魔導王の姉〜異世界行っても知識は役立つ〜 作:はる
プレヒトは ぼくとねーたをすてました
でも うらんでません
ゼレフとメイビスのことは
じぶんのきおくからしりました
だってぼくたちには それだけのまりょくがあったから
ぼくのこどもじだいは たいへんでした
いきるのにひっしでした
でもしあわせでした
ねーたがいたから
ぼくをあいしてくれたから
でもいまはもういません
ねーたはぼくをすてました
ばしゃからつきおとしました
ぼくはだれからもあいされなくなりました
おなかがすいたとき
ぼくをたすけてくれたのは
おとうさんでした
おとうさんは ぼくに
なまえを つけてくれました
「僕には ある少女と過ごした、特別な時間があるんだ。あれは 8月(オーガスト)だった。」
それからぼくのなまえはかわりました
ぼくの
なまえは
オート・オーガスト
おとうさんとねーたにつけてもらったなまえです
*
オーガストと初めて会った時、彼は藁の中に隠れて泣いていた。僕が藁から出そうとするととても反抗し、何かを待っているようだった。次の日も、その次の日も彼は藁の中にいた。衰弱して動けなくなるまで、彼は、藁の中で何かを待っていた。
衰弱死する前にと、帝国に連れて帰った。その時はこんなに帝国に身を捧げてくれる駒になるとは、正直思わなかったな。
今じゃこの帝国に居なくてはならない大切な駒だ。だけど、彼は年に数回、僕が彼を拾った場所にいく。もう見た目も随分と変わってしまった所だが、必ず行く。
オーガストを「おじいちゃん」と慕っているブランディッシュが、一度だけ、彼に何を待っているのか聞いた事がある。
オーガストは特に気にする事なく教えてくれた。
ネータという女性を待っているらしい。
いつもなら、12の女達や若いのが、騒ぐのだが、
今回は、女性と聞いても、誰も茶化せなかった。
彼の顔が、捨てられた子供の様だったから。
もうすぐフィオーレとの戦争になる。
戦争の前に見つけて欲しかったけど、
彼の思い人はとうとう見つからなかった。
こんな状態でフィオーレに戦争を仕掛けては、ネータという女性は亡くなってしまうかもしれない。
だが、ルーメン・イストワールを手に入れるのは今だ。
オーガストには悪いが、彼にも戦争に参加してもらう。
スプリガン
だからといって戦争に加わられると、ややこしくなるのが想像できる。特にマスターは妖精軍師再来と言われた程だ。
説得し、不可侵を結べるのならそれにこした事は無いが。