夜光
「頼む!誰かいないか!!誰でもいいから!!楠葉!楓姉さん!親父ィ!!千代ばあちゃん!!誰かァァァッ!!!」
夜光の悲しい叫びが木霊する。
話は1日前に遡る。
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夜光は以前に狩った鹿の革を売りに行くため隣の村へと向かうのであった。
夜光
「それじゃ、行って来るよ。」
楠葉
「お兄ちゃん、私も行きたいィィィ!!」
夜光に付いて行くと駄々をこねる楠葉に楓が怒る。
楓
「楠葉ァ!!夜光は遊びに行くんじゃないの!それに隣の村まで1日歩くのよ!あんたじゃ無理でしょうが!!」
楠葉
「そ、そんなこと…」
楓
「あんたのことだからどうせ歩けなくなったら夜光に運んでもらうつもりでしょ!」
楓の言葉にギクッとする楠葉に更に怒る楓を見て苦笑いするしかない夜光だった。
千代
「夜光、これを…」
夜光
「これは…御守り?」
千代から手渡されたのら見たことのない御守りだった。
千代
「…特別な御守りさね。それでね夜光………」
夜光は千代から渡された御守りを手に隣り村へと向かうのであった。
それが…
夜光の日常が…
壊れるとは知らずに…
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「はいよ!これが革の代金だよ。」
夜光
「ありがとう。それじゃ!」
思ったより高値で売れ機嫌が良くなった夜光は楓と楠葉にお土産を買うために市場へと向かう。
ドン
夜光
「あっ、すいません。」
「…いえ、こちらこそ。」
夜光は市場へ向かう途中で誰かとぶつかった。
ぶつかった相手を見ると肌が白く赤い瞳に夜光は目が奪われた。
「…どうかしましたか?」
夜光
「えッ、あ、いや…なんでも…」
「…そうですか。」
そう言うとぶつかった相手は行ってしまった。
夜光
「なんだろう…あの人…あの感じ…何処かで……」
不思議に思う夜光だが早く買って帰らないと思い市場へと走る。
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夜光
「ハァハァ、さ、流石に走り続けて疲れた。」
1日かかる道を僅か半日で村の近くまで戻って来た。
既に空は暗く辺りは暗かった。
夜光
「姉さん達、驚くだろうな~♪行きは歩きだから1日かかったけど走って半日だからなァ。楠葉も喜ぶだろうかな?」
あと少しで村にたどり着くといった所で夜光は立ち止まった。
夜光
「何………だよ………これは………」
夜光が目にしたモノ…
それは…
夜光
「何なんだよこれはァァァッ!!!」
燃え盛る村と血塗れで倒れている村人達であった。
夜光
「オイ!大丈夫か!?」
近くに倒れている村人に触れるが息をしておらず脈もない。
「そ、その声は…夜光…か?」
声に振り替えると壁に寄りかかり眼から出血した武蔵がいた。
夜光
「武蔵じいちゃん!?大丈夫か!何があったんだ!?」
すると武蔵は夜光の服の襟を強く掴んだ。
武蔵
「儂のことはいい!!早くオマエさんの家に行け!あの“鬼”の目的はオマエさん等じゃ!!!」
鬼という言葉に夜光は驚愕した。
夜光
「鬼だって…鬼が本当にいるって言うのか!?」
武蔵
「そんなことは後でいい!あの鬼は九十九家の人間を探しておった!あの死人のような白い肌した赤い眼の鬼は居場所を聞いた瞬間に村人を殺した!!早くしないとオマエさんの家族が……」
叫び続けていた武蔵が突如、静かにぐったりした。
夜光
「武蔵じいちゃん?冗談だろ…オイ!じいちゃん!!」
武蔵の肩を掴んで揺さぶるが武蔵が動くことはなかった。
夜光
「ぐっ…糞ッ!!!」
夜光は急いで家まで走るのであった。
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・
夜光
「頼む!誰かいないか!!誰でもいいから!!楠葉!楓姉さん!親父ィ!!千代ばあちゃん!!誰かァァァッ!!!」
家に着いた夜光は家族を探す。
夜光の家の中はかなりの血の匂いがした。
焦る夜光…
その時だった。
クチャ…クチャ…グチュ…
父親の部屋から聞こえた音に夜光は唾を飲み込み勢いよく襖を開けた瞬間…
夜光
「あ…あ…うそ…だ………そんな………」
夜光が観たモノ…
それは…
楓?
「………」
楠葉?
「………」
自分達は父親と祖母を喰らう姉と妹の変わり果てた姿であった。
第2話 終