ハイスクールDevil castle×Dracula 作:二痔升
追記
ちょっと直し
説明不足以外のミスなども直しました
見直し不足でしたね…
追記2
洋服破壊後を変更
目を閉じるから腕で顔を覆う事に
今目つぶってるから~はないな
空気の動きでわかる、ってのをやりたかったんだけど
目的の為にキャラの設定を変えた感じになってしまった
「痛って~、なんでそうまに殴られないといけないんだよ…」
「あの場に居合わせたらそうするしかないでしょ」
「…自業自得です」
婚約パーティー破壊からしばらく、いつもの部室での集まり。
兵藤先輩が俺が殴ったところをアルジェントさんに治療してもらいながら痛がっている。
兵藤先輩とおまけ2人がうちのクラスの着替えを覗こうと女子更衣室のロッカーに隠れてたんだが、着替える前に気づかれて女子に悲鳴を上げられ、逃げるところを俺がボコったからだ。
当然覗き未遂になった塔城さんも不機嫌そうだ。
兵藤先輩にだけ、あれから部室に来ると周りから少し避けられてるから八つ当たりとか、兵藤先輩のせいで下がったような気がする評判の分の恨みを入れたりなんてしてないよ。一般人と一般転生悪魔の差だよ。
「せめて女子の手に殴られたかったぜ」
「まったく、あなたはどうしてそう…」
俺が殴ったからか全く反省の色を見せない兵藤先輩に流石にグレモリー先輩も呆れてた。
「あらあら、女の子の着替えを覗くのも、ほどほどにしないとダメですよ」
ほどほどでもダメだろ。ってか姫島先輩も兵藤先輩に甘いな。
「僕の着替えならいくらでもみせてあげるよ」
「うるせぇぇ!野郎の裸なんか見たくないんだよ!」
また怪しい発言をする木場先輩。うるさいのは兵藤先輩だよ。
「イッセーさん、女性の着替えを覗くなんてダメですよ。そんなに着替えが見たいのなら、わ、私が…」
「いやいや、アーシアは無理しなくていいんだよ!見たいけどそうじゃないだろ!」
アルジェントさんの提案を兵藤先輩が断るが、見たいし本人もOK出したのならアルジェントさんに見せてもらえばいいじゃん。
兵藤先輩がアルジェントさんの気持ちわからないにしても、兵藤先輩が普段から覗きをするのに一番近いアルジェントさんがされてないのを見た女子が、アルジェントさんにいじめの矛先を向けないとは限らない。
「そうね、裸が見たいのならば、私に言えばいいのよ?いつでもお風呂でもベッドのなかでもOKなのだから」
『いつでも』か…すげーな。公然露出OKとかハイレベルすぎるわ。
しかしなんでそこまでしてもらえる好感度があるのに覗きなんてするのやら不思議だ。
それからいつものようにお茶をし、一段落着いて校内からも多少学生が減った頃、使い魔の話になった。
グレモリー先輩が赤いコウモリ、姫島先輩が小サイズの鬼、塔城さんは小猫、木場先輩は小鳥の使い魔を持ってるとのこと。
「ショージは持ってるの?」
「えぇ…まぁ一応」
「ほんとに持ってんのか?」
グレモリー先輩に聞かれたがあんまり気乗りしない様子の俺に兵藤先輩が煽ってくる。
少し考え、俺の影から妖精を出すと、俺の肩に止まる。
「あら、かわいい子ね」
「…妖精って人型なんですね」
「僕らの知る妖精とは別種なのかな」
「私もこういうかわいい子なら欲しいです」
高評価で何より。
「まぁ先輩たちの使い魔のような仕事はさせてませんけどね。歌は上手いですよ」
「この部屋は防音になってるからたまに歌わせてもいいわよ?」
「癒やし系って事か?
うーん、おっぱいはあるがやっぱり人間サイズの…」
グレモリー先輩の許可も出たしそういうのはいいかもしれない。
兵藤先輩はぶつくさ言ってるけど…まぁ俺の妖精に性的な目を向けてるわけじゃないし別にいいか。
悪魔は名前的に、ゴーストはネクロマンサーっぽくなる、コウモリは被る、剣魔は物騒で消去法だったけど最適解だったかもしれない。
そんな話をしてると床の魔方陣が光だす。
「準備が整ったみたいですわね」
「じゃあイッセーとアーシアの使い魔をゲットしにいくわよ。他はサポートをしてあげてちょうだいね」
…そりゃあ俺だって悪魔御用達の使い魔が住んでる森とか興味津々なわけですよ。今まで悪魔と接点なかったからそういうの見られなかったし。
ここは鬱蒼とした森だけど森に住む以外にも使い魔って居るのかな、とか気になるし。
なのにハイテンションな案内人、どこかの誰かみたいな格好と近い名前のザトゥージさんと、ザトゥージさんのボケを全て拾ううるさい兵藤先輩のコントを見続けて別の意味で疲れた。
ウンディーネが泉の縄張り争いでマッスル化とか驚くとこだろうに、それを見た兵藤先輩のうるささや始まるコントに疲れて驚けない。
つーかマッチョでも女性なんだからそばに居るだけで妊娠するとか酷すぎない?
イッセーさんの子供なら生みます!ってなんだよ…
はいはいおめでとー。よかったね兵藤先輩。
はぁ…脂っこい食べ物が食べれなくなった人が脂っこい食べ物食べるとこんな感じなのかなぁ…
今更だけど人間の街で使える使い魔、って指定したら良かったんじゃない?もう疲れたから俺からは何も言わないけど。
ウンディーネの泉から離れた。
今度は蒼雷龍って珍しいドラゴンが来ているらしく、その子供を探しにいくようだ。これテレビのロケとかで見つからないやつでしょ…と思ったらあっさり寝ている姿に出会えた。
「キャッ!」
あっさり出会えすぎて感動もクソもないな。と思って居るところにアルジェントさんの悲鳴が聞こえた。
ネバっとした液状の何かに襲われてる。
うわっ飛沫がかかった…
「スライムか」
木場先輩の声が聞こえる。某国民的RPGが人気で雑魚と思われるけど、物理耐性持ちとかで格闘家に敬遠されたり大概ヤバい系じゃないか。
とりあえずさっさと殺そう。
「ザトゥージさん、これの弱点は?」
「こういうのは火の魔力で一気に――」
「ふ、服が…溶けてます!」
「おおっ!」
ザトゥージさんに聞いてる間にアルジェントさんの悲鳴やら兵藤先輩の嬉しそうな声が聞こえたが、無視して教えてもらった弱点の火球を飛ばす。
…が、焼こうとすると女性陣がまとわりついたスライムごと触手に掴まれ火を避けるように動いた。
「は?」
「服だけを溶かして食べるスライムは、女性の分泌液目当ての触手とコンビで獲物を狙うんだ。
触手は女性の分泌物目当てで――」
ザトゥージさんの補足説明を聞く…聞くが、俺の攻撃がただのしょうもないエロモンスターごときに避けられた…?
いや、そんな場合じゃない。ちゃんと女性陣を避けつつ今度は逃げられないように広範囲に焼く。
その後、空間から服を出して服の溶けかかった女性陣に渡す。
「はい服――」
「部長、俺、このスライムと触手を使い魔にします!」
いつの間にかアルジェントさんごと体に残ってる触手とスライムを抱きしめている兵藤先輩。
何やってんだか。
…と言うかアルジェントさんも魔力で火くらい出せるでしょ?
グレモリー先輩も姫島先輩も多少残ってるのは自分で焼いてるし、塔城さんも掴んで炎の中に投げ捨ててるし。
俺も無視して3人に服を渡す。
「あのね、イッセー。使い魔は悪魔にとって重要なものなのよ?真面目に考えなさい」
「真面目に考えました!使い魔にします!」
服を着ながらグレモリー先輩が諭すが、兵藤先輩には通じなかった。
「スラ太郎ぉ、触手丸ぅ、俺が絶対に守ってやるからな」
まだ言ってる…涙まで流して。俺だけでも帰ろうかな。
結局さっきの子供ドラゴンがアルジェントさん目当てに味方識別攻撃で焼き払ったんだけど、驚いたのはその後だった。
「俺は怒ったぞ!蒼雷龍ッ!」
セリフがパク…パロディなのは無視して、なんと兵藤先輩が神器を出さずに出力が上がっていた。
周りの解釈は怒りでパワーアップと推測が多かったけど、正直この間の実力からここまで、神器なしでただ怒りだけで、ってのはありえない。
…ふと思ったんだが以前のアレで生贄に捧げた左腕が龍になってるけど、そこからの出力上昇なんじゃないだろうか?
短時間の禁手だけでなく、その後の出力上昇まで付いてくるとかすげーわ。
結局左腕の代償とやらも龍の気?を指フェラで吸い出して終わりで日常生活に支障ないみたいだし。
結局さっきのドラゴンとアルジェントさんが契約することになったのは良かったんだが、兵藤先輩が触ろうとした雷撃の余波を食らうハメに…
いかんな。なんかこのギャグ空間に負けてる気がする。
火球すらただのエロモンスターに避けられるとか…緊張感が足りてないのか、俺の基礎能力が悪いのか、どちらにせよ鍛え直さないと…
今回の利点は兵藤先輩の龍化した腕の情報と…あと俺の落ちた好感度を妖精がある程度補填してもらったってとこかな。
あれからたまに部室で歌ってもらっている。
最近の歌とか教えられてたし、俺より好感度高いのかも知れない…
あれからしばらく。
今日は旧校舎を使い魔に掃除させるから、って兵藤先輩の家に集まって会議をすることに。
いや、普通の人が居る家で悪魔の会議するのってどうなのよ?
菓子折り持ってきたのは俺だけだったみたいだしさ。
「お邪魔します。あ、これ、つまらないものですが…」
「そんな、悪いわねぇ。
これからもイッセーと仲良くしてあげてね?おばさん松田くんや元浜くんみたいなエッチな子じゃなければ大歓迎だから」
兵藤先輩のお母さん、仲良く…は無理ですすみません。
エッチな子じゃない、というのも否定はできないし。
流石に集まってエロ本読んだりAV見たりはしないけど。
「こっちが小学生のときのイッセーなのよー」
「あらあら、全裸で海に」
「ちょっと朱乃さん!母さんも見せんなよ!」
…会議をするハズだったのだが、途中で兵藤先輩の母親の持ってきたアルバムに皆夢中になってた。
親が居る人はこういう時大変だなぁ。
あとグレモリー先輩が小さい兵藤先輩の写真に興奮してたが、兵藤先輩はそっちには何も言わず木場先輩からアルバムを奪おうとしてた。全裸じゃなければいいのかな。
…ってなんか二人の、と言うか木場先輩の雰囲気が変わった。
「これ、見覚えは?」
気になるので俺も見に行く。…兵藤先輩の友人の父親かな?そんな人が古そうな剣を持ってる。
「これは聖剣だよ」
あれ以来、木場先輩が少しおかしい。写真で見ただけでおかしくなるって何だ?それだけじゃどうもこうも出来んでしょうに。引越し先でも調べてカチコミかけるなんて様子もないしで、何がしたいのやらさっぱり。
球技大会の部活対抗戦の手伝い…してるんだけど、どっちかって言うと木場先輩のフォローばっかりって感じか。
あとアルジェントさんはセンスがないのかな?あざとい?やる気はあるから自分で対処して俺がなんかやることはないからいいけど。
今日は昼休みに部室に集まるように言われた。昼も練習すんのかと思ったけど部室?
部室に行くと、いつのもグレモリー眷属…には兵藤先輩とアルジェントさんが居ないが、代わりに支取会長ともう1人は知らない男子生徒がソファに座って居た。生徒会の書紀だったかな。
「お久しぶりです。支取会長」
「そうですね。昨年の中等部・高等部の生徒会での集まり以来ですかね。」
「あら?2人はもう面識があったの?」
軽い挨拶で済ますと、グレモリー先輩が不思議そうに見る。
「惣間くんは昨年、中等部の生徒会長でしたからね。
まさか裏の関係者だったとは思いませんでしたが…」
「今まで特に裏として関わるような出来事がありませんでしたからね。
今日はお互いの眷属の新入り同士の顔合わせ、ってところですか?
球技大会は生徒会も動くけど本番以外の事前準備とかは入学式みたいに忙しくはないですし、今のうちに?」
「そんなところです。サジ、あなたも挨拶を」
俺が書紀の人に視線をやりながら問うと、支取会長も肯定する。
支取会長の指示で、書紀の人が立ち上がる。
「うす。匙元士郎、2年だ。会長の兵士をやっている。よろしくな」
「1年の惣間正二です。別に眷属でもない、外部の契約者ですけどよろしくおねがいします」
「後は兵藤くんとアルジェントさんが来てから、ですね」
「兵藤一誠、ただいま参りました!って、せ、生徒会長…」
お茶しながら待ってると、兵藤先輩らもやってきた。
支取会長が上級悪魔だったのを知らなかった兵藤先輩に、いつもの如くみんなが説明をしてあげている。
そして新入り同士、と匙先輩が自己紹介を始めるが…
「俺としては、何であれ変態3人組の1人のお前と同じって言われるの傷つくんだけどな…」
「なっ、何だと!?」
まぁ言われるの嫌だよね…
で、喧嘩になりそうなところを支取会長が匙先輩に、フェニックス倒した兵藤先輩には勝てない。って教えてたけど…なんでどっちも自分の眷属に物事を教えないんだ…
会長が何故か変態3人組の兵藤先輩に謝ってたが「実績がないから失礼な部分が多い」っておかしくね?確かに匙先輩は不良っぽい物言いだが…
そもそもの変態3人組と一緒にされるのが嫌なのはしょうがないだろうに。
部員でもないオカルト研究部に通ってるだけの俺がそういう目で見られたりもするんだぞ。覗き叩きのめしてからは減り始めたが。
まぁ匙先輩は同じ学年で同じ兵士だとしても、オカルト研究部でもなく生徒会だし、今兵藤先輩から変に言われても、生徒から思われる事もないしいいじゃないか。
それに生徒会なら兵藤先輩が覗きをするたびに呼び出されて怒れるようになるから今だけ我慢するしかないだろう。
…なーんて思ったらアルジェントさんでまた喧嘩してる。懲りないなこいつら。
「ちっ、俺んところの生徒会メンバーはおまえのところよりも強いんだからな」
マジか?取り入り先そっちにしとけば良かったか。
あ、でももう1回生徒会に入るのはめんどくさいな…それ以外接点ないし。
「私はこの学園を愛しています。生徒会の仕事もやりがいのあるものだと思っています。ですから、学園の平和を乱すものは人間であろうと悪魔であろうと許しません。それはあなた達でもこの場にいる者たちでも、リアスでも同様のことです。」
喧嘩してる2人を見ながら支取会長がそう言う。
騒いでる2人への牽制なだけかも知れないけど、平和を乱してるハズの変態3人組はどうして野放しにしてるんだろうな?
口だけじゃん。昼の駒王学園を支配してんじゃねぇの?
「お互いのルーキー紹介はこれで十分でしょうね。では私達はこれで失礼します。お昼休みに片付けたい書類がありますから。」
球技大会の当日。
だが…なんで悪魔が支配してる学園で球技大会なんてあるんだろう?
身体能力が全然違うんだから手加減するものしんどかったりしないのだろうか。
…身体能力に優れた一般人を見つけてスカウトするためか?
いや、それなら駒王学園はスポーツ系の学園になってるな。
球技大会はクラス対抗戦がある。
それぞれの学年で種目が違って今年は3年ならテニス、2年は野球、1年はサッカー。大体学年が上の方が人数が減る。
1年とか2年はまだ交流目的なのか人数多めの競技なんだけど、3年ともなるとそこまででもないのか勉強に集中したいのか少ない。
それにしてもテニスはいくらなんでも少なすぎだろ…と思ったんだけど、実際見てみると納得できた。
なんせ上級悪魔様が全力でやってるんだもの。
お前ら何やってんだ。
魔力で強化しないでも人間と上級悪魔の身体能力とか違うに決まってるじゃん。
トッピング全部のせうどん奢るとか庶民アピールまでしてさぁ…
あとは特に何もなく終わったかな。男子サッカー部に誘われたりはしたけど。
雨も大会終わるまでは降らなかったし。
…ただオカルト研究部は木場先輩の件で少し雲行きが悪そうだ。町中に神父っぽいのも居るしね。
部活対抗戦でオカルト研究部が優勝したから打ち上げするらしいが…何もないといいけど。
参加しづらい時に問題起こされると対処しにくいんだよな。
さて、監視データの確認。
球技大会の日の終わりに、兵藤家に兵藤先輩らが帰った後のもの。
兵藤先輩とグレモリー先輩とアルジェントさんが会話している。
木場先輩が部室で喧嘩したから、その原因説明なんだろうけど、もっと早めに、全員居る時に教えて欲しいもんだ。
その話によると「聖剣計画」という聖剣を使える者を育てる計画があったらしい。
聖剣の話から木場先輩の魔剣を作る神器の話しに移り、聖剣を創る神器の話に移り、聖なる神器の話に移り――
「神滅具の聖具もあるのよ。イエス・キリストを殺した者が持っていた神器、『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』が有名かしら。神滅具(ロンギヌス)の代名詞となったとも言われてるわ」
とグレモリー先輩が言った。
ロンギヌスって検死した人の名前で、その人が持ってた槍ってだけじゃないのか!?
うーん、マジでこの世界の情報わからんわ…
まぁとにかく木場先輩は聖剣計画ってとこ出身で、人為的に養成されたが聖剣に適応できなかったから『不良品』として処分されたとか。
その事についても「教会の者たちは私達悪魔を邪悪な存在と言うけれど、人間の悪意こそが、この世で一番の邪悪だと思うわ」と悪魔のグレモリー先輩が言うが…
うーん、それは否定できないけどさ、聖剣計画の話程度で人間っていう大きいくくりで話すのやめてくんねぇかなぁ。
なんか言い方が悪魔は一切悪くないとでも思ってそうで…
そもそも兵藤先輩もアルジェントさんも元人間よ?もしくは現人間がその場に居ないから言ってもいいとか?
…と言うかさ、木場先輩は聖剣云々言ってカーラマインさんと戦った時の感じとは全然違うんですけど?
昔の聖剣の写真も昔聖剣と戦った経験ある人も似たようなもんじゃないの?自分がどうこうできない点では一緒でしょ。引越し先も聞かない程度なんだしさ。
まぁいいや。それにしても俺以外みんな聖剣計画の話知ってて俺は知らない体をしてないとダメだから気をつけないとな。
「私がユートを悪魔に転生させたとき、あの子は瀕死のなか復讐を誓っていたわ。
生まれた時から聖剣に狂わされた才能だったからこそ、悪魔として有意義に使ってもらいたかった。ユートの持つ剣の才能は聖剣にこだわるにはもったいないわね」
とグレモリー先輩は言う。
流石、兵藤先輩に「どうせ死ぬなら私が拾ってあげるわ、あなたの命。私の為に生きなさい」とか
アルジェントさんが死んだ時、俺が去った後蘇生させる時にも「悪魔を回復させる神器が欲しかったからこそ転生させた」とか堂々と言ってた人…じゃない悪魔だ。
木場先輩が復讐したいのとかどうでもいいから、悪魔として、私の眷属として働けってことか。
眷属の心なんてどうでもいいんだろう。
しかし、よくこれでグレモリーは情愛の一族だの自称できるな…
あとは…グレモリー先輩の前任の悪魔が消滅してたとか。「確か―」なんて思わせぶりな事言ってたが…
とりあえずこのデータは聖剣計画って書いておけばいいか。
あと他の時のデータは…姫島先輩が兵藤先輩を使ってグレモリー先輩をからかってたくらいか。別にこれはどうでもいいな。
兵藤先輩がドラゴンと話してるっぽいシーンもあるが、ドラゴンの声が聞こえない…
わかったのは白い龍が居るくらいか?あとドラゴンの力でモテる?とか
やっと動きがあった。あれから何日もしてから、教会の信徒が兵藤先輩の家に行ってたり、交渉したいと言って接触があったらしい。
放課後に俺も来るようメールで頼まれた。まぁ唯一光が弱点じゃないしね。
さて、放課後部室に集まったわけだが…女性、というか女子高校生くらい?が二人だけか。
教会も人員不足なんかね?若いのに飛び抜けて優秀って可能性もあるから注意はしないと。
「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました。」
とシドーさんが言うが…まず自己紹介してくれよ。兵藤先輩の家に居ないやつらは知らないハズなんだよ。
しかし聖剣に恨みがある木場先輩が病んでから聖剣の話が出るとか仕組まれてるのかな?とか思ってたらエクスカリバーの補足説明があった。
なんか昔折れてその破片から7本作られたんだってさ。
シドーさんの持ってる方が説明ついでに紐から日本刀になった時には、聖剣なのになんで日本刀に変わるんだと驚いたけど、『擬態』で自由自在に変えれるんだとか。
別に日本刀が元々の形でそこから変形させてるとかではないんだろう。
…しかしミミック?ミミックは擬態してるだけで変形とは違うんじゃねぇの?この世界ではミミックは宝箱に変身するモンスターかなにか?
「イリナ…悪魔にわざわざ能力をしゃべる必要はないだろう?」
「あら、ゼノヴィア。いくら悪魔相手でもまずは信頼関係を気づかなければこの場ではしょうがないわ。
それに能力を知られたからって遅れを取るなんてことないわ」
緑メッシュはゼノヴィア?さんって言うのかな。フルネームじゃなくてあだ名とかコードネームかもしれないけど。
兵藤先輩の家でも名前名乗らなかった…というかシドーさんと兵藤先輩のお母さんが喋ってばっかりだったしな。
「それで、奪われたエクスカリバーがどうしてこんな極東の国にある地方都市に関係あるのかしら?」
グレモリー先輩が聞くがなんか嫌味くせぇ…
ゼノヴィアさんが言うには、グリゴリって堕天使組織の幹部、コカビエルが奪って日本に持ってきたからだとか。関係ねぇじゃん、他所でやれよ…
「先日からこの町に神父――エクソシストを秘密裏に潜り込ませていたんだが、ことごとく始末されている」
ゼノヴィアさんが説明を続ける。
あ、それはゴチでした。経験値の足し程度だけど不労所得はおいしいです。
あとは教会は悪魔に関わるなって言いに来ただけだった。
が、それでもグレモリー先輩はイラついてる。眷属と一緒で激情家だなぁ。いや、似たものが集まるのか?
ゼノヴィアさんが「本部は堕天使と組んでる可能性を考えてる」と言うと更にキレ始めた。
うーん、そもそも「堕天使のせいで悪魔の領域に居ます。目的果たしたら悪魔に手を出さず出ていくけど、悪魔が堕天使と手を組んだら悪魔も倒します。」ってだけでしょうに…
キレる必要ある?あ、いやグレモリー先輩は無駄に自信過剰だったな…「お願いします、お力をお貸しください」とでも言われないのはプライドが傷つくんだろうか?
兵藤先輩がティアマットやヒュドラを使い魔にできると思い込む程度だしな…あれはジョークの類じゃなかった。
さっそくゼノヴィアさんに堕天使と組まない!とキレてる。
「一応、この町にコカビエルがエクスカリバーを3本持って潜んでいることをそちらに伝えておかねば、何か起こったときに、私だけじゃなく教会本部が様々なものに恨まれるからな。
当然協力は仰がない。そちらも神側となんであれ手を組んだら三すくみに影響を与えるだろうしな」
ゼノヴィアさんがちょっと下手に出ると、グレモリー先輩が矛を収めた。…っぽいけど、結局グレモリー先輩はどう言われたらキレないんだろうか。
一応向こうは「上司は、悪魔が手を組むとか思ってるんですよ」と自分は関係ないような感じで言ってるのに…
なんかもうキレるのは芸とか持ちネタとでも思った方が良さそうだ。
「正教会からの派遣は?」
「やつらは保留した。私とイリナが失敗した時のために残りの1本を死守するつもりなのだろう」
ゼノヴィアさんの言ってる事が本当なら正教会はこいつらがエクスカリバー奪還できるとは思えてない程度の腕なのに派遣されたのか…
捨て駒か一応の名目の為聖剣使える人は送った、みたいな感じか?
玉砕覚悟っぽいのがグレモリー先輩にはお気に召さないらしく、それから無駄に問答してたが。
…もしかしてもしかすると2人の自信の元を探ろうとしてたのかな?下手くそすぎるけど。
「兵藤一誠の家で出会ったとき、もしやと思ったが、魔女アーシア・アルジェントか?まさかこんなところで会おうとは」
教会の2人が帰ろうとした時、アルジェントさんを見てゼノヴィアさんがそういった。あー今度は兵藤先輩がキレる番か。もうキレ芸は1つの出来事に1人でいいんだよ!
「しかし悪魔か…聖女と呼ばれていた者が堕ちるところまで堕ちるものだな。まだ我らの神を信じているか?」
「ゼノヴィア、悪魔になった彼女が主を信仰してるわけないでしょ?」
「いや、その子から信仰の匂いがする。抽象的だがそういう気配には敏感でね。背信行為をする輩でも罪悪感がありながら信仰を忘れない者がいる。そういう気配を感じるんだよ」
「そうなの?アーシアさんは悪魔になっても未だに主を信じているのかしら?」
「…捨てきれないだけです…ずっと、信じてきましたから…」
「そうか。それなら今すぐ私達に斬られるといい。今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
「触れるな」
シドーさんとゼノヴィアさんが言うと、早速兵藤先輩がキレ出した。
多分何勝手なこと言ってんだ!みたいな感じなんだろうけど、でもコレ「お前悪魔になっても信仰してるとかふざけてんの?本気で信仰してるなら斬られろ」ってだけだろうしなぁ。
駒ぶちこまれて強制的に悪魔にさせられる人も居るんだから、そういう人が悪魔になっても本気で信仰してる人なら斬られるでしょ。キリスト教は自殺禁止だったはずだから自害も出来ないし、悪魔の一生分精神的苦痛を味わうわけだから。
そもそも「悪魔といえど怪我してるなら治さなくちゃいけない」考えで「どんな形でもイッセーさんと一緒にいられるのが幸せ」らしいアルジェントさんが「それでもキリスト教信仰してます!」ってなぁ…
「捨てきれないだけ」ってのも「悪魔になったけど捨てられない」と言うよりか単に「それ以外知らない」だけだろうしな。捨てられるならとっくに捨ててイッセー教に乗り換えてそう。
「アーシアに近づいたら、俺が許さない。あんた、アーシアを魔女だと言ったな?」
「そうだよ。少なくとも今の彼女は魔女と呼ばれるだけの存在ではあると思うが?」
ゼノヴィアさんが火に油を注ぐ。
まぁ悪魔癒やして悪びれもせず「自分の祈りが足りないから誰も庇ってくれなかった」とか言ってる時点でなぁ…悪魔になる前から魔女だろうな。
言うことを信じるなら、悪魔にいい人なんて居ないと思いつつ治療したわけだし?
「追い出されたのは主の試練」って言ってたけど神から離れた堕天使の元で仕事してたら認められて教会に戻れるとでも思ってたのかな?
「ふざけるなッ!救いを求めていた彼女を誰一人助けなかったんだろう!?アーシアの優しさを理解出来ない連中なんか皆バカだ!友達になってくれるやつもいないなんてそんなの間違ってる!」
兵藤先輩はぶちギレてるが…教会の人には助ける利点がないよな。なんで不利益生じさせたやつ庇うんだ?神器目的な堕天使や悪魔なら助けてくれたけど。
優しさねぇ…敵を癒やす優しさなんか要らないから捨てられたんだろうに。実際自分が敵癒やされてから言えよ。そう言えばレイナーレ殺したのは批難されなかったな。創作の聖女キャラならそういうのなんか言いそうだったけど。
「聖女に友人が必要だと思うか?大切なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。他者に友情と愛情を求めた時、聖女は終わる。
彼女に聖女の資格があれば神からの愛だけがあれば生きていけたはずなんだ。」
えぇ…なんで友人関連プッシュすんのよ…もっと攻撃できるところあるだろうに。ゼノヴィアさんって教会嫌いなの?いや、死地に大した援助もなく送り込まれたら嫌いにもなるか。
でも教会の人なのに、教会は人間を人と思わない悪い組織みたいな言い方してるのがなぁ…
つーかそもそも友達居ないのは関係ないだろ。俺だって小学生時代は周りは親なしでからかおうとするクソガキばっかで友達居なかったぞ。施設の子は友達とは違うし。
神からの愛ってなんだ?飯食わないと死ぬだろ…あ、寄付の配分とかかな。
「自分たちで勝手に聖女にして、少しでも求めていた者と違ったら見限るのか?…そりゃねぇよ、そりゃねぇだろ!?」
あーもうほら、反撃が手ぬるいから元気に反論してんじゃんか。
…でも流石に悪魔を癒やす聖女は少し違うレベルの範疇には入らないと思いますよ。
「アーシアの苦しみを誰もわからなかったくせによ!何が神だ!何が愛だ!その神様はアーシアがピンチだったときに何もしてくれなかったじゃないか!」
いやー、神も「何で俺の言うこと聞かないやつ助けないといけないんだよ」って思うんじゃないの。
兵藤先輩みたいにかわいい女の子は何しても無罪!とはならんでしょ。
「神は愛してくれていた。何も起こらなかったとすれば、それは彼女の信仰が足りなかったか、もしくは偽りだっただけだよ」
まぁ悪魔癒やす時点で信仰あるとは思えないしな。
むしろ悪魔癒やしても愛してくれるのってどんな信仰捧げたんだ?
「キミはアーシアの何だ?」
「家族だ。友達だ。仲間だ。だからアーシアを助ける。アーシアを守る!お前達がアーシアに手を出すなら俺はおまえら全員敵に回してでも戦うぜ」
うーん、家族で友達で仲間なら本人の意思を無視して勝手に話を決めてもいいのかな?もしアルジェントさんが信仰ガチ勢で斬られたがってたらどうすんだ?
これアルジェントさんがさっさと「イッセーさんと一緒に居るのが幸せなので信仰捨てます」って言えば終わるし、向こうも何も言えないんだよな。
つーかアルジェントさんは優しいんなら兵藤先輩がゼノヴィアさんに喧嘩売ってるの止めろよ。自分が原因なんだからさ。ずーっと沈黙してるけどさぁ…
「それは私達…我らの教会すべてへの挑戦か?一介の悪魔風情が大きな口を叩くんだな。グレモリー、教育不足では?」
「イッセー、お止め――」
矛先を自分の組織に向けて敵を増やしたなぁ。喧嘩する時頭数増やすのは当然だしな。
おっ、飛び火した。教育不足はもっと言ってやって。つーか上司なんだからグレモリー先輩も今更言われてからじゃなくてさっさと止めろ。婚約パーティーの件で実家から怒られたりとかしなかったの?学んでないの?
「ちょうどいい。僕が相手になろう」
?急に木場先輩が出てきた。教会を敵に…ってところで反応しちゃったのか。
「誰だ、キミは?」
「キミたちの先輩だよ。――失敗だったそうだけどね」
そう言って魔剣を生やしまくる。室内で何やってんだ。
結局あの場では戦いにならず、ゼノヴィアさんが「リアス・グレモリーの眷属の力も先輩の力も気になる。が、ここで戦ってリアス・グレモリーの拠点を破壊してしまえば、私達が魔王の妹に喧嘩を売ったとして三すくみに問題が起こる可能性もある。外でやろう」って外でやることに。
更に教会にも言わないただの私闘とする事、殺し合いにしないことを神に誓ったからグレモリー先輩も拒否できないのか了承した。
この間に先輩って?って聞いて聖剣計画のあたりの話は回収。
流石に俺の目の前では人間の悪意が一番邪悪~とかは言わないか。
旧校舎から少し離れた所で、姫島先輩が赤い結界を張る。
その内側に木場先輩と兵藤先輩、2人と対峙するようにシドーさんとゼノヴィアさん。
結界の周りでグレモリー先輩や眷属と俺は観戦する形に。
教会の2人側はローブを脱いで、パイロットスーツとかプラグスーツとかああいうぴっちり系の黒一色の服になった。
確かに肌を出さなくてもエロさというのはあると思うけどさ…なんで寄りにも寄って教会の戦士がエロ戦闘服なんだよ。一番エロが排除されてるはずのところじゃないの?
…ってあれ?いつもの反応がないから兵藤先輩を見ると、自分で喧嘩売ったくせに震えて怖がっている。聖剣で斬られた悪魔のビデオ見せられたからかな。
じゃあ最初から喧嘩売るなよ、ってだけなんだが。
「お前達がアーシアに手を出すなら俺はおまえら全員敵に回してでも戦うぜ」って手を出せないからカッコつけてやろって事だったのか?
相手の武装はともかく実力もわからんのに喧嘩売って怖がるとかアホでしかない。
「えーと、紫藤イリナ…イリナでいいのかな?やっぱり戦わなくちゃダメか?アーシアの悪口に対しては、俺もそっちに言いたいこと言ったしさ。バトルしなくてもいい気がするんだけど」
ひでぇ。兵藤先輩は自分の言いたいこと言ってすっきりしたから別に戦いたくないってさ。
んでそのシドーさんは熱烈に語ってたけど要するに幼馴染の兵藤先輩が悪魔になってた過酷な運命を乗り越えて真の信仰に進むんだとか。
「なんだかわからんがブーステッド・ギア発動!」
信仰にやべーやつが何言ってるのかわからないのは確かにあるけど、俺はおま…兵藤先輩が一番わからないよ。
さっそく木場先輩が赤龍帝の籠手に目を向けたゼノヴィアさんに斬りかかった。
…なんか力入って動き悪いな。
「こっちもいくよ、イッセーくん!」
シドーさんも兵藤先輩に斬りかかっていく。あの顔つきは…
「……気をつけてください。イッセー先輩は手に触れた女性の服を消し飛ばす力を持っています」
塔城さんがシドーさんに兵藤先輩の能力をバラす。
幼馴染だったはずのシドーさんを脱がせる気満々だった兵藤先輩が抗議のような視線を向けている。
「…女性の敵、最低です」
「あぅ!痛烈なツッコミだよ、小猫ちゃん!」
…自分が覗き未遂した相手が怒ってるって考えはなさそうだな。ツッコミも何も事実でしょ。
「なんて最低な技なの!イッセーくん!悪魔に堕ちただけでなく、その心までも邪悪に染まって!
あぁ主よ。この罪深き変態をお許しにならないでください!」
「そんなかわいそうなやつを見る目で見るな!」
幼馴染からも言われてやんの。
「イッセーさん!そんなに女性の裸に餓えていたなら、私に言ってくだされば…ッ!
私、イッセーさんのためならこの身の犠牲もいとわないです」
キミ自分から矛先が外れたら急に元気になったね。そう思ってるならマジで止めろよ口だけ女。
アルジェントさんは好きな男から求められて、兵藤先輩は覗きしなくなって怒られる事が減ってWin-Winじゃん?なんでしないの?
いい悪魔なんか居ないと思ってるのに癒やすくらい優しいんだろ?覗きの被害者に申し訳なく思え。
「なるほど。性欲の塊か。欲望の強い悪魔らしい行動だと私は思うよ」
「ゴメン」
ゼノヴィアさんが納得したような、呆れたような声で言うが…すみません、この人悪魔になる前からこんななんですよ。
あれだけ暴走…迷走?してた木場先輩も謝るレベル。
このしょーもない空気を変える為か、わざわざ宣言してから木場先輩は燃える剣と凍る剣の二刀流でゼノヴィアさんに襲いかかる。
が、攻撃はかわされ、反撃の一振りで2本とも粉々。折るんじゃなくて粉々。ガラスとかで出来てんのかな?それともそういう特性を持つ武器なんだろうか?
と思ったらわざわざ説明してくれた。これは特性で間違いなさそう。しかしシドーさんには自分の聖剣の特性の説明を咎めてませんでしたっけ?棚上げかな…
ほぼ決着が付いたような木場先輩らの代わりに、今度は兵藤先輩側が決着しようとしていた。
シドーさんがそろそろ決めようと兵藤先輩の元に走る。
…別に日本刀にこだわらず遠距離攻撃で倒せば?聖剣当たれば終わりなんだから鞭なり槍なり棒なり和風縛りなら薙刀もあるのに何で日本刀?手に触れた服消し飛ばす能力持ちだって知ってるのになんで近づくかな…
「いつも以上にイッセーくんの動きがいいですわ」
「…スケベ根性が先輩の身体機能を向上させているなんて」
姫島先輩や塔城さんが兵藤先輩の動きを褒めるが、この間の怒りの件から考えても龍化した影響じゃね?あれから実戦してないし。
ただ、何のせいにしても動きが良くなってるのは確か。シドーさんを追い詰めていく。そして…なぜか飛び込んだ。
当然シドーさんは屈んで避ける。
当たると無駄に確信して全力で飛び込んだ兵藤先輩はそのまま…結界の外のアルジェントさんと塔城さんにタッチ。
…しそうになる前に腕で顔を覆う。
アルジェントさんはこういう時こそ庇って有言実行してくれよな。
塔城さんはあれくらい避けるか防ごうよ。
で、当然二人の服は消し飛ぶ。
「いや!」
悲鳴を上げるアルジェントさん。さっきのアレは嘘なのかな?
塔城さんの反応がない。が、怒りの感情は伝わってくる。
先に換えの服を取り出し声をかける。
「塔城さん、アルジェントさん、服を」
「…ありがとうございます…」
ふたりとも服を受け取ったみたいだ。
そしてしばらくして服を着ただろう時に…
「この、ドスケベ!」
怒った声に殴った音。多分腹かな?顔でも良かったんじゃないの。
「もう目開けていいかな」
「…どうぞ」
塔城さんに聞いてから腕をどける。
横たえてる兵藤先輩が見える。シドーさんが咎めてたが効果はなさそうだ。
そして再び対峙する2人。
あ、もう終わったと思ってたわ。まだやるのね。
再開した、と思ったらシドーさんの攻撃が兵藤先輩をかすめて終わった。
うーん、聖剣弱点って予想以上にキツいんだな。転生悪魔になんかならなくて本当によかった。
シドーさんは兵藤先輩の敗因は相手との力量差がわからないことだと告げる。まぁ当然だわな。
もう一回パワーアップでいい勝負が出来た…ってことは4回倍加してたからシドーさんは兵藤先輩の16~32倍はあるってことかねぇ。
…これは魔力で身体強化の聖剣のパワー版的な感じで強化してんのか?それとも教会戦士の聖剣に選ばれるエリート様ならそれくらいは最低限聖剣持ってなくても身体機能高いんだろうか…
とか考えてたら木場先輩の方も、木場先輩が巨大な剣を創って何故か破壊力勝負に持ち込もうとしていた。
あ、終わったと思ったのに再開したのは木場先輩もそうだったのね。
っていうかアレでまだやってたのか…もう勝負ついてるだろうに。
速攻で負けて敗因解説された。巨大な剣とか自分の強みを殺すだけだろ。だってさ。
グレモリー先輩に眷属を鍛えろ、とも。
早いだけじゃなくてやっぱ力もあって早いのが一番ですよね。
「白い龍はすでに目覚めているぞ」
去り際に兵藤先輩に向かって告げるゼノヴィアさん。
白い龍…教会では常識か何かなのかな?兵藤先輩の赤い龍に関係あるのは知ってるが…
けど兵藤先輩も把握してないだろうし、情報出さないし、報連相しないしでなぁ…
「大丈夫ですか?」
教会2人が去ってしばらく、アルジェントさんが兵藤先輩らの治療を始めた。
「服を消し飛ばしてゴメン」
「イッセーさんに何か考えがあったんですよね?私はイッセーさんに何をされても平気ですから」
いや!って言ってしゃがみこんでたじゃねーか。
さっきの行動と言ってることがまるっきり違う。媚びるにしてももうちょいマトモに媚びうってくれよ…
「待ちなさい!ユート!」
グレモリー先輩の声が聞こえる。
「私のもとを離れるなんて許さないわ!あなたはグレモリー眷属の騎士なのよ。はぐれになってもらっては困るわ。留まりなさい!」
自分の体裁が大事ってことですか。正直なのは美徳でもあるけど、もうちょいオブラートに包みましょうや…
「…僕は同士たちのおかげであそこから逃げ出せた…彼らの恨みを魔剣に込めないといけないんだ…」
そう言って去っていった。サバイバーズ・ギルトってやつかね。
「あの…」
塔城さんに呼び止められ、そのまま他の眷属に聞かれないように少し離れる。
「何?さっきのアレなら別に気にしてないけど?」
「…よかった。でも別件です。あの…
『頼みたいこと』があります」
真剣な感じだ。以前のグレモリー先輩のレーティングゲームの時に頼まれないからやる気ないだろって手伝わなかった、って言っちゃったな。
「まずは要件を聞いてからかな。」
「…そうまさんははぐれ悪魔がどういう状況に置かれるか知ってますか?」
「うーん…悪魔世界の犯罪者扱いで追っ手差し向けられて殺される、ぐらいかな」
「程度の差もありますが大体そういった感じです」
「木場先輩をそれにしたくない、って?」
「はい。ユート先輩をはぐれ悪魔にしたくないんです。お願いします…!」
深く頭を下げる塔城さん。
そういう関係だったのか?あまりそう見えなかったけど…
「いいよ」
「…え?本当ですか?」
「うん。ほんとほんと」
「…契約外のことなのにやってくれるんですか…?」
快諾したのに胡散臭そうにしてんな…いや、俺が快諾したからなのか?
塔城さんの中で俺ってどんな認識なんだ。
「まぁ好ましい人物にはサービスぐらいするよ。俺だって全部が全部ガチガチに契約がないと何もしないわけじゃないし。
で、手伝うにあたって、塔城さんにも調べて欲しいことがあるんだけど」
「何でしょう」
「木場先輩の仲間が処分された日とか彼らの名前とかわかる?」
「……確かユート先輩がお墓を作ってあげた…みたいな話も聞いたから、調べたらわかるとは思いますが…一体どうするんです?」
普通は死んだら終わりだけど、この世界は死んでもすぐ終わりにはならない。
「俺らが話しても部外者だし意固地になるかも知れないから、本人たちに説得してもらおうと思って。
んじゃ早速行ってくるから、わかったらメールに入れてね」
「…どこに行くんです?」
決まってる。死者の声を聞くならあそこしかない。
「恐山」
>ユート
木場だけなんで祐斗なの?ってのと
ゆうとの漢字変換ミスを防ぐ為
一誠がイッセーなら祐斗はユートでしょうに
そんなんだから最初から一誠だけ贔屓、他眷属たちも木場の事はどうでもいい、一誠が名前呼びしないのは木場を仲間だと思ってない、とか言われるんだよ
>妖精
月下の夜想曲の魔導器(特殊なアイテム程度の認識でいいです)の妖精の素を装備すると出る
回復アイテムを使ってくれたりで便利です
とか言ってるけど調べてたら歌うのは妖精のバージョン違いの半妖精だけでしたね…
記憶がおぼろげすぎる
…CVは同じ人なんでここでは妖精も歌うってことで
ダメなら半妖精を妖精って呼んでるって事でどうにか
没ネタとしてはここで出すのは鼻悪魔も考えましたが、声優ネタとか考えても自分の腕じゃ扱いきれそうにないですね
>アーシア云々
やりたかったことの内の大きい一つ
まぁ自分の前作の読み切りとか見た人は自分がアーシアに否定的なのわかってそうですが
なんでアンチ・ヘイトでもアーシアには皆優しくしてあげるんですかね?
改変アーシアならともかく…
>恐山
HSDD世界にイタコとかそういう系の人が居てもおかしくないんじゃない?的なアレです
なんか原作でも死後の世界の人と交流した話しが出てるっぽいですね
この話考え始めてた頃にはまだそんなのなかったんで…
追記
>スライム
そういや蒼月のタンジェリーがめんどくさかった思い出