魔導王の姉〜異世界行っても知識は役立つ〜   作:はる

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3 限界サバイバル

あれから3ヶ月が経った。

 

私も毎日せっせっとハイハイしていたお陰で、今ではい掴まり立ちどころか、立つ事が出来る様になった。ハイハイのスピードもそこらの赤ん坊の倍は速い自信がある。大きくなって行動範囲が広がり良い事づくしの様に聞こえるだろう?だが残念、親が疲れる年齢になってしまったんだ。

 

「ねー」

 

あーはいはい、ねーはここですよ。危ないからお家で待っててねー。あー嫌かー、そっかー。

 

…そう。赤ん坊の9ヶ月ってのは本当に大変なのだ。生後9ヶ月はハイハイやつかまり立ちをしたり、後追いが始まったりと、心身の発達が目立つ時期だ。親がいない以上、ママじゃなく姉を探して泣くようにもなるので、育児の面ではまたひと山という感じだろうか。世のママは偉いね。

 

え?今生のママ?絶許よ?

何か理由があったとしても、結局結果が全てだからね。

 

「ねー」

 

わかったわかった。ついておいでー。

とりあえずいつも行く自作農園に行くのは辞めよう。下手したら芽を潰されたり、まだ成長の見込みがあるものを食べられてしまうかもしれない。

 

え、どうやって自作農園を作ったかだって?

仕方なかったんだ。山芋先輩だって出来ない事はあるんだ。だから、偶々近くにあっただだっ広い農場の作物の種を実ごと貰っただけだ。…定期的に。えぇーい!攻めたきゃ攻めな、でも子供二人で過ごすにはこれしか無かったんだ…

 

「どーじょ」

 

弟よありがとう。これはミミズだねー。あー、食べちゃダメよ。

 

「みーう」

 

そうそう、ミミズ。いやぁ、良い子だね弟は。偉いぞ、ほら頭撫で撫でしてやろう。可愛いなぁ。嬉しそうに笑って。

 

 

 

 

実は弟の後追いが始まってすぐ、私はある事を思いついた。その名も…「引越し」!

 

弟を上手く誘導して別の場所に住処を移す大作戦だ。

この作戦の要は何処に誘導するかだが、それは心配無い。この間ちょうどいい樹洞を見つけたのだ。私達姉弟が暮らすにちょうどいい所だ。樹齢はだいぶ凄そうで、前世なら御神木にでもなっていそうな木だが、異世界という事で許してほしい。木の神々しいオーラの恩威は有り難く頂戴する。

 

さぁ弟よ、お姉ちゃんに着いておいで!

「ねー」

そう!お姉ちゃんはこっちだ!

 

 

 

 

そうしてたどり着いたのが今の家である。 今は枯れ葉を敷き詰めたりして多少住みやすくなった。赤子のうちからこんな働いて自分の身体が色々と心配である。障害とかでないよね?

 

「ねー」

 

弟よ、今日は雨が降りそうだからお散歩はダメだ。

 

「あぇ?」

 

その通り。小鳥や虫が低い所を飛んでいる。具体的に言うなら私の顔の高さ。これは、雨が降る予兆だ。羽が水分を含んで重くなるせいだった気がする。弟よ、覚えておくといいぞ。

 

「あぇ」

 

うん。だから今日は大人しく家の中にいような。今日は風も強いな…

 

「ねー」

 

どうしたんだ?おぉ、何か風に飛ばされてきたのか。ってコレ占いのタロットカードだ。そんな凝視して、カードが珍しいの?…占いが普及したのは結構昔だけど、タロットは確か1300年代だよな?だとするとここは1300年頃の世界なのか?いや、近くの農場も前時代的だったが農機に乗っていたぞ?

 

農機は1800年代からだ。流石に500年の差は広すぎる。場所によって技術の進化が違うとしてもだ。とすると、やはりここは前世とは縁のない世界か。だが、技術の進歩にそんなに差が出るのか?

 

「どーじょ」

 

あぁ、ありがとう弟よ。今は考えても仕方ない。どうせ人間(・・)と関わるのは舐められない力を手に入れてからと決めているし。

 

そう力んでカードを持ったのがいけなかったのかも知れない。カードを持った瞬間、何かに体力が吸い取られていく感覚がした。

その後カードが光ながら膨張する。慌てて外に投げ捨てた所、5メートルほどの半円を地面に造った。わかりやすく言おう、爆発したのだ。

 

何故カードが爆発したのか。私は色々な可能性を考えた。

 

1 実はこの世界は技術が物凄く発達している。

2 この世界特有のアイテムだった。

3 奇跡的な何かが起こって爆発した。

4 魔法だった。

 

 

わからない。私はこの世界の事を知らなさすぎる。

もしこういう技術が進んでいるなら、舐められない力を手に入れる事が出来るかも知れない。

 

さっきのは軍用兵器か?また手に入るだろうか。否、そんな簡単に手に入ったら人類はお互い害し合って今頃は生きてないだろう。

 

なら前世で言う地雷の様なものか。

 

だが待てよ。弟が持っていた時は全く反応しなかった。爆破する相手を指定する事が出来るのか。なら誰かに監視されている?いや、そんな酔狂な人は居ないだろ。とすると何だ。もしかして私が変なボタンでも押してしまったのか。確かにカード持った瞬間何故かやっちまったと思ったが。

 

「おー!」

 

弟よ、何かの間違いだ。そんなウル〇〇マン見た男児みたいな目でお姉ちゃんを見るのはやめてくれ。

 

「ばーん!」

 

いやっ、違う筈…その穴は私が作った訳じゃない。…まさか本当に私がやったのか⁉︎

 

だとしたらエライこっちゃ。

 

————————

 

名前:姉

魔法:わからない(転生特典あるっぽい)

年齢:およそ9ヶ月

持ち物:肩出し葉簀巻き タオル

 

名前:弟(名前はまだ無い)

魔法:わからない

年齢:およそ9ヶ月

持ち物:肩出し葉簀巻き タオル

 

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