ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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光魔力についてを訂正
というかわかりやすくしたつもり


13話 若手会合翌日~黒歌戦後

若手の会合を終えて、試合の日時が決まった次の日。

全員何故か学校指定のジャージでグレモリー家の庭に集まることに。

なんでジャージ?

と思ったけど学生服=駒王学園のリアス・グレモリーとソーナ・シトリーで売っていくんだろう。

二人に取っては悪魔活動も部活的なイメージなのかも?

自分で言ってて意味がわからなくなってきたが…

 

「先に言っておく、今から俺が言うのは将来を見据えたトレーニングだ。

 すぐ効果が出るヤツも居るだろうが、長期的に見なきゃならんヤツも居る。

 …ま、お前らは成長中の若手だ。方向性を見誤らなければ間違いなく良い成長をするさ」

 

同じようにジャージに着替えてたアザゼルさんが、全員に堅く発破をかけながらも過度に緊張させないよう少し緩める。

 

「さて、まずはリアス…」

 

アザゼルさんの言うところによると、グレモリー先輩は個人としての能力より指揮官としての能力を上げるように、とのこと。

トレーニングは基本的なものだけにしてレーティングゲームの知識、情報収集を優先、と。

しかしグレモリー先輩の特訓の話より、普通に暮らしてようが最上級悪魔になれるぐらい成長出来る話の方が驚きだ。

悪魔は楽でいいなぁ。

 

「次に朱乃」

「…はい」

 

姫島先輩はアザゼルさんに返事を返すが不満そうなのを隠しもしない。

 

「お前は自分の中に流れる血を受け入れろ」

 

堕天使の力を使え、って事なんだけど…このメンバー全員姫島先輩が堕天使なの知ってるのか?

少なくとも俺は直接は聞いてないし、新メンバーのアルジェントさんやゼノヴィアさんは?知ってる?

しかし光力と魔力持ってるってことはもしかしなくても…要注意だな。

 

「…私は、あのような力に頼らなくても」

「否定するな。自分を認めないでどうする?最後に頼れるのは己の体だけだぞ?

 否定がお前を弱くしている。辛くとも苦しくとも自分を全て受け入れろ」

 

どーしても使いたくないのか姫島先輩は反論しようとするが、返すアザゼルさんの諭すような言葉に黙るしか出来なかった。

アザゼルさんは優しいねぇ。

俺なら「堕天使の力に頼らないから負けたんだろ?」とか煽るような言い方になっちゃう。

つーかフェニックス戦って一応主の将来がかかってるんだよな…

よっぽどの理由でもないと、使わなかった事咎められるんじゃないの?

今どうにかなったからもういいのかな。喉元過ぎれば…ってやつか。

 

「次は木場だ」

「はい」

 

まとめると禁手の時間伸ばせってさ。あとはグレモリー先輩と同じで基本トレーニング。

 

「剣系神器の扱い方はあとでマンツーマンで教えてやる」

 

…?アザゼルさんそんなに習熟してんの?人工神器で慣れてるとかかね。

まぁ今まで何千年も神器抜いて来たんだろうし、剣系神器のノウハウがあるなら習熟させるスキルも持ってるのかも。

 

「剣術の方は…お前の師匠にもう一度習うんだったな?」

「えぇ、一から指導してもらう予定です」

 

剣系神器の使い方って剣術とはまた違うのか?

と言うか師匠が居るの羨ましいわ。俺は術とかのは居たけど武術とかになるとそもそもの身体能力からして違うから合わないんだよな…

まぁ俺なんかは殺人目的だし武術とか覚えない方がいいんだろうが。

 

「次、ゼノヴィア。

 お前はデュランダルを今以上に使いこなせるようにすることと、もう一本の聖剣に慣れてもらうことにある」

「もう一本の聖剣?」

 

さらっと流された。武器の話だけだったな。

しかしまた天使からもぎ取ったのかな?

まぁ天使もグレモリー眷属チームには過剰に甘いしな…アスカロンとか。

もう信者さんらによりも優しいんじゃない?

 

「次にギャスパー」

「は、はいぃぃぃ!」

 

アザゼルさんとは部活とかで結構一緒に居る時間もあったから慣れてるはずなんだが…

ギャスパーはこういう状況には弱いんだよな。学校で言うなら授業中に指定されて答えるような状況かな?

 

案の定特訓内容は対人恐怖症の克服、というか軽減というか…

恐怖心ならもずく酢に浸かったら治らないかな?

個人的には根本の、アザゼルさんの専門分野でもある神器の制御をどうにかすればつられて良くなると思うんだが。

あれから兵藤先輩の血液の提供もあり成長したはずだし、制御するリングはまだ未使用、この期間で神器を完全に支配下に置くことができれば本人の精神の安定にもつながると思うんだがなぁ…

まぁ俺がどうこう言えることでもないか。あからさまにおかしいと思う事になら口をいくらでも突っ込むつもりではあるが、ギャスパーの今後に責任取れないし。

アザゼルさんも将来見据えてそうしてるんだろうしな。

…だよな?

 

「同じく僧侶のアーシア」

「は、はい!」

「お前は基本的なトレーニングで、身体と魔力の向上。そして、メインは神器の強化にある」

「アーシアの回復神器は最高ですよ?触れるだけで病気や体力以外なら治しますし」

 

アザゼルさんの話に、即兵藤先輩が口を挟む。

よっぽど気に食わないらしい。

グレモリー先輩の時には口挟まなかったのにな…

まぁ、兵藤先輩でもわかるような事がアザゼルさんにわかってないはずもなく、強化とは能力自体の効力ではなく回復範囲の強化の話だった。

 

「だが、問題は敵味方の判断ができずに回復させてしまいそうなことだ。

 敵味方を判別し、味方だけを回復できればいいんだが…アーシアの生来のものが不安だ」

「アーシアの…何が不安なんですか?」

 

ま~た兵藤先輩が噛み付いたよ。

いや、本人的には噛み付いたつもりもないんだろうけど。

なんか保護者気取りだよな。いくらアルジェントさんがド天然でも同い年だろ?年下には悪魔的に先輩の相手でも平気で年功序列押し付けてくるのになぁ…

 

「やさしさ、、ってやつだ。アーシアは戦場で敵の怪我したヤツを視認した時、そいつのことも回復してやりたいと心中で思ってしまうだろうな。

 それが敵味方判別の神器能力の妨げになる。おそらく、アーシアは判別する力を得られないだろうさ」

 

やさしさ、ですか。その割には一度も敵を回復しようとした素振りなかったですけどね。

それとこの言い方だとアルジェントさんは敵味方の区別を付けられない、理解力のないやつ、みたいな言い方だよな。

敵味方判別回復能力が習得出来ない、って事なんだろうけど…かわいそうに。

 

で、範囲回復じゃなくて遠距離回復覚えよう、って事に。

アザゼルさんは前衛と後衛で分けて想定してるが、後ろから遠距離回復ビーム?を出すだけなら結局相手を回復しちゃうんじゃないの?

正直アルジェントさんトロ…いや、それはともかく。

なんか皆アザゼルさんの案で納得してるけど、少なくともお姫様ポジはもったいないわ。遠距離回復もそこまで有益とも思えない。

石化なり毒なり状態異常やら、一撃でKOするやら手段はいくらでもあるだろうし。

そもそも前衛と後衛で役割分担出来るの前提なのも…

 

「次は小猫」

「…はい」

 

まるで後がないような、追い詰められたような、そんな感じが見える。

別にいじめられたり、のけものにされたり邪魔者扱いもされてないのにな。

 

で、まぁアザゼルさんがいつものごとく高スペックなのを評価して…なんかここの眷属全員スペック高いなぁ。一人以外は。

戦車のお前よりオフェンスが高いヤツが多いって話をして、自ら封じているものを晒けだせ。の一言で塔城さんはうなだれてしまった。

何封じてるんだろ?妖怪としての能力?

塔城さんの方は姫島先輩の時みたいな感じではないし。

 

「大丈夫、小猫ちゃんならソッコーで強くなれるさ」

 

こういう時だけ手が早い兵藤先輩が、ヘラヘラしながらそう言って塔城さんの頭を撫でようとするが、当然のごとく払いのけられる。ざまぁ。

デリカシーなさすぎない?前の覗きの後謝ってたっけ?

と言うかそういうの好意を向けてくる人らに言ってあげたら?姫島先輩が反発を正論で返されて落ち込んでた時には何も言わなかったじゃん?

これで塔城さんが後々ハーレムメンバーからハブられたりしたらかわいそうだなぁ。

 

「…そんな、軽く言わないでください…っ」

 

めっちゃ不快そうに言う塔城さん。

まぁ3ヶ月前にズブの素人だったのが今やチーム最強だしなぁ。普通は嫌味にしか思えんよ。

自分が10秒で2倍強くなるもの持ってるから軽いんだろうかね?

さっきの言葉も「え?何で?だって神器なかったら俺より強いじゃん?」とか思ってるから言えるんだろう。そんな仮定は無意味だってのに。

 

「さて、最後はイッセーだ。お前は…ちょっと待ってろ。そろそろなんだが」

 

言い終わるくらいに気配を感じた。高速で上空をこちらに向かっている。

そのままそっちの方に注意を向けるが、この周辺には他にも悪魔が居るだろうに警戒された感じはない。

警戒する必要のない相手か、はたまた感知させないタイプか…

アザゼルさんは空を見上げて全く警戒するそぶりすら見せない。前者か。

俺も空に視線を向けると、巨大なシルエットが見えた。そしてこちらに近づき、降り立つ。10M後半…20はないか。

 

「――ドラゴン」

「そうだイッセー、こいつはドラゴンだ」

 

…いや、ドラゴン呼んだって事前に言えや。

で、このドラゴン、タンニーンさんが兵藤先輩の教師役らしい。

聖書に記されたドラゴンで元六大龍王で転生悪魔で最上級悪魔、火の息は隕石級…

兵藤先輩の教師役にするにはもったいないな。

「サーゼクスに頼まれたから」ってことはコネか。後ろ盾しっかりしてていいっすね。

 

「期限は人間界の時間で20日ほど。それまでに禁手に至らせたい。

 イッセー、死なない程度に気張れや。

 あ、ショージはこれな。俺はしばらく木場にかかりっぱなしになるから任せたぞ」

「了解です」

 

そう言うとアザゼルさんは、俺が手伝うトレーニングのメニューの日程表を渡して去っていった。

 

「さて、各自修行メニューをこなすこと、良いわね?」

「「「はい」」」

 

眷属に支持をだし、グレモリー先輩はすがるような視線の兵藤先輩に、

 

「イッセー、気張りなさい!」

 

親指を立てて応える。そしてそのままタンニーンさんに山の使用許可を出すと、兵藤先輩は連れて行かれた。

さようなら兵藤先輩。

タンニーンさん力加減ミスらないかなぁ…無理か。

 

 

 

「アルジェントさん足上がってない!

 グレモリー先輩背筋伸ばして!

 ギャスパーがんばれがんばれあと一周だぞ!

 姫島先輩走り終わったらクールダウンして!」

 

まずは城に戻って後衛組の体力トレーニングの手伝い。

各自が走ってるところの横まで行ってフォーム見たり、励ましたり。

 

「シ、ショージくんは…はぁ、はぁ…あ、あれだけ走り回ってたのに…息も切れてないんだね…」

「ん、まぁ最近鍛え始めたわけでもないし、ヤワな鍛え方もしてないからな。

 あぁギャスパー、完全に停まらずにゆっくり歩きながら息を整えて…

 よしよし。じゃあ俺は次ゼノヴィアさんとこ行ってくるから、またな」

「う、うん」

 

そして城を出てゼノヴィアさんが居る山に向かう。

何故か今回の合宿は前衛組がそれぞれバラバラに別れて山に籠もるんだよな…

まぁ前回みたいに全員合同で「チームの動き」をやるよりは各自伸ばせるだけ伸ばす方がいいのかも知れない。

各自が最高のパフォーマンスを出すのがチームに貢献出来る場合もあるだろうし。

 

 

 

「おおおっ!」

「――ッ」

 

ゼノヴィアさんの振り下ろすアスカロンの一太刀を妖刀村正で受ける。

アザゼルさんが言ってた聖剣はアスカロンの事だった。兵藤先輩に剣使わせれば?と思ったけど、まずそれ以前の段階だしな。

ドラゴン殺しの力を敵じゃないタンニーンさん相手に使わせないのもあるのかも。

 

「――そこだ!」

 

ゼノヴィアさんの剛剣を受けてると、ゼノヴィアさんが声を上げると共に今まで以上の力の横薙ぎを仕掛けてきた。

なんか俺に隙でも出来てたのか?

剣術なんかやったことないからわかんねーんだよな…

と言っても、防げない速さではない。

 

俺の強みは剣術などではなく、考え事しながらでも相手に対処出来るような思考速度…と言えばいいんだろうか?

「ゲームを元にした能力を持ってる」というのは「ゲームで出来る事を再現出来る」ということで、「そのゲームにフレーム単位での操作を元にした技があるならゲーム能力所持者はフレーム単位の操作が可能になる」ような…

いや、こんなのは今考えても詮無いことか。

 

横薙ぎを防ぐように刀を立てて防ぐ…と見せかけて、横薙ぎの勢いを利用し受けた刀ごと横に回転する。

その回転の途中、上下逆さまで下半身が上にある状態…一番効果的なのは頭を蹴り上げる事だが…

しゃがまずとも自分の身長くらいは能力なしで飛び上がれる俺がそんな事やると、ゼノヴィアさんの頭をカチ割って殺してしまいそうなので、肩を蹴り飛ばすくらいにしておく。

そして着地して、体勢が崩れて尻もちをついてるゼノヴィアさんの首に手を添える。

 

「はい、俺の勝ち」

「…むぅ」

 

不満そうだったが了承したので肩を中心にヒールをかけて、手を差し出しゼノヴィアさんを引き起こす。

 

「難しいところを付いたつもりだったのだがな…

 あ、さっきは勢いに負けてしまったが首を触られただけでは勝敗はつかないんじゃないか?」

 

負けるのが嫌だったのかすがるような目で訴えかけてくるゼノヴィアさん。

俺は黙って、持ってきた昼食用の中からりんごとコップを取り出し、片手で搾ってジュースを作って差し出した。

 

「うん。私の負けだな」

 

 

 

「そう言えばゼノヴィアさんは騎士の駒で転生したんですよね?」

「?そうだが」

 

山小屋で、昼食を食べながら話す。

 

「その割にはあんまり速さが変わってないですよね」

「そうなのか?

 自分では全力でやってるつもりだが」

「うーん…まぁ元から速かったから恩恵が体感レベルまでいってない、とか?

 今木場先輩には聞けないし、後で塔城さんのところに行った時にでも駒の力ってどうなってるのか聞いてみます」

「すまない、助かる」

 

 

 

「って話になったけど塔城さんは駒ってどういう感じ?」

 

一度城に戻り、また食料なりなんなりを持って、塔城さんがこもってるグレモリー所有の小屋がある山へ行った。

 

「…特には何かをしたわけではないです。

 転生した当時は力は特段強くもなかったですし…」

 

それだと悪魔になって年を経るごとに駒の効果上昇…って事なんだろうか?

純血悪魔が年とるだけで強くなれるってのも、この世界での悪魔の特性みたいなものなのかもしれない。

 

「…それよりも、組手をするんじゃないんですか」

 

全然戦闘態勢を取ろうとしない俺を咎めるように言う。

 

「ん?あーダメダメ」

「どうして!」

「どーして、って自分でもわかるでしょ?

 食欲不振などから既に体力は低下、なのにメニュー以上に体を酷使して余計に疲労、その上で組手って…体壊したいの?

 俺にはわかんないんだけど、そんなに無理してまで急いで強くなる必要ある?」

「…でも、このままじゃ、弱い私は役立たずに…」

「そりゃ随分と気の短い話だ。

 自分に限界が見えた訳でもないし、戦力的に2軍行きになりそうな訳でもないし…そもそも現状役立たずじゃないと思うがねぇ」

 

後あえて言わないけど、次の相手、つまりシトリー先輩らとの戦いでも負けるとは思えないし、どうしたって今悩む事ではない。

…なのにここまで弱い自分は役立たず、という考えに拘るのは、幼少期の人格形成なりトラウマがあって、だろうか。

 

「ただ俺にもわかる事はあるよ。

 このまま塔城さんが無理をして倒れれば、次のシトリー先輩と戦う時に戦力が減ってグレモリー先輩どころか全員の負担が増える、とか」

「……」

 

理解したのか、それともしてたのに目を反らしてたのかは不明だが、否定出来ずに黙ってしまった。

 

「少なくとも今やるべき事は、次の戦いに備えて体調を整えて、今の100パーセントをしっかり出せる用意をしておくことじゃないかな?」

「……はい」

 

そもそも年齢の割に体がまだちゃんと出来てないっぽいし、無理すると将来が潰れそうなんだよな。

 

「とりあえず今日は飯くってさっさと寝て回復させるしかないね。

 食欲不振は相変わらず?寝不足とかにはなってない?」

 

言いながら考えたがやってることトレーニング相手ってよりカウンセラーだな…

と言うか今までカウンセラーに見せた事ないんだろうか?

この精神状況は周りが伸びてきて焦った、程度じゃなくてもっと根本的なモノが原因だろうに。

…ちょっと原因調べてみるか。

 

 

 

とまぁそんな感じで、調べごとしたり特訓の相手したり、でついに8月20日のシトリー戦!

の前に一度全員集合。

魔王様主催のパーティがあってそれに出席するんですってよ。

ちなみにこっちの方は俺も参加していいらしい。

若手とその眷属縛りがないから?

 

で、外での修行してた前線メンバーが戻ってくると、グレモリー先輩のお気に入りの兵藤先輩の部屋で報告会をすることに。

と言っても俺はほぼ毎日兵藤先輩以外とは会ってるから全然真新しくもなんともない。

その兵藤先輩ですら監視データで見ようと思えば見れたし。

 

特訓の話題で、兵藤先輩がアザゼルさんに自分だけ野宿してた事の文句を言うと、それは想定外と返されたらいつもの絶叫。

学習しねぇなぁ。

つーかお世話になってる家で叫ぶなや。いくら広いったってよ。

まぁ俺としては怒られる姿見たいし注意するつもりはない。対策も済んでるし。

 

…しかし兵藤先輩の修行の内容ってそこまで叫ぶ程でもないんだよなぁ。

食料豊富で半裸で寝れる程度の山とかの整った環境なり、手加減してくれる相手なり、24時間警戒する必要もない時間割。

アザゼルさんは悪魔を超えてる、なんて評価だが…その悪魔自体が自動成長付きで腑抜けてなまっちょろいから褒められてないよな。

そもそも山に居続けたのが予想外なら、悪魔以下の予定してた特訓内容は何だったんだよ、って話なんだが。

 

 

 

そしてその翌日の夜のパーティ、男子は学生服に腕章で、女性陣、とギャスパーはドレス姿で向かうことに。

しかもタンニーンさんの眷属たちに乗せていってもらえるらしい。

そういやドラゴンに乗ったことって無いな。つーか乗り物ってイメージないし…

 

で、なんかシトリー先輩らも全員来てて、まぁ一応初めてドラゴンに乗り、特に感動もなくパーティ会場についたわけだが…

会場は、グレモリー領の端の森を、駒王町くらい切り開いたところ全てをホテルにしたところらしい。

なんというか、マジで「それ専用の建物」ばっかりある感じだな。

悪魔にとって一般開放して有効活用、とかの考えはなさそう。

と、思いきや…

 

「今日のパーティは、若手悪魔のために魔王様が用意されたんですか?」

「それは建前、どうせ私たちが会場入りしても大して盛り上がらないわよ。

 これは毎度恒例で…どちらかというと、各御家の方々が行う交流会みたいなものね。

 私たち次期当主はおまけのお父様方のお楽しみパーティ、といったところかしら。

 4次会5次会まで近くの施設で予約を入れているのよ。私たちと別行動で既に会場入りしてるのが良い証拠だわ。どうせ既にお酒でできあがってるわよ」

 

兵藤先輩の質問に、呆れたように言うグレモリー先輩。

かしこまった場所じゃなくて飲み会用ホテル?領地の端っこにあるのはハメを外しても大丈夫なように…ってこと?

とか考えながら最上階のパーティ会場に入る。

 

…グレモリー先輩は自分が会場入りしても盛り上がらないって言ってたけど確かだな。

おべっか使う奴がグレモリー先輩に群がってきてただけだ。明らかに場違いな行為だが、誰も咎めない。

多分家の各が下で、とかだろうか。もしくは魔王の妹に…ってとこ?

 

「うぅぅ、人が…」

 

グレモリー先輩に近づいてきた人から隠れるように、俺の反対側に来るギャスパー。

特訓はうまいこといってたのか、周りが人だらけのここでも突飛な行動に走ったりはしてない。

 

「イッセー、挨拶まわりするわよ」

 

取り囲んできた奴らが煩わしかったのか、そう宣言して兵藤先輩を伴い、上役だろう人々が居る方へ向かっていく。

そうすると、先程まで群がっていた人たちは一斉に解散した。

いや、解散しつつも新しく悪魔が入ってきたら即声をかけられる場所をキープしているのか。

 

「じゃあ僕たちも次の方々の邪魔にならないように動こうか」

 

関心してると木場先輩がそう言ってきた。

はーい、了解でーす。

 

 

 

つっても知り合いも何も居ないパーティとか、目的は飲食くらいしか…なんかこういうところでそればっかりだな俺。

ま、まぁ情報収集は食べながらでも出来るし?

こんな場所なら軽い気持ちでうっかり大切な事口を漏らすヤツも…流石に今の段階でそんなことするやつは居ないか。狙いは4.5次会。分身残して後付けて監視して…

ん?一瞬妙な感じが…

 

「あれ、どうしたのショージくん」

「ちょっとトイレいってくるわ。ついでに腹ごなししてくる」

 

付いてきたギャスパーと一緒にテーブルで飯食べてたわけだが、警戒網に引っかかったのが気になってそっちに向かうことにした。

会場を出てそのままエレベーター…ではなく非常階段に向かう。

人間界のと同じで、螺旋状になってる…って事は、飛び降りればこっちのが速い。

 

最上階からかなりの速度で落ちたがそのまま膝を曲げることすらなくスタッと着地して、反応があったところに向かう。

…が、何も見つからない。

俺の勘違い、と考えるのが自然だろう。だが、俺の感覚ではここで何かが起こったと告げている。

 

感知精度を上げる為に広げている警戒網を狭めていく。

これで出なければ流石に勘違い、もしくは俺が知れる事ではないと諦めた。…が、精度を上げると近くの部屋から異様な感じがした。

近づくと、鍵がこじ開けられた形跡があった。部屋の中には荷物らしき多量のダンボール。そして、その中の一つから生き物の気配。

開けると、衰弱したような警備兵らしい悪魔が…

探査をかけると、気を乱されてるようだ。仙術が探査に引っかかったのか?

とにかく、このまま放置してれば死ぬ。即行で治す。

 

…そこまで重傷ではない。こいつを狙って殺そうとしたと言うよりは、顔を見られて口封じ対処、とかだろうか。

可能性としては仙術使いのテロリスト殺し屋?流石に仙人相手はキツいぞ…

 

と、治したところで、エレベーターが着いた「チーン」と言う音が。

犯人が現場に戻ってきたのか?と思ったが開いてすぐ走り去る足音。後ろ姿だけでも確認しようとすると…

え?塔城さん?

何が起こってるかわからんが…仙術使える敵が居る想定で念入りに気配を消して後を追う。

警備兵くんは…すまんな。でも治療はしてるから…

 

 

 

後を追っていると、このホテルを取り囲む森に入ろうとしていた。

暗い森に居てもおかしくないの…を自分の引き出しから考えるとフクロウが出てきた。

コウモリだと悪魔と被るし、必殺技以外のときはクッソ遅いしな…

『チェンジ・オウル』を使って森に入る。

 

途中、後ろに兵藤先輩やグレモリー先輩の気配を感じながら追いかけていくと、塔城さんは少し開いたところで止まり、あたりを見回してる。

そして、一方へ視界を定めると…

 

「久しぶりじゃない?」

 

そっちの方向から声がして、声の主だろう黒い着物を来た猫耳が現れた。

 

「―っ!…あなたは」

「ハロー、白音。お姉ちゃんよ」

「黒歌姉様…」

 

情報収集したところによると昔、塔城さんは姉と共にとある悪魔に引き取られた。

が、姉は暴走し主である悪魔を殺して逃げたらしい。

そしてその全ての責任を押し付けられた塔城さんは、殺されそうになったところをグレモリー家に引き取られた。

…でも小猫って名前はないわ。

 

「会場に紛れ込ませたこの黒猫一匹でここまで来てくれるなんて、お姉ちゃん感動しちゃうにゃー」

 

足元にすり寄ってた黒猫が使い魔なんだろうか。

感動してるって言い方じゃないにゃー。

 

「…姉様、これはどういうことですか?」

「あーん、怖い顔しないで?ちょっと野暮用なのよね。悪魔さんたちがここで大きな催ししてるって言うじゃない?

 だからぁ、ちょっと気になっちゃって、にゃん♪」

 

怒りの滲んだ塔城さんに対して挑発するように猫のようなポーズまでとって煽る黒歌。

 

「ハハハ、こいつ、もしかしてグレモリー眷属かい?」

 

奥からもう一人現れた。…この間の会談でヴァーリを回収した、現在の孫悟空を名乗ってた美猴ってヤツか。

そして兵藤先輩とグレモリー先輩が隠れたところに向かって、

 

「気配を消しても無駄無駄。俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、気の流れの少しの変化だけでだいたいわかるんだよねぃ」

 

まぁそうっすね。気配を変化させない俺はバレてないみたいだけど。

…そもそも二人が気配消すの下手くそなのでは。

 

「…イッセー先輩、部長」

「よう、クソ猿さん。ヴァーリは元気かよ?」

「ハハハ、まあねぃ。そっちは…へぇ、少しは強くなったのかねぃ。

 あぁ、仙術嗜んでると気の流れとかである程度わかるのさ。お前さんのオーラが以前よりも上がってたのがねぃ」

 

不思議そうな顔をしている兵藤先輩に美猴はわざわざ説明してやる。

 

「ところで部長、仙術ってなんですか?魔法使いが使うっていう魔術や魔法とは違うんですか?」

 

一触即発の状態にも関わらず能天気に聞いてくる兵藤先輩に、流石に呆れたのか、魔法使い以外の知識がないのを嘆いたのか嘆息しつつ説明するグレモリー先輩。

 

「仙術は魔術、魔法とは違うわ…

 大きく違うのは仙術は気、つまり生命に流れる大元の力であるオーラやチャクラと呼ばれるものを重視し、源流にしている点よ。

 悪魔の魔力や天使の光力とは違って直接的な破壊力こそないけど、自然の動植物や人間など生き物自身が体内に秘めてる未知の部分を用いるの。

 気やオーラの流れを読む事が出来るようになり、遠くの対象の動きすらある程度把握できると聞くわ」

「おー、説明ありがとよ。

 仙術使えるんだぜ!って脅しても仙術?なにそれ?なーんて言われるとやる気が削がれるねぃ」

「あと、気の流れを操って、肉体の内外強化とか、この辺の木々の気を操って咲かせたり枯れさせたりとかもできるにゃん♪

 仙術は相手の気を乱したり、断つことで生命自体にダメージを与えるの。

 生気の乱れを直す術は対処法が限られてるから、やられたヤツは大概死んじゃうにゃん♪」

 

兵藤先輩、自分から聞いておいてわかってなさそうだな。

しかしまぁ、他の術士の話、それも邪仙っぽいやつらのを聞いてもコレなら、マジでこの世界の仙術って気功術ってだけか。

そりゃ仙術と仙道をわざわざ分けてるわけだ。

しかしどうでもいい会話ばっかしてるなぁ。

もうちょっと情報頂戴…

 

「なんでここに居るんだ?テロか?」

「いんや、そういう命令は俺っちらに降りて来てないねぃ。待機命令が出て非番なのさ。

 黒歌が悪魔のパーティ見学してくるって言いだしてねぃ。なかなか帰ってこないから迎えに来たってわけ。OK?」

 

そーそー。そう言うのでいいんだよ。

 

「美猴、さっきから思ってたけどこの子誰?知り合い?」

「赤龍帝」

「本当にゃん?へぇ~。これがヴァーリを退けたっていうおっぱい好きの現赤龍帝なのね」

 

兵藤先輩が赤龍帝なの知らなかったのか。まぁ知ってても赤龍帝には見えないし思いたくないが。

 

「黒歌、もう帰ろうや。どーせ俺っちらはパーティに参加出来ないし、ヴァーリに土産話も出来たし」

「そうね。帰ろうかしら。

 ただ白音はいただくにゃん。あのとき連れて行ってあげられなかったからね♪」

「勝手に連れて帰ってヴァーリに怒られるかもだぜ?」

「この子にも私と同じ力が流れてるって知ったら、オーフィスもヴァーリも納得するでしょ?」

「そりゃそうかもしれんけどさ」

 

…こういうモノみたいな扱い、物言い、好きじゃないなぁ。

 

「この子は俺たちリアス・グレモリー眷属の大事な仲間だ。連れて行かせるわけにはいかない」

 

兵藤先輩が美猴と黒歌の二人に立ちふさがる。

…じゃあ眷属じゃなければ仲間じゃない?連れて行かせる?

 

「この子は私の眷属よ。指一本でも触れさせないわ」

 

眷属にならないなら死ぬしか無い状況で眷属にした子ですけどね。

眷属になったから役立たずになるのを病むほど恐れてたんですけど、そういうの知ってるんですかね。

 

「あらあらあらあら、何を言ってるのかにゃ?

 それは私の妹。私には可愛がる権利があるわ。上級悪魔様にはあげないわよ」

 

悪魔の眷属になったのはお前の行動が原因だろ…

権利だけ主張してんじゃねぇよ。

…あーもう知らん!

変身をといて塔城さんの後ろまで跳ぶ。

 

「ねぇ、塔城さん」

「―っ!そ、そうまさん」

 

いきなり現れた(ように見えた)俺に周りが何か言ってるみたいだが無視。

 

「塔…いや、塔城小猫としてでなく、白音としてでもなく、あなたはどうしたい?」

「ど、どうしたいって…」

「いきなり過ぎたか。じゃあ…あんなだけど、それでもお姉さんに付いていきたい、かどうかで」

「……」

 

即答は出来ない、か。ま、原因としては…

 

「ちなみに白音が私に付いていきたいって言ったらどうするにゃん?」

「邪魔する二人を倒します」

「んーまぁ私たちがやっちゃってもいいんだけど、やってくれるんならやって貰おうかにゃん?」

 

黒歌が聞いてくるから答える。

 

「小猫が付いていきたくないって言ったら?」

「邪魔する二人を倒します」

 

グレモリー先輩が聞いてくるから答える。

 

「…倒す?…出来るんですか?黒歌姉様は…」

「出来るよ。

 俺は勝算のない戦いとかしないし」

「おーおー、言うねぃ」

 

塔城さんが聞いてくるから答える。

いや、イラついてるがとりあえずどっちか殴り倒したくなったとか、判断能力が低下してはないし、ちゃんと勝てる相手としか喧嘩はしない。

 

「ってか小猫ちゃんがお姉さんと一緒に行くなら、お前も禍の団の仲間入りすんのかよ!?」

「いや、テロリストになるつもりはないです。テロって好きじゃないんで。

 グレモリー先輩と兵藤先輩を行動不能にして捕まったとしても、お二人がテロリストに殺されないように演技したんだって言い張ります」

「ええええぇぇぇっ!何だそれ!」

 

兵藤先輩に聞かれたから答える。

そして、全員言いたいこと言い終わったのか、視線を塔城さんに向ける。

 

「私は…黒歌姉様に…っ

 …っ!ついていきたく、ないです!」

「ふぅん…じゃあ死ね」

 

空間がズレた…気がする。

『キョウマ』のソウルを使った時に近い感じ。

恐らく…これは…

 

「この森一帯を結界で覆って外界から遮断したにゃん♪つまり逃げ場はなし。そして…」

 

手のひらを広げると、そこから薄い霧が広がっていく。

 

「これは毒霧。当然私たちには効かないし、できるだけ薄いのを作ったから…じっくりじっくり苦しんで死ぬといいにゃん」

 

そして、それだけに留まらない。

 

「如意棒ッ!」

 

美猴が手元に長い棍を出し、俺に向かって振ってくる。

こちらも刀を取り出して防ぐ。

 

「ハハハ!さっきの大口はどこいった!このままじゃ毒より先に俺っちに殺されちまうぞ!」

 

「部長、小猫ちゃん!」

「あら、悪魔用の毒は赤龍帝には効きが悪いのかしら」

 

こっちは押され気味だし、向こうは毒でダウンだ。

兵藤先輩はまだ余裕があるが、強化に時間かかるから戦力にはなりえない。

でもまぁ1対2でも倒せるって言ったのはちゃんと訳がある。

 

「手は足りねぇけど、他にはあるからな」

「負け惜しみかい?…なっ!」

 

俺は妖力を高め、体がそれに引きずられるように、一番妖怪として血の濃い狐に変化する。

そして9本の槍…のように鋭く硬質化させた尻尾での突きで美猴に攻撃する。

 

「オラオラオラオラァ!」

 

流石に手数が違うからか怯んだ隙に、9本の尻尾から妖力を練り込んだ金色の炎を連射する。

孫悟空の系譜なら火には耐性が強いだろうが…それでも稼いだ時間の間に、今度は仙術と魔力と妖力を練って…

多分この三種類だろう。仙術を使う猫妖怪の転生悪魔、だし。

それを一応兵藤先輩含めた三人に吹きつける。これで毒霧をふっとばしてる…はずだ。残ってるなら後でまた解毒する。

で、これ以上の感染を防ぐために毒霧の防御膜を作って…

 

「させないわ!こっちも同じ妖術仙術魔力ミックスの最大攻撃よ!」

 

幻術で作った黒歌複数人が全力攻撃を撃とうとしてくる。

こちらも混ぜた攻撃でそれを防ぐが、そもそもの自力でこっちが勝ってる上に手札はそれだけじゃない。

転生悪魔だし、と弱点の光力で作った槍で感知した本体に攻撃しようとしたが…

 

「伸びろ如意棒!」

 

炎が当たっただろうに、鎧や服が焦げた程度で大してダメージを受けた様子のない美猴の横槍で防がれた。棍だけど。

 

「ふぅ、間一髪だねぃ。しかしただの混血かと思いきや九尾の狐なんて大物とは…

 ヒャハハハハ!初代すら戦った事のない九尾か!西遊記にも封神演義にも記されたことの無い戦いなんて、こんなの楽しみでしかないぜぃ!」

 

高揚からか、先程以上の妖気を身にまとう美猴。

黒歌も美猴の後ろに付き、完全に後衛に徹するようだ。倒しきれなかったのは厳しいな…

 

と、その時目の前の空間が淀み、裂け目が生まれた。

そしてそこから背広姿の、聖剣を持った若い男が現れた。

 

「そこまでです。美猴、黒歌、悪魔たちが気づきましたよ」

 

テロリストのお仲間か。

 

「まさにこれから、ってとこだったんだがねぃ」

「一応こちらもギリギリまでは待ったんですよ?」

「…美猴、引くわよ。

 九尾の狐は殺生石なんて毒の伝説もあるし、結界を解除してバレたら不利な以上こっちが毒殺されるなんてたまったもんじゃないわ」

「へいへい。

 しかしお前の方はヴァーリの付き添いじゃなかったかい?」

「黒歌が遅いのでね、見に来たのですよ。

 そうしたら美猴まで遊んでるじゃないですか。全く何をしてるのやら」

 

そしてため息をつき、仲間内での話は終わりとばかりに剣士はこちらに向き直り、恭しく礼をする。

 

「申し遅れました。私、聖王剣コールブランド――またの名をカリバーン――の使い手のアーサーと申します」

「そりゃご丁寧にどーも。どうせこっちの事は知ってるんでしょ?」

「えぇ。

 同じ聖剣の使い手として、聖魔剣の使い手さんと聖剣デュランダルの使い手さんによろしくお伝え下さい。

 いつかお互い一剣士として相まみえたい、と」

「おいおい、九尾の兄ちゃんの相手は俺っちが先約だぜ?」

 

アーサーが未来での戦いに思いを馳せたからか、戦意をにじみだしたのを見て、不満そうに言う美猴。

 

「ええ、わかってますよ美猴。私は剣士しか相手どるつもりはありませんから。

 ではそろそろ逃げ帰りましょうか」

「おうよ。

 じゃーな、次は全力でやろうぜぃ」

 

アーサーがコールブランドで先程の裂け目を切り広げると、裂け目が3人分の大きさになり、そのまま吸い込まれるように消えていった。

 

その後、全員の毒の確認をしてると、空間がおかしかったことに気づいた悪魔たちがゾロゾロやってきて、魔王主催のパーティは中止、3人は一応毒の検査をするって病院に。

あ、そうそう。俺が治療した警備兵が異常を報告してくれて、そこから芋づる式にわかったらしい。

 

 

 

翌日、3人とも特に異常も見つからず帰ってきた。

 

「悪いね、退院直後に呼び出しちゃって」

 

そして、俺は帰ってきた塔城さんを、二人だけで話したい事があると部屋に呼び出していた。

 

「いえ、こちらからお礼にと思ってましたから…昨日はまた助けてもらってしまってありがとうございます」

「あれはただやりたいことやっただけだから、お礼言われるのもなぁ」

 

私怨みたいなもんだし。

 

「それよりも、ごめん!

 俺がもうちょい踏み込んでれば、塔城さんには心身共に負担をかけずに済んだのに…」

「謝られるようなことはないと思うんですが…どういうことですか?」

「塔城さんが懸念してた力が仙術って知ってたら、仙術は暴走することないって教えれたからさ…あんなに苦しむこともなかったのに…

 俺が仙術と力を暴走させた話がつながらなかったせいで」

「ちょ、ちょっと待って下さい!

 仙術って暴走したりしないんです?」

 

俺が言ったことが予想外だったのか慌てる塔城さん。

まぁそう思い込んでたからしょうがないのか。

 

「少なくとも俺の知ってる限りでは、仙術の話で暴走して見境なく暴れる、ってのはないかな」

「そ、そんな…

 仙術で世界に漂う邪気や悪意を取り込んだせいだ、って聞いてたのに…」

「初めて聞いたな…

 勘違い、と言うかそういうふうに見えでもしたんだろうか…

 そもそもそんな気配があれば使ってるウチに自分でも自覚があるだろうし」

 

暴走は仙術関係ないし、猫しょう?の能力が原因…だとしても邪気や悪意を取り込んでたらあの程度とは思えないし。

と言うか、そんな事言われてたら仙術使えって言われても拒否反応出すわ。

いや、そもそもアザゼルが仙術使えってあの場で言ってれば俺がフォロー出来たのに…あークソが。

 

「それじゃ、私は黒歌姉様に捨てられたってことに…」

 

あ、ヤベ。どーにかして仙術への誤解といて役立たずのプレッシャーの幻影から開放しようと思ったけど、そっちは考えてなかったわ。

状況的に捨てられたとしか思えない。暴走してる割には言動も受け答えもハッキリしてるし、本当に暴走してる可能性は浮かばない。

…うまい言い訳も思い浮かばず、涙を流し始めた塔城さんを抱きしめなだめることしか俺には出来なかった。

 

「二人だけの家族だったのに…っ、お互いがお互いの為に、って言ってたのに…あんなに、昔は、優しくって…」

 

泣き疲れて眠ってしまった。泣くのってエネルギーいるしな。

それでも泣いて悲しみを吐き出した方がすっきりできていい、と俺は思う。

自分のうちに溜め込んでた時の俺は…今よりももっと悪かったし。今でさえマトモとは言い難いのに…




ツッコミとか(ちょっと追加訂正3

>普通に暮らしてようが最上級悪魔になれるぐらい成長出来る
いつものように「書いてあることをそのまま受け取ると」そうなりませんかね?
あとそれだと悪魔は努力しねぇのも納得できますし

>光力と魔力持ってる
光魔力なんてオリ設定はオリ主だけにしか使わないのか!って言われるかも知れませんので
朱乃は90の魔力と10の光力から110以上の雷光を作ろうとしていく
で、オリ主は10の魔力と10の光力で100の光魔力を作ろうとするタイプってだけです
→訂正
単にプレイスタイルの違い
朱乃は制御して光魔力として使うより光と魔力をドバーッと放出する方がラクなだけ
堕天使の子供で純正天使・堕天使でないので魔力も光力も伸びますし
(あと感情的なので制御するタイプに向いてない
オリ主は魔力量を隠したいのでそっちの方が都合がいいから


>修行
なんで今回のは各自バラバラなんですかね?
2巻のリアス批判?
それはともかく外組が木場ゼノヴィア一誠ってなると、小猫は屋敷側なの?

前衛は外って事だと思うんでここでは小猫も外組です

ちなみに後衛組の走力は朱乃>リアス>アーシア>ギャスパー想定

>思考速度~
頭の中でベラベラ説明なり喋りながら戦える理由付け、の面もあります
9秒経過!

>ゼノヴィアの駒
あんま恩恵ない…というかなさすぎじゃない?
ただ経過時間だけにすると新人が使えなくなるんで、潜在能力を引き出して…ってことにしておきます
ゼノヴィアの場合だと速さの潜在能力を十分引き出してるんで現状の恩恵があんまりない、的な
…それでもやっぱ差がありますけど

>弱い私は役立たず
小猫のこれ、原作では否定されてないんですよね…
え?何?原作のグレモリー眷属、この発言時居合わせたリアスと朱乃と一誠は役立たずと思ってるの?
原作主人公の一誠が、こういう時こそ「そんな事ねぇ!」とか言うもんじゃないの?
そういう根本が解決してないなら、休んで治っても結局また無理してオーバーワーク()になるんじゃないの?って思うんですが

なおプロットではオーバーワーク()で倒れた小猫を介抱して…って予定だったんですが、こいつそんな事させるか?と思って変更
その代わりヒロインを言葉でボコボコにする事に…

ちなみに自分は一誠の特訓はオーバーワーク()とは思ってないです
ドラゴンと特訓、とか字面だけ見ると凶悪ですけどね
一誠がひぃひぃ言ってるだけで、タンニーンとしては十分一誠の実力を考えて手加減もしてますし、一度も続行不可能になってませんし

>自分だけ野宿してた事~
アザゼルの一誠の特訓内容についての考えが全くわかりません
逃げ帰ってくると思ってたらしいですが、その割には一度呼び戻しに来た時の言動はそういう感じじゃないしで…
しかも後々では「死なないとおかしい特訓」判定でしたっけ

>おべっか使う奴がグレモリー先輩に群がってきてただけ
原作でもこいつらに対して挨拶まわり、とは思ってなさげなんですよね
じゃあそういう対象ではないんでしょ、と

あとオリ主はまだ見てないけど、礼儀作法教わったぜ!からの焼き鳥野郎の妹、はおかしくない?
ここでは居合わせたイザベラには当然反感持たれてます
(が、レイヴェルの事を考え聞かなかったフリ・もちろんファンになんかなるわけがない

>警戒網
MPを薄く広げてハンターハンターの円に近い事をしてる設定
距離を狭めて密度をあげると似たような事が出来る感じ

>仙術
このSSでは(おもに)仙人が使う気功術の一つ=仙術
仙人とかが居るのに仙人になる(近づく)術が仙術じゃないの?と思ったので
ちなみにそっちは仙道ということに

今回の黒歌戦での使い方としては自分の力に+して後乗せですかね
お互いが自分が持ってる妖力魔力に周りの自然などから仙術で…って感じ
小猫の打撃とは別っぽいのにどっちも仙術呼びしてるからめんどいんですよね

>眷属~の下り
小猫の眷属化の経緯が経緯ですし、こういう見方になってしまいます
もうちょっと小猫に対して思いやりがあるように見えれば違ったかも知れませんが

当然やさしい赤龍帝()云々はないです
せめて覗きしたの謝ってからやさしいとかほざいてくださいね、って話
個人的には某作品の優しい王様の話をギャグの為に下ネタに転化したようで嫌なのもありますが

>九尾
自分がオリ主の母親を悪女で強い、妖怪なり魔物なりから…って考えるとでは九尾の狐しか出なかったので
しかし改めて見返すと九尾でこの展開って「オレの前で自分のものみてーに(ry」みたいな…

あと、オリ主が力を隠してたのを一誠が責めるように書こうと思ったけど消去
原作考えたら一誠が反論されるの嫌な相手につっかかるわけがないじゃん、って
それで得するならまだしも

>またの名をカリバーン
たまにHSDDのエクスカリバーの話でエクスカリバーとコールブランドがあるのにカリバーンがどうのこうの言って
3本あるのはおかしい!みたいな事言ってる人、なんでか居るんですよね
HSDDではコールブランド=カリバーンですよ
納得できる・できないはあるでしょうけど、HSDDはそういう設定なのは知ってて欲しいなと思った
返還の話はともかく、クロスじゃないのに星の武器なんだから折れるわけがない!的な事言ってる人も居たし…

>仙術で世界に漂う邪気や悪意を取り込んだせい
後でこの設定完全に消えましたよね?
どー考えても普通に受け答えしてますし、ここの暴言も妹思いからの行動()ってことになりましたし…
でもそうなると、主殺した時には白音は
>黒歌に捨てられた
ってことになるんではないですかね?
少なくとも妹思いの優しい姉、はあの言動では記憶いじらないと無理では?
それなのに平然と仲間になるのはなぁ…って思ってるんでここでは扱い悪めです

こんだけ厄介な設定だし、黒猫がヒロインの二次だとほぼ初期回収で、とにかく5巻での行動をなぞらせない事が多いのも納得できますね
…え?妹が着いてこないなら殺すって言わせて置いて黒歌をヒロインにして、小猫もヒロインにしてる作品があるんですか?
どうやって処理したんだろ?

あと、黒歌って5巻時点でコレってかなり弱くないですかね?
なのでここでは搦め手がメインってことにしてるんですが、
それでも原作の禁手習得時点の一誠に手も足も出ないのは流石に弱すぎるような…
SSクラスはぐれ悪魔ってなんだろう


元ネタ
>もずく酢
仮面ライダー剣のアレ

>自分の身長くらいは能力なしで飛び上がれる
ヴァンパイアハンターたちの基本スペック
2段ジャンプとかは一応アイテムのおかげですが
これ自体は何の補助もないですからね

流石にHSDD世界の悪魔でも
直立状態から素の脚力だけで自分の身長まで跳べるキャラは居なさそうなんで
オリ主の脚力は人外・悪魔世界基準でもやべーって設定です

>そのまま膝を曲げることすらなくスタッと着地
Circle of the Moonで、最初開幕床を破壊されて落とされるんですが
かなりの高度なのに何事もなく着地するんですよね

なおその影響か後作品ではある程度から落ちるとしゃがむモーションが増えました(キャンセル化

『チェンジ・オウル』
ギャラリー オブ ラビリンスでの魔法
フクロウに変身します
原作だとただの空中浮遊移動ですが、
ここではフクロウに変身してフクロウの移動速度で移動可ってことに
(じゃねーとコウモリと被る…
 一応ソウルオブバットとおおこうもりのソウルはやれることが違いますけど

『キョウマ』
暁月の円舞曲での鏡の中から襲ってくる敵、からのソウル
原作では鏡らしいエフェクト出て一定時間無敵
ここでは空間をずらしてそこに存在してるのにしてない、的な解釈で無敵になってます
鏡云々なら鏡の中に入るソウルも別でありますしその方がいいかな、と
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