ハイスクールDevil castle×Dracula 作:二痔升
グレモリー対シトリーのレーティングゲーム前夜。
アザゼルの部屋に呼び出され、ミーティングに参加することに。
なんで?と思ったけど先の一件から耳が早い悪魔たちから眷属への勧誘の話を聞き続けるよりはマシか。
あいつら悪魔化自体が俺にとってメリットがない、って言ってるのに人の話を聞かねぇのなんの…
「リアス、ソーナ・シトリーはグレモリー眷属のことをある程度知ってるんだろ?」
断定する形でアザゼルがグレモリー先輩に聞く。
その返答によればグレモリー先輩側はほとんど知られているがシトリー先輩側は知らない人も居るとか。
情報戦では思いっきり不利だな。
数は8人対8人で同じ…と言っていたが、知らない間に増やしたって発想はないのかな?
だってどう考えてもグレモリー先輩より戦力に乏しいのは戦闘決まった一月程前からわかるはずだろううに…
俺が知らないだけで前日だし事前通告でもあったんだろうか?
一応試合なわけだし。
「レーティングゲームはプレイヤーに細かなタイプをつけてわけている」
アザゼルがホワイトボードに書き記しながら言う。
パワー、テクニック、ウィザード、サポート…
うーん、ピンと来ないな。
木場先輩がテクニックで「スピードや技で戦う者」なのに、同じくらい速いゼノヴィアさんは「スピード方面に秀でたパワータイプ」でパワータイプの方だけに書かれてるなのはなぜなんだ?
ギャスパーとアルジェントさんの説明からするとどっち寄りの~みたいなのはあるっぽいのに。
つーかスピードもテクニックなら、速さだけで技がない、ゲームだとアイテム係に回されるようなヤツもテクニックタイプになるのか?
「小猫はパワータイプ…そうまが仙術教えてるんだよな?」
「はい」
「じゃあ将来的にはテクニックやサポートも考えられるか」
そう言って表に書いていく。お前が仙術って言ってればもうなってたかもしれんがな!
つーかこれの確認の為に呼ばれたのかな?
仙術教えてるのは秘密にはしてないけど明言もしてないし。
「パワータイプが一番気をつけなくてはいけないのは…カウンターだ」
表のパワータイプのところにある3人の名前を囲みながらアザゼルが言う。
カウンター能力について語ってるが、そんなに定番の能力なんだろうか?そもそも威力を返される事だけがカウンターでもないと思うし、無力化なんていくらでも手段はあるだろうに。
「カウンターならば力で押し切ってみせる」
ゼノヴィアさんがそう言うが、アザゼルは首を横に振る。
「それで乗り切れる事もあるが、相手がその手に長けた天才なら話は別だ。できるだけ攻撃するのは避けろ。
カウンター使いは術の朱乃や技の木場、もしくはヴァンパイアの特殊能力を持つギャスパーで受けた方がいい。何事も相性だ。
パワータイプは単純に強い。だが、テクニックタイプと戦うにはリスクが大きいんだよ」
…筋骨隆々のかませキャラ的なもんか。
「イッセー、お前最大倍加状態で木場と戦ったとしたら勝てる気がするか?」
「…正直言うと、スピードで翻弄されて、攻撃が当たりそうにないです」
アザゼルは兵藤先輩に話を振って、その返答に得意げだが…例が悪すぎるだろ!
それはただ単にすっとろい兵藤先輩が木場先輩に速度で勝てないだけじゃん。
パワータイプでも同速のゼノヴィアさんなら五分五分くらいにはなりそうなんだが?
っていうか最初のカウンター能力持ちの話からズレてるし…
極論で自説を補強するなよ。
「そういうことだ。
木場もどちらかというと、カウンター攻撃もいける口だ。
イッセー、お前もカウンター使いの対策をしないと木場に一生勝てんぞ。それが戦いの相性ってもんなんだよ」
さっすが圧倒的有利だったのに死に際の自爆に巻き込まれかけて片腕犠牲に生き延びた人の言うことは違うなぁ。
早速カウンター能力持ちと物理的なカウンター攻撃の同一視してるし…話題のすり替え程度お手の物か。
そもそもトンデモ剣技もない木場先輩がテクニックって事からなぁ…属性剣能力も聖魔剣で腐ってない?
「ま、いつかの遠い未来の話より明日の話だ。
お前たちチームが明日の試合で勝つ可能性は80%以上とも言われてる。当然俺もお前達が勝つと思ってる…が、「絶対」に勝てるとは思ってない。
駒価値だって絶対なものではない。実際のチェス同様局面によって価値は変動する」
…アザゼルの話に皆聞き入ってるが、正直駒価値ってピンと来ないんだよな。
何をどう判断してるかわからん数値でどうのこうの言われても…
ってか今さっき駒価値8の兵藤先輩が駒価値3の木場先輩に勝てそうにないって言ってたじゃないか。
「俺は長く生きて、その中で様々な戦闘を見てきた。
勝率1割以下でも、1%以下でも、なんなら不可能だと誰もが思った戦いが、いざ始まれば状況が変わって…なんてのもあった。
可能性に甘えるな。絶対に勝てる、なんて思うな。しかし、絶対に勝ちたいとは思え。
この合宿で俺が最後に教えてやれるのはこれだけだ」
テロリストがパーティに侵入してたのにも気づかず遊び呆けてたアザゼルが決め顔でそう言って締めてミーティングは終わった。
ポイント稼ぎお疲れさまです。
どんだけ良いこと言ったとしてもやってた事はなかったことに出来ないからな。
…しかしこれなんで前日夜にしたんだろ?
テンション上がったり興奮して寝付けなくなるんじゃないの?徹夜するのか?
ゲーム当日。
グレモリーチームは城の地下の魔方陣から直接ゲーム開始地点に向かうらしい。
…家から直で試合開始ってどうなんだろうな?
いや、一応準備時間はあるけど。
俺はアザゼルと一緒に後から要人用の観戦室。ゲーム自体は異空間に作られるが、それが映される会場自体は現実の冥界にある。
魔力で修復出来るんなら会場直せばいいと思うんだが…
俺もお呼ばれされたのはアザゼルと同じくグレモリー眷属のアドバイザー的なポジションって認識なんだろうか?
まぁ前の黒歌侵入に気づいて対処・撃退出来た功績は正式にほとんど俺って事になってたし、眷属入り断り続けてたから別方向で今のうちに近づこうと思った悪魔なり居て、かもしれんな…
「そうま、お前はどう見る?」
「どう、って同じですよ。グレモリー眷属の方が有利でしょう」
移動中アザゼルに聞かれたけどそれしか言いようがない。
この間の自力の差、持ってる能力の差を考えればよっぽどの事が無い限りシトリー眷属に勝ち目はないだろう。
…つまらなさすぎて投げやりな言い方になったかも。
「なんじゃアザゼル、遅いぞ」
「あいつらを見送ってから来たんだよ。それに、今はまだ準備時間だろ?
…ほれ、そうま、こっちはあの北欧の主神、オーディンの爺さんだ」
これがオーディン様か。
…しっかしずっとレヴィアタン様の方見てないですかね?ゼウスと間違えてない?
「初めましてオーディン様。惣間正二です」
「おぉ、この間の九尾の。
…同じ九尾なら話に聞く傾国の美貌を持つおなごがよかったのぅ」
こちらをチラ見して再び視線を戻すオーディン様。
「オーディン様!」と後ろで怒る…ヴァルキュリア?の人を見ながら、あはは…と苦笑い。
と、そうしてるとグレイフィアさんのアナウンスで試合説明が始まった。
試合会場は駒王町のデパート、お互い2階東と1階西とで両端が陣地、30分後に開始…
あと相手との接触は禁止、らしいがこれイマイチわかりにくいな。
どこまででも行けるならお互い作戦時間に近づけるだけ近づいてた方がいいだろうし…
後から近づいてくる方がルール違反になるのか?禁じられてるって具体的にどういう事なのか…
更に、「特別なルール」として提示された「バトルフィールドとなるデパートを破壊しつくさない事」ってのもアバウトだ。
破壊し尽くさないってことなら多少はOKなのか…?
しっかしまぁ異様なルールだな。
悪魔的にはグレモリー先輩が勝った方が…と言うかシトリー先輩が負けた方がいいんじゃないのか?
でもシトリー眷属には有利な建造物破壊しつくす事が不可というルール…
シトリー側が勝って欲しい派閥があるのか、それともそれくらいしないと興行にならないと判断したか…
会場の表示されてる画面に目をやると、ほとんどグレモリー眷属の映像ばかりだった。人気の差がひしひし伝わってくる。
グレモリー先輩が指示を出し、開始5分前に拠点に集合とのこと。
…レーティングゲームって開始時に拠点に居る必要でもあんの?
まぁ騎士が拠点近くまでコソコソ近づいてバッサリやればすぐ終わるし、なんかそういう暗黙の了解なんだろう。うん。
で、グレモリー先輩はまたいつものように紅茶タイム。
他のメンバーもそれぞれ自由にしている。
ってか道具もそのままとか悪魔は物品の自国生産とかいらんな。何でもかんでも魔力で作ればいいわけで。
飲食品、薬など消耗品をはじめ、今兵藤先輩が読んでるようなエロ本やビデオなど著作物に至るまで…
そーいやレヴィアタン様が着てた魔法少女服って地球のアニメのによく似た服装のがあったような?
あ、流石に車は武器になりかねないから偽物か。
***
「イッセーくん♪ 何をしているのかしら?
あらあら、随分エッチそうな本を読んでいるのね。決戦前に余裕ですわ」
朱乃が後ろから抱きしめる形で、一誠に胸を押し付けながら尋ねる。
「あ、朱乃さん!こ、これはですね!どれぐらいコピー具合が再現されてるかのチェックであって!」
「うふふ。
別に私は怒りませんわよ。軽蔑もしませんわ。むしろイッセーくんらしくて安心します」
そう言いつつ一誠の読んでる本の内容を確認する朱乃。
「……そう、イッセーくんはこういうのが好きなのね」
「あ、朱乃さん?」
「今度、こういうの着てあげましょうか?」
朱乃は一誠の読んでいるエロ本に映る、肌面積の少ないエロゲーのコスプレ衣装を着た女優を指す。
「ま、マジっスか!?」
「マジっスよ。うふふ。イッセーくんだから特別ですわ」
その言葉に自分の妄想の世界に入り込む一誠。
それを引き戻すかのように、朱乃は強く一誠を抱きしめる。
「あ、朱乃さん、どうしたんですか?」
「…イッセーくんから勇気をもらってるんです。
…戦う勇気はありますわ。でも、私に流れるもうひとつの力を今回使うかもしれないから、それが怖いの。嫌なのよ。
だからイッセーくんから勇気をもらうの」
自分の中の堕天使の力を使う事の不安や恐怖を吐露する朱乃。
「俺なんかで良かったらバンバン勇気を持ってってください!」
一誠は自分を抱きしめる朱乃の手を握りそう言う。
「私が光の力を出すところ、イッセーくん見てくれますか?イッセーくんが見てくれているなら、私は使えるかもしれません…」
「は、はい!俺が見てるだけで朱乃さんが力を発揮できるなら安いもんです!」
「…うれしい。
(私、イッセーと一緒ならきっと…あなたはリアスのものだけど、それでも私はずっと傍に…)」
感極まり、声が出せない朱乃。
それでも抱きついていた手を離し、一誠と正面から向き合い、顔を近づけて――
「…お二人とも、そろそろ集合ですよ」
事に至る前に小猫の一言で止まった。
「こ、小猫ちゃん!これはその!」
「…なんですか、そんな浮気がバレた人みたいに。
心配しなくても部長には言いませんよ」
「あらあら、見られちゃいましたわ。うふふ。イッセーくん、ありがとう。もう大丈夫ですわ。
……次は必ず…あなたと…」
最後に小声でつぶやき、去ろうとする朱乃。
「…副部長、邪魔してすみません。
でも、私もそうでしたから不安な気持ちはわかりますが、タイミングを考えてください。
レーティングゲームで放送・録画されてるんですから、後々部長の目に止まります」
朱乃を追いかけ、声をかける小猫。
「…そうね。リアス、やきもち焼いちゃうわね。
小猫ちゃんの方は不安は?」
「ないと言うか…不安に思えないようにされた、ような。
…私も勇気もらいたかったです」
「うふふ」
***
『開始のお時間となりました。なお、このゲームの制限時間は三時間での短期決戦形式を採用しております。
それでは、ゲームスタートです』
はぁ、制限時間を今告げるのか。制限時間に応じた準備とかあると思うんだが…
うーん、でも興行…賭け事やってるっぽいし、仕掛けなりが無駄になるのも一興って感じなのかな。
作戦も視聴者からは丸わかりだし…
あ、兵藤先輩と塔城さんが匙先輩らに奇襲された。
『リアス・グレモリー様の僧侶一名、リタイヤ』
さて交戦するかというときに、にんにくで怯んだギャスパーが捉えられにんにくをぶつけられボコられリタイヤした通知。
特殊な手口に周りも大盛りあがりだ。
ハーフつってもヴァンパイアだし、退魔にも用いられるからやっぱダメなんだな。
ま、こればっかりは仕方ないよな。
それでも努力して対処出来るようになれっていうなら、転生悪魔の自分が光なり聖なる攻撃に耐えて克服して弱点じゃなくしてみせろって話だ。
それか食材売り場で言うならクッソ辛い唐辛子なりソースに耐えるとか?刺激物以外は胡椒とかくらいしか思いつかんな。
…鼻栓でも常備しとけ、ってのが落とし所かねぇ。魔力で匂いは防げるのか?
そんな感じでダラダラ見てると、塔城さんが仁村さんに打ち込んだのが見えた。これは通ったな。
予想通り仁村さんは崩れ落ちる。
「おい、どこ行くんだ、そうま?」
「医務室です。仁村さんの様子を見に。
流石にそこまでヤバい事にはならないと思いますけど、もしもの時治せるのは俺だけでしょうし。
それにここはVIPが多すぎて俺には居づらいですし」
「…お前全然緊張してなかったじゃねーか」
席を立ったらアザゼルに声をかけられたのでそう返して部屋を出る。
もしあの部屋でゲームが終わったら、最初に入った時に視線をアザゼルじゃなく俺に向けてた悪魔に絡まれてたかもしれないし、ちょうどよかったな。
『ソーナ・シトリー様の兵士一名、リタイヤ』
医務室で仁村さんの様子を見て、休んでれば自然回復する程度とは言え気の流れと内部のダメージを治し、そのままそこでゲームを鑑賞する。
…動けないゼノヴィアさんの持ってるデュランダルのオーラを木場先輩が聖魔剣…の全体攻撃での威力を補うのに使うのか。
ゼノヴィアさんがアスカロンにデュランダルのオーラだけをまとわせてお手軽強化させてるのは見たが、デュランダルの資質があるわけじゃない木場先輩でも出来る…と。
なんでもアリみたいで嫌だが、こういう戦法を取れるのは覚えておかないとなぁ。
特に俺にはこの世界の聖剣関係の知識は薄いみたいだし…
『ソーナ・シトリー様の戦車一名、騎士一名、リタイヤ』
『リアス・グレモリー様の騎士一名、リタイヤ』
ここはシトリー側の医務室だから巡先輩と由良先輩が転送されてきた。
剣のダメージ、と言うより聖魔剣+デュランダルの聖なるオーラに焼かれてるって感じ。
治療担当の職員悪魔が魔力で治そうとするが、聖なるオーラの傷を魔力で治すのは時間がかかるみたいだったので俺がヒールでさっと治した。
魔力と魔法力は別物、って事か?少なくとも「反転」とやらで真逆になるとかではないだろう。
…それだと魔法力は「反転」したら何になるんだろう?
しっかしゲームなのに光弱点相手に特効武器使うってのは…うーん…
でもそれがOKならシトリー側も「反転」で魔力攻撃を聖なるオーラなり光力に「反転」して戦えるよな?なんでしないんだろう。
『ソーナ・シトリー様の兵士一名、リタイヤ』
あ、なんかいつの間にかゲームに無駄に命賭けて寿命すり減らして戦ってた匙先輩が脱落してたわ。
しかしこれで将来教師目標ってなぁ…生徒に命削って戦うことを強要するんだろうか?
教師になるんだ!差別のない学校を作るんだ!ってずーっと言ってたけど…確かに命は等価だしな。
仮に学校作って教師になったとして、それでその学校に通わせたいと親が思うかどうか…
と、ゲームも進んで最終局面的になった画面の中。シトリー先輩がネタバラシ。
匙先輩が最初に付けたラインは血液を吸い取るもので、兵藤先輩はタフそうだから失血でのリタイヤを狙ってましたよ、と。
シトリー先輩は作戦がうまく行ったのがよっぽど嬉しいのか、ベラベラ自分の思いを喋り続ける。
頭数も駒の質も負けてるのになーんで余裕たっぷりなんだろうな。まだ作戦あんの?
『部長…おっぱいをつつかせてください』
失血で頭がおかしくなったのか、いや元からおかしかったが、兵藤先輩がそう言った。
今の危機的状況で禁手になりそうな感じになり、なったは良いがそこで止まってるから禁手に至るにはそうするしかない、と。
普通ならそんな事ありえないけど、普通じゃないんだよな…
しかし占いの事を考えると、こんな訳のわからなさで三大勢力が栄えるのか?
兵藤先輩がもろに中心になってるし、その兵藤先輩が完全に三大勢力寄りってなるとそういう形しかないが…
正直兵藤先輩の戦闘技能を考えると禁手になったところで…って感じだが。
あー、うん、予想通りちょっとぐずってたけどグレモリー先輩が結局胸をさらけ出して、その乳首を突き刺した兵藤先輩が禁手に目覚めて鎧姿になった。
…って、そうか!
あのオーディン様が威厳も何もないゼウスみたいな色ボケエロジジイだったのは、親悪魔派になるからだったのか!?
今回のグレモリー先輩の胸みたいにエロで他神話から釣って勢力拡大・敵勢力弱体、とか。
そうなるから、引き寄せるように親しいわけでもない…はずの北欧神話の主神が見物に来た…?
そういう「この後」のことを考えると、兵藤先輩の開発していた女性の胸が兵藤先輩に話しかけて目論見とかが全部無駄になる術とかはどうでもいい。
「反転」で回復がダメージになる事とか、失血に対応出来ないのにわざわざ回復してリタイヤした僧侶とかもどうでもいい。
そういやさっきの部屋にゼウスも居たんだよな。
…ギリシャも荒れそうだ。
そしてゲームは予想通りグレモリー先輩の勝ちを終わった。
意外と健闘したとシトリーチームを褒めるべきか、優れた能力を持ちながらその程度かとグレモリーチームをけなすべきか。
まぁどっちもかと思いながら、俺はアナウンス室を目指す。
「すみません、グレイフィア様はおられますでしょうか?」
ノックすると、中からどうぞ、と声がしたので入る。
「…そうま様でしたか。何か御用ですか?」
「以前のお約束の話です」
「……要求は何でしょう」
声から冷たさ…と言うか呆れのようなものを多分に感じる…
「悪魔の駒」
「あの程度の戦績に釣り合うような褒美の要求ではありませんね」
声から呆れが消え、完全に冷たさしか感じなくなった。
何ふざけた事抜かしてるんだ、と言外に匂わせる。
「それは流石に理解してますよ。
ただ、功績を積み上げた暁に…と言うだけで」
「気の遠くなるような話ですよ。
上昇志向が強い悪魔の紹介を願って、眷属になり上級悪魔へ昇格する方が速いでしょうね」
「ですけど、俺は転生悪魔になるつもりはないですから。
ちなみにどの程度の戦績なら駒もらえるんですかね?」
「最低限、上級悪魔昇格並の悪魔社会への貢献になるようなもの、でしょうか。
情勢などもあるでしょうし、今すぐこの場でどの程度と断言出来るものではありません」
まぁそれもそうか。
「目安的なものでいいんですよ。なんとか級はぐれ悪魔何体分、のような」
「…根本的な間違いをされてそうなので先に言っておきますが、はぐれ悪魔の等級は戦闘力ではなく被害の、罪の大きさです。
主殺しは最も重い罪が課されると言うだけです」
マジか。マジか…
あれがSSってんなら楽に稼げると思ってたんだが…
「もうよろしいでしょうか?」
「…えぇ、お時間取らせましまってすみません」
そう楽にはいかないか…
そんなこんなでゲームも終わり、その翌日、8月が終わる前に冥界から帰る事に。
グレモリー先輩と兵藤先輩がグレモリー先輩の両親と話してたが…もう向こうの頭の中では兵藤先輩の婿入り?は確定っぽいな。
まぁこの場で一人だけわかってねぇみたいだけど。当事者なのに。
帰りは行きと同じで列車。
合宿あるって知ってるのに事前に減らしておかず、宿題溜めてた兵藤先輩が食堂車に行っての長い机で勉強してるくらいか。
あとそれに釣れられて2年3年は全員そっちに着いていってる。
乗車席に居るのは1年の俺と塔城さんとギャスパーだけ。
…で、
「…スー…スー…」
塔城さんは俺にもたれかかって寝ている。
「…よく寝てるね、小猫ちゃん」
「やっと懸念事項がなくなって安心出来たんだろうな。対人戦で使っても問題なしだって確信できて。
一ヶ月以上は精神的な消耗が継続してただろうし…」
そう言いながら塔城さんを見ると顔に髪がかかってたから耳に…しかし純粋な妖怪だったのに人間タイプの耳あるのは意外だな。
仙術使う時には妖怪としての能力扱いなのか、猫ショウの耳が出るのは知ってるが…
手に顔を擦り付けてくるのとか猫としか思えないし、猫成分のほうが大きくない?
「あ、ぼ、僕ちょっと食堂に行ってくるね!」
「ん、いってらっしゃい」
何故か慌ただしく出ていくギャスパー。
結局ギャスパーはそのまま戻ってこず、着くまでこのままだった。
列車が人間世界の駅に着いて、俺は塔城さんを起こして降りる。
ホームに誰か居るな。出待ちか?
と、思ったら見た顔だ。ディオドラ・アスタロト。
…「俺」は知らないはずだから知ってる体を取らないけど。まぁ一応視界に捉えたし、黙礼くらいはしておくか。後ろに人を従えてるし、偉い人とは思ってもおかしくないだろう。
そしてグレモリー先輩に用事かと思いきや、何故かアルジェントさんの方に向かう。
「アーシア・アルジェント…やっと会えた」
「おいおいおい!アーシアに何のようだ!」
チンピラみたいな形で兵藤先輩が間に入っていく。
アルジェントさんも困惑してるし、知り合いじゃないのか?そもそも冥界でも接触しようとはしてなかったし…
「…僕を忘れてしまったのかな。これを見てもらえれば思い出すはずだよ」
そう言って服をはだけ、胸の傷跡を晒す。
その後の話を聞くとどうもアルジェントさんが悪魔助けて教会追放になったって話の悪魔がこのディオドラさんらしい。
で、そのディオドラさんはアルジェントさんの元にひざまずくと手をとり、キスをする。
「アーシア、僕はキミを迎えに来た。
本当は会合の時に伝えようと思ったんだけど…公式の場にはそぐわないし、既に十分荒れてたからね…改めて、あの時は命を救ってくれてありがとう。
そして――僕の妻になって欲しい」
流石に衝撃の内容過ぎたのか、固まるグレモリー一行。
「ディオドラ様、そろそろお時間が…」
後ろに仕えてた部下か眷属がそっと耳打ちする。
「もうそんな時間か…まぁ目的は果たした。
アーシア、また来るよ」
当事者の返事も聞かず去っていくディオドラ。
これはまた結婚を巡って争う展開かねぇ…
戦闘あるのにぼけっと見てるだけのオリ主の屑
いつものつっこみ
>パワー、テクニック、ウィザード、サポート
「十字左右の端に各タイプ名を書いてグラフを描いた」らしいけど…
これってパワーとサポートのように両端のタイプに適正があると中心寄りになってちょっとパワーorサポートの適正があるだけに見えない?
その場合ウィザードとテクニックタイプの左右の位置も中心だからわかるのは両方が同じ適正なだけであるかないか判断は出来なくない?
つまり…わかりにくくない?
ちゃんと実際にひし形のグラフを考えて「サポート寄りのパワータイプ」の一誠がグラフのどこに居るか考えればそれくらい気づきそうなもんだけど
普通この手の性格診断テスト的なグラフは両端に適正持たせられるとダメでしょ
>カウンター
正直よくわからない…
説明的にはテトラカーン持ちに物理スキル使うな的な事っぽい
でも同じ物理なのに技の木場なら行けるって理屈が不明
>駒価値
チェスで例えるならチェスのようにお互いの駒が同じ性能じゃないとダメでしょ…
と言うか駒価値が絶対とかHSDD見てる人誰も思ってなさそう
>なんで前日夜に
雰囲気的には試合会場直前の空気
しかも「決戦前夜」のミーティング終わってから「決戦の日まで戦術を話し合った」らしいです
>それくらいしないと興行にならない
原作で実際どうかは明言されてませんがここではこういう理由
>建造物・物品コピー
魔力単体でこんだけ出来るなら魔力がないサイラオーグがボロクソ言われるのもわかりますね
>朱乃と一誠の絡み
マジでなんで戦場に着いてからするんだろう
HSDDは本当に土壇場の話が多いと思います
>にんにく
どのくらい効果があるかわからないだろうに我慢しろ!と言い切れる原作主人公はすごいなぁ
食べ物の好き嫌いレベルじゃなくて生体的な機能だと思うんですがね
…これぶっちゃけ「ギャスパーだから」一誠がボロクソに言ってるだけに思えるのが
ペットショップなりがシトリー陣地近くにあって小猫にマタタビ使ってリタイヤさせても一誠は文句言わなさそうで
>木場・ゼノヴィア戦木場視点
反転がカウンターの一種って言われてうーん…
ゼノヴィアが聖剣反転されたら困惑して負けるって決めつけてるのも…
で、木場から一誠の評価は
何があっても諦めなくて
自分が弱いのを知ってても敵に立ち向かって
自分を卑下しつつ誰より自分を理解して努力してて
単純な体力ではもう敵わなくて
一誠の努力と根性は驚嘆に値する領域で
努力で一歩一歩進んできた歩みは誰よりも気高い
らしいですね。
すごい聖人だぁ。
…読者はこの木場の話の前に、同じ巻のタンニーンの特訓に愚痴ってたシーンを読んでるわけですけど
木場が一誠を崇拝してるって描写が目的ならいいんですが…そうじゃないんだろうし
>聖なるオーラの傷
殺しかねない攻撃しても傷つくのは自分たちじゃないからいいんでしょうか
味方がやられた怒りでどーのこーのもグレモリーチームしか発揮してないし
>ゲームに無駄に命賭けて寿命すり減らして~
で、そこまで学校の為に尽力しても後々姉の邪魔になるなら諦めるっていうのが…
自分たちの命より姉なの?
>一誠の禁手
奮起も危機も原作イベントが潰されてずれ込んだのでここで習得
匙のおかげですね
ちなみに、原作での赤龍帝の篭手・禁手は
禁手変身までに時間がかかる・準備状態になると神器使用不可中止不可・一日一度しか変身できない・変身解除すると神器使用不可
で、今までの赤龍帝もほとんど同じ(鎧解除後に神器が使えるのも居た程度)
だそうで
>グレモリー一行のエロ提供で勧誘説
めちゃくちゃな考えだけどこう異常な状況が連続して続いてると…
>はぐれ悪魔の等級
落とし所としてはこんなところかなぁ、と
強さだって明記はされてませんでしたし
>8月が終わる前に
原作では8月後半表記ですね
ゲーム当日が8/20なんですけど、後半っていつぐらいなんでしょ
>もたれかかって~
膝に乗っかかって「にゃん♪」とかキャラ変してまで媚びるよりはいいんじゃないかなぁ、と
で、アレはなんだったんだろう
それ以降ないし一時的なものだったのか、不評だったのか
個人的にはあれだと別キャラすぎて萎える、と言うか黒歌が化けてる方が説得力あるかな
>ディオドラ
いつもの雑処理される敵美化の対象
細かいのは次回相当ですが
しかし原作はあの場面で終わってはい解散!…ってなりそうなキャラじゃないですよね