ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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19話 7巻開始~影使い戦終わり

『ふはははは!ついに貴様の最後だ!乳龍帝よ!』

『何を!この乳龍帝が貴様ら闇の軍団に負けるはずがない!

 行くぞ!禁手化!』

 

今俺は兵藤先輩に、と言うかグレモリー先輩らに呼ばれる形で兵藤家にお邪魔している。

目的は『乳龍帝おっぱいドラゴン』って冥界で流行ってる新番組特撮の鑑賞。

それだけだとなんで?って感じだが、どうも兵藤先輩のレーティングゲームが子供に受けたのをきっかけに、兵藤先輩を題材にして特撮番組を作ったらしい。

この間の猥歌が主題歌とか。

そもそも「レーティングゲームは子供人気がなかった」らしいが、それでなんで兵藤先輩の出たゲームを子供が見たんだろうな。

 

正直最初は、兵藤先輩の覗き魔っぷりを活かして、教育的な要素もあると思ってたからアリかと思ったんだけど…

そんなのは一切なく、ただ単にカッコいい感じで活躍するだけというか。

実物見たらがっかりしない?

 

設定も『伝説のドラゴンと契約した若手悪魔のイッセー・グレモリーが、悪魔と敵対してる邪悪な組織と戦う』そうで。

禁手化!とか言ってるのに神器持ちでも元人間の転生悪魔でもないし、そもそも悪魔と敵対してる邪悪()な組織ってなんだよ。

プロパガンダってやつ?

俺の中では悪魔自体が邪悪な人間拉致改造組織なんだが?

…あ、もしかしてグレモリー姓なのは外堀埋めてるのかな?どうもグレモリー家がガッツリ関わってるみたいだし。

 

しかしこっちのが動きがいいな。

鎧姿もCGなのかはわからんが、テレビの中の乳龍帝さんは本物より動きがきれいだ。

魅せる動きと実際の戦闘が違うってのはわかってるけど、それでもこんだけ動けるならこっちの俳優さんの方が…神器なしとかスペックを揃えるとかすれば、実際の戦闘でも本人より強そう。

 

『おっぱいドラゴン!来たわよ!』

『おおっ!スイッチ姫!これで勝てる!』

 

劣勢になっていた画面の中の乳龍帝が、グレモリー先輩の顔をCGで貼り付けた女優さんの胸部に触る。と同時に赤いエフェクトがかかり回復する。

…うーん、これ子供向けなんだよな?大丈夫か?放送倫理とか。

そうじゃなくてもグレモリー先輩自身が落ち目になってエロ番組に出るようになった女優にも見えるし。

 

「味方側におっぱいドラゴンとスイッチ姫が居るんだよ。

 そして、ピンチになったときスイッチ姫の乳を触ることで無敵のおっぱいドラゴンになるのだ!」

 

アザゼルが熱く語っている。楽しそうだな…

案の定『スイッチ姫』が気に食わないグレモリー先輩にシバかれたが。

 

「でもでも、幼馴染がこうやって有名になるって、鼻高々でもあるわよね」

 

アザゼルの話から談笑の流れになったのか、紫藤さんもそんな事を言い始める。

一応エンドクレジットとは言え、まだ終わってないんだが…まぁいいや。どうでも。

 

「そういえば、イッセーくんって小さな頃、特撮ヒーロー大好きだったもんね。

 私も付き合ってヒーローごっこしたわ」

「確かにやったなぁ。あの頃のイリナは男の子っぽくて、やんちゃばっかしてた記憶があるよ。

 それが今じゃ美少女様なんだから、人間の成長ってわかんねぇ」

 

紫藤さんと兵藤先輩のそんな話が耳に入ったが…

そう言われると、割とこの世界は少年少女がわかりにくい気もする。美少女だと思ったら数年後美少年になってたり。

 

「さて、そんじゃ今日の施術をしときたいんですけど」

 

放送分が終わったタイミングで、兵藤先輩とのデートでテンション上がった姫島先輩に抱きつかれてる兵藤先輩に声をかける。

…あれ?

姫島先輩が水をさされたと思ったのか不機嫌なのはともかく、兵藤先輩がなんかあんまり嬉しそうじゃないな?

 

「あ、そうだ。すいません姫島先輩、ちょっとそのままで居てもらっていいですか?

 治療の効果が上がるかどうか検証したいんで」

「…!あらあら、それじゃ仕方ありませんわ。

 ショージくんの治療のお手伝いですものね」

 

たまにはこうして点数稼ぎしてかないとなぁ。

 

「な…っ!?

 ちょ、ちょっとショージ!それ本当に効果があるのかしら!?」

「だからそれの実験ですよ。

 兵藤先輩の生命力に訴えるものがあって効果があるかもしれませんし、無いかもしれません。

 グレモリー先輩もよかったら都合のいい日はお願いしますね」

 

どっちかにだけ頼むと顰蹙買うなんてわかりきってるって。

 

「なぁ、ショージ。イッセーの状態ってどんな感じなんだ?

 仙術使いからの感覚として」

 

治療を開始して…って言っても傍から見ると俺が兵藤先輩の神器を掴んでるだけにしか見えないが。

しばらくするとアザゼルがそう尋ねてきた。

 

「ん~…そうですね。エネルギーの消耗って仰られてましたけど、それだけじゃなく汚染もされてる感じですかね。

 兵藤先輩は確かにエネルギー消耗してるんですが、その代わりに呪い?呪詛?が代わりに体内に入り込んで邪魔してるんです。

 つまり、ただ単にエネルギーを補充するだけじゃ溢れて、兵藤先輩の寿命の回復にはならないですね。代謝が上がったりとか体にはいいでしょうけど、湯治と変わりないだけかと」

「そんな…」

 

俺の言葉に項垂れるグレモリー先輩たち。

 

「まぁ待て、お前ら。

 ただ単に、なんて言い方するって事は解決策も見えてるんだろ?」

「えぇ。とりあえずは今やってる、俺が兵藤先輩の中の呪詛の部分を抜き取る対症療法ですかね。

 濾過して元の兵藤先輩に戻す形なら、寿命も多分回復するかな、と。

 とは言ってもどれぐらい回復するかはわかりませんし、また覇龍を使えば命の保証はないのは同じですが」

「…ちょっと待ってください」

 

塔城さんに遮られる。

 

「呪詛を抜き取るって…大丈夫なんですか?」

「あぁ、俺呪いとか効かない体質だから」

「そんなんアリかよ!」

 

兵藤先輩のツッコミ。アリだろ、それに救われるんだから。

しかし、ツッコミよりお礼の一つでも欲しいところだが…まぁこっちも呪いの力をもらってるしいいか。

その呪いも出力方法としてもどうにかグリフに出来そうな感じ。呪いを力に出来る俺なら単純な強化能力になる。グリフに名前を付けるなら…まんまだけどドラコ・インプレカティオとか?

 

「しかしそれでも対症療法って事は、根本的な問題は解決してないんだろ?」

 

おっと、ダメだダメだ。取らぬ狸のなんとやら…

アザゼルの声で逸れた思考を戻す。

 

「えぇ。兵藤先輩がどうにかして神器から呪いをなくしてくれないと。取り外しがきかない以上、完全に呪いがなくなる事はないでしょうね。

 呪いもあるかどうか、はわかりますけどそれが増加してるのか、今ある分を処理すれば終わりかはわかりませんし」

「ま、そこはイッセーが神器の中で対話してどうにかするしかないか」

「神器に関しては俺がどうこうできる部分ではないんで、おまかせします。

 …っと、今日はこんなもんですかね」

「えーっと…それで私は役に立てたのかしら?」

 

ずっと抱きついていた「だけ」だった姫島先輩が心配そうに聞いてくる。

 

「まだはっきりとは。

 さっきの呪いを濾過して戻すのって、似たようなのやったことあるんですけど、一度に大量にすると本人に負荷がかかるんですよ。

 様子を見ながら負担がかからない程度にやってたんですけど、将来の事を考えるとどうにか一度の処理量を増やせないかな、と思って…

 それで胸で覇龍から戻った兵藤先輩なら、そういうのでどうにかならないかな、と」

「ふむ…まぁあの歌はきっかけ作りだし、歴代の赤龍帝から逸脱してるイッセーの特異性はそこだろうしな」

 

ドーピングなしの兵藤先輩だと弱すぎるから、とは言えないし。

なんて思いながらグレモリー先輩に目を向けると、顔を赤くして背けられた。

 

「で、とりあえず今回量を少し増やしたんで、それで兵藤先輩に異常が出ないなら成功かな、と」

「あらあら。

 それでは、イッセーくんに異常が起こらないかつきっきりで見てませんとね」

「ちょっと!朱乃!」

 

早速姫島先輩とグレモリー先輩のいつものが始まる。

いやぁ、こんな美人に取り合いされるなんて兵藤先輩は幸せ者だなぁ。

姫島先輩が抱きついてるから逃げ場もないだろうし。

 

「じゃ、終わったんで俺はこれで」

「それじゃあ、僕らも…」

 

兵藤家に住んでない組が被害を免れようと帰ろうとすると、俺以外の携帯が鳴り出す。

マナーモードにしとこうよ。毎回こんな都合よく学校が終わった後でしか来ないはずがないんだから。

…いや、終わったから解除してるだけか、普通に考えて。

 

 

 

駒王町のはずれにある廃工場。

そこに禍の団だろうやつらが来てるっぽいんで排除しに行くことに。

行くのはいいんだけど、雁首揃えて全員で行くことなくない?

向こうだってある程度潜ませてるんだし、遊撃とかさ。

わざわざ言うつもりはないが。

 

「グレモリーの眷属か。嗅ぎつけるのが早い」

 

黒コートの男が出てきてそう言ってくる。

嗅ぎつけたのは三大勢力の警備の人だけどね。

 

「禍の団―英雄派ね?ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。

 三大勢力にこの町を任されている上級悪魔よ」

「あぁ、存じ上げておりますとも。魔王の妹君。

 我々の目的は貴様たち悪魔を浄化し、町を救う事だからな」

 

出来るんならマジでやって欲しいところだけどな。

まぁこの程度の戦力でそんな事言う時点で、妄言だが。

人間?数人に、いつもの人型の黒い量産型怪物が百。

この量産型怪物も中級悪魔以上のスペックはあるらしいが、イマイチそう思えない。

テロリストらしく人質とか、町に爆弾でも仕掛けた…ってわけでもないし。

 

黒コートの横から、グラサン男と中華系の服の男の二人が追加で現れ、それに相対するように兵藤先輩が禁手化し、フォーメーションを組む俺たち。

前衛・中衛・後衛の3・4・3で俺は中衛。

兵藤先輩が禁手化出来ない時は譲渡でサポートに回るから交代で前衛だけど、今回のはおしゃべりだったからな。

で、中衛の仕事は後衛の盾。つまらん。

一応俺はサブウェポンとかで盾の裏から攻撃は出来るが、他はほんとに盾でしかない。

実はこのメンバーって近接・遠距離どっちかに偏ってないのって俺だけなのよね。

…しかし、サッカーでも無いし、なんで敵が前にしか居ない仮定なんだろう?

まぁ後ろで誰か殺されても俺の責任じゃないし、いいか。

 

フォーメーションに別れたのを見てから、黒コートが手に白い炎を発する。

即座に木場先輩が神器と判断する。

正直魔力・魔法力・妖力以外でも炎は出せるが…そんな術者があんなクソザコなワケないしな。

そもそも英雄派は神器使いの前例しかないし。

 

黒コートが炎を射出すると同時に、兵藤先輩が背中から火を噴かせて殴りかかる。

直線でワンパターン過ぎるからか、あっさり避けられてた。余波か何かで怪物は倒してたが。

 

「赤龍帝のパワーに気をつけろ!俺たちじゃ一発でやられる!

 だが、工場内では派手な動きは出来ん!」

 

えぇ…一発でやられる対策が相手頼みかよ…

お前らの排除を優先したら終わりじゃねぇか。廃工場だし、なくもないぞ。

 

「影で飲み込んだものを任意の影へ転移出来る能力…か」

 

怪物を減らしてると、木場先輩のそんな声を拾った。

前衛で何かあったらしい。突っ立ったままじゃないから見てないしな。

ブオン、と言う音とともに、後ろに兵藤先輩が放ったであろう真っ赤な魔力弾が出現していた。

一番近いのは後衛のアルジェントさん。

攻撃中なのもあり、他の後衛の姫島先輩とグレモリー先輩は気づいていない。

即座に魔力の珠を放つ。

この世界は攻撃射出後に軌道変更やら破棄やら出来ないのが普通みたいだし、あれが消える事はない。

それに、前回さらわれたからか、グレモリー眷属ではアルジェントさんを守る意識が高い。

防げば俺への信頼はますます高まるだろう。

が、片手間だったからか、本心では守るつもりがこれっぽっちもないからか、禁手の攻撃を相殺するには至らず、勢いを削いだだけになった。

 

「アーシアには指一本触れさせん!」

 

もう一発撃とうとした所に、前衛だったゼノヴィアさんがわざわざ後衛までやってきて、その残り玉をアスカロンで切り裂き爆散させる。

その衝撃を隠れ蓑に、コソコソしていた中華服の男が光る弓で光る矢を射ってきた。

射ってからも軌道操作出来るみたいだが、遅い。転生天使の紫藤さんが同じく光で撃ち落とした。

…俺は紫藤さんが外したら投げるつもりで準備してた光の槍をこっそり消す。

 

姫島先輩が何故か魔力の氷の槍で中華服に攻撃するが、再び影に防がれる。

影の反撃を避けている間に影は、三人の居た所を覆い隠すように伸びていた。

 

さーて、どうするかな…

正直一人ならどうにでもなると言うか、最初からお喋りナシで即暗殺するが…

やっぱリーダーが兵藤先輩の禁手化の時間稼いで活躍させたがる依怙贔屓采配はダメだな。

それはさておき、この手の戦法には飽和攻撃?何かしら光源になる攻撃手段なら影の防御を突破出来るか?いや逆にこの工場から光源を奪って影ばっかにしたら…?

 

なんて考えてると、影の中から光と炎が兵藤先輩を狙って同時に放たれた。

それ自体は簡単に防がれる…が、正確に狙えるって事は向こうからは視界を確保出来てるんだろうし、煙幕とか…味方の被害の方が大きくなりそうだ。

 

「ギャスパーくん!データは?」

「…で、出ました!炎は炎攻撃系神器、白炎の双手!

 影のやつは防御・カウンター系神器、闇夜の大盾!

 光のやつは光攻撃系神器の青光矢ですっ!」

 

木場先輩の問いに答えるギャスパー。

ギャスパーは神器がガッツリ対策されてて、毎回怪物の中の一割ほどが戦闘員への視線を遮るように佇んでいるため、コウモリ化での偵察しか出来ないからデータ採取を任されている。

神器以外での他の戦闘能力がなぁ…魔力とかは高いはずなんだが…

 

「指示を出すわ。

 前衛組、イッセーは炎使いを、ユートは影使いを狙って!ゼノヴィアは邪魔な雑魚を蹴散らして二人の活路を開いて!

 中衛、後衛は前衛をサポート!それ以外の雑魚を全部屠るわよ!」

 

グレモリー先輩の指示が飛ぶ。

あいよー。雑魚怪物を壊滅させる必要がわからんが、やりますよっと。

 

「イッセー!それをかわして、影へドラゴンショットを撃ち出しなさい!

 ユート!影が繋がってるから、ドラゴンショットを影の中で両断して爆散させて頂戴!」

 

グレモリー先輩のさせたい事はわかった。わかったが…それって最初から影の中で爆発する攻撃をすればいいんじゃないの?

魔力ってイメージでどうにでもなるんじゃないの?

実際にやってみた事あるけど、ソウル使うよりは威力多少低いけどその分自由に出来るし…

 

「ぐわっ!」

 

サングラス男がボロボロになってふっとばされた。

木場先輩はノーダメだ。剣の間合いで爆発が起きたんじゃないの?

それなのに衝撃は全部影なの?

 

「影の中で攻撃が弾ければどうなるか試してみたのだけれど、どうやら処理できずに自分の元へ来てしまったようね。

 攻撃そのものは受け流す事が出来ても、弾けた威力までは受け流す事が出来なかった」

 

今見えないけど後ろでグレモリー先輩がドヤ顔してんのかな?

あ、どうでもいいけど喋ってないでちゃんと怪物処理してくださいよ後衛さん。

 

「っ!?」

 

影から緑色の光の矢が出てきた。

別の場所の神器使い?撤退支援…ってわけではないな。

 

「今の攻撃だけで神器データが出ました!緑光矢ですっ!」

「んじゃちょっくら俺が行って来ますよ。俺は光弱点じゃないんで」

「あっ…ちょっと」

 

後ろから声が聞こえたが無視。

 

 

このタイミングなら神器持ちを殺れる。

それでも「テロリストは問答無用で殺害せよ」みたいな風潮らしいし、咎められることもない。

生きて捕らえた所で、負けた瞬間に英雄派に入ってからの記憶とか全部消される仕組みらしいしな。

…正直、それなのになんで生け捕りにこだわるのか理解出来ん。

殺しなんかしたことないですぅ。みたいなヤツらならわからなくもないが…普通に平然と殺してきたのに今更?

 

「と、思ったんだけど、あんたはどう思うよ?」

「ひぃ…」

「ん?何も思い浮かばないか?」

 

速攻で神器使いを拘束し、そのついでにちょっとお話。

 

「やっぱ俺としては万が一に記憶が消えない期待かな~とか思うんだが?」

「…」

「だんまりか。

 あ、そう言えばおえらいさんに聞いた話だと、捕まえたやつの中にたま~に記憶が消されすぎて何も出来なくなるやつが出るらしいな」

「えぇっ!?」

 

嘘だ。

 

「そっちの大将も酷いことするもんだ」

「あの人たちはそんな事しない!」

 

忠誠心高いなぁ。

 

「んじゃ事故か。薬とかに向き不向きがあるみたいに、術式にも効きすぎるのが、とか」

「そんな…」

「まぁ、戦闘に負けずに投降しちまえば、記憶がまっさらになるのは防げると思うんだが、どうよ?」

「あ、悪魔の囁きには屈しない!」

 

悪魔じゃないけどそれはありがたい。

殺さないと神器奪えないし…いや、殺さず奪う練習するか。

 

「んじゃその代わりといっちゃなんだが…もし、自分の記憶が消えるなら、誰かに何か言い残したい事はないか?

 家族にでもなんか」

「…家族には、良い思い出はない」

「そりゃすまんな。俺は家族への幻想あるから」

 

『普通の家庭』を知ってる分、そういうのを期待しちまうんだよな。もう自分の人生で失敗してんのに。

『前の世界』にも破綻した家庭はあった…だろうが、当事者ではなかったし。

 

「…ボスにお礼を言いたい。ありがとう、楽しかった、と」

「わかった。もしあんたが真っ白になったら伝えよう。

 まぁ、俺が会えるかもわからんし、自分で言える事を祈るが。

 じゃあ、おやすみ」

 

顔の前に一本指を出し、回転させる。トンボを取るように。ギャスパーに教えてもらったこの世界での吸血鬼式の催眠術みたいなもんだ。

ギャスパーがやるとほんとにトンボ取ろうとしてるみたいに見えて可愛らしいんだが…俺だとな…

 

さて。

最初は殺すしかないと思っていたが、ちょっと頑張るか。

 

上手いこと無抵抗状態から魂を抜き取って…やっぱ神器抜き取るのと同じで衰弱し始めるな…

速攻で、魂複製して…神器抜いて…抜けた所を複製魂で補修して…元の体に戻す!

どうだ?

 

…肉体に異常はなくなったな。脈拍も回復したし。

本気でやるならもっと医療設備の整った所でしたほうが安全か。

ただ、目が覚めて、意識が戻るかは…わからんな。

仮にもし起きれたとしても、英雄派に所属していた時の記憶、だから俺のさっきの発言も全部忘れるだろうが、お礼を言いたい気持ちだけは消えないといいな。

テロリストだし、死んでもいい…と思ってたが、死なないに越したことはないな。こいつもマトモなやつに会えてたら、と思わなくもないし。

 

 

 

「戻りましたー」

「お疲れ様、こっちも終わったところだよ」

 

工場に戻ると、ちょうど魔方陣を作り終えていたところだった。

 

「あれ、一人足りませんね」

「実は――」

 

テロリストを冥界に転送してるさなかに、説明係と化した木場先輩から話を聞く。

倒したと思った影使いが復活した、と思ったら見たこともない転移魔方陣が現れて回収か。

 

「しっかし、物を出来るだけ壊さずに戦闘するってのは、超攻撃型の俺たちのチームには酷だな」

「仕方ないよ。僕たちはただでさえ、強力な能力を持ってるんだから。

 威力を抑えて戦わないとこの町が壊れてしまう」

 

兵藤先輩のぼやきに答える木場先輩。

攻撃型ってのは手当たり次第破壊するのとは違うと思うけどな。

そもそも兵藤先輩みたいに背中から火を吹いて、殴る時は大ぶりにして怪物数体巻き込むような、周囲を破壊するほど勢いよく動く必要もないし。

人間殺すのにコンクリート破壊する力は必要ない。

 

「これもレーティングゲームのルールのうちと思えば良い経験になるわ。

 一度手痛い結果を見てるんだから」

 

…うーん、グレモリー先輩って領主になるんだよな?

領民の所で敵が現れたら、とか考えないのか?

むしろあのルールはそれを学習させるつもりだった、とかじゃないの?駒王町で実務経験あるはずなのにまだ理解してないから、とかさ。

 

「でも、厄介ですね。

 刺客の神器所有者に、特殊な、悪魔で言う所のサポート、テクニックに属する者が現れて…最初はパワーやウィザードばかりだったのに…

 こちらの行動パターンを掌握しつつあるのか?」

「だから、さっきみたいに特異な能力で赤龍帝や聖魔剣の力を飲み込んだ。

 直接防御出来ないなら、違う形でいなせばいいと気づいたんでしょうね」

 

木場先輩もグレモリー先輩も自意識過剰だなぁ。

 

「あ、あの、疑問に思ったんだけど…意見いいかしら?」

 

そんな空気の中、肩身の狭い紫藤さんが、恐る恐るといった感じで手を上げる。

 

「えぇ、お願い」

「私たちを研究してるとか攻略しにきたってわりに、英雄派の行動って変だと思うのよ」

「変?」

 

不服そうにゼノヴィアさんが返す。

 

「だって、私たちを本気で研究して攻略するなら、2.3回ぐらいの戦いで戦術家はプランを組み立ててくると思うの。それで4度目あたりで決戦をしかけてくるでしょう?

 でも、4度目、5度目とそれは変わらなかった。注意深いのかと思ったけど、もしも彼らのボスが実験をしてるんじゃ、って考えたらすっと納得できて…」

「実験?私たちの?」

 

姫島先輩もか…女王なのに。

 

「どちらかと言うと、彼ら神器所有者の実験をしてるような気がするの。

 私の勘だから、はっきりとは言えないけど…この町以外にも他の勢力のところへ神器所有者を送り込んでるらしいし、強力な能力を持つ者が多い所にわざと仕掛けてるんじゃないかしら」

「で、さっきの影使いみたいに、それが成功したら回収…ですかね」

 

紫藤さんへの援護射撃。

 

「ま、まさか…英雄派はあいつらを俺たちにぶつけて禁手に至らせるつもりだって事か?」

「でもイッセーくん、あの影使いが転移魔方陣の向こうへ消え去る前の反応…

 あれは禁手に至ったものとは思えないかい?」

「…でもよ、タンニーンのおっさんならともかく、俺たちにぶつけただけで禁手に至れるのか?」

 

乳触って禁手に至った人が言ったところでなぁ。

 

「赤龍帝、雷光、聖魔剣、聖剣デュランダルにアスカロン、停止世界の邪眼、仙術使いの猫ショウに九尾、更に優秀な回復要員まで…

 イッセー、相手からしてみれば、私たちの力はイレギュラーで強力に感じると思うの。

 勝つ勝たない以前に、私たちと戦う事は人間からしてみたら、尋常じゃない戦闘体験なのよ」

 

能力が優れてても結局は本人の実力だけどね。

俺らはテロリストの尖兵あてがわれる程度でしかないってこった。

…俺も含めて。

 

「やり方としては強引で、雑とも言えますね」

 

聖剣使えるアイテムの素材にされかけた木場先輩がぼやく。

 

「何十人、何百人が死んでも、一人が禁手に至ればいい、って感じよね…

 いえ、もしかしたら戦場で仲間がやられてるのすら禁手に至る要因と考えてるのかも…

 何にせよ最低な発想だけど」

「わからない事だらけね。明日、アザゼルにも話してみましょう。私たちだけでもこれだけ意見が出たんですもの。

 向こうでも何か調べてるかも知れないし」

 

確かにうだうだ言ってても進展しないしな。

その日は解散となった。




>子供人気がなかった
のに「子供からおっぱいドラゴンが人気」っておかしくない?
しかもシトリー戦のゲームからディオドラ戦開始までの間って一月もない設定だし

>悪魔と敵対してる邪悪な組織
この『悪魔は正義』主張がきつい
それも作中人物がプロパガンダでやってるんじゃなくて、作品からの主張を感じると言うか…
『堕ちろ天使』『消えろ堕天使』にはツッコミ入れてるから余計に

>顔をCGで貼り付けた
悪魔の姿かたちは魔力でどうにかなると思ってたんですが、年齢操作だけっぽいですね
じゃないとCG必要ないし

しかし、俳優の大事な広告である顔を売れない、ってのはどうなんだろう?
声は、一誠がスイッチ姫に驚いてるシーンがあるから本人吹き替えじゃないっぽいですが…
でもそれはそれで、番組と声が違う!にならない?
CVが梶氏や日笠氏の悪魔が他に居る感じなんですかね?

>リアス、落ち目女優扱い説
胸触られてるシーンが出回るわけだし…
中身の女優さん本人も実際に触られてんのかな?どっちにしてもあんまりよろしい役とは思えないけど

>イッセーくんって小さな頃、特撮ヒーロー大好き
それでこれ?
なんか嫌

>嬉しそうじゃない
デート周りの話の時にあっさりしてんな…って思ったので
「そういえばそんな事もありました」とか、ノーカンだと思ってたのはどうなんでしょ
一誠は自己評価低いアピールなんでしょうか?
他女性陣からの事を恐れて…って感じでもないですし

>そのまま治療
HSDD定番のデメリットご褒美化だよ!良かったね!

>ドラコ・インプレカティオ
グリフらしく「竜の呪い」のラテン語読み+語感

>寿命の回復にはならない
原作で消耗したから補充、ってしてるけど
そもそも寿命の99パーを消耗してるのに、日常生活に支障をきたす事なく平然と生活できてるし戦闘も余裕なのっておかしくない?
と思ったんで独自解釈

わかりにくいかもだけど水に例えると
一誠っていうちっちゃい湧く泉があって、そこの水を田んぼとか農業に使ってた
でも水量が足りないから汚水やら生活排水やらゴミやらを入れたり、底をほったりして無理やり増水した=覇龍
確かに増水できて田んぼに行き渡る水量は増えた=一誠が日常生活出来る+禁手強化
けど、水が汚いから田んぼも農作物も悪化していって将来的には農業自体できなくなりそう=一誠の寿命が短くなった
汚れた泉を汲んで濾過して泉をきれいにしてる業者がオリ主
濾過はするけど、汚れを生み続けるゴミや汚水を捨てに来るヤツを排除しないと問題は解決しないよ、みたいな話

原作はどういう考え方なんでしょうね
「寿命」の扱いが軽いくらいしか…

>いや、終わったから解除してるだけか
一度こいつらダメだ、と思ったら何でもかんでもそう見えてくる状態

>魔力ってイメージで~
そういう設定でしたよね?なんで出来ないの?
一誠だから、としても爆発聖魔剣作ればいいし

>戦闘に負けずに~
戦闘後に消えるなら戦闘中に情報抜き出そうとはしないのかな

>不殺神器抜き取り
魂に干渉できて、抜き取った神器の不足分を補う事が出来れば可能、というオリジナル設定
当然相手が同意してたり意識不明とかで無抵抗状態に近くないと無理です

もちろん長時間魂抜き取ってるとアーシアの時みたく死にます
一応衰弱としたけど原作のアーシアの死因って何になるんだろう?

>自意識過剰
相手は俺たちを倒そうとしてる!みたいなのを強く感じた
アザゼルやサーゼクスみたいにポストにもついてないのに

>イリナ
こんなキャラだっけ?

>猫ショウ
ここの原作では猫又扱い
黒歌も

>何にせよ最低な発想
後々善玉扱いするんですけどね

元ネタ
>呪いとか効かない
月下の夜想曲の魔導器、ドラキュラの心臓が呪いダメージ無効
白夜の協奏曲の魔導器、ドラキュラの目が呪い無効
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