魔導王の姉〜異世界行っても知識は役立つ〜   作:はる

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ヴェストリカ王国
学校


「012番、この行を読みたまえ。」

 

「はい! 我が国は偉大です。その中でも騎馬兵は最強と言われています。」

 

「次、007番」

 

皆様お久しぶり、姉です。

この学校(実験場)に来てから早くも5年が経った。ここは、私を連れ去ったヴェストリカ王国が新たに試みている、滅竜魔導士?を人工的に作る施設で、私はそこの一期生である。

 

「007番?」

 

「はい。燃ゆる火を恐れず、黒雲を恐れず、突き進む我等ヴェストリカ王国兵士。陛下の敵は我等の敵。ヴェストリカの敵は世界の敵」

 

「あ、あぁ、そうだ。よく読めたな。」

 

私は転生者だ。勉強をゼロから始めたわけではなく、一から始めてる言わばカンニング野郎。その事を知らないこの世界の人からは、他の子より頭の出来が特別良いと思われている。その為、ここの生徒の中では生徒会長(別名ガキ大将)のような立場を任されている。

 しかし、中にはこの先生のように、頭の良すぎる私を恐れている者もいる。そういう人は大抵子供に人気な者が多いので、とても残念だ。

 

「次、014番」

 

ここの生徒には名前が無い。変わりにその子の個体識別認証である番号が存在する。10人ずつ増えて行くので、一期の子が下の子にここ(実験場)での生活の仕方を教えている。014番は7の倍数、つまり私が面倒見ている子というわけだ。

 

「このわがぐんのぐんうた?「か」かは、」

 

彼女は私の一つ下、つまり今は4歳だ。普通なら、1から10まで数えられたら「凄い」と褒められる年齢である。だが、ここの連中は良くも悪くも、皆英才教育を施されている。もっと凄い事をしなくては褒めてもらえないのだ。

 

「014番、最初は「はい」だ。それと、音読の練習をしなさい。」

 

「…はい。」

 

あぁ…怒られちゃったか。後でフォローしてやらないと。

 

因みに7の倍数の子が何かやらかした場合、監督責任は私が負う事になっている。他の一期生は最初めちゃくちゃ嫌がっていた。自分の所為じゃないのに自分まで罰則食らうから。

 だが私の精神は20を超えている。チビちゃんの面倒くらいは、見てやるさ。

 

「…よし、休憩。10分後に第一実験室に集合。」

 

次は実験か。初めて実験室に行った時は正直怖かった。だが、やる事と言ったらこの魔法出来るかとか、コレ食べてみろとか。私達は英才教育を受けている事から分かるように、エリートだ。死ぬような実験はされないらしい。

 第一実験室の主が変人でサイコパスが入ってそうなのを抜けば、安心できる授業だ。

 

「ねーさん、おべんきょてつだって?」

 

「わかった。」

 

014番は私の事をねーさんと呼ぶ。彼女にとって、面倒を見てくれる私だけが心許せる存在らしい。しかし「ねーさん」と呼ばれると、弟の顔がチラついてしまうのだが。

 

「ねーさん、行こー」

 

まぁ、コレはコレでいいよね。

 

 

 

 

「竜迎撃用の失われた魔法(ロストマジック)を使う魔導士。

ドラゴンに唯一ダメージを与えられる魔導士をこの手で量産する。それが私の信念です!その為にも、今日はこれを飲んで貰いたい。安心しなさい、命の保証はします!」

 

そう言って渡されたのは色のついた石だった。

それぞれが違う大きさで違う色の石、いや、宝石のような物だった。

いや、ただの宝石なんて物なわけがない。今まで渡された物は大体竜に何か関係ある物だったし、これもそうに違いない。 

 

「これは、ただの石ではない…魔水晶(ラクリマ)なのです!今まで私は滅竜魔導士にばかり目が行っていたが、魔水晶を試そうではありませんか。」

 

ふざけんな。石は消化されないので、普通はそのまま便と一緒に排出されるが、この大きさは、何にとは言わないが、引っ掛かるだろ。確実に。そうしたら、ここにいる子供全員手術室へGOするぞ。

 

「001番、前に。飲めないなら体内に埋め込んであげよう。」

 

「え。…ちょ、あ、嫌だぁぁあ!」

 

「002番は第二実験室に来なさい。」

 

「辞め…、っうぁ!」

 

 

これはひょっとしなくても、相当悪い状況じゃないだろうか。

てか、ラクリマって事は属性がある筈だ。前に図書館で調べたけど、この色は身に覚えないぞ。

 それに石なんて体内の何処に入れるって言うんだ。他の臓器を圧迫して満足に生活ができなくなるかもしれないじゃないか。こんなんで魔法使えるわけ、、、

「…、。次だ、003番!」

 

「嫌だぁぁぁ!」

 

え、早すぎないか?

001番はどうしたんだ。奥のベッドに横になっているのが見える。

ん?腹部を押さえて蹲っているが。一体、

 

「グフっ…」

 

突然血を吐いた。

 

すぐに駆け寄ったが息は浅く、顔には無数の血管が浮き上がっていた。明らかに身体に悪い事が起こっている。ラクリマは毒かも知れない。

 

「魔水晶の量を間違えてしまってね。人には耐えきれない量だったようだ。003番にはもっと少ない量にするよ。」

 

…その前に治療だろ。

それにこんなに血管が浮き上がるって、、身体に毒だろ。何とかしなくては。

 

「…そんなに睨まないでくれ007番、私は命の保証はしているのだぞ?」

 

「だったら、すぐ助けてやったら良いじゃないですか。」

 

「全員分やってからに決まっているだろう!」

 

「その前に死んでしまうかも知れない。陛下から預かった命を悪戯に捨てて良いんですか。」

 

「良いのさ。私はここの責任者だからね。」

 

「私達は幹部候補生だ。その数が減ったとなれば軍部が黙ってない。」

 

「…君は相変わらず良く噛みつくな。

そんなに元気なら、次は007番、君だ!」

 

003番が指名されていた筈だが、どうやら私が先らしい。死ぬのはヤダな。このイカレ野郎がワザと失敗しないよう、誰か見ていて欲しい。こんな最後は流石に嫌だ。

 

「さっきは胃袋に入れた。だが失敗だった。002番は肺だったがそれも失敗だそうだ。そうだ、お前は心臓にするか。」

 

は?心臓に?

心臓に入れるなんて死ぬに決まってんだろ。てか入れる工程でもう死ぬ。コイツ絶対私怨だろ。私だけだろ、心臓に入れられるの。

 

ちょっマジで無理、絶対。辞め、、、あれ、何か眠くなってきた。ヤベ、麻酔が回って、、、

 

 

 

 

 

 

 

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