ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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遅くなりました

原作本編が全く進まない番外編
設定の羅列になってるかも
あと実質ゲストヒロインなので今後本編で出すかどうかはまだ未定・設定も後から変わるかも

本編進まないし活動報告の方にまとめた方が良かったのかもしれない、いやでも説明もあるし…とか考えてたらきりがない
でもまぁ主な視聴層が見たいのって原作キャラへのリアクションだろうしあんまりここで止まっててもねぇ…
投稿するしかねぇ!なんとかなれーっ!

あ、設定の大量説明で、以前まで出してた話と矛盾するものがないかチェックしてたんですが
昔の本文ひどすぎ
よくリメイクしてる人見るけど気持ちがわかる…


34話(仮) 15巻部分・番外編

「あ、ロスヴァイセさん。例の期限、悪いけど22日までで良いですか?」

 

眷属の話の次の日。

魔法に関するお勉強が一段落して休憩中、ロスヴァイセさんに声をかけた。

 

「それは構いませんけれど…どうしてその日に?」

「翌日が塔城さんの誕生日なんで。

 お祝い、と言っても集まって飯食べるくらいですけど、間に合うなら一緒にと思って」

「…今更だけれど小猫さんはいいんです?

 聞きましたよ。グレモリー家に娘の眷属候補を奪ったからそのお詫びに育成にかけただろう金額を返す、とか言ってだいぶ金品を渡したとか。

 それ程大事にされてるのなら、私が入ってしまうのは嫌なのでは?」

 

あの話もう漏れてるのか。

いや、別に釘刺したりとかはしてないが。

 

「そこに関しては事前に了承は得てます。

 そもそも主である俺に塔城さんが不満を持つのであれば、ロスヴァイセさんに責任はなく俺が解決しないといけないので」

 

とは言っても別に上司部下…じゃなくて主と下僕か。そういう上下関係にはなりたいわけではないんだけどな。白音だけでなくロスヴァイセさんとも。

 

「…わかりました。では期日までに返答させていただきます」

 

 

 

で、23日。

 

「はい。というわけでこちらロスヴァイセさん。

 ロスヴァイセさん、今後ともよろしくお願いしますね」

「…」

 

仲間になるのを快諾してくれたロスヴァイセさんを、必要ないが形式的に紹介。

白音はむくれている。

…フリしてるだけだな、これは。

 

「…眷属にはしないって言ってませんでしたっけ」

「うん。当時はするつもりはなくて囲うだけで、いい距離感の協力者になってもらうつもりだったんだけど…

 まさかこの状況でも勧誘されるとは。

 いやぁ失敗失敗」

 

白音の頭とか猫耳を撫で触りながら返事を返す。

予想通り、そこまでさせてくれるんなら怒ってるのはポーズだけで本気ではないんだろう。

自分のことを構えよ、という意思表示?

猫飼ったことないけど、先住猫が新人猫にマウント取るようなそういう系?

…というかそもそも、白音ってロスヴァイセさんが北欧から実質放逐状態で帰りづらいのも知ってるから、ガチで嫌がれるタイプじゃないと思うが。

頼る相手の居ないハミ出しものの辛さは知ってるだろうし。

 

「っと、そろそろ行こうか」

 

そう言って二人を先導し、マンションの地下一階へ。

 

「…ここからどこかへ行くんですか?

 悪魔みたいにエレベーターに仕掛けもないですし」

「メイドの皆さんと来たことありますけど、ここ消耗品のストックしかなかったような…」

 

二人の言うように、ここは普通の廊下に見えるだろう。

 

「でも鍵を持ってれば…」

 

俺が壁に近づくと、四角く青白い線が走り、壁は招き入れる扉のように動く。

 

「この通り。

 どうぞ入って入って。あ、鍵は後で渡すから」

 

二人を先に入れ、俺もその後を追う。閉まる扉。

扉を過ぎ、こちら側はもう俺の世界。それを物語るように先程のマンションとは様式も違う、洋風で壁掛け燭台のある歴史を感じさせる通路。

そんな、ゲームのエリア移動の際のCDの読み込みのためのような通路を通る前に、やらなくてはいけないことがある。

 

「向こうに着く前に…」

 

魔法書を取り出す。

と、ロスヴァイセさんが気になるみたいで早速聞いてきた。

 

「見たことのない魔法書ですが、それは?」

「外部的な影響の除去もできる浄化の魔法書…みたいな?

 まぁ一応隠したいモノもあるんで、身体チェックとでも思ってもらえれば」

 

とは言っても、幾度となく調べて彼女ら二人が情報収集のために何かされてたり、誰かの目情報収集道具になってる可能性がないのはわかっている。

目的は別。

 

「『サンクチュアリ』!」

 

いつも通り、しっかりMPを魔法書に注ぎ込み、万が一がないように気合を入れて発声し魔法を使う。

…別にそれでもとより100%の成功率が変わるわけではないが、気持ち的な。

白い魔法陣が広がり、発光。

 

そして光が消えると床にある、悪魔の駒。

拾う。

 

「…ちょっと前にあった、転生悪魔たちのはぐれ化。その時に駒が返却されてたの、あれって…」

「多分俺。

 それ以外の方法は知らないし、別にその全員が龍門で呼ばれた死にかけってわけじゃないんでしょ?」

「じゃあ、『反悪魔の駒協会』は…?」

「それは俺が作った組織。

 組織といっても別に俺以外に誰かいるわけじゃないけど」

「例の分身、ですか」

「そう。

 作った理由としては悪魔が勝手に地球の生物を自分のモノにしていくのがムカつくから…になるかな」

 

他になにか質問ある?と聞くように白音に目線を向けるが、今入った情報の処理が追いつかないみたいだ。

 

「あの、そもそもこの魔術は何なんです?

 今までと違って明らかに魔術の枠組みを逸脱してるとしか…」

「あーっと…

 まぁ今更ここで隠すほどじゃないからバラしたいんだけど、自分でも把握できてないからなぁ…

 異世界の能力が一番近い、かな」

「言うなれば乳神のような?」

「あれが一番近いのか。嫌だけど仕方ない…っと、着いたね」

 

ロスヴァイセさんの質問に答えながら進んでると扉(こっちはふつうのやつ)に到着した。

入ってから先導してたが、異世界への一歩を踏み出すのを見たいので、二人に開けてもらった。

 

『ようこそ』

 

扉を開けるとそこに見えたのは先程まで通路だったのに屋外、それにずらっと大量のメイドの出迎え。あと遠くに見える城。

それらに呆気にとられる二人はメイドに案内されるがまま、そばに設置しておいたテーブルに着く。

 

「さて、これから色々説明しようと思うけど、先に質問もあればなんでも答えるよ。

 …なにせ二人はよそから俺の仲間と認識されるだろうから他のヒトよりリスクが高いし、優先して質問に答えるくらいの権利はあると思う。

 とは言っても、さっきの能力持ってる理由とか、俺にもわからないことはわからないとしか答えられないけど。」

「…とは言っても」

「何をどう聞いたものか」

 

顔を見合わせる二人。

 

「んじゃ、俺が説明含めて言いたいこと言うから、気になることがあったらその都度聞いてもらう感じで行くかな…

 さて。

 さっきも言ったけど、俺は悪魔と敵対する予定がある。その理由は『悪魔がムカつくから』」

 

席についた二人に飲み物が準備されるのを見ながらそれだけ言う。

 

「えぇと…」

「…それだけ?」

 

それだけ言って黙ってると二人から続きを求められた。

わりとそれだけなんだ。

大衆を扇動するためなら転生悪魔への扱いに憤ったんだ!とか見栄えの良いお題目を掲げるが。

 

「まぁそれ以上ではないからね。

 俺は別に自分の思想に賛同させたいってわけではない。

 だから、それなら自分はやりたくない、って思ったことからは参加しなくていいし、参加したくないって思う気持ちが芽生える邪魔もしたくないんだよね。

 うーん、なんと言えばいいか…

 いくつかレーティングゲームを体験・見学してて思ったんだよ。

 自分のワガママで喧嘩して、それで自分の好きなヒトが怪我して、喚くのって逆ギレとしか思えない、けどそれって俺のやろうとしてることと何が違うんだって」

「だから露悪的に言えば私達は参加しないだろう、と?」

「そんな大したもんじゃないよ。

 本人の判断に色眼鏡かけたくないってだけで、結局賛同してもらえたら嬉しいし?

 ただ、俺の動機を細かく語ったところで個人的な感情だけでしかないのは事実だからね。

 …つまりただの予防線。

 とはいっても結局今はモラトリアムでしかないけどね。何か選択を迫るわけでもない」

 

ロスヴァイセさんの質問にそう返す。

かわいい女の子も美人も好きだし仲間になってくれるのは嬉しいけど、強要したくはない。嫌われたくないしね。

打倒悪魔!ってのも大事だけどそっちも大事。

俺の人生は悪魔潰して終わりじゃないし。

 

「…最終的な目標は何なんですか?

 悪魔の撲滅…とかなら禍の団、それも英雄派とは戦いませんよね?」

 

考え込んでいた様子だった白音が聞いてきた。

悪魔の撲滅かぁ。

別に目的達成のため以外に殺しはするつもりはない。ボコった程度で済むならそれでいい。

へいわしゅぎとかでもなくただ面倒なだけで、嫌いなヤツはむしろ殺して終わりにしたくないだけだが。

 

「えーっと、最低限は悪魔に日本を領土とか言わせないことかな。

 まぁそれも悪魔からすれば悪魔の理屈があるのかもしれないし、日本自体が既に売約済みなのかもしれないけど。

 それでも、『俺は嫌』だから。

 なんでかって言うと…後で細かく言おうと思ったんだけど、俺は日本神話に個人的にお世話になったことがあるから、それがまず第一で──」

「えっ、ショージくんは日本神話所属だったんですか!?」

「いえ、所属ではないです。

 恩人が日本神話の神やってた方なだけで。私兵ですらないよ。

 それに、そっちの方が万が一、俺がやらかしても日本神話の立場が悪化しないでしょ?」

「それだとしても個人的にお目にかかれるなんて!実質的に重要ポジションじゃないですか!

 あぁ、神に使い捨てにされる程度の部下のうちの一人ごときでしかない私が今までなんてことを…」

「いや、そんなたいそれたもんじゃ…」

 

知らずにロスヴァイセさんの傷に触れてしまったみたいだ。

…いや、酔った時のことから予測できたはずだったんだ。今まで本人が押し殺してきてただけで。

 

「大丈夫ですよ、ロスヴァイセさん。

 正二は…ほら、普通じゃないですから。

 こんな裏都市みたいなところを個人所有してるんですから、我々みたいな一般的な妖怪や戦乙女とは違うんですよ」

「裏都市っていうか、別世界かな。地球と同サイズの土地があるよ」

 

これも後で説明しようと思ったんだけど、まぁいいか。

 

「小猫さん…」

「白音でいいですよ。私達は仲間なんですから」

 

なんか更に引かれてる?

まぁそのうち慣れるか。

 

「話を戻すけど、俺は恩人と思ってるヒトたちが人間に譲った場所を、自分の領地だと言い張る輩が嫌で排除したい。

 俺はその目標を叶えるには俺の主張を認めざるを得ない…例えば悪魔と全面戦争して勝てる戦力がいると思って、情報集めたり占いに頼ったりして藁を掴む思いで力を求めて駒王町に来た。」

 

まぁ他にもやりようはあるんだろうけど。

トップだけ狙い撃ちで分身活用して24時間365日襲撃するとか。

でも悪魔の首脳陣壊滅させたところで今までのやり方をやってきた悪魔が変えるかってーと…

 

「実際成果はでてるし、今後も目的を露呈させず戦いのお題目を持てるテロリストとの戦闘、つまりは実力向上の機会は増えるだろう。

 あ、あと英雄派に賛同できないのは単純にあいつらやってることが普通にテロリストだから。

 それに言うほど悪魔たちへの敵対心も見えないんだよな。京都で暴れる時点でマイナスだけど。その前にやるべきとこはないのか?って。

 なんかそういうポーズを取ってるだけに見えるというか。だから組んだりするつもりはない。

 …こんなもんかな?」

 

英雄派はちょっとだけ期待してたんだけどな。

迫害神器使いの救助だけしてれば良かったのに…

それなら神器使いの転生悪魔化ばかりしてる悪魔陣営批判へも繋げられたし。

いや、それでも精神的に不安定なやつを、資質次第で尖兵に仕立て上げるようなのは賛同できないか。

…しかし英雄ってのは大体ソロか多くても数人でボスを打破するもんじゃないのか?トップが武将系の曹操だったからこうなったとか?

 

「悪魔と全面戦争、ですか…

 スケールが大きいですね」

「いや、三大勢力が『和平』なんかして、更に外部勢力にも協力を求めてるんだ。

 オーディンみたいなアンチ悪魔勢力以外の全勢力が敵になる可能性がある。

 …だけなら良かったんだけどね」

 

そういや三大勢力が日本神話にも協力求めて、その過程で日本の領地扱い辞めて更に出ていく~なんて言ってたら俺のやること一切なくなってたな。

するわけないから無駄な妄想なんだが。

しっかし地球から撤退しようとしてる現政府と対立してる集団の悪魔とかいねーかなー。

旧魔王派?

あいつら根本がテロリストっぽいし…

 

「え、他にも喧嘩売るつもりなんですか?」

「流石にそれは…」

「違う違う。

 …三大勢力は手に入れてんだ、オーフィスを。

 万全ではないらしいけど、それでも今の俺にとっては攻略不能なのに変わりない」

「…」

「…無理じゃないですか、これ」

「普通ならそうだろうね。

 ただ、白音がさっき言ったように、俺は普通じゃない」

 

そう言って指輪を投げ渡す。

 

「これは?」

「俺の希望。『カオスリング』って言って混沌に接続できるアイテム。

 …とは言っても俺も完全にできるわけじゃないし、俺以外のヒトは使えすらしないみたいだけど」

「混沌?」

「次元の狭間の更に外…とでも言う場所、らしい」

「歯切れが悪いですね」

 

しゃーねーじゃん。俺が知ってる混沌とは違うんだから…

とはいえ、おとぎ話のようなものではなく、この世界に実在してるわけだし。

 

「ま…まぁともかく。

 そんな所に接続してその力を十全に使えるようになれれば、次元の狭間から生じたオーフィス程度敵にあらず!ってわけよ。多分」

「…それって私達が参加しても戦力としていらないのでは?」

「オーフィス超えを成し遂げた時だけを考えればそうかもね。

 でもそれはいつになるかわからないし、そもそもそれまでの過程の積み重ねに無駄なんて一切ないと俺は思う」

 

なんか説教クサいような…?

でもまぁ戦力だけでいるいらんの話はしてないし今後するつもりもないからな。

 

「とにかく、いつになるかわかんないからこそ、俺は間違ってもヘイト集めないように喧嘩売りたそうにもしてないし、実力を図られないように常にセーブしっぱなしの作戦中なわけで」

「…その作戦につっこむ前に聞きますけど、この作戦って誰かに話したんですか?」

「いや、二人が初めて…

 あ、ハーデス様には言ってたな」

「ハーデス!?」

「ギリシャ神話の!?

 …っ、なんか胃が痛く…」

「えっ」

 

やべーな、ヴァルキリーの胃痛に効くアイテムとかあるか?普通の医療品じゃだめか?

 

『Portion!』

「痛くなくなりました…

 痛みすらなくなってしまうなんて」

 

アイテム欄探してる間に妖精が使ってくれた。

というかポーションでいいのか。

 

「…わたしはハーデス…さまって悪人の印象のままなんですけど」

 

白音が俺がテーブルに出しまくった回復アイテムや食べ物ごしにこちらをジト目で見つめてくる。

 

「え、そう?

 う~~ん…特に悪いことしたようには思えないけど」

「この間の冥界での襲撃は?」

「オーフィスを黙って囲おうとしてたアザゼルのが悪くない?

 というか今現在だって残り物とはいえオーフィス手に入れたの公表してないよね?知ってるの俺らと英雄派に魔王…それもサーゼクスだけとかなんじゃない?

 責任問題考えると怖くて仕方ないんだけど」

 

アザゼルが悪いからしゃーないねん。

…これで俺らクラスの下っ端実行犯には三大勢力がオーフィス持ってるのバレたことへの余波とか防げないかなぁ。

って俺上級悪魔扱いだからだめだわ!グレモリー先輩の前に突き出されるポジじゃん!

くそ、駒が欲しかっただけなのに…

 

「嫌いなテロリストと組んでたのはいいんです?」

「俺と、みたいに最初からガッツリ組んでたならともかく、英雄派とは一時的なもんだしね。

 襲撃にしても、轡を並べて一緒に襲ったわけじゃないでしょ?

 そもそもその考え方なら、三大勢力側もロキ相手に作戦で裏切ったフリしてるわけでもないテロリストのヴァーリと組んでるし、結構ズブズブじゃない?」

「…ずいぶん肩を持つんですね」

「俺は三大勢力より冥府のがつながり長いからね。

 ま、だからこそ白音が三大勢力側、というかグレモリー側を擁護したいのもわかってる…つもりではある。

 そのためにグレモリー先輩らが利用されてる証拠として、アザゼルがオーフィス連れ込んだ時、グレモリー先輩の反応で秘密にしたのがわかるように動画にしたりした。

 まぁそれもこれもあの場で死神から白音に怪我を負わせることがなく無事に帰れたからこそ言えるわけだけど」

「…そうですか」

 

話を打ち切ってさっき出した食事に手を付け始めた。

冥府悪ない?って言ってるヒトに実質アザゼル信用してるグレモリー先輩のが悪いよーって言ってるも同然だしな。

まーぶっちゃけ変装分身の方だけで悪魔と敵対させて、俺は悪魔と仲良しこよしでやっていくのも一つの手ではあるんだが…

 

「しかし、日本神話は冥府と繋がってるんです?

 聞いた話では日本神話は来る者拒まず・去る者追わずでこっち…いえ、北欧神話は思ったようにはいかなかったみたいですが」

「いいや、繋がってはないよ。

 俺がさっきのリングで混沌に接続したのを、その混沌とほぼ同一でもある外側のカオス神が察知して、直接接触できないからその子供・子孫である他の原初の神を伝ってハーデス様に知らされて…って感じで俺個人に接触を図ってきたのよ。

 だから組織的な繋がりは皆無。失敗すれば切り捨てれば無問題」

「そ、そうなんですね…

 しかし、そうなるとそのリングは本当に何なんでしょうね…」

「何で俺のところにあるのかはわからない。

 ただ、何か…と問われると一応回答は持ってることになる。

 まず俺には前世の記憶、とでも言うものがあります」

「あぁ、なるほど」

「まだ理解できそうな話が出てきましたね」

 

軽いなぁ。いや、前世云々の方がこのファンタジー世界じゃ受け入れやすいか?神器の前の持ち主とか英雄の魂だとかもあるし。

 

「けどそれは別世界のだったんだ」

「ショージくんがその異世界のカオス神の生まれ変わりとかでももう驚きませんよ…」

「流石にそれはないかな。

 だったらもっと混沌関係は楽だろうし。

 まぁ普通の、裏関係とかなさそうな一般人だったよ。価値観も俺とは違う普通の人」

「…そういう異世界かどうか、なんてどう判断したんです?」

「まずはそういうお話・創作物があったから…になってしまうんだよなぁ。だいぶ流行ってたし?でも実際そうなってみるとそうとしか思えないし…

 まぁそう考えると辻褄が合うから、ぐらいかな。

 あとは年度の出来事が違うから未来視ではないだろうとか、その前世と漫画アニメの創作物の名前が微妙に違う、とかあったりなかったり、とかそういうの。

 いや、これほんと最初は大変だったんだよ、そういうのが大事な小学生時代に周りの話が全っ然理解できないし、知ったあとでもしっくりこなくて…

 あと神話とかの情報がほぼない。そのかわりに存在しないと思ってたファンタジーな生き物やらなんやらが実在するわけだからまーびっくり」

「存在しない?

 一般人に隠してるだけでは?」

「あ~…まぁそれは…否定はできない、か?

 とは言ってもなんとか神話にはなんとかって名前の神様が居ます、みたいなのがネットであっさり出たりとかしないから…う~ん。

 ま、まぁ、少なくとも俺はそう認識してるってことで。

 で、生まれた世界に存在してなかった創作物の一つ、ゲーム『悪魔城ドラキュラ』シリーズ。

 主人公は吸血鬼ハンターやら吸血鬼とのハーフやら魔王の転生者やらで、ジャンルは…主にアクションRPGかな。クリアしたらここみたいな城が見えるロケーションで遠巻きに城が崩れるのを眺めるのが定番…ってそれは関係ないか。

 ともかく、その作品に登場するアイテムの一つがこの『カオスリング』っつーわけ」

「ではさっきの魔法書も?」

「そう。作中では吸血鬼に噛まれて吸血鬼化して洗脳すらされた人を何不自由なくそのまま元の人間に戻してた。

 あと動きがキモいとかよく言われるのも、ゲームの動作を現実にしてるから違和感があるんだと思うよ」

「…結局謎なのは変わらないような」

「まぁね。

 そのシリーズ作品のうちの一人の名前が蒼真(そうま)だから俺とうっすい関係がある…か?ってぐらい。

 あとは…何話せばいいんだろ、自己紹介…は今更だけど、今までの経歴みたいなやつ?」

「…そういう普通のでいいんですよ」

「いえ白音さん、これもまた我々の予想を超えてくるんですよ」

 

そこまですごくは…

いや、昔の人の執念のすごさはあるのか?

 

「えーっと、俺が生まれてから…の話をしたいんだけど、特殊な家庭だからちょっと、前提の家系とかルーツから説明させてね。

 そうま家ってのはだいぶ昔の…一応は退魔師の家系、に今はなってるっぽいんだけど、実際はただの一般退魔師個人が興したものだった。

 でもその個人にはそんな一家で高名になれるようなすごい能力とかはなかった。

 なのになんでそうなったか、っていうと…

 当時、葛の葉って狐の妖怪のハーフの安倍晴明ってのがブイブイ言わしてた。らしい。

 それを見て『俺も妖怪とのハーフなら有名な退魔師になれる!』って発想に至って、けど生まれてからハーフになるなんてどうしようもない。

 そこでそいつが思ったのは『自分が妖怪を孕ませてそいつの子供に乗り移る』的な発想だった」

「えぇ…」

「他の退魔師より劣ってるそいつにはそれもすぐにできるものでもなかったが、それでも仙人に弟子入りしたりで延命して、どうにか乗り移る術を開発した」

「努力の方向間違えてません?」

「俺もそう思う。

 けれど、それ以外の方法では才能は開花しなかったのかもしれない。

 それにそんな変人が居なきゃ俺は生まれてないからなぁ…

 おっと。

 話を戻すと、そいつ…初代『そうま』とでもいうやつは術を開発はできたんだけど、狙いのすげー強そうな妖怪を捕まえることができなかった。

 そいつの目的を達する目的以外の退魔師としての能力は低いままだったからね。

 しかたなくそいつは自分でも捕まえられるほどの弱い妖怪を捕まえ、孕ませた。

 そして乗り移るが、思ったほど能力向上はしてない。

 仕方なしにまた次のエモノを探して…

 といった感じで着々と世代を重ねていった。

 …が、悲しいかな。

 子供を作るには時間がかかる。時間がかかれば時代も変わる。時代が変わるにつれて退魔師なんてのは廃れていった。

 需要もなく、五大宗家みたいなしっかりした基盤・コネを持ってるところ以外はほそぼそとやってるだけ。昔みたいに国のお抱え退魔師になるなんて不可能。

 それでも惰性で能力向上させようとしても、そもそもの妖怪も数を減らして役に立ちそうなお眼鏡に叶うものは居ない。

 …まぁいるとこにはいるんだけど。

 でもそういうやつらってたいてい強すぎたり偉い人と密接だったりしてるからね。

 で、『そうま』が望むような、強いけど簡単に手に入る妖怪を探した結果が殺生石…当時の通称は玉藻前。まぁ本人は生き返ってたときは妲己って名乗ってたみたいけど。

 奇しくも自分がこの方法にたどり着くきっかけになった妖怪と同じ妖狐。

 これしかないって早速石から復活させて子供を作らせた」

「…それが正二?」

 

二人が神妙な面持ちで俺を見ている。

 

「いや、俺の種違いの兄にあたる人物だな。

 というのも、時系列としてはそれよりも前からになるけど、『そうま』個人が積み上げていったのはそれなりに大きくなって村レベルのコミュニティを作り上げてた。

 妖怪に一人子供を作らせてハイ終わり、とはならないからね。

 最初はすぐ乗り移ったりしてたけど、だんだんと増えていったら掛け合わせてもっと優秀な子どもを作って、ある程度成果が上がってから乗り移るようになった。

 そうなると優秀じゃないのが生き残るわけだ。

 んで、そういう子どもはそうま家の外との仕事をさせられる。稼ぎとか食料の確保とか、それこそ退魔師として動いたり。

 失敗作判定でも妖怪混じりで普通の人間の退魔師よりかはだいぶ強いし、そんなのが集団でいるからか暮らす分には不自由しなかったみたい。

 ただその中に、閉じたそうま家という狭い世界からその外に触れて、外に感化させられて、そうま家のやってることに反感を持つものが生まれた」

「当然ではないでしょうか」

「まぁね。

 一応擁護…ってわけでもないけど、妖怪をさらってただけじゃなく、噂を聞いてよそからやってきて自分も加えてくれって妖怪とかも居たらしいけど。

 ま、その外に感化された…まぁ隠す必要ないから言うけど後の俺の父親ね。

 父親はそうま家に居た全員を無力化させて既に妊婦だった妲己を被害者と思って連れて逃げた。まぁ実際はそうじゃなかったんだが…

 その後俺の兄である第一子が生まれ、しばらく後に俺が生まれた」

 

一度区切り飲み物を飲む。

 

「…ここまで聞くといい話っぽいですけど、後の母親からの話を知ってると複雑ですね」

「まぁねぇ」

「え、何があったんです?」

「んじゃ俺が生まれてからの話。

 俺の始まりというか、自我の確立というか…一番最初の記憶は『死にたくない』だった。

 そしてクソ寒い水の中にいるのと水中なのに息が苦しくないことに気づいて困惑。なんでこんな状況か思い出そうとして、母親である妲己から父親が車で海に飛び込むように暗示かけられてたっぽい記憶が蘇った」

「っ、そんな…」

「で、まぁ捨てられたわけなんだけど、そこからうまく消化できないままだったり。

 明確な記憶がないぶん、母親がどういう感じで捨てようとしたのか、俺の作り出した妄想の凶悪な母親像に襲われたり」

 

そう過去を弁明しつつ白音に視線を送る。

 

「どうも当時の父親の手記とか見るに、俺はぼーっとしてばっかだったらしいからなぁ。実際は前世を垣間見てたわけなんだが。まぁそれで親子共々利用価値ナシって思われたのかも? それがなきゃまだ兄と4人で家族としてやってたかもね。

 あー、大丈夫だってロスヴァイセさん。

 今こうして生きてて、外からでもわかる実績残しまくってるのが復讐っちゃ復讐だからさ」

 

俺の話を聞いて、悲壮な顔のロスヴァイセさんに声をかける。

他人のことを我が事のように悲しんでくれるのっていいヒトよね。俺はろくでなしの悪いやつだからこういうのが染みる染みる。

…だからこそあんま人に言わないようにしてるんだがな!

自分で自分のことちょろいとこあると思うし。俺は俺のことが好きだったり俺に優しくしてくれる人好きだから、同情してくれる人端からみんな好きになっちゃうと困る。

 

「で、能力のおかげで水中呼吸ができる俺は生きたまま車ごと海から引き上げられて。まだ生きてるーってなって、親は死んでるしで養護施設に。

 あ、そういやそこらへんってグレモリー側もなんか調査入れてた?」

「話題に上がったのが昔すぎるけど、両親と事故にあって一人生き残った、という書類通りの知識しかない…と思う。

 ただグレモリー眷属は両親がいないヒトが多いし話題にはなってなかった。

 そうま家が魔を取り込む秘術を持ってるとか、昔は五大宗家並だった、とかそういう話があった…ような?」

 

改めて考えるとあんだけ居てグレモリー先輩、兵藤先輩、追加でも紫藤先輩しか両親居ないんだもんな。

 

「魔を取り込むって…まぁ当たらずとも遠からずというか。昔は五大宗家並だった、っていうのは…勘違いじゃなきゃ昔は腐ってなかったのかな?そうだといいけど。

 んでまぁ、学校通わせてもらったわけだけどそこがまぁ、いや、全体的に悪いわけじゃないんだが、タイミング悪く当時はあまりよろしくないやつらも居て、んでそんなガキからすれば親居ない孤児なんか狙い所で、俺も今より荒れてて余裕もないしで…

 やらかした」

「えぇ…」

「ボコボコにでもしたんですか?」

「そうだったらまだよかったかもね。一度強さを誇示した方が被害はなかったかも。

 それはともかく、喧嘩する前に消した。と言うか俺の認識だと急に消えた。

 いや、キレたら記憶がなくなる~とかじゃなくて、マジに眼の前で消失して俺自身唖然となった感じ?

 一応サイコメトラーの探偵からもそう見えたって言ってたし」

「何やってるんですか…」

「…で、その後どうなったんです?」

「相手が親元も縁切りたかったレベルで酷いらしくて特に何もなかった。

 だけど、それでもたまたま居合わせた裏関係もやる探偵に俺が純粋な人間じゃないのもバレてこのままじゃあかんって、監視のために裏関係の学校に転校することになって。

 で、模範囚?みたいな感じで真面目にやってたからか、人を消した刑罰なのか、それは不明だけど日本政府の怪異対策班…とは言ってもほぼ名ばかりだったけど、そこの雑用係に回されて。

 んでそこで魂とか見えるしわかるわーって話したら黄泉の国との受け渡しをやるようになって、そこから日本神話のツクヨミ様に知り合って…

 で、まぁ…その救われて?一段階くらい。で、このヒトが第二の恩人って思ったりして…あ、第一は養護施設の人らね。んで今の感じになって、で一昨年駒王町に来て今に至る、って感じかな」

「巻きますね」

「いやぁ、いざ自分のこと説明しろってなるとなかなか難しくて…

 でもまぁ俺の行動方針とかその理由とか、ある程度わかってもらえたんじゃない?」

《確かにのぅ》

 

***

 

3人が会話しているところに新たに生垣から現れた女性。

長い黒髪に和服姿。細長いシルエットに青白い肌。まるで幽霊かのよう。

しかしその気配は──

 

「死神っ!?

 いえ、ギリシャ神話とは…」

《驚かせてすまなんだな。

 儂はクロエ、とでも呼んでくれ。ここにはこやつの冥府からの見張り兼日本観光兼政略結婚で来ておる》

「政略…」

「結婚!?」

《なんじゃ、説明しとらんかったのか?》

「いや、物事には順序が…

 というか気配まで絶ってなんでここに?」

《おやおや、妻が旦那の隠し事が気になるのは普通ではないかな?

 しかし、隠れて聞いただけはあったな。八雲に聞いた話以上であった》

「そういう情報開示の順番に差があるのは仕方ないでしょ、彼女らは矢面に立っちゃって今後無関係では通せなくなったんだから」

《うむ。彼女らに対して責任をきちんと取りたいというのは理解した。

 今回のは儂の知識欲ゆえだ。許せ》

 

そうまにそう返したあと、まだ状況を受け入れきれてない二人に向かって、

 

《ま、政略結婚とは言うたが…儂が妻だからといってなにか遠慮だとかはせんでおくれ。

 今後冥府が日本と手を組んで何かするようなこともほぼないであろうし、今の御時世で正室側室争いなんてするものでもなかろう。

 ましてやこいつの体は一つではないしな。

 …そういえば二人はザクロにアレルギーとかはないか?

 うむ、夜に振る舞ってやろうぞ。ではまた後でな》

 

黙ったままの二人に一方的に話しかけるが、二人が無言のままでも頷いたのを見ると、クロエは去っていった。

 

「ここで果樹園やってるんだよ。

 やってるというか、もともとやってた所で新しく始めたというか。

 ここの土地なんざいくらでも融通きくし、他にもここで色々やってるから二人も興味があったら──」

「じゃなくて!」

「結婚って本当なんですか!?」

「えっ、うん。

 とは言ってもなんか書類提出とかはしてない内縁の関係…?になるのかな。

 日本神話とギリシャ神話の公的な接触とかもあったわけじゃないし、立場的にはシトリー先輩のとこの死神と似たような感じだろうし」

「そうじゃないでしょ?」

 

再びの乱入者。

先ほどの死神クロエとは真逆の茶髪の小柄なエプロン姿の女性。

 

「ごめんね?急に割って入っちゃって。

 あたしは八雲。こいつとはさっき言ってた養護施設での昔なじみね」

 

二人に向けてさらっと自己紹介を終える。

そのまま正二に振り向き…

 

「あんたさぁ、あの娘らのこと一生面倒見るつもりなのよね?」

「え?うん、そのつもりだけど」

「よね。

 で、別に自分以外の男をあてがうつもりもないんでしょ?

 それじゃ結婚相手が既にいるとかはいうべきじゃない?」

「そういうもん?

 そりゃ俺が普通の一般人ならそうだと思うけどさ…」

「そういうものよ。

 いくら分身して相手とは一対一だからとか言ってもね。

 というかあんたただでさえデリカシーないんだから。

 …女妖怪相手にさっきの話はないと思うわ」

「あっ…

 ごめ──」

 

正二が白音に弁明するより早く八雲は二人の手を取る。

 

「こんな感じであんまり戦闘以外で他人の機微にはうとい男だけどさ、できたら見捨てないでやってね?

 あたしはあんたたちみたいにすごい強いわけじゃないから…

 あいつも悪いや…つ、だけど、あ、ほら。バカだから適当に甘い言葉言ってくれる相手には優しいから」

 

八雲の言い分に、そこまで言わなくても…と思いながらも失言なのは事実だと思って何も言えない正二。

一方二人は少し涙ぐむくらい真剣な八雲の表情から返答する。

 

「それはわかって了承したので…」

「私は最後まで責任取ってもらうつもりなのでご心配なく」

「そっかそっか…ありがとね。

 あ、あたし蜘蛛の妖怪の血を引いてて、妖力の糸とか使って服とか目視できないワイヤーとか作ってるから!なんか欲しいのあったら言ってね!

 じゃ!」

 

そう言うと、糸の能力で城の方まで飛んでいってしまった。

 

「過保護な方でしたね」

「3つ上で昔から…まぁあんな感じだったよ」

「3つ…大学生ぐらいですか。私と身長同じくらいですけど」

「それよりごめんね?

 俺の中では終わってたことだったから…」

「いえ、私は気にならなかったので」

「しかし、先ほどの八雲さんが蜘蛛の妖怪ということは…」

「うん、嫌だったんだろうな…俺の先祖の話も、それを平気で妖怪の女の子に言っちゃう俺も。

 特に八雲は戦闘したことも、させる予定もないし。

 だからそういう話は避けてたんだけど、それでも気になって糸で声の振動を拾ったのかな…」

 

ふう、とため息を吐く正二。

 

「ま、反省は後でするとして。

 さっきワイヤー作ってもらった話で思い出した。先に済ませとこう」

 

そう言ってどこからともなく小さな青い石板のようなものを2つ取り出す。

 

「これは?」

「来る時に通ってきた道あったでしょ?あれを通れるようにできるアイテム」

「…!?

 あの、触ったら消えたんですけど」

「二人のアイテム欄に入ってるよ」

「アイテム欄…?」

「異空間にものをしまう技能があるでしょ?

 あれのこっちの世界版…だと思う」

「だと思うって…」

「そう考えれば納得いくし、他にわかりやすい考え方もないしね。

 自発的に取り出せはしないだろうけど、持ってるだけで効力を発揮するタイプだから問題ないよ。

 で、これが本題」

 

そう言って黒い細長い帯状のものをテーブルにおいた。

 

「これは…?」

「…あれ、これは消えないんですね」

 

今度は受け取る前に聞くロスヴァイセ、恐る恐る触っていたが先ほどのように消えないことに驚く白音。

 

「こっちの世界のものじゃないからアイテム欄には入らないよ。

 それは変形させた装備型の悪魔の駒」

「装備型…」

「悪魔化への対処というのはこれですか?」

「そう。

 装備中は悪魔であると偽装でき、聖なる力が弱点にならず、外せば悪魔だったことが嘘のように元通り」

「デメリットは?」

「実際に転生悪魔になったヒトよりも魔力は扱いづらくなる。外付け小型魔力タンクでしかないからね。個人によっては最悪使えないかも?

 あとは悪魔になったことへのメリットがそのままなくなるくらい、かな。

 とは言っても一番だろう寿命延ばすのは、それこそ仙人化させるとかあるし」

「内丹術、でしたっけ」

「体を炉にし、丹田に種火を作り、呼吸により火を炎にし、そのエネルギーを使って生活すれば休息不要・食事不要・年も取らない仙人のできあがり。

 ま、言うのは簡単だけど実際は…

 俺も血統のおかげで仙人への道を楽して登ってるけど、それでも今だ仙人クラスのエネルギー生成には至らないし」

「あの、装備型…ってこれどう装備するんです?」

「あぁ、ごめんごめん。

 そのままだと劣化版でしかないから何か追加機能を…と思ったんだけど、駒って俺の魔力で登録してるじゃん?

 一応俺のじゃない駒とか駒にする前の原料とかも取ってきたんだけど、それで作ってバレても困るし、影響ない形だとできるのが血管から止血とか傷の手当とか健康チェックくらいしかなかったんだよね。ほら、俺って魔力の形質は吸血鬼みたいなもんだから。

 だからできるだけ血管があるところ…

 例えば太もも。

 太もも。とかにくるっと巻き付けるようにしてくれれば、あとは張り付いて機能してくれる。外れたりはしないと思うけど、一応ベルトとかで保護するのもいいかも。っていうかしてほしい」

「ほんと好きですよね…」

「うん好き」

「別に先程の説明なら首とかでもいいのでは?」

「首でも大丈夫だけど女性が太ももに巻き付けてるの好きなのでできれば太ももで!お願いします!

 もちろん嫌だって言うんなら無理強いはしないので」

「はぁ…

 私はいいけどロスヴァイセさんはどうするんです?」

「…私は普段スーツなので、見えないですし構いませんが」

「ありがとうございます!

 ところで首になにかつけさせるのって所有物扱いしてる感じがない?

 俺のものだって見せびらかす、みたいな」

「ないです」

「ありません。犬じゃあるまいし。

 ショージくんがそういうモノの見すぎなのでは?」

「そうかなぁ」

「あれ、私のとロスヴァイセさんのとで長さが違うんですね」

 

白音の持つものよりもロスヴァイセの方が短い。

 

「元の駒自体が駒価値に応じて内容量が違うからね。

 作り変える前にバラして調べたんだけど、無根拠で適当に1.3.5.8とかにはしてなかったみたい。

 あ、ロスヴァイセさんは僧侶で。一応魔法タイプで遠距離だと順当ですし、違和感持たれないでしょう」

「…半神のロスヴァイセさんを駒価値3の僧侶で転生してる方が違和感あるのでは?」

「んー、あれ結局持ち主の力量というかエネルギー総量というか、そんなので判断してるしなぁ。

 だから持ち主の成長で駒価値が少なくなるとか論文も出るわけで。

 妖力持ってる俺なら半神のロスヴァイセさんが駒価値3でもそこまでおかしくない…と思ってくれるんじゃないかなぁ」

「希望的観測すぎませんか…?」

「まぁ違和感持たれてもできたもんはできたで押し通せるんじゃないかな。

 普通はお手軽強化アイテムをわざわざ壊して自己流劣化版に改造しないし。

 …そこらへんの話はあとにして、とりあえず先に城の内部の説明と帰り道の説明をしようか」

 

そう言って指を鳴らす。すると──

 

「…瞬間移動?」

「転移の魔法陣は見えませんでしたが」

 

城前に着いていた。

 

「ゲームの技能が元だからね。この世界ならワープは結構簡単。城自体の仕掛けのおかげでもあるけど」

 

言いながら開けっ放しの門を通り過ぎる。

 

「はい、ここが玉座の間」

 

だだっ広い大広間には段差と、玉座だろう豪華な椅子しか見当たらない。

 

「椅子の裏に居住スペースに行くから」

 

そう言われついていく二人。

 

「しかし何もないですね」

「ゲームと違って誰も攻めてきたりとかしないしねー」

 

そのまま椅子の後ろのドアをくぐると、先ほどと同じくらいの広さの部屋に、浮いている複数の種類の扉。

 

「好きなの選んで?

 中身は一緒でこっちに通るときの通路があって、反対側が元の世界へのドアで、その通路の横側を各自それぞれ部屋にできるようにしてるから…」

 

説明しようとしてるうちに扉の一つ…ドアプレートがついたものが下にワープし、開く。

そして現れた金髪のゴスロリ衣装の少女。

彼女はこちらに振り向きざまに、

 

「初めまして。私(わたくし)、元堕天使のミッテルトと申します」

 

言いつつポーズを決める。

 

「ども。塔城小猫」

「ご丁寧にありがとうございます。ロスヴァイセです」

「…」

 

決めポーズを取ったまま、しばらく硬直するミッテルト。

 

「いやそこはもっとこう…『なんで堕天使がこんなところに~!?』みたいな反応じゃないの?」

「死神よりは意外性がない」

「えーっ、せっかくうち早めに準備してきたのに…」

 

ミッテルトの言葉に淡々とダメ出しする白音。

 

「あっ、そ~だ。

 いちおーうち、眷属としては先輩だから敬ってよね」

 

そう言って、着ているスカートを少しめくると、そこには黒いひものようなものが見えた。

 

「そんじゃね~」

 

言うなり再び出てきた扉に戻る。扉が閉まると再び扉は上に。

 

「アレが私達より先に眷属って本当なんですか?」

「うん。彼女は実験だい…

 じゃなくて、アルジェント先輩の事件の後に捕まえて、それからは色々と…ね。

 今回のも駒を入れたり出したり装備型のテストをしてもらったりしたんだ」

「ショージくん、ごまかせてないですよ…」

 

 

 

「ここがトレーニングルームね。

 普通の筋トレ用と別に実戦に近い感じの、でもゲームの能力を流用して怪我せず戦える施設もあるよ。まぁほとんど使用者は居ないけど」

 

指指したのはずらっと運動用の機材が並んだだだっ広い部屋…の端に、この場に似つかわしくない電子的な壁に包まれた区画。

ちょうどそこの扉から銀髪ツインテールの眼帯をしたボディスーツ姿の少女が出てきた。

 

「…人の気配がしたが、順番待ちだったか?すまんな」

 

そう言って去ろうとする。

 

「いやいや、今二人の案内してただけだから」

「そうか。

 …オレは十兵衛、と名乗っているフリーの忍者だ。

 とは言ってもそっちがクライアントになることはなさそうだが。

 そっちに関係ありそうな話だと、柳生十兵衛の魂を受け継いでる…そうだが、実感はないな」

 

そう言って二人に名刺を渡す。

 

「忍者なのにホームページとかメルアドって…」

「フリーだからな。

 大手のようにイメージ優先にはできん。」

「英雄派からの接触は…?」

「あったが、実質奴らの専属になるようなものだろう?

 そう思って金の話をしたらそれまでのしつこい連絡が嘘のように途絶え、それっきりだ。唯一の利点は一般人へのネームバリューぐらいか。

 …さてと、オレは明日の仕事に向けてのトレーニングに戻る」

 

じゃあな、と元出た扉に戻っていく十兵衛。

 

「トレーニングルームって名前の割にそんなに使われてないんですね」

 

ロスヴァイセが使用感のないきれいな器具ばかりなのを見ながら、意外そうに言う。

 

「そうみたい。基本俺はここのは使わないからなぁ…

 めっちゃ分身出してるからここだけじゃ足りないし」

「…それちょっと気になりますね」

「え?マジで?」

「マジです。ダメなら諦めますが」

「そこまでではないけど、別に面白いもんでもないし、同じ顔が並んでるだけなんだけど…

 ロスヴァイセさんは?」

「まぁ…好奇心はありますね」

「んじゃワープ…部屋は遠いから手動で転移するか。ちょっとまっててね…

 えーと研究所のマップ番号は…」

 

そんなこんなで移動。

 

「さてと。ここからなら一望できてよく見え…ってあれ」

「ん~…?あ、お先にいただいてま~す」

 

大きい窓のある応接間のような場所に先に居たのは、薄紫色の、縦ロールが目立つ髪型の女性。

散乱した酒瓶などからもわかるように、だいぶできあがってるようだ。

 

「また飲んでるんですか」

「だってぇ…他にやることないんですもん。

 はぁ、いい男とお金欲しいし贅沢したいとは思ったけど…体が贅沢に慣れてないんですよねぇ、大金はコワイですよ…」

「あ、この方は宗像香住さん」

 

遠い目をした彼女をよそに、二人に紹介していく。

 

「今は普通に酒飲みねえさんにしか見えないけど、だいぶ特殊な経歴のヒトで、悪用されるといかんからスカウトしたんだ」

「特殊って正二より…も?」

「俺はそう思う」

「でもショージくんより金銭感覚はまともそうですが」

「いや~あの時はナンパされた、と思ったら実は学生でびっくりで…」

「ナンパって。

 いやまぁナンパか」

「しかし悪用されたら困る特殊さとは?」

「ちょっと俺も当事者じゃないんで、本当だと断言もできないのでざっくりとだけ。

 異世界の神、の創造物…みたいな」

「それはまた…」

「今だと需要も高そう」

「それ前も言われましたけどぉ、コッチは実感ないんですよねぇ~」

「多分記憶処理的な何かでしょうね。

 その神たちが一瞬で世界征服して、『世界征服した』事実だけ作って、絡んでくるやつがめんどくさいからって親交のあった者以外全世界からその記憶を消して、元居た異世界に帰ったそうで」

「それは、宗像さんは置き去り…ということですか?」

 

ロスヴァイセが言外に自分の何かしらを滲ませて言う。

 

「いや、どっちかと言うと連れて帰れないと判断したんじゃないかな。話聞いてる限りはその神様もこき使ってポイ捨てするタイプには思えないから。

 あと、宗像さんと同じ立場のヒトが居たんだけど、そっちは現地で恋仲の人ができたらしいし。そういう人間関係的なのもあるかも?

 まぁ以前宗像さんに片思いしてた人が居たとしても、今は俺が奪ってるんだけど」

「…そういえば、正二はどうやってそれを知ったの?

 記憶は消されてるし、正二は親交のあったわけでもないんでしょ?」

「その深く関わった人が魂の移植技術者を探しててね。

 その関係で。

 俺以上に魂いじってるやつもなかなか居ないんじゃない?

 とか思ってたんだけど、前の魔獣の時の話を聞く限りは割と冥界も侮れない感じなんだよなぁ…

 って、あら」

「すー…」

 

話に夢中になって居た間に深酒したのか眠ってしまっていた。

 

「ちょっと近場の」「ベッドに運んでくるよ。こういうときに分身って便利」

 

眠った彼女を分身した正二が運んでいく。

 

「…」

「…」

「あれ、どしたの」

「いえ、前の大層な仕掛けの分身と違って軽いな、と」

「あぁ魔獣のときの。

 あれはここまでしないとできない切り札に思わせたかったからね。

 ロスヴァイセさんはどう?初見だったよね?」

「…本当に全く痕跡もなく、間近で見ても魔力反応もなにもなし。

 それに姿すら変えられる」

「更に肉体的な訓練も反映されるからね。

 ほら」

 

正二が示す窓から二人が外を見ると、広大な一面を埋め尽くすかのようにずらっと正二が並んで訓練をしている。

 

「…予想以上に多すぎ、ちょっと目が」

「反映されてる割には全然外見的に筋肉がついてるようには見えないですが」

「そもそも俺の体ってあんま筋肥大自体の効果がないんだよな。

 ゲームだと見た目そのままで能力があがるし、そのせいだと思ってるけど。

 一時的に見た目ムキムキにもできるけど…魔力消費の費用対効果としては微妙なバフくらいの効力しかないんだよね。

 別人への変身じゃなくて俺の延長でしかないからかなぁ」

 

 

 

研究所からワープで城へ帰り部屋から出ると──

 

「クックックッ…」

「誰だ!?」

 

現れたのは全身龍を模した鎧姿。兜から漏れ出る低い声。

 

「我が名はシュテル。邪龍を超える冥龍──シュテル」

「何っ、冥龍シュテルだとぉ!?」

「…あの」

 

寸劇に入っている少女と正二に置いてけぼりにされる二人。

 

「というわけでこちら冥龍シュテルさん。

 彼女は…まぁ、その、ざっくりいうと厨二病…的な?」

「別に気を使う必要はない。

 今の我は邪龍にも届かない未熟者。厨二病と形容されても仕方あるまい」

「えーっと…なんか厨二病の人ってそう呼ばれるの嫌なイメージあるんですが、いいんです?」

「我は邪龍を超え、冥龍となると決め、その最中…

 呼ばれるのが嫌なヤツはまだ自分の理想になれる道すら見えてないのだろうな」

「だいぶタフですね」

「なぁに、世界最強を超えようとする者と比べれば現実的だと気づかされたからな。

 それに貴殿らは身内のようなもの。ある程度腹を割って話せるからな」

「身内で腹を割って話せるなら兜を取ってもいいんじゃない?」

 

正二の声に静止して固まるシュテル。

 

「う……む、そうだな」

「あの、別に無理をなさらないでも」

「いや、私がそうしたいというか、そうしなくてはいけないというか…

 ええい!」

 

勢いよく兜を取ると、出てきたのは濃い紫色の長髪。そして普通の少女の顔。ただし、兜を取ったままの姿勢で固まって、目も開かない。

 

「…」

「…」

 

二人もどう声をかけていいかわからず黙っていると、恐る恐るといった感じで目を開き始めた。

 

「や、やっぱりだめ~っ!」

 

が、しかし、走り去ってしまった。

 

「恥ずかしがり屋なのよね。視線を感じると緊張するみたい」

「恥ずかしがり屋、二重人格とかではなく?」

「うーん、二重人格ではないんじゃないのかな?

 冥龍もシュテルも俺が名付けただけで人格みたいなのがあったわけじゃないし…そういうのを目指してたのは本人自身だしなぁ」

「…兜被ってれば相対して会話ができるだけマシ」

「ん?

 あっ、ギャスパー?」

「うん。

 でも…段ボールの中で大人しくできるだけ、そっちの方がいいのかも」

 

どこか自嘲気味に呟く白音──いや、塔城小猫。

 

「白音さん…?」

「いえ、人の後ろに隠れて気が大きくなったのを、強くなったと勘違いしてた馬鹿な子どもだったんだなって」

「…まぁ勘違いしてたと思ったら直せばいいんじゃない?誰かをぶっ殺したとか取り返せない過ちでもないんなら。

 それよりそろそろ食堂に居ようか」

 

 

 

「おぉ、ようやっと来たか」

 

食堂らしき場所に来ると、そこには狐面をつけた着物の少女と、体の至る所が機械の女性が。

 

「そっちの着物はチェフェイ、もう既にバーベキューしてるのがアドラメレク」

「妾がチェフェイじゃ。よろしくのぅ」

「祝い事にはバーベキューだ。それが人間のルールだと私のデータに、いや魂に刻まれてる」

「…えーっと、チェフェイの方は前に言った妲己の居た殺生石のかけらに残っていた残留思念的な存在、に名前つけて形作ったらこうなった。

 昔の狐の妖怪の名前を借りただけで本人とは関係ない」

「うむ。幽霊みたいなもんじゃ。

 こやつがげぇむからいんすぴれぇしょんをうけて名付けたせいか、妾はヒトの欲望というものが力になってのぅ。

 今は実体を持つに至ったというわけよ」

「名前をつけただけで能力を…ショージくんと同じと言うことですか?」

「こやつのように能力を得た…というよりかは、こやつが妾をそういう形に縛ったのだろうな。

 日本では昔からそういう話は多いぞ?

 …そういう点で言えば、妾よりもそっちのが深刻かのぅ」

 

魔神皇サマのようにはいかないな、と呟いた正二以外が、未だにバーベキューを続けるアドラメレクを見る。

 

「えーっと、アドラメレク…さんでしたっけ」

「見た目サイボーグがバーベキューしてる時点で変わってますけど」

「アドラメレクは次元の狭間で探検してる時に拾ったんだ。

 その時は機能停止してて、触った途端に俺からエネルギーごっそり奪って起動した。

 名前は本人が名乗ってきたんだけど…

 アドラメレクって俺の世界の方では太陽神の名前でキリスト教では悪魔扱いされてて、それはこっちでも同じ話なんだが、あっちの…ややこしいな。

 あー…悪魔が実在する世界では、アドラメレクなんて悪魔は存在してなかったんだ。

 もちろん同じ名前の太陽神も」

「私たちの世界では居ないだけでは?」

「それも考えたけど…

 一つ根拠があるんだ。

 アドラメレクは光と魔力、両方の力が使える」

「なっ…!」

「…あれ、でもそれっと正二も同じじゃ?」

「いや、俺のは光はレイナーレのソウルからだし、聖なるオーラの方も聖剣使いのソウル経由で聖剣のオーラを使ってるだけに過ぎない」

「おい、食事しながらでも話はできるだろう。

 食え」

「そうじゃな、食欲を満たせ。

 そして妾の力も満たしてくれぃ」

「…いやケーキ用意してたんだけど?

 というかそもそも作るの早すぎるんだが、出席予定のメンツすら揃ってないのに」

「大丈夫ですよ、どっちも食べます」

「私は遠慮しておきます。

 しかし太陽神と悪魔と…どちらもの能力を持っているとしても、その元となったアドラメレク本人は一体…?

 何もかも存在が消滅したとでも言うのでしょうか」

「そういう可能性も否定はできないけど、痕跡は現状確認できてないから平行世界的なもんじゃないかと睨んでる。

 この世界に居ないからこそ、流れ着いたんじゃないか、って」

「平行世界って乳神のやつですか?」

「いや、そういう別世界じゃなくてその後のアザゼルの実験でぐちゃっとなった…男女逆転のとか、あぁいう系統。

 それに後から名前つけただけで乗っ取れるならペットに名前つけたの量産して存在奪えてる」

「そんなことしてたんですか」

「そりゃまぁ…できたら楽だし」

 

 

 

そして十数分ほど、今日顔を合わせたメンツの中の出席者も多少集まり、銘々が好きなように時間を潰していると…

 

「す、すみません!遅くなりました!」

「おっ、いらっしゃい。

 大丈夫、まだ始まってないから」

「えっと、小猫さんとロスヴァイセさん…ですよね?

 初めまして、五鬼(いつき)アキラって言います」

「…初めまして」

「初めまして、ロスヴァイセです。

 ええと…アキラさんは、その」

 

視線を正二のほうにちらちらさせる。

 

「あぁ、アキラは男の子だよ。昔は女の子かどうかわからなかったけど」

「僕も来年は中学生ですからね」

「いえ、そういうことじゃなくて…」

「んで、アキラは鬼とその鬼を退治した子孫との子ども。

 奥さんの鬼が刀鍛冶しててね、長年…ってほどでもないけど通ってて家族ぐるみの付き合い」

「えっ、家族ぐるみって…ご、ご両親はなんと?」

「…勘違いさせたかもしれないけど、別に今日あったヒト全員と恋仲ってわけじゃないからね。

 アキラともね」

「えっ?」

「ごめんごめん。

 反応が面白くて」

 

そう言って正二が飲み物を口に含んだ時に…

 

「僕はそうなっても構いませんよ?」

「──ごほっ」

 

咽る正二。

 

「…あー、変なトコ入ったわ。

 あのね、ジョークでもそういうことを言うもんじゃないよ。

 仮に本気だとしたら余計にこういう他人も居る場で言うべきではないね。

 今の御時世、そういうのは風評がよろしくないんだから。

 うちの学校の木場って先輩がいるんだけど、寄ってきた女性にいい顔してないだけで女に興味ない扱いされて、他の男性と掛け算されておもちゃにされてんだわ。

 まぁ俺は本人じゃないからどうかはわからないけど、実際に恋愛感情持ってたとしてもだいぶキツいと思うのよ」

「…はーい」

「結構真面目に返すんですね」

「そりゃあね。

 俺は俺のこと好きなヒトが好きで、そんなヒトが俺からの悪影で被害受けたり響とか絶対嫌だからね。

 将来悪魔に喧嘩売るのだってそれは俺が自分で選んでやってるけど、誰かにそれを強制するようなことをさせたくないんだよ。

 小6に後々人生後悔するようなことをさせたくもないし?

 俺なんか未だに昔の時の嫌な記憶とか恥ずかしい記憶あるしね。

 大切なこととか真面目なこととかはちゃんと記録して見直さないと忘れてたりするのに…」

「八雲さん、ちょっとお話を…」

「ちょっ、鬼!悪魔!」

「鬼です」「元悪魔です」

「そうじゃな──

 ちょっと失礼。仕事用の方だ」

 

急に真面目な顔で携帯を確認する正二。

 

「朧(おぼろ)が仕事確定して来れそうにないってさ。そっちの話はまた今度かな」

「あれ、公務員って定時なんじゃ?」

「表は…俺も詳しくは知らんけどそんな印象あるよな。

 ただ裏はあんまそういうのないのよ。

 俺も黄泉の国との橋渡しとかいえば聞こえはいいけど、実際の仕事って死者が出た時のあの世とこの世の計上合わせとか、突発的なものも多いし。

 熊退治とかももう今はさっさと処分もできずに猟師の護衛が精一杯で、それも長い間拘束されるしね…っと、拘束時間といえばこっちもそうだ。

 そろそろ食事会始めようか。

 もうだいぶ食べてるヒトもいるけど」

「ずっと食欲をそそられる匂いがしてますからね」

「だろう?」

「なんでそう得意げなんだ…

 あ、もうみんなスタンバイしてんのね、え…っと、とりあえず、乾杯!」




当てつけのための原作逆張り設定の開示は早めにしないとダメだと思った

補足というか何か

>誕生日
そういやHSDDって誕生日ネタしてない?
まぁ自分も年頃の女子が何欲しいかわからんし…
それでも、目ざとくちょっとした機微から欲しがってた商品を把握、みたいなことさせようかと思った…んだけど本作の小猫からはそもそもの物欲を感じなくなっちゃった

>グレモリー家に娘の眷属候補を奪ったから~
これも他の主人公がやらないことやらせたかったやーつ
まぁこの主人公は金銭的な問題がないからこそしてるわけですが
でも実際眷属候補ならそれなりにカネかけてると思うんでこれくらいしてもバチ当たらんでしょ

>壁は招き入れる扉のように動く
月下の夜想曲のアンロックジュエルが元ネタ
正しくはアンロックジュエルを持ってないと開かない扉の方が元ネタ

物理的に破壊されても進入不可な仕掛け作るのコレくらいしか思い浮かばなかった
入った瞬間バックダッシュ(もしくは後ろに歩く)しないと壁になってて通れない(元ネタ白夜)とかも考えたけどそれって壁壊されたらどうするのって

>『悪魔がムカつくから』
シンプルだけどこれに収束しそう
どんな言い訳あっても現地民だったら嫌だろうなとしか思えない
というか今後、現状から後付でも人間視点で三大勢力の好感度上がるような描写とかされるのかしら

>正二は…ほら、普通じゃないですから
多少雑に扱われても好意が減ってるわけじゃないならいいかなって
というかハーレムってヒロインと主人公の間柄だけよりもヒロイン同士の中も良くないとなんか争い事とかになりそなので主人公の問題点で話が弾むとかはアリだと思ってる
お互いイジれる方がいいよね

>なんか説教クサい
どうしても小猫は戦力になれないのを悔やんでるイメージが強くて…
この時期にはもうそんな感情一切見せない原作よりも戦績良いんだけど
でもまぁ唯一の原作の色だし、イベントなしで消させるのもなぁ
もうちょっと待っててね

>アザゼルのが悪くない?
The責任転嫁
まぁこれは作中でも言ってますが被害出してないから開き直りできてる感じなので

>村レベルのコミュニティ
一応東北の山奥の異空間、という設定
京を追われた人は東北行くってイメージ
ただ別に主人公は東北の訛りとかはなく、普通に標準語を話してる…という設定
どこどこ出身ですって地方ネタしないなら必要ないですしね
本作で方言が出たらそれは自分のせいです。雰囲気で口語表記を優先させたりとかするんですが、どうしても書くのは自分なので
まぁ自分の場合はこの主人公バカなので!ってできないんで、言葉誤用はキャラのせいとか言えないだけなんですが

そう言えば結局京都って親悪魔の土地なんですかね?
魔王の名前を冠したマンションが建てられるんですし
通行手形もあって神社にも遊びに行けるしで
そこらへんはっきりしてたらもうちょい話膨らませたんだけども

>父親はそうま家に居た全員を無力化させて
本編で語れる人は居ないのでこっちで
父親はモチーフ元が英雄派が一誠の禁手対策の時に話題に出した体感時間を操作する神器持ち
Wikiにある迷宮の神器みたいな一度きりの禁手で、そうま家の全員の肉体の時間を引き伸ばした
みたいなことがあって
で、そんなすごい能力があったけど二度と使えないし子どもも大した能力持ってなさそうだしってことでポイ


手早くするためにざっくりしたせいで女性陣イメージしづらすぎるなこれ
将来どっかでちゃんとしたの書くとして一応のキャラ紹介というかなんというか追加情報

>クロエ
冥府枠
身長は高め胸部は薄め
初期案はロリだったりモチーフがチェルノボグだったり
スラヴ神話がキリスト教に追いやられたとかだからいいじゃん!と思ったけど扱えんわスケールデカすぎ
その名残で服装は和服+時代劇に出てるような笠でキノコっぽいシルエットみたいな設定

しかし我ながら冥府=ザクロがワンパターンすぎる

>八雲
妖怪枠・非戦闘員枠
身長はだいぶ低い胸部は薄め合法ロリ大学生
小猫が138cmなので流石にそれよりはちょっと大きめ
当初は低身長で同盟を組ませる程度の会話想定だった…のだが
妖怪だけど別に戦闘能力は高くない
主人公の仲間で出てくるキャラクター全てが戦闘能力を有してるのは都合がいいのでは、という逆張りのせい
まぁ主人公も別に戦場に出るのは自分だけでもいいと思ってるし

>アイテム欄
悪魔城ドラキュラ風世界でのHSDDの空間にしまう技能に対応する技能
というかそもそものHSDD世界の空間にしまうのってどういう感じなんだろう

>装備型の悪魔の駒
一足早いアザゼル杯風レギュレーション
駒価値を無意味にできるけど強化はその分少ない

>内丹術
ほんとは違うんだろうけど、ここではざっくり体鍛えたら呼吸するだけで生きていけるようになるエネルギー発生技能ぐらいでやっていく予定

システム的には波紋の呼吸の太陽抜きとか?
戦闘面ではニンスレのチャドー呼吸のような何かにしかならなさそう

>太もも。
最初はちちしりふともものちちしりがもう使われてるからだったのになんか太もも狂いに…
まぁ脳内で暴走してたのを採用してるのが悪いんですが

>持ち主の成長で駒価値が少なくなるとか論文
原作がどうなのかはわからないけど
本作では単純にその時の主の魔力以外も含めた全エネルギー総量で判断してるってことにしてます

ちなみに悪魔の駒バラしたらすぐわかるレベル
(単純に悪魔の駒をバラそうとしてるヒトが居ないので制作者以外はわかってないだけ
 原作アジュカも駒価値には全然言及してないのでいっかなーって
とにかく、初期ハロみたいな駒もらうまで低レベル進行とかは不要っつー話です

>ミッテルト
実験体枠堕天使枠
HSDDのアニメ版が元ネタ
元ネタ…でいいのかこれ?
金髪ゴスロリ八重歯

>十兵衛
忍者枠英雄派勧誘枠
モチーフ元は閃乱カグラの柳生
ただHSDD世界は現実の創作物の影響を受けてる世界だ、と本作では仮定してるので柳生十兵衛本人は隻眼で幕府隠密で剣豪の盛り盛り設定

ちょっと使うか迷ったけど自分の引き出しだと他忍者候補が亀かネズミかサワキちゃんしか居ないから…

>宗像香住
天使枠(一応)平行世界関与枠
モチーフ元はエクセル・サーガのエルガーラ
基本的にキャラはモチーフ元とは似てるだけ、なのだがここだけ原作と似たようなことが起こった設定
ちなみに作中の会話で何年前とかが明確でないのは記憶・記録削除における認識阻害の影響が未だあるという設定
決して後から数年前の事件がどうのこうのあったら辻褄合わせがめんどくさいからではないよ

>シュテル
ドラゴン枠厨二枠
身長はけっこう高い胸部はそれなり
当初はうぃきでドラゴンメイドってのがあんのね、ってとこから考えてたんだけど
出すまでの間にドラゴンメイドは造語だとかいう情報も出るわで…こらいかん、と
まぁメイドラゴンのパクリとか言われたらやだなぁとかしょうもないことを無駄に考えてたからいいんだけど
その結果影の国出身のドラゴンゾンビの母と元人間の父を持つハーフ龍人…の予定に
あとファンタジー世界における厨二病ってなんだろう?って思って
ごっこ遊びの延長ような大言壮語…を大真面目に考えてるキャラになりそう

偽名は邪龍を超えそうな名前、が由来で本名は別にあります
ちなみに冥龍は当然原作にないし作中でそういう設定があるわけでなく完全に造語
邪龍の上が冥龍ってのも自分らで勝手に言ってるだけです
存在しない?なら冥龍第一号になってやるわ!と

内訳として
光←→魔・闇の対立構造があってその上が
聖←→邪っぽい(神と邪神から)
更に聖(=神)の上は天っぽい?(インドラ→帝釈天の言葉から)ので
じゃあ天の対になるものは?って考えたら冥だろうと

ただそうなると天龍っているかどうかもわからん聖龍の上?って(ジャンヌの禁手くらい、あとタンニーンが魔龍聖)
神が手ずから神滅具にしたからお前らまともに更生しろよってなって二天龍呼び?
その上が真龍と龍神…?でいいんだろうか

ちなみに作中でアポプスの別名が「原初なる晦冥龍(エクリプス・ドラゴン)」なんですって
真HSDDの範囲でもないのにちゃんと名前覚えられてねぇぞこいつ!ってかHSDDのウィキくらい検索しようよ!
苦肉の策として
冥龍と邪龍の「原初なる晦冥龍(エクリプス・ドラゴン)」さんは別物だよ!
神器と「神器(セイクリッド・ギア)」と同じくらいには違うよ!
の精神でいきます

かいめい【晦冥】
くらくなること。くらやみ。「天地―」
らしいし冥龍と真っ暗ドラゴンは無関係でも別にいいでしょ

これだけ設定考えすぎだなぁ
まぁドラゴンバンザイのHSDD世界なのでそこにドラゴン出すなら設定色々考えちゃうよね

>自嘲気味に呟く白音──いや、塔城小猫
15巻における木場視点の昔語りで小猫がリアスの後ろに隠れてたやつ
…を起点にギャスパーにあたり強いのを軽減させるきっかけに

>チェフェイ
狐枠
サイズは可変
元ネタは真・女神転生If...の同名ボス
そっちはダンジョン中の宝箱回収具合によって強化される
が、作中で語ったようにそういう存在に変えたのではなく、そういう存在に近づくようにスキルポイント振りを自動化されたようなもの
じゃないとあやかった名前つけるだけでつえーのがポンポン出てくるしね

>アドラメレク
元ネタはもんむす・くえすと! ぱらどっくすRPGの同名キャラ
光と闇を持つ・混沌関係・名前が聖書ネタ
あと複数個体がある、などなど都合が良かった
バーベキューネタは本編から輸入

サイボーグ呼びは…生体部分+機械だから一応
機械部分も体の一部っぽい?けど

>この世界に居ないからこそ、流れ着いたんじゃないか
とある原作キャラもこれの予定

>五鬼アキラ
男性枠
モチーフ元は鬼神童子ZENKIの後鬼
原作のように体型が変わるモードがある設定
アニメもあるけどぜひ漫画の絵を見てほしい

ちなみにそうなっても構わない、って話は
母親の鍛冶屋のパトロンってのもあって正二が望むならこの身を捧げる、くらいのニュアンス
でもあからさまに子どもの枠組みのヒトからそういう話振られたらたしなめる…みたいな
基本的に主人公は斜に構えた捻くれ者のクソガキ部分が多いけど、養護施設で年下の面倒みたりしてた一面がある…的な場面を作りたかったんだけど自分のスキルが足りない

ちなみに男性なのは一誠のハーレムへの当てつけで眷属、っぽい近しい戦闘要員でないヒトを女性ばっかにしないため
もっとガーリーな、いわゆる男の娘はギャスパーいるからかぶるし
別方面へ逆張りして生えてる女性キャラ出しても良かったんだけど、そういう話題いれるならR18になっちゃいそうだし、原作でそうだったキャラを採用して知る人ぞ知る…ってするのも引き出しがないから難しい

ク(9)ロ(6)エ、八雲、十兵衛、五鬼、と数ネタを使おうとして諦めた痕跡が…ネーミングセンスないからつらい

>風評がよろしくない
実際自分の周りでそういうのがあったので
他人事ながらあれはちょっとねぇ…って感じでした

とは言っても自分と主人公は同じ視点を持ってないので主人公が意図するものとは違うんだけども
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