アルヴヘイム・オンライン 紫と灰と銃   作:猫大好き好きくん

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鉱石採掘

あれからかなり鍛治スキルを上げた。リズさんがログアウトしてからもずっとやっていた。なんでも、課題が終わっていないらしい。高校生みたいなので、大変だなぁと思っていたりする。

 

「………よしっ!どれどれ………お!特殊効果があるじゃん!」

 

訓練用鉱石を全て使い切ってしまったので、攻撃力が高いものや特殊効果が着いているもの以外は分解して素材に戻した。この分解する作業は鍛治スキルではなく作成スキルを育てられる。まぁ分解といってもそのまま炉にぶち込んで溶かしてるだけだが。刀は鉱石だけでなく、鍔や柄なども必要とするため、そちらも鍛えなければならない。

 

今は、溶かして延べ棒に戻した訓練用鉱石をまた剣にしている所だ。この訓練用鉱石、中に微小な鉄が入っていると言う設定らしく、溶かしてまた剣にしてるところで段々耐久値が上がって言った。だが目に見えて大きさが小さくなっていっており、いまさっき1つ混ぜたところだ。

 

「さーて、どれくらい育ったかな〜………302?ってことはもう上がらないな……」

 

この訓練用鉱石であげられるのは300まで。2はまぁ、分解時のボーナスポイントだろう。

 

「………じゃあ、帰りますか」

 

裏口から店を出て鍵をかける。リズさんに初弟子の記念にとハンマーと持ち運び用金床、そして何故か裏口の鍵をもらったのだが、鍵は何故だろう………まあいいか。

 

取り敢えず今から洞窟に向かう。採掘スキルは取ってないので1からのスタートだが、多分何とかなるよね。明日は休みだし、一人暮らしだし。

 

◆◆◆◆

 

さーて洞窟についたぞ?ここは易しいモンスターしかいないので、初心者に人気のところだが、僕は違う目的だ。ここの壁は柔らかいし、もしモンスターが来てもすぐ対処できる。が、念の為刀を装備しておこう。

 

「んーと……ピッケルでぶっ叩けばいいんだよね……ホイっ!」

 

STRを全開にして壁を叩いた。すると、硬い何かを砕き先端が食い込む感触。これを続ければいいのだろうか?多分そうだ。

 

「ホイっ!……ホイっ!……ホイっ!……ホイっ!」

 

◆◆◆◆

 

「ホイっ!……ホイっ!……ん?」

 

前に現れたシステムウィンドウを見てピッケルを振り上げる手を止める。どうやら、ストレージがいっぱいだよっ!っていう警告のようだ。開いて確認してみると………

 

「お、おぉう……。」

 

サブの武器もなく、普段着が数着とハンマー、持ち運び用の金床しか無かった僕のストレージが、沢山の石で埋まっていた。そいえば無いなと思ったら、自動回収されていたようだ。

 

「と、とりあえず捨てなきゃ……」

 

今1度ストレージを確認して、石やら土やらを捨てる。石をハンマーで叩いてみたけど、砕けただけだった。特に何も鉱石はドロップしていない。

 

「ん〜………あ、スキルめっちゃ上がってる」

 

設定でスキルや戦闘関係のログが出せるのだが、視界が狭まるのでオフにしてある。どうやらオンにしといた方がいいみたい。よく分かんないけど。

 

「あぁ………もう300だ」

 

結構楽しかったのになぁこの作業。まぁ仕方ないか。300まで上がると鉄や銅などの鉱石を採掘することが出来る。さらに上げると、まぁようわからん鉱石も採掘できるようになるわけだ。あと採掘ボーナスが付くらしい。多く掘れるとかね。

 

「………ふぅ、行くか……」

 

入口付近でホリホリしてたでまだ明るかったが、少し深く潜ると太陽の光が届かないのだ。まぁ飛ぶことは無いが、暗いのは怖い。っと言う時にこのアイテム、松明だ。

 

その松明は左手に持ち洞窟を進む。右手に本を持てば僕は某米国の国民的大英雄、自由の女神様になることができる。え?松明と本を持つ手が反対だって?気にすんな。

 

「ん〜………お?鉄だ、ラッキ」

 

松明を地面に差し込み、ピッケルを取り出す。採掘はさっきの時と同じのはず。これでピッケルが壊れたら、帰宅するしかない。

 

慎重に鉄鉱石の周りの石や土をホリホリして行き、最後にゴツンと鉄鉱石を叩く。これで鉄鉱石をゲットした。あとは少し残ってるのを回収して、続行だ。

 

◆◆◆◆

 

「え、待って………なんでこんなあんの?」

 

どうやら僕は運が良かったみたいだ。なぜなら、一番最初に見つけた鉄鉱石のやつ、まだまだ奥に続きがあった。これくらい大きいのだと、鉄鉱脈って奴になるのかしら。にしてもでかいなこりゃ。

 

「はぁぁぁ……もう450になったじゃん……」

 

もっと色んな鉱石を採掘したいのに!鉄だけ掘ってたらもう鉄を掘るのじゃ上がらないレベルになっちまったよ!しかもまだ続いとるしさ………やっぱ日頃の行いは大事みたい。良かった成績オール4で。

 

「これどうするよ………しゃあないか」

 

もういいや、と開き直り鉄の採掘を続ける。今回の目的はあくまで鉱石を見つけて鍛治スキルを上げることだ。回収できるだけしておくことにするわ。

 

◆◆◆◆

 

「あぁ………お?終わりか?」

 

それから30分も掘り続けた。なんか左右にも鉱石が広がってて、クソでけぇ穴みたいになっちゃった。これって自動で治るの?なんか休憩場所みたいになっちゃったんやけど。

 

そしてとうとう、この長きに渡る苦しい戦いは終焉を迎えた。これ以上先に鉱石が続いていないのだ。ようやくである。僕はこの瞬間をどれだけ待ち望んだことか。スキルのページを開いてみると………453。貰えるポイントの1が重なって3上げることが出来たみたいだ。塵も積もれば山となる、を体現したのである。こんなに素晴らしいことがあるのだろうか?

 

「………くそがぁぁあ!」

 

あまりの怒りに、手に持つピッケルを振りかざし、先程まで鉱石が埋まっていた壁に勢いよく打ち付ける。この怒りの正体は分からない。鉱石が続かない事への怒りか、ここまで続けてきたバカな自分へか。ここまでやらせたこの洞窟、いやこのALOというゲームへのものか。

ピッケルから伝わるその衝撃は手のひらから腕の骨、肘や肩を通り、心地よい衝撃を体全体に行き渡される。そのそよ風のような動きをしっかりと感じ取り、優しく目を見開く。

 

「………は?」

 

向こうの道がこんにちはしていた。

 

 

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