今回は第1話「再来」の次話になります。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
天宮市全域にけたたましく鳴り響くそれは二年前まで幾度となく聞いた警報。空間震警報そのものだった。もう鳴らないはずだった警報に驚きを隠せない士道達は、はるか上空の空間が大きくゆがみ始めたのを静かに見つめる事しか出来なかった。そして次の瞬間、大きな衝撃波と共に周りの家やマンション、否、そこにあった全ての物を無慈悲に巻き込んだ。そう、まるで…”あの時のように”
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時は遡って、空間震警報発令の三十分前。天宮市上空、フラクシナスEX。ラタトスクが保有する最新鋭空中艦であり、二年前まで最前線で精霊達と対峙する士道達を陰ながら支えていた空中艦である。幾度となくDEMと戦いその度に修復され、フラクシナスEXとして生まれ変わった。そのフラクシナスの艦橋にある椅子に座り、前面の巨大モニターに映る天宮市を見る一人の少女が居た
「士道達の様子はどう?」
そう問うのは赤髪で左右を黒いリボンで括り、上着を肩に羽織った彼女も元精霊である五河琴里。幼い頃に始原の精霊と会っており、その際に精霊化するも力の制御が出来ず暴走してしまう。一時期、鳶一折紙に親の仇と認識されていたが真実を知った後は和解し、今では協力関係にある。士道と同じ苗字を持つが実は血の繋がりは無く、崇宮真那が実妹にあたり、五河琴里は義妹にあたる。
「五河士道……いえ…士道、及び他の精霊達に変化はありません。あの日から何も変わってませんよ。五河琴里」
琴里の問いにそう返すのはノルディックブロンドの長髪が特徴の美少女で白い白衣を羽織り、モニターと睨めっこしていた。
「そのまま監視を続けてちょうだい。エレン。」
エレン、エレン・M・メイザース。かつてDEMの第二執行部長でもありながら、アイザック・レイ・ペラム・ウェストコットの右腕としてCRユニット(ペンドラゴン)を使用し十香達と幾度となく、戦いを繰り広げた最強の魔術師(ウィザード)である。そんな優秀で更に敵であった彼女がどうして、ラタトスク側に着いているのかと言うと、DEMのトップであったアイザック・ウエスコットが死亡し、行き場を失った彼女にラタトスク創設者のエリオット・ウッドマンが声をかけていたからだと言う。
「しかし、あのウッドマンに頼み事をされるとは思いもよりませんでした。まさか「精霊達を守ってやってくれ」なんて言うんですから。」
彼女からは、あの時のような残酷無慈悲な発言や表情は消え、普通の女性として着実に成長していた。
「私もびっくりよ。まさか元々、敵である貴女をここに来させるなんてね。まぁ、来たからにはしっかり働いてもらうけど………」
「ウゥゥゥゥゥゥゥ…ウゥゥゥゥゥゥゥ」
突如として艦内に精霊観測アラームと赤文字で空間震警報発令の文字がモニターに映し出される。始原の精霊が居ない今、生みの親が居ない今、ここに精霊が来ること、そして何より生まれることなんて有り得なかった。でも、その警報音が現実だと嫌でも感じさせようとする。
「まさか…エレン!!観測状況は!!」
琴里は若干の焦りを見せるもののすぐにその表情を変え、エレンに状況を確認するように伝える。
「霊力レベル観測不可能…空間震レベル……観測不可能。五河琴里、明らかにこれは異常です。」
その瞬間、モニターに映し出された天宮市の中心を空間震が襲う。そしてそこに存在した物を一瞬のうちに吹き飛ばし直径二キロにも及ぶ大きな穴を作り上げた。
「なっ…………!!」
琴里は画面越しに大きく抉られ地面が陥没した町を見て息を呑んだ。何度もこの景色が夢であって欲しいと自分に言い聞かせた。だが、画面越しに映る悲惨な状況がそれを許さなかった。目を背けるなと言わんばかりにそのモニターが景色を見せつける。そこで琴里はようやく、現実を受け止めた。
「………顕現した精霊は?」
琴里は息を整えエレンに問いかける。この規模から精霊と断定するには少しばかり早すぎる気がしたが、今まで起きた空間震の記憶と照合すると非常に似通っていた為、早い段階でこの規模の空間震は未知の精霊によるものだと断定した、いやせざるを得なかった。
「五河琴里…観測結果が出たのですが……」
エレンは青ざめた顔でデータを琴里のコンソールに送信した。
「この観測結果…そんな……ねぇエレン。この照合は正しいのよね?」
琴里は椅子から立ち上がり、巨大なモニターに映された大きなクレーターとそこに佇む1人の少女を見つめながらこう呟いた。
「無神論のバチカル……対応する天使は悪魔(サタン)…」
第2話「再来するかつての脅威」如何でしたか?長文を作るのが苦手なもので1000文字ちょいの短い話となってしまいがちですが、不定期ではありますが少しずつ長くして行ければと思います。
それでは次回、デート・ア・ライブII第3話「叛威霊装・i1 バチカル」でお会いしましょう。
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