ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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今回の内容は2巻中盤

追記
誤字報告いただきましたが、原作で魔方陣表記だったのでそっちにしています
自分も魔法が悪魔由来のモノであるので魔法陣の方があってると思うんですが…


3話 2巻の特訓~特訓終わり

朝イチでメールが来た。

『宿泊できる準備して兵藤先輩の家に集合』だと。

んで着いたら着いたで兵藤先輩の準備待ちしてから、修行するわよ!と魔法陣で山のふもとへ。

そんな事いきなり言われても困る…本当は困らないけど、悪魔の修行に興味はあるけど、でもやっぱ事前に言え。

 

着いたら早速、大荷物持って山を上がるんだとか。

古い修行だなぁ…

と言うか荷物持つだけとか自力がなさすぎる兵藤先輩専用の修行じゃね?他の人はさっさと目的地で他のもっと効率いいトレーニング方法でいいんじゃね?

実際木場先輩や塔城さんはあっさり登ってるわけだしさ。

っていうかグレモリー先輩らは荷物持ってないけど、後衛組だからって自分らは修行しないつもり?

後衛も体力は居ると思うが…これでレーティングゲームで体力なくて落ちたりしたら笑える。

兵藤先輩以外の前衛組はあっさりクリアできて、後衛組は修行しないとかマジで兵藤先輩の為の修行じゃん。

…あと登山者がヤッホーとか言ってる声が聞こえるが、そんなところで制服の高校生が山登ってるの見られたらやばくね?

魔力パワーでどうにかするんですかね。

 

山を登って別荘とやらに着いた。

「普段は魔力で風景に隠れて人前に現れない」らしいが、その魔力ってどこから来てるの?この世界で魔力ってマジックパワー的なものじゃなくて悪魔のエネルギーみたいなものらしいのに…

俺みたいに触媒でも置いてるのかな?

山の管理とかもどうなってんのかな…管轄外だから詳しくないが。

 

んで次の修行の為に動きやすい服に着替えるから一時解散、なんだが…最初に学園行くわけでもないんだから制服じゃなくて動きやすい服着てから始めればよくない?

俺は最初から動きやすい服に着替えてきたし。

木場先輩が兵藤先輩に覗かないでね、とか言ってからかってるのを見ながらそんな事を思う。

そう言えばあの二人の掛け算が流行ってるらしい。美男子と野獣、とかなんとか。ナマモノはやめろって言ってんのに…

しかしBL…野獣…まぁ人間の屑的な扱い受けてる点では同じか。しかもこっちのは自業自得だし。

 

「…お前は疲れてねぇの?」

 

木場先輩に怒鳴ってた兵藤先輩がこっちに声をかける。

まだ体力が戻っていないのだろう、椅子から立ち上がっていないでいる。

 

「全然余裕ですよ」

「山を逆立ちで登ってそれかよ…」

 

鍛えてますんで、と返すが反応がなく、どうも俺の声が聞こえないくらい考え込んでいた。

そのまま体力が戻ったら着替えに行ってしまった。

俺も服に仕込んだ重りを外して待ってると木場先輩が戻ってきた。

 

「そう言えば、ショージくんって剣の心得はあるのかい?」

「うーん、なくはないって程度のレベルですかね。身体能力は自身ありますけど」

「じゃあ僕は頼まれてたイッセーくんの相手が先かな」

 

雑談してたら女性陣が戻り、最後に兵藤先輩が戻ったところで――

 

「さあ、さっそく修行開始よ!」

 

 

 

木場先輩と兵藤先輩が剣の練習をするらしく、俺は塔城さんと組み手とのこと。

 

「…手持ち無沙汰にならなくて済みました。そうまさんは格闘技の経験は?」

「無いね。一方的に殴る経験だけ」

「…なるほど。とりあえずやってみましょうか」

 

そう言うとまっすぐ突き進んでストレートを放つ。

抑えめで、こっちの実力を計る程度。こちらも掌で受け止める。パァンとぶつかる小気味よい音。

あっさり止められたのが予想外だったのか、塔城さんの普段の興味なさげな目が少し変わった。

 

「んー、もっと強くても大丈夫そうかな?」

「……わかりました」

 

いつもの気だるげな声じゃなく、熱を感じる。やる気に火を点けられたようだ。

 

「シッ!」

 

先程よりも速い突き。威力も先程より断然上だ。腕ごと横に弾いて逸らす。

こちらも掌打を、と思ったが既に放たれていた次の蹴りを防ぐ。

…身長差のせいでミドルキックがローに感じる。

こちらの方がリーチは長いが向こうもそれはわかっているようで、距離をなかなか離してくれない。

戦車の特性の力は腕力だけじゃなく脚力にも多少はあるようで、体重軽そうな塔城さんは速度強化はされてないらしいが割と速い。

そういえばチェスのルークの駒も飛車のようにどこまでもまっすぐに動けるんだっけか。悪魔の駒ってチェスが元ネタっぽいのにそれっぽい感じがしなかったから忘れてた。

 

それからしばらく塔城さんの猛攻を防いだり躱したが、やはり力が強化されてるだけあって防いでもなかなか痛い。

防御力も高いから、こちらの攻撃もクリーンヒットしないとダメージすら与えられないだろう。

 

お互い決め手に欠ける状況で、膠着状態を破るためか塔城さんが今までしなかったハイキックを放つ。

顎先狙ってるが、当たったら脳が揺れるとか格闘マンガで見たけどほんとかね?

…しかし今ジャージなんだよなぁ、これこそ制服でして欲しかった。

まぁそれはともかく、腕で防ぐ。

すると、そのまま蹴った足を腕にひっかけ飛び、回転し、後ろ回し蹴りを放つ。確かにこの高さなら後頭部当てて一発KOも狙えるだろう。

だが、その前に俺の掌打が当たる。

 

「――っ!」

 

後ろ回し蹴りの為に向いてた背中に衝撃を受け、空中で踏ん張りも効かずウェイトの差もありそのまま吹っ飛んでいく。

1秒も経たない間に空中で体勢を立て直し、猫を思わせる動きで着地する。

 

「――ふー。大丈夫だった?」

「えぇ。あの瞬間を狙われたのには驚きましたがダメージ自体は」

「おいちょっと待てそうま!

 お前ちっちゃい小猫ちゃんふっとばして大丈夫はねぇだろ!」

 

は?まためんどくせぇのが…

ってか気づかなかったけどみんなこっち見てるのか。

自分の特訓しろよ…

 

「念の為治癒術かけますねー」

 

塔城さんに『ヒール』を使う。

 

「無視してんじゃねぇ!

 アーシア、小猫ちゃん治してやってくれ!」

「あ、は、はい!」

 

アルジェントさんが来て塔城さんに神器を使う。

 

「…アーシア先輩、大丈夫ですよ。痛くないので」

 

「てめーデカいんだから手加減しろよ!」

「いや兵藤先輩、戦車って魔力強化なしでもすげー硬いんですよ。弱いわけでもないのに手加減なんかしたら組み手になりませんって。

 武器も魔力も使ってないのが手加減でもいいくらいですよ。」

 

めんどくせぇから手短に説明する。

見た目と能力が一致しないのなんかこの世の常だろうに…

それでもまだ納得出来ないのか睨んでくる。

 

「はいはい、イッセーくんとアーシアちゃんは次は私と魔力の訓練ですわよ」

 

兵藤先輩はまだ文句の言いたそうな感じだったが、姫島先輩が連れて行ってくれた。

 

 

 

「じゃあショージくんの次は僕とだね」

「剣は素人なんでよろしくお願いします」

 

自分で言ってて思うが今まで剣ってちゃんと習ったりとかしてないな。ゲームの動きをリアルに持ってきても有効打にならない時もあるし。

木刀を渡されたのでとりあえず構えっぽいのをとってみる。

 

「準備はいい?じゃあ――

 いくよ」

 

言うが速いか早速斬り込んでくる。

防ぐ。こっちも返そうと木刀を振るおうとすると、もう範囲外に逃げられていた。

 

「ショージくんの膂力を考えると、僕じゃ正面から打ち合って勝てないからね」

 

そう言ってまた打ち込んでくる。

おそらく先程の攻撃は様子見だったんだろう。段々早くなってくる。

流石騎士、魔力強化なしなのに速いな…

こんな感じで相手が速いヒットアンドアウェイ戦法の場合、よくあるのはカウンター狙いだが向こうもそれは想定するだろうし、掌の上かも知れない。

そもそもそういうのうまくないし、向こうの方が剣には一日の長があるだろう。

だからあえて、こちらから木場先輩のところまで走り、木刀を振るう。

もちろんその際向こうからの反撃にも気をつけるが。こっちだって別に遅いわけじゃない。近づいて殴る。

木場先輩も最初は苦し紛れか考えなしと思ったのか苦笑してたが、俺が休みなく追い立て続けると段々顔に余裕がなくなっていった。

攻撃自体も避けられたり反撃されたりが続いていたが、少しずつ防御に回る事が多くなった。

そのままジワジワと体力を削っていく。

あからさまに疲労を顔に出し、防戦一方になっていく木場先輩。そしてスキができた。

 

「もらった!」

 

その俺の言葉と動きに反応し、起死回生の一撃とばかりに木刀を振るう木場先輩。だが…

俺は反撃を誘う大振りの木場先輩を直接狙う動きから一転し、木場先輩の振り切った木刀に攻撃して叩き折る。

 

「まいった。

 …はぁ、いけるかと思ったんだけどね…」

「疲れた顔が露骨過ぎますよ。あの程度で疲れる程とも思えませんでしたし」

「ショージくんの攻撃力を危険視してたからプレッシャーからの消耗も確かにあったんだけどね。木刀に当たったのに手がまだ痺れてるし。

 息つく暇ももらえないし持久力もすごいじゃないか…

 ってイッセーくんがどうかしたのかい?」

 

俺が兵藤先輩の方向に目を向けてると木場先輩から聞かれる。

振り返りながら木場先輩に治癒術をかける。

 

「いや、今度もまた何か言われるのかな、と…

 何も言われないどころか見てすらないのは男女差なんですかね」

「あ、あはは…

 しかし回復の術も使えるとか多彩だねぇ」

 

否定しきれないのか話を変えられた。

しかし野菜の皮むきは魔力トレーニングなんだろうか?

 

 

 

「ショージくんは魔力を知って長いのかしら?」

「まぁ長い…方ですかね。使い始めてからのほうが長いですし」

「あらあら。じゃあ魔力の源流がイメージなのはご存知?」

「イメージ、ですか。そういうのは知りませんでしたね。

 自分が色々使えるのはなんとなくわかってたんですが、何故使えるか、とかは考えもしませんでしたね。

 家の事を知ってからは混血だからそういう能力のモノと血を繋いできたからだと思って、イメージでできる、とは全く。

 あとは単に魔力自体を攻撃的なものとして使ったりだとか、残留思念から引き出す時に使ってたりだとか、ですかね」

「頭に思い浮かべたものの具現化、という点では最初から出来てたのね。」

 

炎を出したり氷を出したり電撃を出したりしながら会話する。

 

「そう言えば野菜の皮むきは何のイメージなんです?」

「うふふ。まだ秘密ですわ」

 

秘密にするような事なのか?

まぁゲームに出るつもりないし秘密でも何でも不利益ではないわな。

つーかイメージを持って似たような事で練習すれば、何でもできるようになるのか?

 

「しかしイメージですか。際限はないんですかね…」

「確かに物事の大きさにもよりますけど、それでも大抵の事ならできるようになりますわ」

 

こんな何でもあり種族を何故誰も滅ぼそうとしないかったんだろうか…

「何でもできる」とは言っているが、実際は大したことないのか?

塔城さんに何度目かのふっ飛ばされていく兵藤先輩をチラ見しながら考える。

 

 

 

それと、各自単独でのトレーニングもする。兵藤先輩はグレモリー先輩に連れられて行ったが。グレモリー先輩って自分のトレーニングしてんのかな?

まぁどうでもいいか。

しかし、周りに迷惑がかからないから山にしたんだとは思うが、単に山に行ったところで効果のあるトレーニングができるとは思えないんだよな…

トレーニング用の器具があるでもないし、俺みたいに自然の気を取り込んでるわけでもないし、岩括り付けられても俺には今更効果ないわけで…

そもそも戦闘の為だから筋トレだけしてればいいってわけでもないだろうに。

まぁ俺はいつもどおり魔力で体に負荷かけながら戦闘訓練かな。周りの土を魔力でいじって戦闘相手作ればいいし。

…マジで山に来た意味ないな俺。

まぁ久しぶりに他の人と組み手したのはいい刺激になっただろうし、全く無意味ではない、と思おう。

 

 

 

トレーニングも一段落つき夕食にすることに。

米炊いてたけど足りそうにないんで、自分で持ってきた分も炊いた。

んで食卓に上がったのが山菜、イノシシ、川魚…現地調達?

ってか兵藤先輩が玉ねぎ・人参・じゃがいもの皮むいてたから、てっきり定番のカレーと思ったのにオニオンスープだけなの?人参とじゃがいもはどこ行ったんだ?

…斬新かも知れない。

あとは兵藤先輩が割烹着着てる姫島先輩に嫁に欲しい!とか言ってアルジェントさん焚き付けてアピールされて、「え?なんて言った?」とかやってた。

リアルで初めて見たわ…見た感想としては、どうでもいい人のどうでもいい恋愛模様とか全然気にならないんだな、って。

フィクションでも主人公かヒロインが気になるから、恋愛も気になってやきもきしたりできるんだろうなぁ。

 

まぁそんなコントはおかずにならないから持ってきた缶詰を開ける。

現地調達程度を等分にわけられた分だけじゃ足りないんだよな…エネルギー消費激しい燃費の悪い体だから困る。それに見合うようなスペックに上げてるつもりだけど。

物欲しそうにしてる塔城さんにいくつか渡しながら飯再開。

グレモリー先輩が兵藤先輩と話してる。なんか自分が弱いって事でへこんでる?今更だろうに…というか今日一日の感想がそれか。

で、グレモリー先輩が風呂の話題をふると…

 

「…………露天風呂と言えば覗きだ!覗きが王道!男子に生まれたなら覗かないでどうする!」

 

心の声みたいなの漏れてる。…へこんでた割には風呂、温泉の話ですぐ復活できる程度なのね。

 

「僕は覗かないよ」

「男子全員がそんなみたいな言い方はやめてくださいねー」

 

何度か言い訳してるのを聞いた事があるが、「男子ならやって当然!」みたいな言い方なのが…

実際真に受けたのか男子全員が汚物、のような感じで見ている女子も少し居るらしいしなぁ…

 

「一緒に入る?私は構わないわ」

 

おー入れ入れ。夜這いするくらい仲いいんだから普段から惹き付けといてくれよ。

そう言えばグレモリー先輩は自分の部活に覗きの常習犯を引き入れたのに野放しにしてるから、学園の女子人気下がったのにそこらへん気にならないのかな?価値観の違いとか?

その後何故か姫島先輩もOKを出し、アルジェントさんも当然OKしていく。

 

「最後に小猫はどう?」

「…いやなので私が別の時間に入ります。」

「うえっ!?あ、いや、部長たちとは一緒に入れるのか!!!うおぉぉ!!!!!!」

 

うるせぇ。普段からうるさいけど、普段よりめっちゃハイテンションになってて余計にうるさい。

 

「塔城さん、手間だろうに良かったの?」

「…餌を与えておけば覗きしようと思わないでしょうし。」

「なるほど」

 

「ショージくん、残念ながらイッセーくんは居ないから、僕と裸の付き合いをしよう。背中、流すよ」

「…そっすね」

 

こちらも妙にテンションが高いな…うるさくはないけど、なんか、その…怪しい。

 

 

 

「と言うか、悪魔のみなさんは夜も練習するのに風呂入るんですか?汗ベタベタで寝るとか?」

 

飯も食い終わり、女性陣+兵藤先輩、塔城さん、と風呂に入り、俺らの番になって脱衣所に入った時に気になった事を聞く。寝にくそう。

 

「いや、夜の練習が終わったら浴室でシャワーを浴びるよ。

 温泉には入りたいけど、深夜に温泉は使いにくいから分けてるんだ。疲れてるから温泉で寝ちゃっても困るしね」

「まぁ確かに分けてでも温泉あるなら入りたい気持ちはわかりますね。」

 

「うーん、あの力がどこから生み出されるのかと思う程細腕だね。

 僕は筋肉がつきにくい方だけど、僕よりも細いんじゃないかい?」

 

脱いだら何故かこっちをジロジロ見てる木場先輩がそう言った。

…そもそも兵藤先輩と一緒に部室に来るの見られるだけで、普通は掛け算されないと思うんだよ。

つまり木場先輩には元々そういう下地があったのでは?とか思ってしまう。

 

「どうなんでしょうね。昔から腕が太くなったり筋肉ついた感じはないですけど、筋力はちゃんと上がってますよ。

 理由はわからないけどまぁ強くなれてるからいいか、と思って。」

 

体重も3桁あるしな。血統でそういう能力でも継承し続けてるのかな?

肉体操作で太い筋肉質な腕を作れないこともないけど、作るコストに見合った分強くなれないしなぁ。

 

「さて、それじゃ背中を」

 

風呂場に入ると早速声をかけられる。

 

「いや、俺の方が後輩なんで先に俺がしますよ」

「そういうものかい?それじゃお願いしようかな」

 

つーわけで背中を洗う。前はセルフだ。なんで前を洗う必要なんかあるんですか。

 

「なんか良いよね…こういうの」

「そうです?まぁ良いと思ってもらえるなら良いんですけど」

 

向こうは同じ部活の仲間、くらいには思ってるからそう感じられるのかも知れないけど、こっちとしては今敵対してないとしても潜在的な敵だからなぁ…

んで終わって俺も背中流してもらったわけだけど、危険視していたような要素や下心的な事は感じられなかった。

やっぱ周りが異性ばっかだったから、同性への対応が少し変なだけなんだろうか…変なこと考えて申し訳ない。

 

風呂上がったら軽くストレッチをしてから寝る。

夜型である悪魔のみんなと入れ替わるような時間帯でトレーニングを取る予定にしている。

 

 

 

深夜、帰ってきてこれから寝る面々と入れ替わるように出る。

兵藤先輩なんかは恨めしそうな顔をしながら「一人きりだからってサボるなよ?」なんて言ってきたが、そもそもトレーニングはサボるサボらないじゃないだろうに。言われたからトレーニングしてる人の考えなんだろうな。

木場先輩からは「まだかなり暗いから」と心配して懐中電灯を渡されたが、夜目が利くから、と断った。

あと2階に居る女性陣たちの笑い声が聞こえたが…余裕残したトレーニングだったのか?とか目前のレーティングゲームの事どう考えてるんだ?とか色々頭によぎった。心配をする相手でもないのにな。

 

充分離れてから防音と、見られないように結界を張る。

寝てるとは思うが見られては困るし。

今回トレーニングに使う『ドッペルゲンガー』のソウルを利用…悪用になるだろうが、『分身』とか悪魔に知られたら殺して自分の眷属にしようと思うのも出るだろうし。

まぁ襲いかかってくるやつぶっ殺して逃亡生活とか余裕だけど、なんでこっちがそんな生活を強いられないといけないんだって。

 

気を取り直して分身を出し、お互い真剣を取り出す。

別に怪我させない組み手全部を批判したいわけじゃない…と言うかそもそもそういったトレーニング方法云々より内容がヌルいだけだとは思う。

即効性のある治療方法持ってるのに、利用しないのとかはもったいない。

俺は特にデメリットを無視して命のやり取りをしてるが、そっちの方がレベルアップできそうな気もする。

単純な作ったゴーレム程度じゃ、どんだけ自分を縛っても格下倒すだけでしかないし、その点でも分身は便利だと思う。

それに――

 

 

 

「しゃあ!」

 

俺の攻撃が『俺』をたたっ斬る。

俺の勝ち。これは俺を出す前に『俺』は色々考えこんでたパターンかな?分身作る側はどうしても多少前のことに影響される。体の筋力とか自体は直前のトレーニングでもアップデートされてるからお互い変わりないし。

もちろん戦場の状況とかもあるし、何から何までお互い全く同じ条件にはならないが、基本的に同じスペックの2人だから戦うと時間がかかるんだよな。その千日手を打破するような進化を求めてるがなかなかうまくはいかない。

…っと、長時間の戦闘だったからもうそろそろ向こうも起きてるだろう。

とりあえず俺の傷を治して、遺体を処理して、同じ服に着替えて…戻ってシャワー浴びるか。

 

 

 

2日目の午前は勉強会。

悪魔社会関係ない俺に必要か?と思ったが、こっちの持ってる情報と食い違いがないか確認できるし、まぁいいか。

ちょくちょく前世?での神話とかと違う事があったりするしなぁ。

でも天使の名前とか魔王の名前とか堕天使の名前より、先に兵藤先輩に教えたほうが良いことはいっぱいあると思う。

 

あ、神器所有者が「神の子」って言い回しされたのは初めて聞いたな。

普通神の子ってキリストだろうし。

堕天使の話で出たから堕天使特有の呼び方なんだろうか?

あとアルジェントさんがエクソシストについて話ししてた。

グレモリー先輩が補足で常人離れした身体能力を駆使って言ってるが、それって堕天使パワーで強くなってる?それともナチュラル?ブリッジで蜘蛛歩きしたりする?

少なくともこの間のフリードとかはあんまり強そうではなかったなぁ。

しかし聖書でダメージって聖書の言葉に退魔力がある感じで理解できるけど、祈ったら頭痛ってどういうメカニズムなんだろうか…お祈りするだけで聖なる力でも湧くのか?

今まで神頼みしている人は見たことあるが、その人たちには聖なる力出てた気がしないんだが…たんにキリスト教限定の能力なのか?

 

 

 

「午後はゲームの連携の特訓をするわよ」

 

勉強会が終わって昼食の準備をしつつ、予定を告げるグレモリー先輩。

ちょうどいいな。

 

「あ、じゃあ参加しない俺はどうしましょう?」

 

そう告げるとシーンとなった。皆、え?って感じだ。

 

「いや、契約書に書いてたじゃないですか。相手の殺害目的の戦闘に同行するって。流石に殺害ができるような相手でもないですよね?」

「てめぇ!部長があんなに嫌がってたの見て力になろうと思わないのかよ!」

 

はいはい予想通り。周りも賛同してる感じ。ちゃんとこっちも名目作ってきましたから。

 

「そりゃ俺もグレモリー先輩が嫌いな相手と戦う、ってだけなら別に構いませんよ?戦闘の経験を得る事自体の得もありますし。

 でもこれはお家の問題なわけですよ。そこに俺みたいなグレモリー先輩の眷属でもないのが混じったら問題でしょ?仮に問題じゃなくても相手が問題にするとは思えませんか?

 俺が混じったら勝ってもグレモリー先輩の不利益になる可能性があるわけですよ。

 なので契約書の通り参加しない、という事にしたんです」

 

ぶっちゃけこれグレモリー先輩が「じゃあ相手側に許可取るから参加して」って言えばやらざるを得ない。

でも「貴方の為にやらないことを選んだ」って言われるとその選択を無下には出来ないんじゃない?

ついでに最初に契約の事出して冷血っぽく思わせて、兵藤先輩に反発させてそれを叩き折れば多少おとなしくなるんじゃない?流石にこれで次も即文句言うのは辞めるでしょ。

 

「…でも特訓の手伝いは部活の手伝いの範疇よね?」

「えぇもちろん。それくらいはしますよ」

「じゃあショージには連携での仮想敵をしてもらおうかしら」

 

 

 

とまぁそんな感じで1週間、組み手でボコボコにしたり、連携を崩してボコボコにしたりしてた。

結局、連携の練習相手になってからは、別の時間にトレーニングする必要がないから夜も同じ時間帯に行動するようになった。

その日の深夜もいつもどおりで後は寝るだけだったんだが、急に兵藤先輩がどっか行った。

それくらいならどうでもいいんだが、ちょうどグレモリー先輩と鉢合わせになったみたいなのでこっそり話を聞くことにした。

今回は後からどういう会話があったか見ないでも直接聞ける機会なわけだし。

 

「考え事をしているときにメガネをかけていると頭が回るの。人間界の暮らしが長い証拠ね」

 

???

なんで?メガネは視力だろ?わけがわからん…テレビゲームで知力が上がるものはあるけどさ。

人間界の暮らしが長い証拠になるのもわからんって。

 

「身内同士のゲームになってもフェニックスが相手なら、勝てるはずがないと踏んでいたんだわ。チェスで言うところのハメ手。スウィンドルね」

 

スウィンドル?えーっと「チェス スウィンドル」…っと「正攻法で勝てない時に罠を仕掛けたりミスを誘う奇策を使う事」か。ちょっと違うような気もするが…

しかし婚約者がすごい能力を持った勝てない相手なのは、最初からレーティングゲームで負けさせて結婚させるため!って被害妄想強くね?

単純に優秀な血統を取り入れようってだけだろ。親は娘の旦那が優秀なのが嬉しいのは悪魔でも同じだと思う。

勝てない相手にするだけならいくらでも候補は居るだろうに…

あ、メガネかけてるって話は色眼鏡で見るとかそういう話とかかってるのか?

 

「部長、どうしてライザーのことを嫌ってる…っていうか今回の縁談を拒否してるんですか?」

 

自分で勝手に女たらしだからってケチつけてた人の言うことには思えないな。違ってたらどうすんだろ。

んでグレモリー先輩の返答は要約すれば「グレモリーのリアスとして見られるのが嫌」と。違ってたね。

うーん、本人も言ってるように矛盾してるな。家が嫌なら家捨て去ればいいのに「ホコリに感じてる」からそれは嫌、と。

「ホコリに感じてる」けど縁談拒否しまくって名前に泥を塗るような行為してもOK、と。めんどくさい。

グレモリー次期当主と結婚するのにグレモリーとか気にしない人、じゃないと結婚したくないのか。これも充分ハメ手って感じだけどなぁ。

「結婚したくない」が先に来ててこれは後付の理由にも思えてしまう。

そもそもそれを親に言ってるのかも気になるな。言えばそういうの見繕ってくれたんじゃねぇの?ライザーさんに言えばそういうふうに見るように努力してくれたんじゃねぇの?とかね

 

「俺は部長のこと、部長として好きですよ」

 

…「家とか関係なしに恋愛関係になった人と結婚したい」って言われて「家とか知らないです好きです」ってプロポーズみたいなもんだけど、即言われたら結婚詐欺師にしか思えんな。

 

「部長?俺なんか変なこと言いました?」

「な、なんでもないわ!」

 

え?これで落ちるの?

言って欲しい言葉を教えてそれを言われてコレとかチョロいなぁ。

兵藤先輩の「家知らない」はただの無知なだけだろうに…「家は知ってるけど関係ない」とは全然違うだろ。

箱入りのお嬢様だからかな?

 

「私の才能はグレモリー家が代々…」

 

いや、常用してる滅びの魔力とやらはバアル家のじゃなかったっけ。グレモリー家の特性って何よ?

その後も聞いてたけど、さっきのがインパクト強すぎてあんまパッとしないなぁ。

後はなんか裏に入って2月もない兵藤先輩が素人のくせにいっちょ前に才能がない…とか言い出して泣いたぐらいか。

なんかグレモリー先輩には立ち直らせる自自信があるみたいだけどどうすんだろ?言ってることは正しくて、兵藤先輩がクソザコナメクジなのには変わりないのに。

 

 

 

そして翌日のトレーニングで…

 

「ブーステッド・ギアを使いなさい、イッセー」

 

お、昨日の件かな?どうするんだろ?

そのまま2分神器使わせ、力の増大を十二回させてから木場先輩と模擬戦をするみたいだ。

2^12だから…4096倍か。

…攻撃は当たらないし目で追えてもない、力が増えても反射神経とか動体視力的なのは上がらないのね。

グレモリー先輩の指示で魔力の弾を放つと、元の米粒サイズの魔力が大きくなって(米粒約4096粒じゃなくて目算だと米粒が4096倍の方が近そう)、そのでかい魔力が山の一角を吹き飛ばした。あの山の持ち主は誰なんだろうな…

それで?

結局そのまま終わって感想を聞き始めた。

なるほど、打ち込んだ木刀が折れた、と。力の増大は肉体の硬度も上げられるのね。で、それで?

 

「ブーステッド・ギアを発動していないあなたは弱いわ。けれど、籠手の力を使うあなたは次元が変わる」

 

…昨日の話は神器持ってても宝の持ち腐れで自信がない、とかそんなじゃありませんでしたっけ?

あ、豚に真珠か。

あの一撃が上級悪魔クラスったって兵藤先輩は2分かけて強化して、それから自分の魔力全部出してあれだけなんですが?上級悪魔ってそんなもんなの?

で、そもそも2分で上級悪魔なみの攻撃が一発こっきりできたところでどうなるの?

テレビゲームだって一度同じダメージ与えられるだけでユニット価値が同じにはならないでしょうに。瞬発火力だけで考えずに持続火力なり消耗なりも考慮するのが普通じゃないの?

つーかライザーさんに喧嘩売ったときの事を考えると、神器のちゃんとした使い方が今やっとわかったみたいな感じもあるな。

それでちゃんと神器を使えばあなたは強いのよ、って?

単に兵藤先輩が籠手を理解せず過小評価してたってだけの落ちじゃん。結局「神器が強いだけ」のクソザコナメクジなのは変わってないしさ…

別にクソザコのままでも自信が持てたらOKなのか?

言ってる言葉を文字通りに受け取った俺が悪いのか?

 

残りの特訓の時間、ずっと俺はもやもやし続けていた。

まぁ、参加しない俺のやる気とかどうでもいいんだが。




>米粒が4096倍
原作で巨岩、とあるのでこっちのほうが近いのだろう、と
米粒が縦5横3ミリとかなので4096倍で縦20横12メートル程ならそれっぽい
米粒4096粒だとご飯茶碗2杯ないくらいだそうですし、巨岩にはならないかな

>ヒール
ギャラリーオブラビリンスに出てくる魔法です
元ネタの方では自分にしかかけられませんが、多分原作でも出来たけどしなかっただけ
と、拙作では他人にもかけられるように

「主と眷属は同じ魔力だから致命傷からも回復できる」から治癒術自体はそこまで大したものではない扱いです
アーシアは「神器」だからあの反応なだけで、あと威力と言うか効能と言うかそういうのも評価が高い原因だろうと
ヒールは回復量大きくないです
ゲームでのダメージとリアルでのダメージがどうか、って考えると難しいですね

>ドッペルゲンガー
蒼月の十字架から(月下の夜想曲にも出てたけど)
元は装備セットABの切り替えだけの能力
拡大解釈・魔改造によりこのソウルを媒体に多重影分身モドキを生成できるように
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