ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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遅くなりました
サボってた時間が長いし、2万文字超えたから後ろ巻ぎみでちょっと変かも


33話 会談終わって~14巻終わり

会談から数日後。

 

「あのさ、ちょっといい?」

「ん?どったの」

「…ここじゃなんだからさ」

 

学校にて、知らない普段絡まないグループの女子から呼び出し。

何されるんだろうな?

 

ついて行って屋上へ。

 

「あんた、塔城と付き合ってんの?」

 

あー、そういう話ね。

塔城さんのファンかな?荒れそうだな…

 

「はい。そうですよ」

「…」

 

黙って睨んでくる。

 

「…この間、あんたに告白した女、居たよな?」

 

そう言って名前を挙げてくる。

良かった、知らない名前じゃない。

 

「えぇ、告白されました。けどちゃんとお断りしましたよ?」

 

一般的に考えれば俺は現状既にハーレム野郎ではあるが、それを誰彼構わず公言するつもりはないから、人の目につくように二股はしてない。

そういうのが一般的に受け入れられるとは思ってないし。

 

「あの子と塔城小猫、どこがどう違うの」

 

…めっちゃ敵意を感じる。どうも俺が振ったのが気に食わないらしいご様子で。

ちょっと考えてみる。

確かに外見的に差はないな。この世界の価値観だとあるのかもしれないが、少なくとも俺には感じられない。

 

「家族周りと自衛能力の差ですね」

「…は?」

「俺、以前から公言してるんですよ。

 親が特殊なところでボディガードやってて、親しい人は狙われる可能性があるから自衛能力が本人やその家族の周りにでもない人とは付き合えないって」

 

「それを知らなかったんでしょうね」とか言いながら思うがコレ、本職の人からすれば何言ってんだ、だろうな。

当時は、っていうか今もだけど、一般向けに上手い言い訳とか思いつかなかったから…

 

「…確かにあんたの条件なんて知らなかったけどさ、あの子はあんたが守ってやればいいんじゃないの?

 あと家族仲は悪いし、条件を満たしてないとは言えないんじゃない?」

「いや、本人は良くても俺が相手の親御さんに迷惑かけたと思うのが嫌なんで」

「あんたの都合かよ」

 

言えねぇけど親がどうこう、ってのは俺が一般人に迷惑かけたと思いたくない、ってのが先だしな。

親も防衛能力あるなら多分普通じゃないだろう、ってだけで。

…駒王学園には裏関係者も多いけど、今までそういうタイプが来なくてよかったよ。

 

それに親子仲が悪いと言っても、

『自分たちの血筋が特殊だからその血を残したい親が勝手に婚約者を決めた!』とか、

『婚約破棄して新しい恋人連れてきたら親が自分たちでくっつけようとしてきてウザい!』とかのケースもあるだろうし。

そういう親と子供を引き裂くのはねぇ…児童虐待相手ならむしろ奪いに行くけどさ。

 

「そういやまだ週末に女子とつるんでるの見たけど、あれはいいの?」

「まぁあれぐらいなら狙われないだろう、と。

 実際に俺の行動が原因で被害が出たら辞めますけど」

 

正直彼女ができたからーって言って全部関係断ってもいいんだが、今現在の木場先輩の周りがアレすぎる前例があるからそこそこ発散させておいた方が良さそうなんだよなぁ…

 

「とまぁ、そういうわけなんで、別に俺も彼女が嫌いとか嫌ではないんですよ。

 何なら都合のいい日でもあったら一緒に遊びに行こうとか言っておいてくれませんか?」

「…はぁ。

 まぁ、言っておくわ」

 

 

 

そんなことがあった日の夜。

グレモリー先輩がヴラディ家に行くとかで兵藤家へ集まる。つまりまぁ俺らはお見送り。

それでもほぼ敵地に行くからなのだろうか、シトリー先輩まで一緒。

そーいや俺も上級悪魔相当で立場的にはシトリー先輩と同格だから今後はお見送りとかが強制ではないよな?と今更ながら考えたり。

 

しかし情報を現地とかギリギリでしか教えてくれなかったりするからなぁ。

今回も、吸血鬼の根城までは特殊な結界があって、ルーマニアまでは魔法陣で行けるが、そこから小型ジェット機を経由して車を使わないと駄目なのだとかなんとか。

 

グレモリー先輩は魔法陣に乗る前にギャスパーを抱きしめる。

 

「あなたのことは私が守ってあげるから、何も心配しなくていいわ。

 ヴラディ家とのことも私がきちんと話をつけてくるから」

「はい、部長…」

 

相変わらずだなぁ。

過保護で腐らせるタイプじゃね?

自分がそうされたからそうすることしかできないんだろうか…

 

というかそもそも解決するために行くって話だったっけ?

ヴラディ家とは連れてく人数を増やす交渉するって話だったよな?

関わらないようにしてきた吸血鬼が身内の問題起こったからギャスパーに近寄ってきたのに、そのギャスパーを派遣しなくても済むようになる?意味がわからんな。

ま、ただ単にギャスパーに甘い言葉吐きたいだけかもしれないが。

 

 

 

見送って数日。

学校の授業中に警戒センサーが反応した。

 

ローブ姿のやつがいくつか。魔法使い…だろうか。

校庭のが校舎の方に向けて魔法陣を広げ始める。

ここまでしてくるなら流石に敵だろう。

 

『ジリリリリリリリ!!』

 

危険人物が近づいてるのを知らせるため、術で遠隔から学校の警報機を鳴らす。

そしてそのまま窓から飛び出し───

 

「しっ!」

 

───校舎に向けて放たれた魔術を切り散らす。

 

「お前らどこのモンだ?」

「おぉー、フェニックス誘拐班より先に当たり引いたぜ」

 

真っ当な返事は帰ってこない。まぁチンピラだしな。

 

「相手が九尾なら不足は──」

 

得意げに喋ってる間に仙術のせて腹パンで意識を奪う。魔術師だろうがソロなら近接技能も鍛えろよな。

簡易的に縛り上げ、教室に戻る。

 

「おかえり、正二」

「ショージくん、いったいどこに?」

「ただいま。学校襲ってきたチンピラ捕まえてきた」

 

教室に戻ると、何が何やらで呆然としてるクラス。

集まってきた裏組織組に一通り説明する。

 

「フェニックスさん、こいつら君目当てらしい。この間のメフィストフェレスさんの話通りなんだろう」

「そんな…」

「そこまでわかっているなら話は早い」

 

転移し現れるさっきのよりも上役っぽい魔法使いたち。魔法陣に女子生徒を捕らえている。

 

「この娘の命が惜しければ全員ついてきてもらおうか」

 

どーする?と目で問う。

うなずくフェニックスさん。どうやら要求を飲むらしい。

はぁー、大変だねぇ、正義の味方のお仲間は。

…ここで俺がガン無視して女子見捨てて魔法使いども殺したらどうなるかなぁ。

ま、それはともかく人質とって要求が自決しろでもなく相手の懐に入れるならそれはそれでアリだ。

 

「んじゃそういうわけだから気が変わらないうちによろしく」

「いや、九尾は連れてくるなとの命令だ。あの魔獣を倒すような化け物とは戦いたいやつが多いんだ」

「は?」

「時間と場所はおって連絡させてもらうよ」

 

そう言って転移していく魔法使いとフェニックスさん、ギャスパー、白音、気絶させたチンピラ。

 

「…はぁ?」

 

 

 

「学園の破損箇所は軽微でした。それもあなたが迅速に守ってくれたからです。ショージくん」

「いえ」

 

夕方、昼間の騒動に一息ついて後始末の報告をしてくれた真羅副会長にお礼を言われる。

今回の襲撃に対して生徒の記憶を改変させて乗り切るようで、その処理が楽になったらしい。

 

この記憶処理・改変の装置ってのもちゃんとできてなくて、完全に消すと記憶に悪影響があるとかなんとか。

堕天使の技術でできててコレが一番性能いいらしいが、それでもヒトの記憶いじるのはだいぶ難しいんだそうな。

まぁこれでも悪魔の技術よりはマシなんだが。

 

「ですが、今回のことでショックを受けた生徒の心は完全には消せません。

 『何か怖いものに遭遇した』という記憶だけは永遠に残り続けると思います。

 それがなんなのか、わからぬままに今後過ごすかと思うと…許せないわ、襲撃してきた者たちが…!」

 

うーん、なんか義憤モードみたいだけど、怖いものが何かわからないのは自分らがそういう設定にした結果じゃねぇか?

トラウマ植え付けたのはあいつらだけど、それが不都合だから隠したのはこっち。

本人に話して記憶の処理を選ばせる、とかもあると思うんだが。

自分らにとって不都合だからこいつの記憶いじるぜ!って言うなら徹底してくれよ。

いや、それら全部を「相手が悪い」で押し通すのが一番自分らにとって都合がいいのか…

俺にしても、被害者が出ようが悪いのは悪魔たちだから、と思えば気が楽だ。

 

「兵藤。この学園が一般人に偽って運営していること自体が…って思ってないか?

 気持ちはわかるが、今はそれよりもさらわれたフェニックスさんたちの方が気がかりだ。そうだろう?」

「あぁ、わかってる」

 

おや?いつもはそういうのが得意そうなのがヘコんでんな。

ま、今悩んでるのだって今だけ悩んでるだけで、今後悩んだりとか別に改善案とか出したりはしねーだろうしどうでもいいが。

というか悪魔の学園がどーのこーの言うの今更だろ。

エクソシストが「この悪魔の学園に通うと悪魔によって汚されてしまう!浄化しなきゃ(使命感)」で生徒を惨殺してくる可能性とか考えてなかったのか?

この間まで冷戦とは言え戦争してたんでしょーよ。

 

「襲撃犯は禍の団と共にフェニックス関係者を狙うはぐれ魔法使いか?」

「でしょうね」

 

ゼノヴィアさんと紫藤さんが話してた。

そこらへんはうちも魔法がらみだしでロスヴァイセさんを呼んで調査してもらった。

…ほんと優秀な人材だ。

 

「そういや、なんか出ました?」

「えぇ、魔法の痕跡などを分析しましたところ──」

 

いいかけたところで、ロスヴァイセさんの携帯が鳴る。

 

「失礼…もしもし?

 あ、お祖母ちゃん!どした?何かあったの?」

 

どうも故郷のお祖母さんからだったようで、そのままかなりきつい方言の会話が始まる。俺は以前も電話してたのを見たことがあるが、周りはぽかんとしている。

しかし俺程度の翻訳魔術じゃ使っても方言だったが、悪魔の方の翻訳能力でも駄目みたいだ。

そういう魔術師の秘匿用の言語なのだろうか…?

 

「…すみません、まさか実家から電話がかかってくるなんて…

 ですが、そのおかげで魔法の使い手だった祖母にも今回の見解を聞けました。

 かなり厳しいものですが、私もその可能性は高いと思います」

「それはなんです?」

「裏切り者です」

 

調査チームで一緒に調べていたシトリー先輩が引き継ぐように言う。

ここから先は自分が言うってことか。

んで当然みんなの視線はそちらに向かう。

…白音いなくてよかったかもしれんな。裏切り者って言って俺見られたらヤバいし。

 

「この地域一帯は三大勢力の同盟関係にあり、私達以外にも数多くのスタッフが在住しています。

 この学園を中心に町全体に強力な結界が張られ、怪しい者が足を踏み入れるとすぐに誰かが察知できるようになっています。

侵入して姿をくらまされると察知しにくい、という点もありますが、それでもここに入るにはいくつかの可能性に絞られるというわけです。

 まずひとつは無理矢理、力技の侵入。

 ですが、これは侵入がすぐに発覚してしまうので今回のケースではないでしょう」

「ちょっと失礼」

 

口を挟む。

周りの感じだと俺が言わないとスルーだろうし。

 

「ここの結界って大丈夫なんですか?

 会長たちやスタッフは知らされてないと思うんですが、以前にもテロリストに侵入されてたんですが…」

 

さっきの雑魚連中には逆立ちしても破れそうにないだろうが、ヴァーリチームにはやべー魔法使いのルフェイが通ってるわけだし、結界にそこまで信頼性はない。

 

「…やはりそうでしたか。

 アザゼル先生が結界にヴァーリチームの面々を登録していた形跡がありました。問題になってないのはそれのせいでしょう」

 

何やってんだあいつ。

 

「ですがヴァーリチームの駒王町内での監視・出入りの記録にもなっていました。

 記録では襲撃の前に既に結界内から去っています。

 中からならともかく、流石に結界外からあの量を一瞬で学園に転移…ということは無理だと思います」

「だから裏切り者、ですか」

「えぇ。

 先程の理由のふたつめに、この町の住人やスタッフの誘拐からの操作も考えられたのですが、調べてもその反応はありませんでしたから」

 

そのあともシトリー先輩は今この場にいるぐらいの中核メンバーであるこの場の面々が裏切り者なら手引できると続ける。

…なんでスタッフには洗脳されてないもとからの裏切り者・スパイがいるとは思わないんだろう?

 

「会長!」

 

そんなことを考えてたらシトリー眷属僧侶の草下先輩が部屋に飛び込んできた。

 

「…オカルト研究部の一年生を連れ去った者から、連絡がありました」

 

 

 

そして深夜、駒王町の冥界への列車があった、あの駅へ。

なんでも

『塔城小猫、ギャスパー・ヴラディ、レイヴェル・フェニックスの三名を返してほしければ、グレモリー眷属、紫藤イリナ、惣間正二、ロスヴァイセ、シトリー眷属のみで地下のホームに来い』

とのこと。

 

地下に降りるエレベーター前で、シトリー先輩がまるで引率のように俺らを見回しながら言う。

 

「この駅周辺を天界・冥界のスタッフが囲んでいます。冥界のグレモリー領にある、列車用の次元の穴も封鎖しました。

 相手は何を考えてるか未だに真意は判明しませんが、あとは指名された私達が直接会いにいくだけです」

 

え、何?フクロにする前にちゃんと話聞けよってこと?

流石にそんなことはしないだろ。どんだけグレモリー側はバカだと思ってるんだか。

もしくは俺がキレてそうだからとかか?

まぁイラついてはいるからなぁ…

 

「グレモリーの指揮は誰が執る?」

 

今更…

バカだと思われても仕方ないか。

 

「問題ありません。有事のため、生徒会・オカルト研究部の指揮は私が執ります。

 リアスにもそのように任されておりますから」

 

…グレモリー先輩も自分のとこの副長の女王じゃダメだと思ってんのかな?

まぁ性格的に向いてなさそうだし。

 

「王不在で当惑することがあるでしょうけれど、私の指示に従ってくれますね?」

『はい!』

 

良かったね。

でも俺らは知らんからな。

 

「まず、ゼノヴィアさん。

 あなたは聖剣の7つの能力のうち、いくつ使えるのかしら?」

 

それはここに来るまでにしとく話だろ…

ちなみに俺も借りていくつか試して見たが、能力のせいだろう支配が一番馴染んだ感じがある。

とは言っても人間とか相手には試せないし、伝説の魔獣とかも居ない。蜘蛛にタップダンス踊らせた程度だが。

夢幻・擬態はまぁまぁ。幻術持ちだからだろうか。併用して相乗効果があるのもうれしい。

透過・祝福も使えなくはない…が自分でした方がコスパがいい。特に透過は夢幻でよくない?

天閃とか破壊のステ上昇っぽいのは微妙だ。そもそもたいして上がってる気がしない。

 

そんな感じでシトリー先輩は一人ひとりに聞いていく。

今から作戦練るみたいだ。

…なんだかなぁ。

 

いやまぁ俺は仕込んでる術でちゃんと白音の無事、少なくとも生存を確認できてるからどーでもいいのよ。

でもお前らはそうじゃないじゃん?

なーんで手抜きなのかねぇ。

それも学園が襲われたんだー、とかキレてて、でもそれより先にさらわれたヒトだー、だったんじゃないの?

兵藤先輩も相手の親の眼の前で「娘さんは俺が守ります!」宣言したのはいったい…?フラグでしかなかったな。

 

「あ、あの、そちらの大柄な男性は…?」

 

兵藤先輩が今まで黙ってシトリー先輩の後ろについてたヒトに視線を向けて聞く。

そっちも今更だわな。

 

「こちらの男性は駒王学園大学部に在籍する大学生の方で、シトリーの新しい戦車です」

 

と、紹介される大柄なグレーの髪をした前髪メカクレの男性。

 

「…ルー・ガルーと呼んでくれ」

 

淡々と返す。

うるさいのしか居ないからこれだけで好感度が上がってしまうし期待が高まってしまう。

サイラオーグさんのこともあるし、期待しすぎるのはよくないんだけどね。

 

「私たちはルガールさんと呼んでいます。兵藤くんもそのように呼んであげてください。

 ルガールさん、今回は外でのバックアップをお願いします」

「…あぁ」

 

ちらっと俺を見て去っていく。

なんで俺?いや自意識過剰かな…ってちょっと待て、外でバックアップさせるのにここに呼んだの?わざわざ?紹介なんか今までいくらでもできる時間があったし、それができない理由があったとしてもあとからでもいいだろ?

というかルー・ガルーって呼んでくれって言ってるんだからルー・ガルーと呼んであげないの?

なんだ?

お前ジェノサイドカッターしろよwwwみたいなことが言いてぇの?いや流石にねぇか。

 

《マスター、周辺の準備は整ったようですぜ》

 

上の方から声が聞こえる。

この聞き慣れた感じ、死神特有のものだ。

…死神かぁ。

 

「グ、グリムリッパーじゃないッスか!」

「こちらは私の新しい騎士──」

《…あっしはベンニーアと申します。

 元死神であります》

 

そう言って上から仮面をつけた小柄な少女が降りてくる。

…あぁ知ってるよ。

最上級死神オルクスの娘、人間とのハーフ。

 

シトリー眷属の新しい騎士が死神。

そのことで周りがガヤガヤ騒いでる間、俺は先程の一件よりも湧き出た怒りを隠すのに必死だった。

 

なんで?

と当然疑問に思ったのだが、望んだ答えはない。

真羅先輩が説明してくれた話では、別に悪魔側からオファーをかけたわけではなく、あてをつけてた新しい騎士が都合がつかなくなったところに現れ交渉してきたらしい。

 

《ハーデス様のやり方についていけなくなったのでこっちに寝返ることにしやした。

 あっしを眷属にしてみませんかね?》

 

と。

シトリー側が、この死神に予定してた騎士が殺されたとかも考えずに「おっぱいドラゴンのファンだから」で軽率に信頼して眷属にしたのなんかはどうでもいい。

 

なんだ?

ハーデス様のやり方についていけないってーのはよ。

そもそもハーデス様が信頼できなくて、三大勢力が信頼できる理屈はどこからでてきたんだよ。

こいつら冥府を襲撃してきたヴァーリチームとズブズブなんだぞ?そっちにつく死神とか頭湧いてんのか?

「おっぱいドラゴンのファン」?

悪魔のプロパガンダアニメなんざみて絆されたのか?悪魔こそが正義だ!とか?

 

…はぁ。

作戦でスパイだっつーなら、俺に話が来てないのはおかしいしな。

それだとしても理由がクソすぎて首を刎ねたいが。

 

「俺のファン?」

《えぇ。それにプラスしてクソ親父とハーデス様のやり方が気に入らなかったんで家を飛び出してきたですよ》

 

再び訳のわからん設定を繰り返すベンニーアとやら。

…実家の方に気兼ねなくできそうなのは幸いかな。

まぁ確認は取らないとだが。

あーあ、こいつ勝手にミスってやられないかなぁ!

 

「ベンニーアもルガール同様、外でのバックアップをお願いできますか?

《イエッサーですぜ、マスター。同期の大柄あんちゃんと共に外で待機してやす》」

 

そう言って足元に魔法陣を展開して潜っていった。

助かった。

こいつが居たらキレて何かしてしまうかもわからん。

 

「大事な作戦前に眷属の紹介になってしまって、申し訳ありませんでした…

 こういうのは重なるものですね」

 

とシトリー先輩。

眷属連れてきてどの口で言ってるんだ。

 

そのままエレベーター前で作戦会議が続けられ…

 

「次に惣間くんは──」

「あ、すいません、そっちの作戦会議とか知ったこちゃないんで」

 

シトリー先輩の言葉を遮って拒絶の意思表示。

 

「おい、惣──」

「勝手に突っ込んで暴れます。巻き込みたくないんで前線のヒトは悪いけど出るのちょっとまって様子見してください」

 

匙先輩の注意も遮る。

塔城小猫がさらわれてキレてる、と思って貰えればいいが。

まさか別件とは思われまい。

 

「いいですよね、シトリー先輩?

 グレモリー眷属の指揮権は俺とは無関係ですし?」

「…わかりました。

 ですが町の地下なのでくれぐれも激しい攻撃は控えてください」

「はい」

 

その後、改めて俺以外の作戦が告げられ、やっとエレベーターで地下に降りていく。

 

 

 

ぞろぞろと大勢で陣形組んで目的地まで徒歩。

いやまぁ広いんで狭くはないけどさ、前衛中衛後衛スタイル好きだねぇ…

挟み撃ちとか全然考えてないのな。

まぁそれ言うと今後めんどくさくなりそうだからなぁ。この世界にはそんなもん存在しないんだよ。

 

目的地にはあっけなく着き、各自通信用の道具を耳につけて、いざ出陣。

これもどう見ても電子機器だが、冥界の便利アイテムなんだ。うん。

 

指定された場所、そこは何度か見た冥界行きの駅よりも更に広大な場所だった。

そこにはわーっと魔法使いっぽい人物の群れ。あと使い魔?いや使い魔は悪魔だけだっけ?

 

「来てやったぜ?俺の後輩はどこだ?」

 

兵藤先輩が叫ぶ。こいつ今回禁手もできないから中衛なのに目立つなよ。

ま、幸い鼻で笑われたりで相手にもされてない感じだが。

そんな中、一人前に出てきた。

 

「これはこれは、悪魔の皆さん。

 駒王町におられる若手四王のグレモリー、シトリー、それに魔獣騒動で名を上げたそうま、この皆さんが俺たちのために来てくれるなんて、光栄の限りだ」

「あなたたちの目的はなんですか?フェニックス?それとも私たちでしょうか?」

「どっちもですな。

 ま、フェニックスのお嬢さんは大事に扱っているんで。そうしろとリーダーの命令なんですよ──」

 

そいつはややうざったそうに言い、大げさにこちらに向き直る。

 

「──さて、フェニックスの件は終わり、あとはあなたたちとの件だ。

 俺たちは気になって仕方ないんですよ、メフィストのクソ理事とクソ協会が評価したっていうあなたたちの力がね。

 この思い、理解できます?できませんよね?

 強い若手悪魔が出たっていうなら、試したくなるんですよ、魔法を乱暴に使う俺たちならね」

 

どこかでみたような自己陶酔感で喋る魔法使い。

そして指を鳴らすと他の魔法使いたちとともに手元に魔法陣を展開する。

 

「やろうぜッ!悪魔さんたち!魔力と魔法の超決戦ってやつをよ!」

 

魔力と魔法の超決戦ねぇ…

そんじゃ魔力使わずボコって心折る。とかもしたいが当初の予定通り動くか。

 

相手が一斉に魔法を放ったのを視認した直後、俺は走る。なんかシトリー先輩が喋って…無視していいなコレ。

一番近かったさっき出てたやつの顔面に膝。

そのまま顔を床に叩きつけ、擦る。

なんか後ろ、自陣営が魔法を防いでるっぽかったので、相手後衛からの攻撃に投げつけて相殺で防ぐ援護。

 

そのままの流れで、まだ何が起きたか理解できてなさそうな相手前衛に、ソウル『アバドン』を発動して蝗(イナゴ)を大量召喚し襲わせる。

攻撃命令としてはそれなりにダメージ与えたら殺さないように次の獲物を狙うようにしてある。

俺が殴るよりかは生存確率は高いだろう。

とりあえず一人は見せしめにできたから、あとはできるだけ生かして残したい。

 

魔法使いに悲鳴をあげさせながら、倒れた中から比較的体力が残ってそうなやつには追撃をかまして楽しそうにする演技。

だが、普通の攻撃よりも蝗に襲われるのは嫌悪感もあるのか、防御魔法陣全開にされたりであまり被害が出なくなってきた。

流石にそこまでされると広範囲バラけさせたから貫通できない。

仕方ないので防御してる魔法使いの後ろからの攻撃を交わしつつ、襲ってくる魔法生物的なのを倒し、手近な魔法使いの魔法陣を物理攻撃で壊して蝗に襲わせる。

 

なにか合わせる流れになってないかシトリー先輩の方をチェック。

何故か眷属の能力紹介パートになってた。

…いやなんで能力紹介してんだろ。

なんかシトリー先輩の兵藤先輩に対する好感度が上がってるっぽいから兵藤先輩にしたいのかな?

さっきの戦力分析のときに自分がグレモリー眷属に一方的にしてたからお返し?一応ライバルだからとか?

それは新人をバックアップにして能力隠してる時点でないか。

なんにせよ自陣営の能力解説なんて戦場で指揮官が今することではないと思う。

シトリー先輩は指示を出して、匙先輩が魔法使いとロスヴァイセさんの間に繋げたラインを兵藤先輩に強化させて魔法使いから魔法力ドバドバ吸わせて倒して、ドヤ顔。

 

『本来ならば、ライン先はギャスパーくんでもよかったのです。

 相手に繋げたラインをギャスパーくんに繋げて血を吸ってもらいます。ラインは血も吸い上げられますからね。

 相手は貧血になり、ギャスパーくんは血を吸ってパワーアップする。そういうやり方もありました。問題はギャスパーくんの肺活量ですが…』

 

とか言ってる。

マジで必ず殺す方の必殺技、なくなった設定じゃなかったんですねぇ。

つーか吸わねぇと出ねぇの?血。

グレモリーとのゲームでは誰かが吸ってたのかな?なんか普通に輸血用かなんかのパックに繋がってたような。

 

しばらく魔法使いを怖がらせて遊んでるフリをしてると、何故か異口同音で叫ぶ声。

そっちに意識を向けると、どーもそいつらはゼノヴィアさんが聖剣の特性を使ったのがよっぽど以外だったらしい。

…それだけで?ホントこのパワーバカ論争は完全に意味不明だ。

言語が通じてるはずなのに理解できない。

やっぱ別世界にいるような気がしてならない。

俺以外みんながみんなそう、っていうなら納得するしかないが、別にそういうわけじゃないのになぁ。

ま、前回の件のせいか本人があんまネガらなくなったのは良かったが。

 

ともかく、そのちょっと能力使っただけだがパワーバカじゃないゼノヴィアさんは、今度は群生型スタンドみたいな動きをする炎の玉に翻弄されていた。

シトリー先輩が指示を飛ばす。

 

『ゼノヴィアさん、支配の力を使いなさい』

「だが、会長。私は支配の能力をうまく発動できない。それに魔法使いを操ってどうするつもりだ?」

『いいえ、違います。支配とは、何も生物を操ればいいというわけでもありません。

 ゼノヴィアさん!その放たれた火炎の魔法に支配の能力を向けなさい!

 強く念じるのです。炎の魔法を止めたい、と!

 私の考えが当たっていれば、あなたの剣はもうひと段階、様相を変えます!』

 

当たっていれば、って確証はないんかーい。

支配の能力とはなんぞや、と語っておいて?

 

んでまぁシトリー先輩の予想通りに?炎の魔法は止まりました。

でもねー僕ねー天閃なり騎士の特性なりでさっさと炎の魔法振り切って術者に攻撃したほうが良かったと思うよー。

だって別に

『ゼノヴィアさんは支配の能力が使えるのに生き物が操れない』

んじゃないんだから、さっきの理屈がちゃんとわかってたからのものとしても支配自体が成功するとは限らねぇし?

それ言っちゃうとまたゼノヴィアさんネガりそうだから言わないけどさ。

シトリー先輩はゼノヴィアさんの実力を把握したとかでもないしなぁ…

なんかシトリー先輩は想像どおりでしたとドヤってるけど。

 

んー、なんだろうなぁ。

いや、あんま深く考えても無駄だよ、俺。

さっさとそういう世界だと折り合いつけれるようにならないと…

 

って

「うおっ!?」

 

なんか兵藤先輩の神器からみんなに伸びてたラインが俺に向けても伸びてるんだが?

 

『ショージくん、避けないでください。

 イッセーくんが譲渡の力を倍加させて流し続ければ有利を取れるのですから』

「いらないです」

 

蝗を盾にしてのがれる。

兵藤先輩とくっつくとかなんか嫌だし。

シトリー先輩が呆れた感じのため息はいてるが、嫌なもんは嫌なんだわ。

というか俺、結構余裕な感じでやってるように振る舞ってるよな?ちゃんとザコをなぶる感じでさ?それでもダメなんかね?

 

 

 

その後、グチグチ言われるのは嫌なんでちゃんと真面目に魔法使いを倒していく。

せっかくの譲渡された蝗を突っ込ませたり、フェイントに使ったり…俺本体はあえてお望みの魔力を使わずに。

他所もシトリー先輩の言うように譲渡されて順当に処理が進んでいく。

そしてほぼ殲滅して余裕ができたころ…

 

『…なるほど、リアスの戦術が甘いと思うわけです。

 私達が相手をしてるのは並以上の魔法使いの集団だというのに…』

 

なんかシトリー先輩が語り始めた。

ヒマなのか?

だとしても終わるまでは集中しとけよ。

しかしうちの駒は各個人突撃させた方がいい。って判断で突撃させてるのは別に悪くないでしょ。そもそもシナジーがないただの強ユニットなんだから。

それでボロクソに負けるならまだしも。

 

というか言ってるシトリー先輩の戦術とやらも別にいいとも思えない。

結局強い能力、というか人工神器を持った配下を普通に戦わせただけっしょ。

格下相手に現状でできること色々させて手札公開しただけですよね?

突撃させてないだけでただ私の考えた最強のシナジー実践しただけですよね?

…まぁあいつは戦術なってない~とか上から目線で妄想するのは自由だし、勝手に私の戦術は完璧と思ってればいいんじゃない。

 

『うちも練習量を増やしましょう』

 

それならまず学校辞めろ。半日ぐらいは時間できるぞ。

まぁ駒の格差が半日どころか24時間練習しても差が埋まるとは思えんが。

 

そして全滅間近、魔法使いたちの耳元に魔法陣が。

 

「降参降参!

 俺たちの負けだよ。というかリーダーが来いってさ」

 

残ったうちの一人が両手を上げながらそう宣言するとともに、端のスペースに転移型魔法陣が現れた。

 

「その先にあんたたちの後輩と、今回の襲撃のリーダーが居るからさっさと行きなよ。

 ただし、赤龍帝、ヴリトラ、デュランダル使い、雷光の巫女、癒やしの聖女、ミカエルのA、九尾、ヴァルキリーは確実に来いとさ」

 

と投げやりに。

なんだその条件。

 

「上で待機している方々を呼んでここにいる魔法使いの一団を全員捕らえます」

 

シトリー先輩が淡々とそんなことを言い出した。

うーん、これは相手の言動でイラついたけどそれを無視して仕事に打ち込むような感じ?

アニメならメガネが光って顔色がわからなくなるような。

 

「げっ!俺たちまで捕まえるのかよ!?

 ただの冗談じゃねぇか!禍の団の術者だけでいいだろ?悪魔に捕まったはぐれ魔法使いなんてずっとイジられちまうよ!」

 

残ってたやつがそう喚く。

それに続くように、他の残りも口々に文句を垂れていく。

元気だなぁ。もうちょっとボコるか?

 

と、匙先輩がその中の手近な一人の襟首を掴む。

 

「ざけんなよ!うちの生徒が」

「まぁまぁ」

俺はその手を抑え、離させる。

 

「…すまん、兵藤に言ったのが格好つかなくなるとこだった」

「いいじゃないですか、捕まりたくないって言ってるんですから捕まえなくて」

「はぁ!?」

 

素っ頓狂なかおをする。

 

「へっ、なんだよ、話がわかるじゃ──おごご」

 

魔法使いは黙る。いや、黙らざるを得ない。

口中に蝗が突っ込んできたのだから。

 

「捕まえて人道的な扱いなんてしなくていいじゃないですか。

 他に気絶してるヒトも居るし、それでもどうせこいつら大した情報ないですし。

 それよりも死なないように徹底的に痛めつけて、今日の行いを一生反省させてあげようじゃあないですか。

 もちろん、個人的に楽しんだあとにはここにオブジェとでもして飾りましょう。

 そうすればちゃんと駒王学園に手を出したらこうなる、って見せしめになって三大勢力のためにもなりますし」

 

魔法使いの体中に蝗が這う。当然魔法使いは暴れるが、多人数のときならともかく、大量の蝗が一人にまとわりついたのは振り払うことすらできない。密着してるから防御魔法陣も役に立たない。

その様子に周りからも悲鳴があがる。

 

俺はゆっくりと手を上げる。その手が頂点に達し、振り下ろされる瞬間…

 

「わかった!捕まるからやめてくれ!」

 

他の魔法使いから声が上がる。

 

「そうですか。あなたは勝手に捕まっててくださ──あ、そうじゃないな」

 

思惑通りの展開になったので蝗を消す。まぁ誰も何も言わなくてもそれはそれで良かったが。

現れた魔法使いはローブこそボロボロだがまだ傷も付けられてない。息が荒いくらいか。

 

「この状況を見たくない、ってのが入ってるからここでやっちゃうと契約違反みたいなもんだな。

 正式な契約とかじゃないけど一応俺も悪魔ポジになってるから気をつけないと。

 失礼、あっちでやりますね」

 

そう言って蝗に襲わせてた魔法使いをローブごと引っ張る。

 

「うわぁぁぁあ!捕まる!ちゃんと捕まるからぁぁぁ!」

「ははは、何を言っているのやら…

 ただの冗談じゃねぇか」

 

相手の顔を見据えてそう言って離してやる。

その魔法使いはシトリー先輩の方まで這って逃げていく。

 

「は、早く俺を捕まえてくれ!あいつの手の届かないところに!」

 

魔法使いの必死な言葉が響き渡った。

うんうん。コテコテな相手だからこっちもそれを想定すれば予定通りにことが進むな。

 

 

 

「なぁ」

 

突入メンバーを決めて、シトリー先輩が残る生徒会メンバーに指示出ししている間ヒマなのか、それとも先程の一件から距離を作られてる俺を哀れんだのか、匙先輩が兵藤先輩とやってきて声をかけてくる。

 

「ホントはよくないんだけど…ありがとよ、ちょっとスッキリしたぜ」

「いえ、褒められたものではないですよ。八つ当たりもあるんで」

 

うちの生徒がー、って怒るなら学校通うなよ、とか思いながら返す。

 

「そーそー、狙うなら俺たちを狙えってんだよな。一般の生徒は関係ないってのに」

 

プリプリしながらそう言う兵藤先輩。

関係ないわけないだろ?特に今回ので人質価値有り・言う事聞くって認識されるんだから。

あ~可哀想だよな、駒王学園の生徒。

怒る材料にはなるけど、『関係ない』から別に防止策は用意して貰えなくて。

 

「ちゃんと抑止になればいいんですけどね、さっきので」

 

とは言っても俺も何もしないってのも気分が悪いからこれくらいはな。

これだけで抑止力になれっかな?

ま、いつか襲われても俺が原因じゃないなら別に。友人には対策してるし。

 

 

 

先程の条件の8人+なぜかシトリー先輩で魔法陣を通る。

うーん…まぁ死んでも魔法少女がテロリスト凸するだけだしいいか。

着いた先は広く、壁・天井が白いだけの精神が病みそうな部屋。

巨大生物が現れてもOK!みたいな感じの研究所という印象。また絶霧か?

 

「ここは次元の狭間に作った工場なのですよ」

 

突然後方から声。

 

「悪魔がレーティングゲームに使うフィールド技術の応用です」

 

といったのは高そうな細かい柄の入った銀色のローブで顔を隠した…男。

白衣のメガネではなかったか。

レーティングゲームって言うならいきなり現れたのもゲームで競技者が転移するのと同じなのか?

 

「イッセー様!」

 

フェニックスさんの声。

そちらを見ればフェニックスさんに何故かギャスパーを背負った白音。

他に武器を突き立てるヒトなどもおらず人質…って感じではない。

 

「彼女たちを返しましょう」

 

しれっとそういう銀ローブ。

用済みなのか、あるいは爆弾でも付けてるか?

そう思う俺だが他のメンツは銀ローブを警戒するだけで早速呼び寄せる。

 

「イッセー様…」

「レイヴェル、なにかされたか?あいつら、フェニックスのことを探ってるって…」

 

しかし、説明もなく泣きそうな顔で体を震わせるのみ…

まさか!?

 

「…私もレイヴェルもギャーくんも、魔法陣でなにかを調べられました。私達は体には特に何もされていません。

 ただ、ギャーくんが…」

 

白音がギャスパーをアルジェントさんに渡しながらそう言う。

良かった良かった。良くないが。

ギャスパーは見るも無惨なほど顔がボコボコになっていた。

 

「ギャーくんは私達を守ろうとして…」

「彼のことに関してはこちらの落ち度です。彼がそこの二人を守ろうと立ち向かってきたため、配下の者がつい手を出してしまったようでして。

 それ以外は丁重に扱いました」

 

それで魔法使い相手に、こんなにボコボコに?

ま、相手の言い分が正しいなんてわけないしな。

最初から言う事を素直に聞くように、一人は念入りにボコるつもりだったんだろう。だから俺は連れていけなかった、とかかね。

そう考えてる俺を他所に怒ったり攻撃的になってる他のメンバー。

 

「あなたが今回の黒幕ですか?」

「えぇ、そうです」

 

早速質問するシトリー先輩。

黒幕って…

 

「あなたは禍の団?だとしたら、襲撃の理由はなんです?」

「えぇ。今は禍の団をさせてもらっています。

 今回我々が襲撃した目的は、何点か理由がありまして。

 魔法使いの彼らがあなた方を襲ったのは、彼らの好奇心です。禍の団に元々所属していた者たち──」

「その者たちとはぐれ魔法使いの集団は手を組んでいた、でしょう?

 先程の魔法使いたちは、協会を追放された魔法使いと、禍の団に入った魔法使いの混合チームです。

 彼らが使う術式は、以前三大勢力の和平会談を邪魔してきた魔法使いが使ってきたという魔法陣の紋様にそっくりでしたからね」

 

シトリー先輩が銀ローブの話を遮って自身満々に言う。

…が、魔法陣が同じってだけでやりとりしてたのに確信持てるのか?

まぁそうだとしてもさ、自分が襲撃の理由聞いておいて相手の話の腰を折るってーのはなぁ。いる情報といらない情報があると思うけど。

 

「若い魔法使いが多いため、自制が効きにくいところがあったのですよ」

 

と、銀ローブ。

若かろうが年寄りだろうが自制は関係ないと思うがなぁ。

なのにこの言い方…多分この銀ローブはそこそこ歳いってんだろうな。声は若いけど。

 

で、上役が『とりあえず好きにやらせてみろ』ねぇ。

上役いるならこいつが黒幕ではなくねーか?

しかし使い捨てとは、だいぶ兵数に余裕がある?あの程度は邪魔でいらねぇ?うーん…

 

「それが今回の理由の一点。二番目はこれです」

 

銀ローブが指を鳴らすと、右側の壁が沈んでいく。

そして現れたのは、数多の培養槽。中にはヒト型のシルエット。

どたどたと数人が確認しにいくのを横目に、銀ローブは説明をする。

 

「フェニックスの涙の製造方法、知っていますか?

 純血のフェニックス家の者が、特殊な儀式を済ませた魔法陣の中で、同じく特殊儀礼済の杯を用意して、その杯に満ちた水に向けて、自らの涙を落とすのです。

 その際、心を無にして流す涙でなければフェニックスの涙にはならないとされています。

 感情のこもった涙は、その者自身の涙だから、だそうでして。

 自らのために流した涙と、他者のためを思って流した涙では効果が生まれない」

 

へー。

めんどくせ。

感情のない涙ってなに?わさびとかでの身体反応?あくび?

 

「ここが工場と言ったのは、あれを魔法使いたちが量産しているからです。

 純血の悪魔フェニックスのクローンを大量に作り出し、カプセルの中でフェニックスの涙を生み出させる。

 ここの工場は既に放棄する予定なので、あの者たちももう機能を停止させています」

 

ふーむ、あれは培養カプセルじゃなくてでかい杯だ、と。

で、今回の件の理由二番目としては、そのクローンを完成させるためにフェニックス家のプラプラ出歩いてる純血フェニックスをさらうため、と。

 

さっきのアホ魔法使いもお高いお薬目的だと言うなら完全なアホでもないのかな。

いや、ノータリンのクソで、だからこそ囮!なのかもしれないが。

 

「…酷い、酷いよ…こんなのって…どうしてクローンなんて作ったの…」

 

とフェニックスさんが漏らすけど、いや金のためでしょ?涙自体もほしいかもだが。

そんな泣くほどかねぇ?

それより今後自分のクローンが悪用される可能性の方がだいぶヤバくないか?絶対涙よりも純血悪魔の慰み者にされるぞ。

 

「ギャスパー・ヴラディの情報はこちらにとっても予想外の収穫でした」

 

まぁ俺には利益にならないけど…みたいな声の感じで淡々と喋る銀ローブ。

せっかくだから俺にも教えてくれよ。

と思ったが、多分こいつは興味ない内容は必要ないなら覚えないタイプだろうな。

 

「さて、我々が欲する最後の要求です。あなた達のような強者と戦いたいと願う者がいるので、お相手をしてもらえませんか?

 実は私にとって今回の襲撃はそれが主目的で、魔法使いの要望はあくまでついで、でして」

 

そう言うと銀ローブは床に巨大な魔法陣を作り出していく。

 

おー?この間の魔獣創造の焼きましかな?

とは言っても銀ローブは前回みたいに不意打ちワンチャンない相手なんだよな…

相手の思い通りの展開で気をよくさせて、少しでも情報お漏らし期待で待機かな。

 

なんて考えながら周りと同じように妨害せず相手の召喚を待つ。

 

「…龍門(ドラゴン・ゲート)?」

 

匙先輩が言う。

これが龍門か。ロキ戦のときも兵藤先輩召喚のも見てないから初めて生で見たわ。

 

「えーと、緑?

 緑を司るドラゴンは…確か五大龍王の玉龍(ウーロン)!どうして玉龍がここに?」

 

え、色決まってるのか。パターン少なくね?被ったらどうすんだ。

 

「…いえ、あの色は緑ではありません…更に深い、緑色…」

 

基本色だけじゃないのか。

 

「深緑を司るドラゴンっていたっけ?」

「──いたのですよ。過去に深緑を司るドラゴンがね」

 

紫藤さんのつぶやきに銀ローブが答えた時に、魔法陣の光が激しくなる。

そして巨大なシルエットが現れた。

 

『グオオオオオオォォォッ!』

 

地響きを伴う咆哮が止み、ドラゴンが姿をあらわにする。

先程の声量も納得のサイズ感。深緑を司る割には黒い鱗。ドラゴン…というよりは筋肉質な人型?

ま、ドラゴンといっても千差万別だろうし。

 

「伝説のドラゴン、大罪の暴龍(クライム・フォース・ドラゴン)グレンデル」

 

グレンデル…

ん?それって夏休みに兵藤家に来たベオウルフ…いやその先祖の人?が倒した巨人なんじゃなかったか?

いや、種族違いなんぞ今更か。

 

『グハハハハハ。久方ぶりに龍門なんてものを潜ったぞ!

 さーて、俺の相手はどいつだ?いるんだろ?俺好みのクソ強ぇ野郎がよぉ!』

『グレンデル…ッ!?

 あり得ぬ、奴は暴虐の果に初代英雄ベオウルフによって完膚なきまでに滅ぼされたはずだ』

 

匙先輩の影から生えた小さい蛇サイズのヴリトラが補足してくれた。

やっぱこっちでもそうか。

しかし不便だなぁ。ドライグは籠手から喋れるのに。

 

『こいつはまた面白れぇ。天龍、赤いのか!ヴリトラもいやがる!

 しかし、なんだその格好は?』

「二天龍もヴリトラも既に滅ぼされ、神器に封印されています」

『グハハハハハ!

 んだよ、おめぇらもやられたのか!ざまぁねえな!ざまぁねえ!なーにが天龍だ!滅びやがってよ!

 …まぁだが、確かに目覚めにはいい相手だ!』

 

んー、なんだ?ドライグくん、天龍だからって威張ってイジメでもしてたのか?

だいぶ嫌われてそうだが。

 

「…赤龍帝、鎧はまとわないのですか?」

 

俺以外が戦闘態勢の中、禁手すらしてない兵藤先輩を見て銀ローブが声をかける。

 

「悪いね、調子が悪いからさ」

 

バカ正直に答える。なんで?

 

「…これは困りました。本題の一つが、あなたとグレンデルの戦いでしたから」

 

マジで困ってそう。

しかし本題…?目覚めとか言ってたし、何らかの方法で蘇らせたグレンデルのテストが目的?

 

『僕はドライグ。ドラゴンの子供なの』

 

それにしても何目的なんだ?

赤龍帝との戦闘?単純な戦力ならアザゼルがいるときにしかけるはず…

 

『おい、俺はまだ戦えないのか?

 というよりもドライグのクソ野郎はどうなってやがる?』

「天龍もたまには生きるのがつらくなるのでしょう。今は様子を見ましょうか」

 

いや…

 

『俺様、金髪美少女のおパンティーがいい。パンツシスターのお宝ほしい』

 

やめろ!意図的に無視しつつ考え事してたのにこっちの防壁を突破する精神攻撃をしてくるのは!

 

はぁ。

ドライグが幼児退行したのだけでもアレなのに、それをアルジェントさんがファーブニル召喚して治そうとしたら、ファーブニルが回復させる対価にアルジェントさんのパンツを要求…なんてするから無視してたのにさぁ…

 

『おい、どうなってる?

 ファーブニルが俺の相手なのか?このまま攻撃を始めていいのかよ?』

「いえ、少し待っていてください。

 二天龍とその仲間は女性の乳房やお尻で異例の進化を遂げます。

 準備段階に入ったのです、これからが本番ですよ」

 

銀ローブ、てめぇもか。

はー、チンピラみたいな口調のグレンデルの方が敵なのにマシに思えるわ…

ホント二天龍とその仲間じゃなくてよかったわ。

 

『おパンティー、いただきました。ドライグ、治れっ!』

『くっ、なんてザマだ!』

 

ファーブニルの黄金のドラゴンオーラと、ヴリトラの漆黒のドラゴンオーラが籠手に集まっていく。

というかヴリトラ、さっきは俺には関係ないって感じだったのにやっぱ嫌だったのね…

 

『──はっ、お、俺は一体何をしてたんだ…?

 あ、相棒じゃないか!』

「うぅ、ようやく戻ってきたんだね、ドライグ…

 お前を復活させるための犠牲はあまりに大きかったんだぞ…!」

 

あんた一切払ってないがな。

身銭切ったのはアルジェントさんだよ。

というかこいつ、自分の女にブルセラさせても仕方ないから済ますのか…?

まぁ、あぁなりたくなければいつ何かの能力を失ってもある程度できるように鍛えるしかないっつーことか。

 

『グレンデルだと…?

 どうなってる?こいつは俺よりもだいぶ前に滅ぼされたはずだ』

『グハハハハハ、なんだかひでぇ有様だったな。ま、いいさ。

 おうっ!来いよ、ドライグ!久しぶりに殺し合いしようぜ?』

『俺のように神器に魂を封じられていたわけでもなさそうだ。

 …いったいどうやって現世に蘇った?』

『細けぇことはいいじゃねぇか。

 要はよ、強ぇ俺がいて、強ぇお前がいる。

 じゃあぶっ殺し合い開始じゃねぇかッ!』

 

グレンデル、気は良くしても情報は漏らさねぇのな。

一段敵の格が上がったってことなんだろう。

…旧魔王や英雄派が酷かっただけ?

 

『相棒、やつはただ暴れることしか頭にない異常なドラゴンだ。

 やるなら、徹底的に倒せ。微塵も情けをかけるな』

 

お前が言うな、お前が。

暴れまくって神に殺されたんだろ?大差ねぇよ。

しかもこれまでの赤龍帝の籠手の持ち主はほとんど暴走させてる分、死んでも迷惑ばらまいてるドライグのが危なくねーか。あっちは蘇るまでは大人しくしてたんだし。

 

『言うじゃねぇか、言うじゃねぇかよ!

 天龍なんて呼ばれやがって!

 ドラゴンに天も神も真もねぇんだよッ!』

 

うーん、嫌いなのはお高く止まってるから…?

喧嘩友達がエリートぶってるのが気に食わない、的な。

 

その後、グレンデルが『ドライグとサシでやらせろ』と言い出したので観戦。

…接待と感じるのは俺だけなのかな。

とは言ってもこれで倒せた場合、俺はソウル回収で得なんだけど。

 

『…なんだこりゃ?

 おいおいおい、こんなもんかよ?宿主がクソ弱いんじゃねぇのか?前のお前はもっとイカれたほどに強かったじゃねぇか、ドライグぅ。

 ホント、ざまぁねえな!』

 

兵藤先輩は禁手から戦車に昇格して殴ったが、それでもちょっと口が切れただけみたいだ。しかしノーダメならともかく出血させられたのに煽るのはなぁ。

しかしうーん、龍王クラスだのさっき騒いでた気がするんだけど、あれ気の所為だったのかな?

旧魔王にも紅の鎧で挑んで倒せたんでしょ?

んで、少なくとも既出の龍王であるタンニーンさんは攻撃力なら魔王クラス、とか言われてたんだから現状での最大の敵を想定するべきだよな?なんで戦車で殴ったんだろう?アスカロン使わねぇのも意味不明だし。

 

『相棒、真女王になろうか。俺も今の奴のセリフは聞き捨てならんからな』

 

宿主クソ弱いのは事実だろ。

だから自分だけでは禁手もできないんでしょ?グレートレッドの肉体を得たのにさ。

なんて思ってると紅の鎧状態になり戦闘を続けるのだが…

 

『グレンデルは滅んだドラゴンのなかでも最硬クラスの鱗を誇っていた。生半可な攻撃力では突破できないぞ、相棒』

となぐったあとに言ったり

『ドラゴンは最強の生物だ。そのなかでも龍王、またはそれを超えるクラスは難敵だ。それだけは忘れるな。

 特に邪龍とそれに近しいドラゴンは凶暴な上にしぶといぞ!』

と蹴ったのにダメージが入ってない感じの時に言ったり…

 

いや、相棒バカにされて怒ってるのにコレ?

後出しやめろや。

役に立たねぇセコンドだこと。

『お前の左の籠手には何が収まっている?』ってアスカロンのこと思い出させたくらいしか役に立ててないように見え…

いや、さっきまで幼児退行してたもんね。仕方ないよね。

 

と、そのアスカロンの力をもこめて殴られてたグレンデルが飛んでたのを叩き落されたがすぐに復帰し、受けたダメージにテンションを上げながらこちらに巨大な火の玉を放ってきた。

別に誘導弾でもないし避け…ようと思ったのだが、周りのヒトたちが防いでくれた。ラッキー。

 

「てめえっ!一対一だって言ってただろうがっ!なんで俺の仲間に攻撃しやがったっ!?」

 

いや敵の言葉を信じるなよ。

 

『わりぃわりぃ、ぶっ殺すのが好きだからよ。ああやって適度に殺しを入れていかないとテンションが維持できねぇのよ。

 でも失敗しちまった。強ぇじゃねぇか、お前の仲間はよぉ。

 ──全員ぶっ殺すッ!殴って!嬲って!踏んで!噛み砕いて!最期は消し炭にしてやんよぉぉぉ!』

 

謝るのか…邪龍なのに。

しかし正面切って戦うのが好きな、それも殴るのも殴られるのも好きってタイプか…ナイフエッジデスマッチとか好きそう。

俺みたいな徹底回避でちまちまダメージ稼ぐ戦法だと逆上させられるかな?

でも嬉しくてもイラついても、多分グレンデルの動きは変わらないんだろうな…

 

全員戦う感じの雰囲気になりかけたとき、後ろに妙な気配を感じた。

寝かせていたはずのギャスパーが幽鬼のように立っていて、何やら黒いのを出している。

黒いのは床を伝い、グレンデルの方まで伸びていく。

そのままグレンデルを縛るようにしたあと、この白い部屋を黒く染めるように広がっていく。

それにグレンデルが更にテンションを上げ、第二ラウンドが始まろうとした時に──

 

「──グレンデル、そこまでにしてください。

 実験は成功していたようです。本来ならば、木場祐斗もここにいればより良い調査ができたのですが、十分でしょう」

 

と銀ローブ。

こいつマジでデータ取りに来ただけで何も漏らさなかったな。

 

そして当然の如く文句を言うグレンデルに

「また、骸と化したいのですか?

 あなたはまだ調整段階なのです。これ以上無理をすれば…」

と銀ローブは釘をさす。

よっぽどのことなのだろう、それを聞いてグレンデルも矛を収める。

 

しかし骸ねぇ、アンデットっぽい感じではないが…

 

そして銀ローブは消化不良のグレンデルを、おそらくヴァーリ方面に焚き付けてそちらに転移させた後にローブのフードをめくり、顔をあらわにした。

 

「私はルキフグス、ユークリッド・ルキフグスです」

 

へぇ。旧魔王とか絡みなのかな?

 

「あんたがボスってわけじゃないんだろ?

 じゃあ、いったい誰が禍の団の残党をまとめ上げたっていうんだ?」

「現トップの正体はいずれわかりますよ」

 

ガードが硬い。

 

「…なるほど、この町に侵入し、魔法使いを招き入れることができたのは、あなたがグレイフィア様と同質のオーラを有するから。

 それで結界を通過できたのですね」

 

納得いったわ~みたいな感じのシトリー先輩だけど、それって結界全然信用ならなくねぇか?オーラだけで本人と判断ってさ。

 

「姉に、グレモリーの従僕に成り下がったグレイフィア・ルキフグスに伝えておいてください。

 あなたがルキフグスの役目を放棄して自由に生きるのであれば、私にもその権利はある、と」

 

今までとは違う、興味がないのではなく、感情を押し殺したような声で答える。

なんでもいいけど身内争いはテロ関係ないとこでやれよと。

 

で、銀ローブことユークリッドが転移して消えると、案の定空間が段々崩壊してきた。

あと敵が消えたからなのかギャスパーがさっきの状態から戻って倒れそうになったので運ぶ。

そして帰ろうとするときに、フェニックスさんとシトリー先輩が何やら小さい魔法陣を作り培養槽に飛ばす。

GPS的なやつかね?

俺あぁいうの得意じゃないんだよな。自分から距離離れると消えたりとかするしで。

まぁそれでも専用のそういう道具は作ったし、分身作って次元の狭間に潜ませたらあのクローン回収とかもできるけど…利点ないしな。

涙は持ってるし、クローン作らなくてもいくらでも使えるしで。

 

 

 

事後処理も終えて帰宅。

なんやかんやで日もかわり朝日も上りで徹夜という。

とはいえ、俺はそれくらい平気ではある。まぁ一応は表向きにも事件が起こったことになってるからしばらくは休校で困ることではないけれど。

外出するわけにもいかないしゆっくりするかと思ったときに、コンコンとノック。

 

「どうぞ」

「…失礼します」

 

書類を持ち思い詰めたようなロスヴァイセさん。

 

「どうしたの?何か困りごとでも」

「実は…この間グレモリー眷属の方に魔法を教える時に、リアスさんから眷属のオファーをもらいまして」

 

渡してくれた書類は条件やら報酬やら。

 

「確か悪魔の新人が給与が…相場よりだいぶ給与いいね。まぁ下手な新人よか優秀だから当然だろうけど。

 それ以外もだいぶ高待遇。

 …うん、悪いけど倍出すから断ってくれない?」

「やっぱりそう言うと思ってました。だから今まで言えなかったんですよ…

 前からずっと思ってましたがショージくんの金遣いは荒すぎます」

「まぁ仕事に従事して汗水垂らして得た金じゃないからね。そんなもんでも使えば優秀な人材の流出食い止めれるならいくらでも出すよ。

 ロスヴァイセさんもそれで故郷に錦を飾れるしWin-Winじゃない?」

「はー…」

 

ちょっと呆れられてしまったかな。

しかしロスヴァイセさんが優秀かどうかなんて目が節穴でもない限りはわかるわけで…

美人だしな。毎回悪魔に見られる度に勧誘されてこのやり取りを繰り返すわけにもいかない。

 

姿勢を正す。

 

「ロスヴァイセさん」

「なんでしょう?」

「俺の眷属になってください!

 もしかしたら故郷に錦を飾れなくなるかもしれませんけど!」

「えぇっ…?

 一体何をするんです?」

「いや、場合によってはオーディンと戦うことにもなってしまうので、ヴァルキリーの故郷だと反感を買うかな、と。

 ヴァルキリーで半神のロスヴァイセさんにとってなんの魅力もない悪魔化についてはどうにかできるんでご安心ください」

「また唐突に…

 オーディン様の件はちょっと魅力て、こほん。

 すぐには決められませんので時間をください」

「もちろん。そろそろ塔城さんに色々説明できるので、そのときまでに決めていだだければ。

 とりあえず今はグレモリー他悪魔眷属にならなきゃOKなので」




・告白してきた女の子を振った話
主人公の考え方とかを表明するためにやりたいと思ってた
一応設定とはいえ主人公は一昨年から公表・実行してるので

タイミングのせいで当てつけみたいになったけど

>「あんたの都合かよ」
こういうのは絶対言わせておきたかった
主人公は自分の都合で相手との付き合いを考えてます
どれだけ偉そうなこと言ってても学園の悪魔たちと大差ないという

・リアスが出発してからの話だと木場とギャスパーは同居してるらしい
ずっと隔離されてた人が一人だと寂しいとかわけわからんので本作ではなかったことにしてます
にしても男子眷属が兵藤家に集まらない理由がわからん

しかしリアスらと一緒に登校してどうのこうの言われるのに同じ家に帰るのは目撃もされてないの?

・学校にテロリストが!
原作だと被害者後処理どーしたんだろう?
記憶の処理は堕天使の技術とやらは性転換のときみたいに間接的で、リアスやギャスパーがやってたような本人と向き合う必要はないんだろうけど、それでもタイミング、学校にいるクラスメイトを家に帰した前?後?前ならどっかに集めたの?とか、どーでもいい人も居るんだろうけど自分は気になる
中等部・高等部・大学とあるけど高校以外はどうした?とか

そういうのがないから自分はハイスクールDDってタイトルなのに学校要素がIS未満のノイズでしかないと思ってる
ま、テロリストに反応するクラスメイトやら、主人公の行動へのクラスメイトの反応とか書くべきだろうけど原作のスタンスのおかげでカットできるのは助かります
あと、この学校襲撃に三大勢力の上の立場が一切コメントしてないような?
そりゃ冥界でやれ、人間界来るなと言われても仕方なくない?

>『何か怖いものに遭遇した』という記憶だけは永遠に残り続ける~許せないわ、襲撃してきた者たちが
事情を話して転校させたりなんかしてないんで、シトリーらが何良いこと言っても学校運営の経験値ほしいだけに見えるのよね
ソーナが上役に喧嘩売ってでも学校建てたいのは既に5巻で明らかになってるし

>きつい方言
方言に翻訳されるのって悪魔の通訳能力死んでるとしか思えないので魔法使い仕様と妄想設定

>力技の侵入~侵入がすぐに発覚してしまう
一誠もそんなヤバい奴きたらすぐわかる~とか言ってるけどオーフィスのときわかってなかったじゃん
ルフェイは?黒歌は?
裏切り者、ってことにしたいのはわかったけどもうちょっと裏切り者の可能性しかないように書いててほしい

本作ではアザゼルの手回しでヴァーリチーム除外
あの量の敵魔法使いを瞬間的に気づかれず転移させたのはリアルタイムで内側から手引したのが居ないとむり+その時に結界が反応してない→だからこの中に裏切り者が
ってことにしたけど、うーん…
結局この程度の理由付けじゃモブのスタッフが犯人でないのはメタ読みでしかないし…
原作よりも少しでも受け入れやすく感じてもらえたら幸い

なお本編と違って手引してないけど裏切り者、というか敵対予定のやつはガチでいるという

>それはここに来るまでにしとく話だろ…
いつもの

>ベンニーア
詳細不明でわけわからん考え方
真HSDDではハーデスがだいぶ暴れてる?らしいんでその時言うんならまだわかるんだけども、この時点でのハーデスって別に表立って悪事働いてなくね?
というかオーフィス倒すために英雄派と協力したことについていけない死神が、テロリスト倒すためにオーフィスや冥府襲撃したヴァーリと手を組んでるところに転がり込む?
原作じゃ親しい死神死んだ可能性すらあるのに…
なんかそこらへんの事情とか語られたのかしら
まぁ今更語られてたところで結局この時点だと違和感しかないんだけど

あと個人的に人間がコスト下げの材料扱いなのもなんだかなぁ
単純にこいつが駒価値3以下なだけでは?

>魔法使い戦
・朱乃の雷光龍
読み返したら「雷光龍」ばっか目立ってた印象だったのが炎と氷も居るのね
でも結局のところ自動操縦ってだけで穴で完封されそうだし何の強化なのかさっぱり

・魔法で戦車の特性うんぬん
魔法使って「戦車の特性はこれで強化しますわ」?
一誠「防御魔力のイメージ不足を魔法の術式で補った!」???
説明がわからんのでカットせざるを得ない
一誠は僧侶が苦手だから砲撃に?僧侶ってどういう特性なんだよ
久々に1巻みたらアーシアのときの「僧侶の力は仲間のフォロー」しか書いてないわ
朱乃は女王で3つの能力を併せ持つわ!→その場で僧侶の特性は語らず、だからね
このときは魔力攻撃が得意なのは朱乃の個人的なものだったんだろうか?アーシアが魔力で攻撃とかした記憶ねぇし

というか小猫の魔力防御習得未完全設定があったのがきつい
黒歌がかばったシーンおかしない?って書いちゃったし
まぁ本作中ではガード持たせたから矛盾はしなくなるんだけど、なんだかなぁ
いや黒歌の僧侶の特性は防御と関係ないみたいだから問題ないのか?

なんにせよ騎士・僧侶・戦車の特性実質持ってる一誠が僧侶苦手や女王の朱乃が戦車苦手と違って
戦車一本しかない小猫に戦車の防御能力習得未完全設定ってきつくね?
そりゃ本人もこの中で一番役に立ててないと思うわな!体格からくるモノじゃなく本人の習得状態が原因だもの!
はぁ
一誠まわりには色々盛ってるのにな、鎧もなんか極限に?極まって?とかなんとか

・ソーナの独白のときの一誠
リアスは駒が強いから突撃させるのね、って話に
意訳「すいません脳筋で!技覚えたけど技覚えただけの脳筋ゴリ押しなんです!」
(なお他人を脳筋とバカにはする模様
うーん、クソ
何度も言うけどやっぱ「ゼノヴィアはアーシアを魔女呼びしてバカにした補正」あるだろ
(それならイリナへの自称天使いじりとかくどいのも納得
というかソーナもだいぶクソか
自分はリアスとタイマン負けてるのに、テクニックは技覚えろマン並に戦術ガー連呼
まぁ前者は後にとはいえ徹底的に否定されるだけマシなのかも?
後者は一誠が描写以上に持ち上げまくっててきつい

個人的にはこのソーナの独白、何も考えずに突っ込ませても勝てるSSR眷属引いた同期への僻みっぽく見えたり
というか戦術に自信あるならグレンデル戦で一誠に的確な指示・助言の一つでもして好転させてみろってーの

余談だけど頭のいいキャラをちゃんと頭がいいって思わせるの難しいよね
未来視ばりの展開予想させるとかもあんまり多様できないし

>一般の生徒は関係ない
これ原作で殴られた魔法使いがキョトンとしてた理由にしか思えなかった
何言ってんだこいつ?って
なお一誠は殴っても少ししかスッキリしてないので初見の邪龍をストレス発散対象にする模様

>パンツ
ここ原作で一誠がわざわざソーナを質問?恥辱攻めしてたのが意味不明
こいつの行動にちゃんとこういう意味があると理解できたことはあんまないけど、それでもねぇ
あと実質アーシア嫁にもらう宣言してるのよね
まぁいつものことだけど
これをヒロインが言質取ったどーとかしないからパンツどんまいって言うのと変わらないくらい無駄だけど

・帰ってからの原作場面
レイヴェルの発言「一誠に惚れたのは英雄譚読んでその英雄を支える女性になりたい幼心が一誠を見て蘇っていった」(意訳
あと「熱くて仲間思いで夢に向かって突き進む一誠の姿は自分の周囲・上流階級にない輝き」なんだそうで
純粋培養してた箱入り娘が変な男に引っかかるアレにしか思えねぇ

なお家柄格差的なのには言及なし(少なくてもここでは
うーん、どこだったんだろう

あと関係ないけど魔法陣と魔術文字を覚えてただけでも「かなりのこと」がわかるらしい
…その「かなり」がなにか、とか
後々魔法使いを捕らえたのに役立ったとかって出ましたか?

こっちはもはやどうでもいいけど、あの場でメソメソする理由がわからなさすぎてそれならずっと義憤状態でもよくね?って
泣いてたけど気分を切り替える前から自分を調べた魔法陣やら魔術文字覚えてました!よりも納得できそう
あ、泣いてたのは演技でした!イッセー様によしよししてもらえて嬉しかったです!の可能性もあるか

>俺の眷属になってください!
自己主張できねぇやつはダメだの奪われても仕方ないだの言ってるからね
なら奪われそうになる前に言えって感じだけど、でも故郷周りの事情を知ってると主人公はここまで言い出せないほうが自然だし

・この後の幕間のアザゼル
帝釈天に
『俺にしてみれば悪魔なのにヒーロー騙ってるおっぱいドラゴンも曹操と大差ない道化
どんなにキレイごと並べてもアザゼルのところの若手悪魔も人間利用して生きる邪悪で陰湿な悪魔
どこまでいってもヒーローにはほど遠い、ただのごっこ』
って言われたらしい
天帝様はいいこと言うね

アザゼルがまたそれに変わろうとしてるんだよ!みたいなこと思ってるけど
いつもそれしかないね
そもそも若い世代が強くなってなにが変わるんだ?
せめてランキング以外で何か変えようとしててくれよ
これだけ言われたら古い習慣でしかない悪魔のお仕事(=人間から搾取)とか辞めない?
あと堕天使の神器狩りとかはどうしたのかなぁ

・新しいオーフィスを動かすボスの話
ハーデスはない理由が「表立てば今度こそゼウスに追放される」とか言ってるのマジで意味がわからん

で、ちょっと考えたけど、これの前のベンニーアの、そのまた前のアザゼルサーゼクス冥界凸
あの時点だと一誠が死んだことに腹を立ててる感じで…
なんだろう、ハーデスが悪いのはハーデスの影響で一誠が死んだから、ってことか?
ゼウスはともかくベンニーアはありえるが…まさかね


元ネタ

ソウル「アバドン」
蒼月の十字架でのバレットタイプのソウル
イナゴの群れに襲わせる

今回は嫌がらせ目的でわざわざこれで戦った、という設定
多対多だし
しかしゲームだとそうでもないけどリアルなら絶対これ怖いだろうなぁ蝗
画像検索だけでウエってなったわ
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