ハイスクールDevil castle×Dracula   作:二痔升

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4話序盤
+幕間

今回はHSDDっぽい話に出来たかもしれません


8話 4巻開始~ヴァーリ来訪

「冗談じゃないわ」

 

いつもの放課後の部室でグレモリー先輩がいつものごとく怒っていた。

今回は堕天使のアザゼルが客を装ってこっそり兵藤先輩に会っていたらしい。

 

「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて…!」

 

営業妨害…になるのか?対価はもらってんだろう。

そもそも潜入に気づかないのはいつものことじゃないか。

 

「しかも私のかわいいイッセーにまで手を出そうなんて、万死に値するわ!

 アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ。きっと、私のイッセーがブーステッド・ギアを持ってるから接触してきたのね…

 大丈夫よイッセー。私がイッセーを絶対に守ってあげるわ」

 

万死に値するってフレーズ気に入ったのかな。

そもそもそんなに大切なのにアザゼルに気づかなかったのは謝ったりしないのね。

アザゼルが悪いから私は悪くないってか?

 

「…やっぱ俺の神器をアザゼルは狙っているのかな。堕天使の総督なんだろう?」

 

不安がった兵藤先輩に木場先輩が絡みに行く。

なんだかなぁ。言動がお姫様を守るナイトみたいなんだよな。

 

「いやぁモテモテですね兵藤先輩」

「男にモテたって嬉しくねーよ!」

「そ、そんな、イッセーくん…」

 

ちょっとからかってみるが、木場先輩ちょっとガチっぽくなってない?

 

「しかし、どうしたものかしら…あちらの動きがわからない以上、こちらも動きづらいわ。

 相手は堕天使の総督、下手に接することもできないわね」

「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

 

魔王様フットワーク軽いねぇ。暇なのかな?

とりあえず皆が驚いて跪いた後で、俺もさも今気づいたように跪く。

兵藤先輩が困惑してるけど、面識あったよね?なくてもなんとなく周りが全員跪いてるんだから跪くもんじゃない?

仕方無くグレモリー先輩が兵藤先輩の頭を下ろさせてた。

…家柄関係ない旦那が欲しいんだろ?よかったじゃないか。え、なに、身分をわきまえないのは別なの?嫌なの?じゃあ教育してね。

 

「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。

 しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな」

 

しかし堕天使総督のアザゼルと現魔王のサーゼクスはそんなに親しいのか?三すくみってもしかして下っ端だけの争いなんじゃ…

 

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

 

姿勢を直す。

しかしプライベートでも一報入れるくらいしたほうがいいんじゃないですかね。

 

「お兄様、ど、どうしてここへ?」

「何を言ってるんだ。授業参観が近いだろう?私も参加しようと思っていてね。

 ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」

 

授業参観かぁ…

俺の場合伝えてないけどメイド来そうだなぁ。

 

「グ、グレイフィアね?お兄様に伝えたのは」

「はい。学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任されている私のもとへ届きます。無論、サーゼクス様の女王でもありますので主に報告も致しました」

「報告を受けた私は魔王職が激務であろうと、休暇を入れてでも妹の授業参観に参加したかったのだよ。安心しなさい。父上もちゃんとお越しになられる」

「そ、そうではありません!お兄様は魔王なのですよ?仕事をほっぽり出してくるなんて!魔王がいち悪魔を特別視されてはいけませんわ!」

 

シスコンコントが始まった。くらいの認識の俺だったが…

 

「いやいや、これは仕事でもあるんだよ、リアス。

 実は三すくみの会談をこの学園で執り行おうと思っていてね。会場の下見にきたんだよ」

 

え?マジで?

 

「――っ!ここで?本当に?」

 

今はグレモリー先輩と同じ気持ちだ。何で?冥界でしなさいよ。

 

「ああ。この学園はどうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるお前と、伝説の赤龍帝、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。

 これは偶然で片付けられない事象だ。様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。

 そのうねりを加速度的に増しているのが兵藤一誠くん――赤龍帝だとは思うのだが」

 

確かになぁ…それは否定できん。

だからこそ占いもここを指し示したんだろうし。

が、何でそのうねりの中で会談をするのかは謎だ。

 

その後、宿泊施設を尋ねる魔王に兵藤先輩が自分の家に誘って、悪魔稼業の時間になるので俺は帰った。

 

 

 

それから数日間、魔王は町の下見をしてたんだけど、冥界にゲームセンター設立とかハンバーガーチェーン店が欲しいのもちょっと嫌だったんだが、それだけでなくなんと神社で無理やり魔力に任せてお参りしてた…

それなら無人の姫島先輩の住む神社に行けばいいじゃん…まぁ後々糾弾する材料にはできるな。お前の犠牲を無駄にはしないぞ…

あとこっちの監視がバレたりはしてないみたい。魔王相手でもMPで作った監視は見破れない事がわかったのは良かった。

 

 

 

日曜日、プール掃除の手伝いで学園に。

割とこういう事は嫌いじゃない。能力で掃除は苦じゃないし、こう…学校っぽくていいと思う。

まぁ掃除に『プロセルピナ』を使うのは引かれたが…便利だからね。

 

「さっきやったみたいに…そうそう、うまいうまい」

 

プール掃除の代償として、俺らは最初に使っても良いことになってたんだが、そこで泳げない塔城さんの練習の手伝いをすることになった。

あとアルジェントさんも泳げないらしいが、そっちは本人の希望もあって兵藤先輩が教えることに。

俺は泳ぎが得意…というか別に水の中で呼吸?できるしな。多分『ホーリーシンボル』のおかげなんだろう。

 

「んじゃあとは浮き具で実際に泳いで見るのがいいかな…

 確か用具室にあったような」

「…私も行きます」

 

プールから上がると、

 

『Transfer!』

 

兵藤先輩の神器の音が聞こえた。

は?なんで?

プールを見ると潜ってる兵藤先輩の視線の先でグレモリー先輩が泳いでる。

見る為に神器を使った?にしてもどう譲渡するんだ?プールの水の透明度を強化とか?…わからん。

あとはアルジェントさんがムスッとしてる…まぁどうでもいいか。

 

「手伝ってくれてありがとうございます。面倒をかけてしまって…」

「慣れてるし大丈夫。水が苦手とかでもないから楽だったよ」

 

用具室に行きながらそんな話をする。

ただの経験0と嫌いになった人って結構違うからなぁ…

 

「おや、惣間正二に塔城小猫か。どうしてこんなところに?」

「俺たちは浮き具を取りに…ゼノヴィアさんは?水着持って制服姿でこんなところに…」

 

何故かゼノヴィアさんがいた。

 

「私は水着を着るのが初めてでな…」

 

初めてだからって用具室で着替えなくても。

 

「向こうの女子更衣室で着替えてくださいよ。今後も授業で使ったりするんだから慣れた方がいいですよ?」

「ん。わかった。…しかし惣間正二、ここで会ったのも何かの縁だ。頼みたい事がある」

「用件にもよりますね…なんです?」

「私と子供を作らないか?」

「!?」

 

…一体何がどうなってそう言うことになったんだ?

 

「えーと、一から説明してもらえませんかね」

「うん。私は聖剣の因子があるのがわかった幼少から、神のため宗教の為に生きてきてな。子供の頃から夢や将来の目標が全て神や信仰に絡んだものだったんだ。

 しかし今や悪魔、今までの夢や目標が一気になくなってしまってな。何をしていいかわからなくなってしまっただ。

 そこで、現在主であるリアス部長にそれを訊ねたら、『悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望む者。好きに生きてみなさい』と言われてな。

 神に仕えて居た時に捨てた女の喜びとやらを解き放ち、堪能しようと思ったんだ。

 ――つまり、私の新たな目標、夢は子供を産むことなんだ」

「はぁ」

「む…まぁ教会に関わったことのない者にはあまり理解されないか。だが私は本気だぞ?

 悪魔の出生も知っている。子供ができにくく、特に純血同士はなかなか難しいらしいが、私は転生悪魔だし、キミは悪魔との混血らしいが悪魔の気配がないくらい人間に近い」

 

まぁ厳密には違うがね。と思いながら聞いてると…

 

「それに、キミは特殊な家系であり、強力な妖刀の使い手であり、異様な体術を使い、倒した敵を己の力にする能力を持つ。

 私は子供を作る以上、強い子になって欲しいと願ってるんだよ。父親の遺伝子に特殊な力、もしくは強さを望む」

 

『じゃーね正二ちゃん。ママは優秀な血の子供のお兄ちゃんと行くから。恨むならあなたの父親の遺伝子を恨んでねぇ。

 …ほんと、良家だから期待してたんだけど全然ダメだったわ。お兄ちゃんの方の種は優秀だったのにね~。ほら、お兄ちゃんも弟にお別れの挨拶しなさい?

 もう永遠に会えないんだから。キャハハハハハ!』

 

「あぁ、子供の方は問題ないよ。基本的に私が育てる。ただ、父親からの愛を子供が望んだら、その時には遊んでやって欲しいな。やはり、子供に父と母は必要だからね…おい、聞いてるか?」

 

…上の空になって返事が出来なかった。心臓が激しく脈を打つ。

慌てて返事を返す。

 

「すいませんね、あまりにも急だったので」

「そうか。で、どうだ?」

「お断りします」

「これでも女性としての身体にはそこそこ自信があるんだが…

 ううむ、無い方がいいのか?日本人はそういうのが好きなのが多いと聞くし」

 

これ塔城さん見ながら言ってるよな…

 

「俺はどっちも好きですけど、そういう事じゃないです。とにかくゼノヴィアさんと子供を作ろうとは思えません。

 あと、着替えるなら女子更衣室行ってください」

「むぅ…仕方ないな。気が変わったら教えてくれ。じゃあな」

 

ゼノヴィアさんが用具室を出ていく。

それが引き金となったのか…俺は体の震えが止まらなくなり、へたり込んでしまった。

 

「ちょっと、そうまさん、大丈夫ですか?」

 

…塔城さんの手の熱を背中に感じる。

 

「あぁ、大丈夫…じゃないな。振り切ったと思ってたんだけどな…そんな機会なかっただけか」

「機会?」

「まぁ、端的に言うと俺の母親が俺を捨てた時に、父親と子供を作ったのは血統目的って言ってたんだ。

 ゼノヴィアさんが悪いわけじゃないんだけど、さっきの話でそれ思い出しちゃってね…」

 

我ながら未練がましいな…

やっと震えが止まった。

 

「悪いね、こんな話聞かせちゃって」

「いえ…かまいませんよ」

「話したからか楽になったよ。それより中断して悪かったね。気分転換に泳ぎの練習再開しようか」

 

浮き具を持ってきて、練習しようとプールに出ると、なぜかプールの一角がカーテンで仕切られていた。

そしてそこへ走っていく兵藤先輩。

…まぁいいや、練習しよう。

 

練習してると、グレモリー先輩らのところに姫島先輩も合流していって、兵藤先輩を巡って言い争いに。

段々エスカレートしていって、なんと魔力を放ってお互いに攻撃し始めた。

お互いが攻撃するだけならいいんだが、周囲に攻撃飛ばしてる。

 

「ちょっとごめんよ」

「えっ、わっ」

 

流石に危ないので、塔城さんを抱きかかえ水面から跳び上がり『ウンディーネ』で水上に立ち、逆側のプールサイドへ走る。

何故かアルジェントさんが寝ていたのでそこに下ろす。

 

「…アーシア先輩、よくこんな状況で寝てられますね。」

「兵藤先輩に手伝って貰えるからはしゃいでたんじゃない?体力なさそうだし」

「…そういえば、原因っぽいイッセー先輩はどこに?」

 

言われて探してみるが、見つからない。

 

「…こりゃ逃げたな」

 

自分のハーレムくらいどうにかしろよな。

それから塔城さんがアルジェントさんを起こしたくらいに、グレモリー先輩と姫島先輩が兵藤先輩が居ない事に気づいて探しに。

アルジェントさんに事のいきさつを説明すると、自分もと兵藤先輩を探しにいってしまった。

 

「探しにいくのはいいけど…これ、どうすんだ?」

「…私達だけでも直しましょうか」

 

どうやって?と思ったが建造物とかなら普通に魔力で直せるらしい。…もうそういうもんだと思うしかないね。

 

ちなみに兵藤先輩は逃げ出してゼノヴィアさんに会って標的にされてた所に、グレモリー先輩と姫島先輩とアルジェントさんが一斉に来てたらしい。

しかしそれだけで特に何もなかったみたいだ。

ヘコんでもないから怒られたりもしてない?さっきのアレの後で?ゼノヴィアさんに取られるのを恐れて団結して、それまでの感情が全部どっか行ったとか?

…なんか考えるだけ無駄な気もしてきた。

 

 

 

プールも直し終わったし、後は帰るだけだが、妙な気配を感じて校舎に向かった。

そこに居たのは濃い銀髪の少年。

 

「おや、キミの方が先に来たのか」

「…えーっと、誰か待ち人でも居るんです?」

「待ってはいないし待つ必要もないさ。俺たちはお互いに引き合う」

 

何いってんだ?と思ってると、兵藤先輩が現れた。

兵藤先輩の知り合いか?と思ったが、話してる様子を見るに知ってると思えない。

 

「俺はヴァーリ。白龍皇――白い龍だ。

 ここで会うのは二度目か、赤い龍――赤龍帝。兵藤一誠」

 

前アルビオンって言ってなかったっけ。

それはともかく白い龍なのは本当なのだろう。あの緊張感のない兵藤先輩が身構えてるし。

 

「そうだな。例えば、俺がここで兵藤一誠に魔術的なものをかけたり――」

 

うーん、茶番感。周りへのブラフにしてもここまで酷いと演技力は感じないな。

案の定釣られて木場先輩とゼノヴィアさんが来た。けど、二人とも一生懸命威圧しようとしてるが手が震えている。

 

「誇っていい。相手との実力差がわかるのは強い証拠だ。

 俺とキミたちとの間には決定的な程の差がある。コカビエルごときに勝てなかったキミたちでは、俺には勝てないよ」

 

ごとき、と来たか。聖剣でやられた古傷もあるし、油断してるところに半減ブチかましての相性勝ちにしか思えんが…

まぁあれが全力とも限らないしな。

 

「兵藤一誠、キミはこの世界で自分が何番目に強いと思う?」

 

…番付でもあんのかな?

 

「未完成の禁手状態としたキミは上から数えた場合、4桁…1000から1500の間くらいか。

 いや、宿主のスペック的にはもっと下かな?」

 

未完成でも上には1500人しか居ないのか?人間以外の人口とかわからんけど、ちょっと過大評価にも思える。

 

「この世界は強い者が多い。紅髪の魔王と呼ばれるサーゼクス・ルシファーでさえ、トップ10以内には入らない」

 

この世界、ね…こいつも前世とか持ってたりもしくは違う世界から来たとか?

しかし悪魔と全面的に戦っても大丈夫になるには、どれくらい強くならなくちゃいけないんだろうな…

 

「だが、一位は決まっている。不動の存在が」

「?誰のことだ。自分が一番とでも言うのかよ?」

「いずれわかる。ただ、俺じゃない。

 ――兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育てた方がいい、リアス・グレモリー」

 

ヴァーリは兵藤先輩の後ろに、他の眷属を連れて来ていたグレモリー先輩に話を振る。

しかしグレートレッドの事をなぜ勿体ぶるんだろうか。

 

「白龍皇、何のつもりかしら?あなたが堕天使と繋がりを持っているのなら、必要以上の接触は――」

「二天龍と称されたドラゴン。赤い龍と白い龍。過去、関わった者はろくな生き方をしていない。

 あなたはどうなるんだろうな?」

 

グレモリー先輩が話を振られたからか警告しようとすると、ヴァーリが先手をうつ形で警告をする。

…今後の将来を危惧させたいんだろうけど、正直グレモリー先輩は今の段階でろくな生き方をしてるとは思えないからなぁ。

いや、悪魔としては普通なのかもしれないけど。

 

「今日は別に戦いに来たわけじゃない。ちょっと先日訪れた学び舎を見てみたかっただけだ。アザゼルの付添で来日していてね、ただの退屈しのぎだよ。

 ここで赤い龍とは戦わない。それに――俺もやることが多いからさ」

 

ヴァーリはそう言って去っていった。

退屈しのぎににここに来るのにやることが多いのか?

…まぁ多分、退屈しのぎは会談までの暇つぶしの話で、やることが多いのは目標とか使命とかそういう事なんだろうけど。わかりづらい。

学園に興味があるのは学校に通った事がないからかもしれないな。

 

 

 

 

 

拠点でいつものトレーニング。

 

まずは走る。

…正確には俺は走ってる俺を見ているわけだが。

俺の世界にある、俺の自由にできる俺の為の競技場。24時間365日独占して使おうが誰から何も言われない。

全力疾走だけひたすらしてみたり、速度を一定にしながら体力が尽きるまで一日以上走ってみたり、山を走って登山してみたり…

分身のおかげでいくらでもトレーニングを試せる。

 

走力、及び体力増加目的だけじゃなく、筋力増加・攻撃力上昇を目的としたトレーニングも行う。

普通の筋力増加トレーニングから、殴る蹴るの格闘技の真似事。

戦闘に必要な筋力がつきやすくなるように、武器を使って素振りしたり自分同士で戦っての模擬戦。

 

こういった肉体面でのトレーニングの効果は割と出やすい。

が、これで魔王やら堕天使の総督やら天使に楽勝で勝てるか?と言われると断言出来ない。

全くの無駄で無いとは思うが…

 

魔力のトレーニングなども当然している。

MPからの変換効率や攻撃に使える魔力の最大使用量を増やしたりしているが…

どれくらい効果が出たか、すなわちいくらダメージが増えたかが一切不明だ。

『妖精の書』も『魂のオーブ』も、この世界の相手には機能しない。

 

魔力以外の、妖力や霊力や法力・魔法力に、技術的な面では退魔術や忍術や仙術に呪術なども修練をしてはいるが、そちらも同様だ。

今までは成果が出てるから何も困ることはなかったが、やろうとする事を考えるとまだまだこんな程度じゃ足りないだろう。

 

そこで活かすべきは俺だけがもつ唯一性としての「悪魔城ドラキュラ」の能力。

あれは元はゲームだが、この世界で使う際にアレンジ出来たりする。ゲームでは槍を投げるまでが1セットの能力が、投槍のままとは言え槍を作ってそのまま使えたり…

ゲームじゃないんだから一画面に幾つまでしか出せない、なんてこともない。

3つの縦に並んだ火球を出す能力だって1つだけ出したり、3つより多く出したり、縦に並べる以外に出せたり…等。

その最たる例が、ソウル取得は『魔物の魂を支配する』という設定だったのに、この世界では魔物以外にもしっかり効果があるという事だろうか。

ゲームと違うソウルの使い方として言うなら分身もそうだし、ソウルが関係ない悪魔城の世界で倒した奴がソウルとして手元にある事も特殊だろう。

 

後は…魔力を光にすることができるのも希少だろうか。

魔力は悪魔の力なんだから魔力で光なんか作れたら、普通の悪魔がお祈りすれば頭痛がするような物のもっと酷い状態になるのは目に見えているわけで。

…魔剣創造という神器を持っていれば聖剣の因子を取得したら聖魔剣が作れるようになる、なんて世界だから将来的にそこまで珍しくなくなるのかもしれないが…

 

まぁ当然、あんな劇的な強化があるんだから、俺も聖なる力(を持つ能力)と魔力を混ぜたりしてみたのだが、ただ魔力を纏っているだけで聖魔剣のような劇的な強化にはつながらなかった。

あっちは神器だから?と思いながらも色々試してみると、レイナーレのソウルから作った光の槍での実験には反応があった。

おそらく、キリスト教由来(もちろん、「この世界のキリスト教」だ。俺の持ってる能力だってキリスト教が元ネタっぽいのは幾つもある)の光属性なり聖なる力なりにしか、聖魔剣の…聖魔力、とでも言うべき強化がされないんだろう。

将来天使と悪魔のハーフでもできれば手強そうだな…そう考えると今の冷戦状態は俺にとってはラッキーってとこか。

 

で、強化につながる収穫が得れたのは嬉しいのだが、困ったことに一度に出せる光の量が全然少ない。

仕方ないか…レイナーレは下っ端なんだし。

一応レイナーレの羽や、コカビエルのむしられた羽やら拾っておいて、それを『デュプリケーター』で複製したり培養しようと試しているが、どうも俺ではそれを力にできそうにない。

まぁ別の方法での可能性が見えてきたが…

 

「はよーっす」

「おはよう、ミッテルト」

 

噂をすればなんとやら。それがこの堕天使ミッテルト。

彼女は堕天使だからなんだろう、俺とは違って他の堕天使の羽から光のエネルギー…光力?を自分のモノにできる。

といっても恒久的なモノではなく、一時的なモノではあるが…

しかし、そもそもの堕天使には産み落とされて最初期の設定を上回る力を持ったりは出来ないらしい。

レイナーレが神器に希望を見出したのもそのせいだ。

それを一時的にでも自分の実力以上の力を得た事で、リミッター…と言うかキャップのようなものが外れて徐々にではあるが自力が向上したらしい。

今まで誰もやらなかったのか?と聞いてみたが、そもそも同族を殺したり力奪ったりで強化しようとか思い浮かばなかったらしい。

まぁ言われれば確かに知り合いの人間が死んだからって遺体食べたりしようとは思わんしな…多種族故に資源と割り切る事ができるってことか。

 

ともかく、彼女のように生きてる堕天使から吸血なりで力を奪うのが現状唯一の光力増加方法だろう。

先祖に吸血鬼…か何かの吸血種が居て良かった。悪魔城ドラキュラの吸血鬼にはそういう能力がないし。

 

「ん?なんすか?うちの顔見て…

 ははぁ~ん、もしかしてイヤらしい事でも考えてたんすか?も~昨日あんだけ激しくやった癖に~」

 

頬を赤く染め、手をやりながらくねくねするミッテルトを見ながら答える。

 

「当たらずとも遠からず…ってとこか。

 ミッテルトと会えたのは趣味と実益を兼ねたいい出会いだったな、と初めて会った時のこと思い返してたんだ」

「あー…あの時は微弱とは言えレイナーレ様の気配を感じて近くに行ったら、そこに人間が居たんすから驚きましたよぉ~。

 あの状況から生きてるとかどんだけミラクル起こした!?とか思った後だったっすからねぇ」

「俺も驚いたよ。

 グレモリー先輩がレイナーレに、「部下を消し飛ばした」とか言ってたから」

 

そうなのだ。彼女らはレイナーレが死ぬ前に既に一度逃げてたらしい。

既にグレモリー先輩に露見していたドーナシークとやらに取引をさせて、堕天使の上役が絡んでない事を伝える代わりに自分たちが死んだように見せかけて。

流石に魔王の妹に喧嘩を売りに行くのはリスクが高すぎるし、それを平然と行うレイナーレにもついていけない、と思ったみたいで…

ミッテルトは将来甘い汁を吸うために着いてきたのに、それが破綻しそうだったから。

カラワーナはアザゼルの利益になるために着いてきたのに、レイナーレが兵藤一誠の神器を放置して悪魔に利益を与えた事に反感があったため。

ドーナシークは…かわいそうな事に、レイナーレの好みのアザゼルにタイプが近いから、と半ば無理やり連れて来られてたらしい。

そんな事聞いてると、もっと早く切れよ。と思うのだが、割と下ともフレンドリーで付き合いやすくなかなか楽しかったのだとか。

リスク管理さえちゃんと出来てれば部下のままだったんだろうな。

 

「でもその直後に即降伏して来た事の方が驚いたかな」

「いやー…あんな冷たい、命を命と思ってなさそうな目見たら、降伏するしか生き延びれないと思ったっすからねぇ」

 

堕天使との繋がりか、口封じかどっちか相手の出方を見て…と思ってたからな。

直前に見た堕天使がレイナーレだったのもあったろう。あんなタイプなら口封じだったろうし。

流石にマジで堕天使捨ててこっちに来るとは思えなかったが…

 

「で、どう?吸血した分は回復した?」

「消耗した分は、っすね。ドーピングした分は結局時間経過でなくなったっす」

「了解。それじゃそのまま光力の最大値増加させていく感じで」

「りょーかいっす。しかしうちが特訓とかするとは…いやまぁちゃんと伸びるからいいんすけどね」

 

そう言ってミッテルトは去っていった。

現状、俺が扱える量はレイナーレのソウルからだけ、投槍程度の面積分しか出せない。聖魔剣のような切り合う武器には無理だろう。

それを俺はどう運用すべきか?

 

一つはシンプルに強い投槍、として。一発限りで、はずしたら次作る為に一旦前のを消さないとダメだが。

もう一つは分割して小型の武器にして投擲。苦無とか手裏剣とかナイフとか…既に持ってる物をブラフにしての本命、とか使えると思う。

…あ、ダメだ。使えねぇ。実際作ったらどうやっても白と黒の2色が入って目立つ…

サブウェポンとしての武器は色も形も決まってるんだよな…ソウルを経由する物だけは大丈夫だけど。

となると、ナイフ・槍・剣・斧ってとこか。弾数考えるとほぼナイフのみだな。

 

そして最後の案が鞭。自分で生成するから長さは可変だし、悪くないと思う。

とりあえず試してみるか。

 

まず『グレートアーマー』のソウルでグレートアーマーを呼び出し、普段武器の練習で使う鉄の鞭で…と。

 

「せいっ!」

 

ガァンと鈍い音を立てて、鞭が当たった部分の鎧がヘコむ。

無強化ならこんなもんか。

さて、グレートアーマーを呼び直して、今度は聖魔…いや、光魔力で作った鞭で…

 

「せいっ!」

 

パァンと破裂音がし、グレートアーマーは消失した。

…どうなった?

とりあえず録画を確認しよう。

 

俺が鞭を振りかぶって、先端が鎧に当たって…おぉ鎧が衝撃で爆ぜてる。

…消えたのは単に鎧が壊れたからか。

 

強化なしでアレなら、光魔力は当たりだったな。

レイナーレでこれなら、コカビエルだったらもっと…うーん、悔やまれる。

今後はもっと積極的に取りに行った方がいいな。多少の能力バレはこの際仕方ない。警戒されてもそこは親しげな態度をとってごまかそう。

…ごまかせなくても、敵対バレの前に相手の戦力を上回ればいいだけだし、うん。




>MPで作った監視
悪魔城ドラキュラのキャラクターは基本的にMPを持ってるわけです
武闘派なキャラも魔法系のキャラも
それはMPからサブウェポンを生成したり、魔法を使ったり、ソウルの力を引き出したり、DSSを使ったりしてるんじゃないか、という妄想から

このSSの設定としてMP自体はただのエネルギーで、この世界にとって存在しない異物なので存在してるモノに影響を与える事はそのままでは出来ません
魔力に変換したり…で使います
MPで殴ったり、攻撃したり防御したりは不可能
それを逆手に取って無敵の監視体勢を作り出した、と

>ゼノヴィアの子作りの話
最初に、HSDDキャラは父親キャラ批判が多いので、オリ主の母親は屑にしようと思ってました
それで原作と違いない状態のゼノヴィアならあのセリフを言って、それならオリ主はこうなるよな…と

ゼノヴィア叩きではないですので…
そもそも普通に子作りなり性交なりの話だけなら受けてましたし
(作る気はまだ持ってないんで避妊はするでしょうが

>堕天使ミッテルト
こういう形で生存
もちろんドーナシークもカラワーナも生きてます

そもそも原作では描写すらないモブですからね
リアスが殺したと言っただけですし

>堕天使は産み落とされて最初期の設定を上回る力を持ったりは出来ない
完全にオリ設定です
けどアザゼルが強くなるのは外付けだけなんですよね
それならこういう可能性はあってもおかしくないんじゃないかなと

ハーフ堕天使の朱乃とかは成長しますよ

>吸血
なんか原作での吸血鬼の能力らしいですね


元ネタ
『プロセルピナ』
暁月・蒼月でのメイドさんのソウル
掃除機で攻撃するやつ
本作では普通に掃除もできます

『妖精の書』『魂のオーブ』
妖精の書は色んな作品での魔導器
攻撃・接触した敵の名前がわかる
魂のオーブはそれのダメージ版

ダメージ量がわかるのがデフォになって
妖精の書だけ作品も多いですね

『デュプリケーター』
月下の2周目以降限定の高額アイテム
複製機
装備してるとアイテムが減らない
思ったより面白くならない…

『グレートアーマー』
暁月・蒼月でのソウル
今回は蒼月の召喚タイプ
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