アルヴヘイム・オンライン 紫と灰と銃   作:猫大好き好きくん

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精錬

こんにちわした道を進む、松明を回収して。少し歩くと、目の前に黒い影が見えてくる。向こうを向いているのか、こちらには気付いていないようだ。

 

「………?あ、ゴブリン」

 

前に見えるそらはゴブリンだった。大きさは僕の胸くらいしかないが、手には怖そうな木の棒を持っていた。これは油断出来ないね。

 

「………よし、」

 

松明を地面に差し込み、両手を自由にする。刀は両手武器なので、こういう時は不便である。一応片手でも使えるみたいだけど、僕には無理。

 

「………っ、はぁぁあ!」

 

剣道の知識をフル動員し、右足を大きく前に踏み込む。剣道のように音を立てるのではなく、体を前に出し進ませるために。

 

『絶空』

 

カタナソードスキルの初期スキル。攻撃速度が速く、威力もそこそこの万能スキルだ。ダッシュしながらゴブリンとすれ違いざまに発動し、首を刎飛ばした。

 

「っよし!記念すべき刀での初討伐だね……!」

 

初めてにしてはまあまあだったと思う。ちゃんとスキルも発動できた。攻撃力よ攻撃速度も高いので、やはり刀は強武器だ。まぁ武器防御力が低いのがネックだが、回避すれば問題ないはず。DEXの次にAGIも高いから。まぁVIT(体力)LUK()がめっちゃ低いが………まぁ平均ちょい下だからセーフ。

 

「さてと、それじゃ歩くか………」

 

歩いても歩いても鉄しかない。鉄は街に普通に売っているからそこまではいらん。しかも今ストレージの約4割は鉄鉱石が入っているというのに。やっぱり欲しいのは…………銀かな。装飾用で、換金用でもあるためまあまあの値段で売れる。今は普通にお金が欲しいのでそういうものも欲しい。まあ多分、ちょっと加工して作成スキルを上げてから売る。

 

「………っと、これは?」

 

壁が僅かに光ったかのように光を反射した。試しに周りの石を砕いて見てみると僅かに銀色が混ざった黒色の鉱石みたいなものだ。

 

「ん〜………お、銀鉱石じゃん」

 

普通にあった。いやー良かった良かった。ってかこんなのならさっきも見たような………まぁいっか、取り敢えず掘ろう!

 

◆◆◆◆

 

「っと、これで全部かな。今回はあんまり………いや、前がおかしかっただけでこれが別に普通か」

 

まあまあの量があったのだが、体感は普通だった。やはりさっきの鉄鉱石が悪いのだ。おのれ鉄鉱石め、街に帰ったらいの一番に精錬してかっこいい武器にしてまた溶かして武器にしての繰り返しにしてやるよ。

 

そして、先程も見たような気がするところに行ってみると、やはりあった。めちゃくちゃ見にくいねこれ。索敵スキルは反応しないし、他のもあるんかな………まぁとりあえず掘ろ。

 

「ん〜っと……ほいっと。こっちも……ホイっ!」

 

形が見えにくくて周りの石を砕くのがとても大変だ。間違えて銀鉱石を叩いてしまうとゲットする量が少なくなってしまう。ますまぁあまり気にしない量なのだが、僕はこういうとこも気にしてやっていきたいね。

 

◆◆◆◆

 

あれからまた数時間くらい銀やら銅やらを採掘して、リズさんのお店に戻った。裏口の扉を鍵で開けて中に入る。いつでも使っていいって言われたんだけど、使っていいんだよね?

 

「えっと………おぉ。たっくさん……」

 

鉄鉱石と銅鉱石を実体化させる。そして、大きめの鉄鉱石を1つハサミで掴み、炉にポイってする。うそです優しく置きました。

 

「……良し、これでいいはず」

 

後は待つだけだ。まぁリズさんが帰ってきて鉄鉱石やら銅鉱石やらか散らかってたら迷惑だと思うので、隅において置く。ストレージは流石に勘弁してください………

 

◆◆◆◆

 

鉱石の精錬もこのゲームは簡単な様で、炉に置いたら不純物は無くなってデカい鉄の塊になる。なんと優しい世界なのだろうか。リアルもこれくらいだったら楽なのにね。

 

「これを延べ棒に………っと」

 

決められた回数を叩き、延べ棒の形にする。こうすれば、素材品としてストレージへの負荷を抑えられる、つまり沢山入れられるようになるのだ、取り敢えずはこれを繰り返して全部の延べ棒にしてしまおうか。

 

◆◆◆◆

 

「………ん。………っと」

 

単純作業過ぎて全然喋らんくなった。炉に入れて数分経ったら取り出し、ハンマーで決められただけ叩く。延べ棒にすると、タップしてストレージにしまう。これの繰り返しである。飽きるのも当然だ。

 

けど、これが意外と………

 

「よいしょ………っと。ふふっ……」

 

楽しいのである。あ、引かないでね?頼むよ?これで引かれたらシルムくん泣いちゃうからね?まあ傍から見て完全に頭おかしい人なんだけど。けどまぁ、これも自由度の高いALOならではの楽しみ方だ。文句を言われる筋合いはないでござる。

 

「………あ、これで終わりか」

 

一応全ての鉄鉱石と銅鉱石を精錬し延べ棒にすることが出来た。鉄や銅ではあまり強い武器は作り出せないので、もっと特殊な鉱石を発掘、採取しなくてはならない。例えば、クリスタライト・インゴットとか、ミスリルとか、オリハルコンとかね。あ、オリハルコンって烈重の短剣を分解したら手に入るからいいのか。取り敢えずミスリルかその他の強靭で粘り気がある鉱石が欲しいね。

 

「ん〜、銀鉱石は………取り敢えずやっとくか」

 

銀鉱石も全部精錬してやる事にした。銀だと高く売れるが鉱石だとほとんど売れないからだ。まぁ銀は色々して装飾品にして売るかな。作成スキルが鍛えられるし、値段が上がるかもしれないから。

 

◆◆◆◆

 

「はぁぁぁぁ、やっと終わった……ってシルムくん!?」

 

「ん?あ、リズさん。すみませんちょっと使わせてもらってます」

 

「え、いや……それはいいんだけど、どれくらいいたの?」

 

どれくらい、とはこのゲームにINしてる時間のこと?それなら確か、ご飯とお風呂に入る為に少し戻ったくらいだか………

 

「え〜っとですね、多分10時間ちょいくらいです」

 

「じゅ、10時間!?そんなにINしてて大丈夫なの?」

 

「はい。今日は土曜日ですし、僕推薦で高校に入るので暇なんです」

 

でも推薦入試だからって馬鹿にしないで欲しいのだ。頭が悪いところでは無いし、普通に偏差値も高いところだ。55くらいだった多分。

 

「そ、そうなんだ………でもその間、なにしてたの?」

 

「えっと………まずは頂いた訓練用鉱石を精錬、鋳造してたんですけど、スキルレベルが300に届いたので洞窟に行って鉄鉱石やら銅鉱石、銀鉱石を採掘しに行ってました。その後は、ここで精錬してました」

 

「え、わざわざ取りに行ったの?言ってくれれば鉄鉱石上げたのに………」

 

「いえ、そこまでは頂けませんよ。僕は自分のスキルを育てていますし、採掘スキルも上がったので一石二鳥です」

 

この鍛治関係でスキルスロットをかなり整理した。前より一個増えたんだけど、《片手剣術》《刀術》《歩法》《戦闘時回復》《索敵》《獲得経験値増大》《鍛治》《作成》《採掘》だ。あと少しでもう一個解放されるので、なんか付けたい。候補は、《壁走り》《投擲》《隠蔽》あたりかな。あと特殊なので、《抜刀剣》とやらもあるらしい。

 

「そう………。あ、スキルはどこまで育ったの?」

 

「え〜………鍛治は752、作成は267、採掘は503です」

 

「750って、もう鉄や銅を精錬したり鍛えたりするだけじゃ上がらないじゃない。なにか特殊な素材や金属じゃないと」

 

「特殊な素材や金属……?」

 

「うん。まぁそれはおいおい教えるわ。取り敢えず今は………そうね、カタナが打てるからやってみるのはどう?」

 

あ、そう言えば750になったらカタナが鍛えられるんだった。いけねいけね、完全に忘れてたわ。

 

 

 

 

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