・レオ
同期
16歳
・カニス
先輩
22歳
・フェレス
先輩
22歳
詳細プロフィールは気が向いたら
私がそれを見たのは数日前だった。背筋を撫で上げるような感覚、自らより高位にあるものを見た感覚、すなわちそれは畏怖だった。神より高位であるべきもの、私はその存在が欲しくてたまらない。
ああ、あなたが欲しい。
いつも通り早朝起き、いつもと違って気分転換で庭で刃を振っていると俺は背後に気配を感じた。刃を鞘に納めて振り返ると、この時間帯、この場所には珍しくロキ様がいた。
「おはようございます」
「ああ。おはよ」
「マグナは早ぇなぁ」
「ロキ様もいつもより随分と」
「ロキ様はやめぇ。ロキでええ。まぁ悪い気はせぇへんけどな。昨日から徹夜や。ほんで眠いなぁ思って外みたらマグナが剣降ってたからきてみたんよ」
「そうですか」
ロキが自分が座っているところなら隣をポンポンと叩いた。そこに座れということだろう。隣に失礼しますと言って座った。
「どーや?アイズたんとの訓練は?」
「まだ練習したりないと思います」
「そんな早朝から剣振っとるやつに言われたらかなわへんなぁ」
若干苦笑いでそう言われた。
「そういやここだけの話な?こないだ珍しくベートがマグナのこと少し褒めとったで」
「アイツはしぶてぇ。どんだけやられても立ち上がる。あんな女っぽい顔してるのにな」
ロキがベートの真似をしながら言うから少し笑ってしまった。
「それ褒めてるのか?どう考えても最後の一言は余計だろ」
「いやいや!それはアイツが褒め下手やから素直に褒めるのが恥ずかしいだけや!」
それからしばらく談笑した。すると不意にロキが何かを思い出したように声を上げた。
「そうやそうや!そういえばマグナに恩恵やってなかったよな?」
「ああ。もらってない」
「リヴェリアから許可下りたから今日恩恵いれるわ」
「感謝する」
すると鐘が鳴った。もう朝食だ。俺はロキと食堂に向かい、食堂に着くと別れた。
「マグナと話せて楽しかったわ。それとウチには気遣いはいらんからタメでええよ。さっきみたくいつも通りのマグナでいてくれや」
「ああ」
朝食を食べ終わるとロキの部屋に呼ばれた。恩恵を刻むらしい。俺はロキの部屋の扉をノックした。そして返事が聞こえてきて開けた。
「失礼する」
「ああ、こっちや」
部屋に入った俺は驚愕した。今にも雪崩れそうなほどに積み上げられた物や床に転がる酒瓶。とんでもない汚部屋だ。
「おい!なんか失礼なこと考えてるんちゃうか!?」
「、、、なんでもない」
「嘘やな!」
「片付け、苦手なのか?」
「や、やかましいで!」
真っ赤なロキのいるベッドまで数少ない足場を使って行く。
「じゃあここで裸になり」
そう言われてズボンの紐を解こうとするとロキが止めた。
「上だけや!上だけ!こんか躊躇なくいこうとしたのマグナが初めてや!」
またもや真っ赤になるロキ。俺はクスクスと笑いながら上着を脱いで半裸になってベッドに寝転がった。
「しっかし綺麗な肌やなぁ。髪も綺麗やし。マグナは美人やなぁ」
「俺は男だ」
「マグナはかっこええより美しいやな」
「そうなのか?」
そうこう話していると背中に感触を感じた。
「マグナはオラリオに来る前はなにしてたん?」
「母と暮らしてた。野菜を作ったり、剣の練習をしたり」
「リサにも子供が出来たんやなぁ」
「いや。俺は拾われた子だ」
「すまん」
「大丈夫だ」
「マグナは魔法に関わったことあるんか?習ったりあるいは見たりやな」
「母の魔法を見たことはあるな。本人は自分の魔法を嫌っていたが」
「そうか。やからかな。マグナにはもう魔法が発現しとる」
「そうか」
そう言ってロキは俺の背から降りた。そして一枚の羊皮紙を手渡した。
マグナ・アテルニトス
レベル1
力 I:0
耐久 I:0
器用 I:0
俊敏 I:0
魔力 I:100
〈魔法〉
【精霊踊り】
詠唱
〈現を彷徨いし精霊よ。力をかしたまえ〉
〈スキル〉
マグナが部屋を後にした。ロキは大きく溜息を吐いた。ロキの手元にはさっきマグナに渡した羊皮紙と同じものがあった。しかしそこに書かれている文は違った。
〈スキル〉
【賛美】
ステイタスの成長速度上昇
精霊を扱うことが可能
「こんなん他のやつに知らせるわけにはあかんなぁ」