藍色の赤   作:龍玖

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新作。紗夜日菜。
初めましての方は初めまして。龍玖と申す者です。

本編(ガンダムのやつ)が筆進まないので試しに書いたら上手く行けました。


藍色の赤

寒い。どことなく寒さは感じる。それくらいしか出てこない。

 

「藍蓮さん!」

 

「悪ぃ、寝てた…」

 

俺は藍蓮烈火。普通の学生だ。まぁ、高二だ。今年から訳ありで『花咲川学園』に通ってる。今は昼時だ。だがさすがに10月下旬。

 

「貴方は一応"風紀委員"なんですから。風邪をひかれては困ります。」

 

「そうだったな。」

 

わざわざ外に起こしに来たのは通称"花咲川の番犬"氷川紗夜だ。

 

廊下では

「藍蓮先輩だ〜」

「やっぱイケメンだよね〜」

 

とか

そういう話で持ちっきりだ。俺も軽く呆れる。

普通に考えてこの年代だとさ、歌い手とかボカロ、ジャニーズだったりするわけじゃん。

 

そうだ、転校したての時の話をしよう。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「烈火、すまないが、また転勤だよ」

「親父、多くないか?」

 

親父は大手の企業に務めているただのサラリーマン、とまではいかない。まぁ、課長的な感じだ。

なので帰りも遅い。まぁ問題は無い。

 

「だけど、お前、行くんだろ?」

「そりゃ行きたいさ」

 

「なので、アパート借りる。烈火、お前の分だけでもな。」

 

早くないか?

一人暮らしするにも家事だったりある訳だし、ましてや学生だぞ我

 

「その辺は仕送りもする」

「じゃあ金銭的な問題は気にしなくてもいい、と」

「息子に金銭の心配されてちゃダメだからな」

 

こうして、俺は夏休みの間に引越しをし、例の如く転校した。

女子校やぞ?

 

あえてひとつ言っておこう。俺は男だ。ホモではない。

異論は認めない。

 

そういえば家の中、冷蔵庫とベット、テレビ、それぐらいしかないな。

 

本と戦艦のプラモで気晴らしに買うとしよう

 

「今月、なんとかなるよな。」

 

と言っても今月もあと1週間で終わりだ

 

「坊やも大変だね〜」

 

階段を降り、出ようとした時にアパートの大家さんと会った。

60を超えたぐらいのおばあさんだ。

 

「大変って言われれば大変ですけどね。」

 

「何かあったら言うんだよ」

 

「ありがとうございます」

 

烈火は駐輪場に止めた自転車のカバーを外し、鍵を開け、自転車に股がった。

 

さすがに8月も終わりだ。

溶ける…暑い…

それもそのはず、風も吹かなければ雨も降らない。

挙句の果てには延々と照り続ける太陽…

テレビじゃ異常気象異常気象って言ってるけど

まさにその言葉が正しい

 

「暑いな…とっとと帰ろ」

 

そう、家に帰れば棒アイス(バラエティパック)が待っている!

 

数時間後

 

家に帰った俺はついでに買ったプラモデル初めてセットというものを買った。

もちろん本も買った。

江戸川乱歩傑作選とひまつぶし殺人。

ミステリー物だ。

 

「あぢぃ…かった…」

 

家に帰れば冷房の効いた部屋でアイスを齧る、夏の至福はこれに尽きる。

まぁ、その前に麦茶を1杯。

 

「くぅ〜キンキンに冷えてやがる…罪だ…」

 

食道を伝って胃袋に冷たい麦茶が流れる。

それだけで体感温度は二三度下がる。

 

アイスを齧りながら夕飯のことを考えていた。

3時だ。待てよ?出たのが11時だとすれば4時間でかけていたのか。

 

かれこれ言っている間に、楽しい夏休みは終わっていった。

 

「ふぅ〜」

 

「だ、男子だ…」

 

案の定引かれてるな。

ーーーーーーーーーーーー

 

こんな感じだった。

 

楽しくもなければ学問が簡単だった。そんな所だ。

 

しかし今は違う。何故かは知らないが風紀委員になって"しまった"

 

あくまで"しまった"だからな?なりたくてなったわけじゃない。

 

「烈火さん、あとはお願いします」

 

「あ、うん了解。」

 

氷川さんはバンドのギターをやっているというのを風の噂で耳にしたことがある。

 

よく言われることがひとつあった気がする。

 

『お前、髪の色すごいよなー』って

 

確かに親父は完全な藍色だが、母親が赤と水色、という異色の髪をしていた。

 

「やることないし帰るか」

 

時計は6時を回りそうになっていた。

 

自転車に股がり、音楽を脳内再生しながら帰路を立った

再生しているのは

 

『20+∞Century Boys』だ

何故、V系なのかと言うと母親がV系の熱烈なファンだったからだ。

 

「烈火さん」

 

「紗夜、おつかれさん」

 

「えぇ、」

 

俺は自転車を降り、手で押した。

紗夜の愚痴を聞く。簡単な仕事だ。

 

「なんかあったのか?」

 

「それはもう…」

 

「大変だな。」

 

「すいませんね、いつも愚痴を聞いてもらってしまって」

 

「いや、俺は問題ないよ。ほら、紗夜って双子の姉だろ?それなりに負担がかかるし」

 

「今度、練習してるところの見学、来ませんか?」

 

「行けたら行く」

 

「ところでなんでいつもミステリー小説を読んでるんですか?」

 

「面白いじゃないか、最後の最後まで犯人が分からないっていうのは」

 

「あ!烈火く〜ん!」

 

「フベアッ」

 

烈火の胸元にダイブしてきたのは紛れもなく紗夜の妹

氷川日菜だ。よくテレビで見かけるぐらい。そんな感じだ。

 

「日菜!!」

 

「い、痛てぇよ…」

 

「おねーちゃん帰り?」

 

「そうよ。ちょうど烈火くんとあって」

 

「そうなんだ!」

 

「あ、あの…」

 

未だに胸元にくっついてきた。

 

 

「じゃあ俺こっちだから」

 

「ええ、では」

 

「またねー!」

 

 

氷川姉妹とはルートが違うので十字路で別れた。

 

「た、ただいまって言っても誰もいないんだっけ。」

 

一人暮らしを初めてまだ3ヶ月だ。

と言っても母親も海外に転勤続きで年末年始、会えたらいいレベルだし、親父は俺が寝てる間に帰ってくる。

 

「あ、もうこんな時間か」

 

時計を見ると6時を回っていた。

長喋りしすぎた。

 

夕飯って言っても

レタスちぎってドレッシングかけて週末に作り置きするカレーだ。

基本的にこれだから飽きてくるが、仕方ない。

 

「いただきます」

 

テレビでは来年の国家予算とかパリ協定だったり都内に少し洒落たお店があったり。そんなのしかやってない。

 

「ん?」

 

スマホを見ると

『氷川紗夜さんがメールに登録しました』

と表示されていた。

 

「俺教えたっけ」

 

はて、あ〜確か

 

「学校で教えてた」

 

その後

『氷川日菜さんがメールに登録しました』

と表示されてた

 

その後、風呂に入り、布団に入り、そのまま寝た。

 

 

 

寒い、やっぱり冬だ

だが今日は休日だ

 

ピロリン

『今日、練習があるのですが日菜がいるので少し留守番をお願いしても宜しいでしょうか』

と紗夜から連絡が来た。

 

あえて言おう。モテてはいない。いいな?誤解するなよ?

 

「仕方ないか…行くか」

 

着替え、荷物を持ち、食パンを齧りながらチャリに乗りBluetooth付きイヤホンでV系を流す。

 

これがチャリに乗る時の鉄則。かもしれない。

 

そしていつも通り流れる

『20+∞ Century Boys』

 

「行くか!」

 

『壊れ逝く大きな世界に 夢のないこんな時代に』

 

シャンシャンシャンシャン

 

近くでロードバイクを走らす音がする

 

『そっとそっと息をして 無力で小さな自分に』

 

角を右に曲がったり左に曲がったり坂道を昇ったり

風が強く吹いて、体に冷たく当たる。

 

冬、なんだよな

 

『死に逝く命の意味に ずっとずっと問いかけてた』

 

そして、サビ前にこの辺では大きな通りに出た

 

『Coming Century 20 +∞CenturyBoys』

 

そして、サビになった。

風がまた吹いて、木々が靡く。

カサカサ

そしてパラパラと枯葉が落ちてゆく。

 

冬が来た。

 

『未来を変えて 夢と絶望を手の中に』

 

そして、着いた。

どうしてだろう。

 

烈火は氷川家に着くとイヤホンで流していた音楽を止めた。

そして自転車のキーも抜いた。

 

ピンポーン

 

チャイムを押し、数秒経つと「はーい!」という声が聞こえた。

 

「待たせたな」

 

「ううん!」

 

「そうか、じゃあお邪魔する」

 

「どうぞ〜」

 

リビングの方から声が聞こえる。

 

「彩ちゃん、これはね?」

 

「分からないよ〜」

 

確か、なんだっけ。名前が出てこない。

 

「彩ちゃんごめーん」

 

「入る」

 

「ちょっと、女の子の家に無断で入るのはちょっとどうかしてるんじゃないかしら?」

 

「あ、無断じゃないので大丈夫」

 

スマホのメールを見せると向こうも納得したのか作業に戻った

 

ピンクのポニテと薄い黄色の髪をした女子が2人居た

 

「うわぁぁ」

 

よく見ると作っているのはアクセサリーのようなものだ。

 

「なるほどね」

 

「烈火くん、わかったの?」

 

烈火、そう聞いて日菜以外の女子は反応し、こっちを向いてきた。

 

「あなたが『藍蓮烈火』さん?」

 

「いかにも」

 

「なんか1部髪の毛の色が日菜ちゃんに似てるよね〜」

 

「そうか」

 

まぁよく言われること2つ目、

 

髪の毛の色と見た目が女子に似てる。

 

中学の時はよく

 

『女装したらすごい可愛いよね〜烈火くん』

 

って言われてたっけ。

 

「それで、なんで留守番なのかしら?」

 

「料理と留守番ができる身近な人、ってなって俺が抜擢されたってとこだ。非常にわかりやすいだろ?」

 

料理って言ってもカレーとサラダと肉じゃが、ナポリタン、シチュー、ぐらいだよ?

 

「料理ぐらいなら私にもできるわよ?」

 

舐めてもらっては困るな。

 

「へ〜、一人暮らしの人間にそれ言う?」

 

一人暮らししていることに"日菜以外"は驚いていた。

 

「ひ、一人暮らし?」

 

 

「お邪魔するよ〜。ん?紗夜、靴多いけど?」

 

「烈火さんですよ」

 

「烈火くん?」

 

「あ!おねーちゃん!!おかえり〜!」

 

「迷惑とかかけてないわよね?」

 

「大丈夫、と言っておこう。これから昼だがな。」

 

時計は2時を回っていた

 

「じゃあワタシも食べていこうかな〜」

 

「リサちーも?」

 

「うん、うち今親が出かけちゃってて」

「仕方ない。万人受けのあの料理でいいかな」

 

冷蔵庫から

ピーマン、ウィンナー、玉ねぎ、ケチャップ、ウスターソースを取り出す。

鍋に水を入れ、1度沸騰させる。

同時進行でピーマンを5mmの厚さに切っていく。

玉ねぎはスライスするだけ

ウィンナーは斜めに切る

 

麺を茹で、茹で上がる寸前で

ウィンナー、玉ねぎ、ピーマンを入れたフライパンに

スペースを作り、ケチャップ、ウスターソースを流す。

 

「なんか手伝うことありそう?」

 

「大丈夫です」

 

ナポリタン特有のケチャップとウスターソースをウィンナーとかに入れた匂いでわかったんだろうな。

 

ケチャップから甘い香りがしたら麺を入れ、具材と馴染ませる。

 

皿に盛り付け、最後にお好みでパルメザンチーズを、と

 

「できたぞ」

 

ごく一般的なナポリタンだがな

 

「わぁ〜!」

 

そこまで喜ぶのは初めて見た。

ナポリタンだよ?お母さんがパスタ=ナポリタンって出るほどのちなみにナポリタンは日本発祥だ。戦後まもなく横浜で作られた。

 

「本当にナポリタンだ…」

 

「ナポリタンね…」

 

そこまで驚くもんなの?

 

数十分後

 

「じゃあ帰るよ」

 

「ありがとうございました」

 

「うい、またなんかあったら連絡くれよ」

 

「じゃあね〜!」

 

 

この時、俺は何が起こるのかすらも知らずに帰路を自転車で漕いでいた。




鬼のような更新頻度の低さなのでご了承ください。
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