METAL GEAR COLLECTION 3 作:とある組織の生体兵器
「パキスタン上空 高度3万フィート。間もなくソ連領空に近づきます。」
「降下20分前…機内減圧開始。 装備チェック…」
こちらMC-130 コンバット・タロンの中。
「よし。準備は良いか」
その中で特に異質な気を放つ、顔に傷がある男が通信室と思われる場所で言う。だが、もっと異質な者は別の場所にいた。その男は、堂々と座りながら葉巻を吸っている。
「葉巻を消せ。」
そこに、マスクを装着した男に言われる。
「……。」
だが何も言わず、聞こえなかったかのようにまだ吸い続ける。
「マスク装着せよ。」
次は、葉巻を吸っている男の近くで聞こえるように言う。
「……。」
が、葉巻を吸った男はまだ吸い続けたままだ。
「…あの男、素人か?」
マスクをした男は、言うことを全く聞かない男に聞こえないように、離れて呟く。
「降下10分前。」
それでも、マスクをした男が急かすように言う。すると…。
『おいっ!聞こえたか?葉巻を消してマスクを装着しろ。』
顔に傷のある男が通信し、葉巻を吸っていた男が不機嫌そうに火がまだついている葉巻を投げ捨て、マスクを装着する。マスクをしていた男はその光景を突っ立って見ていた。
「降下6分前、後部ハッチ開きます。」
マスクをしていた男が言い、後部ハッチが開く。すると、風が吹き込み、日の光が中を照らす。
「日の出です…。」
「降下2分前…スタンドアップ」
その言葉を聞き、男が立ち上がり、開いたハッチの中心へ行く。
『時速130マイルで落下する。風速冷却での凍傷に注意しろ。』
「降下1分前 後部に移動せよ。」
『これが記録に残る世界初のHALO降下になる…』
すると、風が吹き込んで、投げ捨てた葉巻が足元に転がってきた。そこに、この男が一瞥せずに踏んで火を消す。そこまで計算していたようだ。
「降下10秒前 スタンバイ 全て正常 オールグリーン! カウント… 5 4 3 2 1ー」
『鳥になって来い。幸運を祈る。』
そして、その男は飛び降りた。
「いいか、この任務は我々FOX部隊の存在意義をかけたバーチャスミッションだ。これが成功すれば正式に部隊として編成される。」
顔に傷のある男と話す。
(中略)
「最後のチャンスだ。ソコロフを奪還しろ。」
『いいか、君の任務はソ連国内の山中『ツェリノヤルスク』に単独潜入。ソコロフの安全を確保、西側へ奪還することだ。』
落ちている最中に言われた。そして、地上が近くなり、パラシュートを開き、落ちていく。
…………
ガサガサ!メギメギ!
とは言っても、単独潜入だ。敵に見つからないように、木の生茂る山の中に降りるしかない。木の枝に当たりながら着地する。
森だ。森の中だ。落ちている最中にバックパックを枝に引っかかってしまったが、何とか取れそうだ。
「……。」
男はマスクを外す。そう、この男はメタルギアシリーズでは知らぬ者がいない、スネーク。ネイキッド・スネークだ。
「……。」
スネークは敵に見つからないように、木の影に隠れる。そして、しゃがみ…。
[CALL]
無線を使う。
「少佐…。」
『聞こえるか?そこは敵地内だ。無線を傍受されている可能性がある。お互いコードネームで呼び合うこととする。君の本ミッションでのコードネームはネイキッド・スネークだ。以降はスネークと呼ぶ。本名は口にするな。』
「スネーク?」
『蛇は…嫌いか?』
「いや…。だが、異様にしっくりする名前なんだ。」
『そうか。なら良かった。』
「ゼロ少佐、そっちはどう呼べば良い?」
『そうだな…。今まで通りゼロで良い。』
無線を使っていると…。
「何してるっぽい?」
「!」
『今回の作戦はスニーキングミッショ…』
見知らぬ女の子がスネークの袖を引っ張る。
「…少佐。」
『なんだ。今はミッションの説明を…。』
「見つかった。」
『…なに?』
「見つかったんだ。」
『スネーク…。冗談を言っている暇は無いぞ。これからソコロフを奪還する時に…。』
「本当だ。女の子が…。」
『スネーク…。HALO降下に失敗して頭でもぶつけたか?今はミッションのことだけに集中しろ。いいな。』
「……。」
「誰と話してるっぽい?」
スネークはどういう状況なのか分からず、全く内容が耳に入ってこない。
『それと、無線機で君をバックアップするサポートチームもいる。紹介しよう。君の体調管理、いわばメディック(衛生兵)と記録を担当するスタッフだ。』
『こんにちは。私はパラメディック。よろしくね。』
「……。」
女性の声が聞こえるが、全くわからない。
『さっき頭をぶつけたみたいだけど…。HALO降下の着地の影響ね。幻覚が見えているみたいだけど、もうじき治るわ。私の周波数は145.73よ。』
「…そうか。」
「?」
スネークはこの女の子を幻覚だと思い込ませる。
『私は140.85だ。それと…。スネーク、君の師匠であり、伝説のソルジャーの…』
『ジャック、聞こえる?何年ぶりかしら。』
「ボス?」
『ええ。私よ。…それと、あなた…。私がいない間一体何をしてきたの?HALO降下の着地時にあたまをぶつけるなんて。』
「ボス…これは本当なんだ。目の前にいるんだ。女の子が…。」
『……。』
『スネーク…。いい加減にしろ。ザ・ボスも呆れている。』
「……。…分かった。いない。どこにもいない。ところで、ボスは今どこに…?」
『ザ・ボスは北極海のパーミット級原潜から無線で参加している。』
『私の周波数は141.80よ。戦闘技術についてアドバイスしてほしければ連絡して。』
「了解。」
『それと、もう1人、サポートをつける。』
「!?確か、最初は3人のはずじゃ…。」
『スネーク…。何を言っている?寝ぼけたことを言うな。…このバーチャスミッション、君に任せたのが失敗だったような気がしてならないぞ。』
「…いや、なんでもない。続けてくれ。」
『武器装備、最新テクノロジーの専門家、ミスターシギントだ。周波数は148.41だ。』
「わかった。ミスターシギントだな。」
「シギント?」
「……。」
『以上で、ミッション内容は終了だ。バックパックを取りに木に登れ。いいな。』
無線終了。
「…さて、どうしたものか…。」
スネークは目の前にいる女の子を見る。
「?」
……敵ならば、情報を引き出せるかもしれん…。
スネークが思い…。
「名前は?」
先ずは名前から始まる。
「夕立っぽい。」
「ユウダチ…?聞かれない名だな。」
「夕立のこと知らないっぽい?」
「ああ。」
……。おそらく、敵の中でも上等な役職にいるのだろう。上手くすれば、ソコロフの奪還を楽に進められるかもしれん。
スネークは考える。
「私たちは艦娘。鎮守府で生活してるっぽい。」
「カンムス…?チンジュフ…?」
……カンムス…?特殊部隊の名前か!?チンジュフという建物があるのか。もしや、ソコロフの居場所が変わったのか!?
スネークは大きな勘違いをする。
……やはり、こいつに聞いて良かった。危うく罠にハマるところだ。少佐にも連絡を…。
スネークは聞いて、無線を開く。
[CALL]
「少佐。」
『早いな!もうソコロフを奪還したのか!?』
「いや、まだだ。」
『…そうか。』
「それより、重要な情報を手に入れた。」
『なんだ。』
「ソコロフはチンジュフというところに監禁されているらしい。」
『何!?本当か!?』
「ああ。敵兵と思わしき者から聞いた。それと、特殊部隊もいる。」
『特殊部隊だと!?』
「ああ。カンムスという特殊部隊だ。調べてくれないか。危うく罠に引っかかるところだった。」
『わかった。ザ・ボスに聞いてみよう。』
『カンムス…?聞いたことがないわね。』
「ボス、だが本当にいるみたいなんだ。ボスの知らないところで密かに結成された組織かもしれない。」
『その情報、どこからなの?』
「それは…。」
『?』
「…ユウダチからだ。」
『嘘をついているのかも知れないわ。…ユウダチ…?』
「それはない。そういうシステムだ。」
『そう…。』
『では、そいつに案内させろ。油断するな。いつ襲ってくるかわからんぞ。』
「ああ。」
無線終了。
「鎮守府へ行くっぽい?」
「案内してくれるか?…どこにあるんだ?」
「ここから歩いてすぐっぽい。舞鶴鎮守府っぽい。」
「マイヅル…?歩いてすぐだと!?ここはツェリノヤルスクじゃないのか!?」
「ツェリノヤルスク?どこっぽい?」
スネークは無線機をとる。
[CALL]
「少佐!」
『何だ!?敵に見つかったか!?』
「ここはどこだ?」
『…なんだと?』
「ここはどこなんだ?」
『……。すまないがスネーク、ちょっといいか。』
「ああ。」
『パラメディック、スネークは一体どうしてしまったんだ?』
『多分、敵地における極度の緊張のせいよ。カウンセリングをして、少しずつ元に戻すしかないわ。』
『時間がないのにか?』
『ええ…。だって、それが一番効率的なのよ。』
「……。」
『すまない、スネーク。そこはツェリノヤルスクの山中だ。間違いない。それと、何か悩み事があるなら聞くが?』
「聞こえてたぞ…。」
『あ、あぁ、スネーク。あなたのことが心配なのよ。』
『そうだぞ。シギントより変だぞ。』
『なんだって?』
『何でもない。それより、どうしてそんなことを聞く?敵に何かされたか?』
「いや、どうやら俺はマイヅルにいるらしい。」
『……。…スネークは思った以上に深刻みたいだな。』
『……。…そうね。このミッションが終わったら診てあげるわ。』
『おいおい…勘弁してくれよ全く。』
「……。」
無線終了。
「……。ここはどこなんだ…?」
「ここは舞鶴っぽい。それに、海の音が聞こえるっぽい。」
「海の音だと?」
スネークは駆け出し、浜辺に出る。
「山…中…?」
否、浜辺。
[CALL140.85]
『またか。今度はなんだ?』
「海だ!海にいるぞ!」
『スネーク…。そこから海が見えるわけないだろう!あたりは鬱蒼としたジャングルだ!ミッション中に酒でも飲んでいるのか君は!?それとも、私をからかうのがそんなに楽しいか!?』
「本当だ少佐!海だ!波の音が聞こえるだろう!?」
『全く君という男は…。』
「少佐?少佐ーーー!?」
[CALL145.73]
「パラメディック!」
『どうかしたの?海が見えるとかじゃ無いわよね。』
「本当なんだ。命をかけても良い!」
『じゃぁ信じないわ。』
「?どうして?」
『あなたに死なれたら、バーチャスミッションが失敗するもの。』
「……。」
『じゃぁね。』
「……。」
[CALL148.41]
「シギント…。」
『よぉ、スネーク。この無線に連絡したのは初めてだ。』
「シギント…俺はおかしくなったのか?」
『ああ。あぁ?なんだって?』
「海が見えるんだ…。それに、波の音まで…。」
『……。』
「聞こえるだろう?俺は今海にいる。」
『そ、そうだなぁ。スネーク。試しに、波に触って見たらどうだ?幻覚が解けるかもしれないぜ?』
「そんなので幻覚がなくなるのか?」
『やってみなければわかんないだろう?』
「…冷たいな。それに、しょっぱい。波に打ち付けられる感覚もそれっぽいぞ。」
『…うん?気のせいかもしれないが、俺の耳にも波の音が聞こえるぜ?』
『シギント!?本当か!?』
『とうとうあなたまで!?』
『いやいや、少佐もパラメディックも聞いてみろよほら。』
『……。…本当だ。だが、何故波の音が聞こえるんだ?』
『もしかして、女の子のやつも…。』
「本当だと言ったろう?」
『ああ…。だが、レーダーには君は今ツェリノヤルスクにいるぞ。それに、説明もつかない。』
『もしかして…。異世界転生よ!』
『なに?』
『なんだって?』
「なんだと?」
パラメディックが言い、全員が首を傾げた。
三つの小説を持つのは疲れます…。5つくらい掛け持ちしている人はどれほど…。
誤字報告ありがとうございます!