魔導王の姉〜異世界行っても知識は役立つ〜   作:はる

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ちょっとダーク入っちゃったかも。
苦手な人は飛ばしてください。


6.逃げきれ!

「こちらB班、C班応答せよ!…たくっ、どうしたんだアイツ等。」

 

「さぁ、杖壊しちまったんじゃねぇか?

 何にせよミッションは成功したわけだし、先に首都に帰ろーぜ。」

 

魔力の高い子供は俺たちが手に入れた。魔道具はA班が手に入れたが、壊れていたらしいしMVPは俺達だろう。今回何もやってないC班との連絡が途絶えたのは、差し詰め手柄求めてキングボアに喧嘩でも売っちまったからだろう。

 

「う、、、うぅ、、ねーた」

 

「ねーた?何だそれ。姉貴でもいるのか?

弟がこの魔力、だとしたら、そっちも回収した方が良いじゃねーか!」

 

相棒が言うように赤ん坊は凄い魔力を保有していた。この目で確認するまでは信じられなかったが、この子ならもしかして、あの実験の成功例になるんじゃないか。

 

「こちらB班!件の赤子に姉がいる模様。そちらも捜索します!」

 

「こちらD班、了解した。我々も捜索しよう。」

 

「こちらA班!死がっ、ぐッ苦しっ「通信が途切れました」」

 

何?A班とも通信が途切れただと…

苦しいって何かに攻撃されたのか?

ここいらで出没する魔獣はボア系か?しかしボア系は突進しか攻撃手段が無い。勝てはしないかもしれないが、そんな一方的に国の兵士がやられるか?

 

「こちらD班、近くにボア討伐の帰りである騎馬兵達がいるらしい。馬車に乗せてくれるというからそれで帰ろう。」

 

 ボアが討伐されていた?だとすると、A班、C班は一体何にやられたんだ?この森にはボアよりもっと危険な生物がいるのかもしれない。

 

…早く撤退するのが得策だ。

 

「うわぁぁぁん、、ねーた、ねーた、」

 

「煩いぞ、赤ん坊!とっとと連れてこうぜ。」

 

「あぁ、合流地点まで5分とかからないだろう。」

 

合流先まで急ぐ。

今日は妙に風が強いな。

 

前方に大きな影が出て来た。

 

これは、、、ジェネラルボア⁉︎

 

死んでいる。、何でこんな所に、、、

 

ボア系は兵の階級と同じ分け方をする。その中でも特別な、他のボアを率いて群れをなすボア。それがキングボアだ。ジェネラルボアはキングボアの群れ中で一番強い魔獣がなる。そんな魔獣を倒せる生物がこの森に居る。

 

ここは俺が思っていたよりも、数百倍不味い所だったのかもしれない。

 

「おい、相棒。急ごうぜ。」

 

「」

 

「おいおい、どうしたんだよッ!、、、、冗談はよせよ⁉︎」

 

振り返ると相方が倒れていた。

息をしているようには見えない。

 

「ねーた?」

 

この死に方、ジェネラルボアと同じだ。「ねーた」…だとすると、倒したのは赤ん坊の姉なのか?そんな馬鹿な…、

 

「おいB班、遅いぞ!迎えに行くから合図をしてくれ。」

 

合図、、炎魔法「ファイアスター」!!

 

空に炎を飛ばす。これで合図にはなっただろう。

思ったより近かったのか、遠くから複数の馬の足音が聞こえる。

 

「ねーた!」

 

首根っこを掴んでいた赤ん坊の弾む声が聞こえた。

「ねーた」って、、、そんなまさか、

 

 

「おーと!」

 

赤ん坊⁉︎この子と大差ないじゃないか。それに「ねーた」って言ってたからてっきり年上の子かと思えば、双子かよ。

 やっぱりこんな子供に相棒が負けるなんて嘘だ。最近疲れたって言ってたし、何かの病気だったのだろう。

 

「おい、大丈夫か!」

 

D班の2人と騎馬兵の人達3人が来てくれた。

D班は今回派遣されて来たA〜D班で分隊長を務める人達で俺等の中では一番強い二人組だ。

そして、騎馬兵はこの国が誇る最強軍団だ。この場にいるのが3人しかいないのは不安だが、報告だと6人でキングボアを倒したという。やはり、強い事がわかる。そんな人達が来てくれたなら、もう脅威は無いだろう。

騎馬兵の一人が状況を理解し、姉の方を回収しようと前に出る。

 

「これが件の赤子とその姉か。よし、とっとと連れて「ごふッ」!!」

 

そして血を吐いた。

何が起こったのか、理解が追いつかなかった。どこからの攻撃か分からず、騎馬兵もD班も周りを警戒し始める。しかし、そんな中感知タイプだったのか1人の騎馬兵が手を挙げた。

 

「その子から魔力の揺れを感知しました!その子の仕業に違いありません!」

 

そう言って騎馬兵の一人が指さしたのは、姉の方だった。こんな赤ん坊が我が国の誇りである騎馬兵を驕っただと⁉︎

 

俺は未だにこの状況を飲み込めないでいたが、騎馬兵達は即座に行動した。

 

「総員警戒!…俺が仕留める。」

 

そう言って前に出て来たのは騎馬兵の分隊長だった。

しかし、仕留めると言われてもこの子は回収が目的だ。そりゃ、死ぬくらいならこの子に死んでほしいが、こんな能力を持ってる子供を逃したとバレたら上に何されるか分かったものじゃ無い。

 

「案ずるな、分かっている。この子には少し痺れてもらうだけだ。殺しはしない。」

 

よし。流石騎馬兵様だ。これでこの任務も終わる、、

 

「ごふッ」

 

「隊長⁉︎」

 

嘘だろ⁉︎

騎馬兵の分隊長だぞ!この国の上から数えた方が強い方だ。そんな人が赤ん坊に片膝ついた…?

 

「ハァ…ハァ、、案ずるな、と言った筈だ。この子はそこの弟より国の為になるだろう。逃しはしない。それに、この子のトリックはわかった。二度とお前の攻撃は効かんぞ!」

 

そう言って力強く笑った騎馬兵を見て、安心した。

その後は宣言通り、とは言い切れなかったが騎馬兵が勝ち、無事赤子達を気絶させて馬車に乗せる事ができた。

 

疲れからか、目的を遂行できたからか、俺は熱を出し倒れてしまった。

帝都に着いて久しぶりに目覚めた俺の目が見たのは信じられない光景だった。

 

2人揃って捕獲した筈なのに、何故か、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたら赤ん坊が1人減っていたのだった。

 

 

————————

 

名前:姉(名前はまだ無い)

魔法:死?(転生特典)

年齢:およそ10ヶ月

持ち物: 布を腰で縛った服 葉簀巻き下着 タオル 

 

名前:弟(名前はまだ無い)

魔法:わからない

年齢:およそ10ヶ月

持ち物: 布を腰で縛った服 葉簀巻き下着 タオル

 

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