻撃が行われる。敵のジェット戦闘機部隊が居なくなれば、後方に控えていたレシプロ爆撃機の大群が敵地上部隊に襲い掛かり、蹂躙が始まった。
反乱軍にはMSのデザートザクやザクタンク、アンフ、ティエレンやASのサページ、T-72主力戦車を始めとした強力な陸戦戦力があったが、空からの防御手段を持たないために、空から来るロケットや爆弾で蹂躙されるばかりだ。*9
戦闘がやや落ち着いた所で、キッテルは信号弾を撃っていないにも関わらず、一機のVF-1Dバルキリーが迎えに来る。*10
「ん、早いな。信号弾は撃ってないぞ」
「いえ、直ぐに来て欲しいと守備軍司令官に言われたので。お乗りください」
「どんな要件だ?」
機体をガウォーク形態に変形させ、着陸させてから降りて来た女性パイロットに、キッテルはこの星の守備軍司令官にどんな要件で自分を迎えに来たのかと問う。これにパイロットは信じてくれるかどうか不安な表情を浮かべつつ、キッテルを呼び出した要件を告げる。
「えーと、惑星軌道上にF-15戦闘機が現れて、軌道防衛艦隊を襲っているようです。軌道艦隊はVF-25やVF-31A、VF-2を装備していますが、その一機にかなわないようで…」
「宇宙にF-15に、単機で数十機の最新鋭機を圧倒しているだと? よし、ジークフリートに火を入れろ。基地に帰投次第、直ぐに出撃だ! 乗れ!」
「えっ!? ちょっと、私のバルキリーなんだけど!」
宇宙に現れた圧倒的な強さを誇るF-15戦闘機に対し、キッテルは戦ってみたいという欲求が来たのか、あれほどの戦闘後にも関わらず、直ぐに出撃すると言ってVF-1Dの操縦席に座る。これにパイロットは取り残されると思い、慌てて二番席に飛び乗り、シートベルトを締める。
VF-1は練習飛行で何度も乗った経験があるのか、キッテルは難なく動かし、二番席にパイロットが乗ったのを確認してからキャノピーを締めてから機体を上昇させ、一定の高度まで達すれば、ファイター形態に変形して急いで基地に帰投した。
その自分を狙いにやってきた圧倒的強さを持つF-15戦闘機と戦うために。
まぁ、MiGー23相手だとキッテルが死んでしまうので、マッハ3級のMiGー25と空戦をさせることにしました。
えっ、ご都合主義だって? だって、ザメルをフォッケウルフで撃破するんだもん。しょうがないじゃないかぁ(某えなり風に