魔導王の姉〜異世界行っても知識は役立つ〜 作:はる
「お帰りなさい、キングボア討伐隊の皆様。森の捜索隊と合流していたのですね。」
分隊長に連れられ(括り付けられ)てやって来たところは、私の予想の数倍は大きい所だった。
そもそも防壁があるのが予想外だった。
防壁は一見大事なように見えるが、国のど真ん中である都にも必要なのだろうか?そこまで攻められていたら、もう負けじゃなかろうか。
今は検問所のような所で分隊長が色んな書類にサインをしている。何でも、話を聞く限り、紛失届のようなものらしい。紛失って、、、ダッセーな。
「あれ、おっかしーな?今妙にイラッと来たぞ。」
分隊長が何か言ってるが気にしない。紛失したのはそちらであって、私は関係ないから。
「アークルス分隊長、森の捜索隊の人数が少ないのは、敵襲ですか?」
…ヤバい。遺族の恨みが全部こっち来る。ヤバいよヤバいよ(出川)
いや、私は自己防衛をしたのであって、、それが少ーし過剰になってしまっただけの事。
「子供の捕獲に手間取りまして。不幸が舞い降りた、とだけ。」
「…そうですか。彼等は田舎者にしては、良い奴等だったのに。」
私の心にダイレクトアタック!
その切なそうな顔と声、ヤメロォ。心が痛くなる。
何で人攫いにこんな罪悪感覚えなきゃいけないんだ!
こちとら赤ん坊だぞ?それ以外に抵抗手段なかったんだから。
「へっ、ガキ一人捕まえるのにそんなにおっ死んだのかよ。
王国兵士も地に落ちたもんだな。」
私達の後ろの方から声が聞こえた。
まだ縛られたままの為、首を回して見ると5人のパーティが居た。見た目は兵士といった感じでは無いが、剣を腰にさしている所を見るに、冒険者か何かだろう。
「傭兵ギルド「
分隊長が
ソイツは怖がるどころか、怒らせようとしている様に見える。
「おいおい、こりゃ騎馬兵の分隊長さん御一行じゃねーっスか。アンタが居ながら
なる程。同じ国の国民でも、ライバル関係にある者同士という事か。ってか王国最強になら、そら捕まるわな。
傭兵さんや、金は出世払いで絶対払うから助けてくれませんか?
「貴様等、これ以上我々を侮辱するなら、、、」
「あー。そーいや、俺等依頼で東の森の方から帰って来たんスわ。そしたら価値がありそうな物が大量に落ちてましてね、いやぁー運が良かったっス。」
東の森って私達が来たところか。そんな価値がある物落ちてたか?コイツ等が私達の後ろにいると言う事は少なくとも私達の方が先にそこを通ったという事だが。
「…、それはサウス伯爵の物だ。」
「俺等は王国兵士じゃねーんで、貴族とかわからないっスわ。拾った者勝ちっスよ。」
…あ(察し)
私が落とした木箱か。いやぁ、紙とか仏像とか本とか、色んな物が入っててメッチャ重かったんだよねー。そっか、お貴族様の物だったのね。
「…近くに金髪の子供、いや、赤子が居なかったか?」
「いや、居なかったっスよ。俺等金になるモンは全部拾ったけど、子供も赤ちゃんも居なかったっス。」
「樽の中にも?」
「はい。…あぁ、でも藁は置いてきたっス。アレはゴミ同然なんで。」
よしよし、弟も無事逃げれたようだ。
私が逃げきれなかった時は一人で逃げろって言っといたけど、追いかけて来ちゃうんじゃないかと心配していたんだ。
あの時、藁の中を少しくり抜いて弟を中に入れた。そして、真っ先に藁を荷馬車から落とした。最初にどうでもいい物を落とし、次に価値のある物を落とせば、人の意識なんて簡単に移る。後は程よく馬に魔力を送り、恐怖状態に陥らせればあの状況の完成だ。
分隊長は見事に騙されてくれたな。
「…はぁ。門番、この子は例の実験場送りが決まっている。先に連れて行くぞ。」
「例の実験ですか、…我が国がまた進歩しますね。非常に良い事です!
…、……………………、可哀想に。」
聞こえたからな。
何が可哀想なのか是非とも教えてほしい。連れてこられたのが可哀想なのか、これから可哀想になるのか。
「今手続きをしました。実験場には直接行けるでしょう。」
「感謝する。…おいガキ、俺がお前を
俺の名はアークルスだ。苦しくなったら俺を恨め。俺に復讐する事を考えるんだ。そしたらきっと、少しは、楽になるだろう。…悪ィな。」
弟は無事に逃げれた。
追いかけようと思ったら追いつけたのに、この人はそうしなかった。別に恨みはしないよ。
弟が追いかけてこなくて良かったな。
少し寂しいけど、ほんとよかった。
弟は愛嬌があるし、優しい子だ。私は都に連れてこられてしまった。
ここまでだ。
後は、誰か優しい人に弟は任せるとしよう。
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名前:姉(名前はまだ無い)
魔法:死?(転生特典)
年齢:およそ10ヶ月
持ち物: 布を腰で縛った服 葉簀巻き下着 タオル
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??「赤ん坊?何でこんな所に。 …一緒に来るかい?」
赤ん坊「あーい」