視点が変わる場合はその都度【???】みたいな感じで入れていきます
なんだ?誰かに抱えられている?
「ふんふーん♪」
えらく上機嫌のようだが、独りでは生きて行けぬ赤ん坊の身を世話してくれる人物だとするのなら、こちらとしては好都合だ。
よし、瞼が重たいが、その顔を見ておくとするか。どんな人物だろうか.....
「....あぶぅ」
「あ、起きた?」
「......ばぶぅ(......なんだと?)」
俺を抱える人物は、見たことのある女性だった
名をアルクェイド・ブリュンスタッド。吸血鬼の真祖であり、朱い月とも関わりのある人物だ。何故こいつが俺を抱えているんだ
「ばぶ(...一つ聞きたいんだが)」
「あはは、何言ってるかわかんない♪」
.......無性に腹が立つな。しかしここは抑えろ。こいつに捨てられれば折角の生き残る機会を失う可能性がある
「それにしても難儀ねぇ。まさか赤ん坊の姿で転生するなんて」
転生?いったいどういうことだ.....俺はあのピアニストになった覚えは無いぞ。
考えただけで悪寒が走る
「あ、転生について何か聞きたいんでしょう?♪」
「あぶ(ああ)」コクコク
「えっとね、何か神様が面白がって異世界に私達二人を転生させたらしいのよ」
神様ねぇ。吸血鬼や鬼がいるんだ。いても可笑しくは感じないが、実際に聞くとなると不思議な感覚がするな
「で、若返らせたらしいんだけど。私って吸血鬼だからあまり変わらなかったみたい」
「ばぁぶ(なるほど、神とやらは吸血鬼の年齢を見誤ったというわけか)」
しかし、一つ解せないな。こいつが親愛を寄せていたのは遠野志貴の筈だ。寧ろ俺を嫌悪していたイメージがあったが....
「これからどうしようかなぁ」
「ばぁ(考えて居なかったのか...)」
まあ、考えていても仕方がない。こいつにはこいつなりの考えがあるのだろう。取り敢えず自立出来る程度まで世話をみてもらえるのならありがたいな。
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あれから10分程度抱えられていた。眠気はあるが先程のように我慢できないほどではない。一人ではないというのが理由なのだと思うな
そしてもう一つ理由があるのだろう
「......七夜気付いてる?」
「......あぶ(ああ)」
アルクェイドが進んでいる先、まだ距離は離れているが。何か騒がしい
「少し血の匂いがする」
流石吸血鬼というべきか、血の匂いは敏感らしく騒がしい方向を見ている。俺は血の匂いはわからないが。その先から憎悪を感じた
「とりあえず行ってみよっか」
「あ〜(ああ、好きにすればいいさ)」
端から選択権などない問答など不要だと思う。ここで首を振ってもアルクェイドは無視して先に進むだろう
やれやれと感じながら俺は月を見上げる。月は神々しく輝き、俺を見下ろしている
見たことのない神に少しばかり悪態をつきたい衝動に駆られるが我慢する。ここで喚いても仕方ないのだ。ならばいっそ流されてみるのも一興かもしれない。
そう自分を納得させて、俺はアルクェイドに身を任した
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近づくに連れてその喧騒は増していき、自分の耳にも直接聞こえるようになってきた。
人間の集落、街というよりも。村か何かが怪物に襲われたようだ。怪物はすでに離れているようで、多人数の気配から遠ざかっている。いや、ある人間がおびき寄せているのか....
「うーん、どっちに行く?七夜」
アルクェイドも感じたようで先ほどのように選択権のない質問をしてくる。好きな様にやればいいさ。そんな意味合いを込めて見つめる
「じゃ、化け物のほうに行こっか♪」
俺の私意を理解したのか怪物の方に進んでいく。意思が伝わったのに軽く感動を覚える。それと同時に意思を伝える大変さが憂鬱になるのを感じる。はやく話せるようになりたいが、如何せん赤ん坊の身体では碌な発音も出来ない。前途多難だな
「しっかり捕まっててね」
.....少し待て。今この女はなんと言った?
”しっかり”捕まってろだと?
無茶だ。握力もろくにない赤ん坊にそれは酷だろう
しかし、その懸念は無駄に終わった
なんだかんだ言って、アルクェイドは俺をしっかりと支えてくれていた。しかし、その速度は酷いもので。前世の七夜一族程ではないが、人間では到底出せない速度で走った
故に俺がぐったりするのは必然であり、この首をかしげている女を見て、何度感じたかはわからない苛立ちを抑えるのだった
「ぐったりしてるけど大丈夫でしょ。それよりも、化け物が突然消えたわね」
そうなのだ。アルクェイドが向かっている途中、飛びそうになる意識の中で確かに感じていた。怪物の消滅を
「あそこに何かいるわね」
「あぶ(....死体が2つに赤ん坊が1匹だな)」
恐らくは、あの赤ん坊を庇ったのだろう。その2つの死体は赤ん坊の前で折り重なるように倒れていた。
「.......あぶ(何かがいるぞ)」
「わかってるわよ」
無粋な物だ。折角あの死体が助けた命を刈り取ろうとするのはな
弱者の命を無闇に取ることの何が面白いのか、教えてほしいものだな
「それじゃあ、行ってくるわね」
「あ〜(好きにしろ)」
全く、滑稽だな
殺人鬼と吸血鬼に狙われる者と守られる者がいるとはな
まあ、俺は何も出来ないけど
「私も甘くなったわね。たかが人間の子供一匹を助けるなんて」
俺と同じことを感じているのだろう。アルクェイドはそう言って俺を少し離れた木の近くにおいた
これでは、見えないぞ。
ああ、音が聞こえる。地面を蹴る音。不意打ちに驚く声。何かが割れる音と殴打音。木々がなぎ倒される音
それだけで理解した。
「あぶぅ(一撃で終わらせるとはな。流石吸血鬼というわけか)」
何度見ても自分の文才の無さにうなだれます
プロローグの感想にて短いと指摘を頂きましたが、これには謝るしかありませんね。
これからはできるだけ一話一話の文章量を増やして行くので、どうかご勘弁を