空島の海兵   作:エネル

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Mr.6の小説と百獣海賊団のぬえちゃんの小説が面白すぎて書きたくなった。Mr.6の小説は原作にいても違和感ないMr.6コンビが面白いし、ぬえちゃんの小説はロックス船長の描写が最高。


ダイアル使い

"海賊王"ロジャーがローグタウンで処刑され、彼が言い残した言葉により人々が海へと駆り立てられて大海賊時代が幕を開けてから1年後。

 

グランドラインのとある海域では、一隻の海軍の軍艦と20隻もの海賊船が争っていた。20隻もの海賊船を率いるのは大蛸大船団の船長"海賊提督"ドン・タコス。4500万ベリーの賞金首であり、拷問を楽しむ凶悪犯である。グランドラインに入る前はその残虐さ、非道さを西の海で轟かせていた。

 

ロジャーが死に、大海賊時代が始まる前から西の海で集めていた20隻もの海賊船。その海賊船に乗る仲間たちを十分に集めてようやくグランドラインに先程入ったばかりなのだ。

 

本来ならばドン・タコスはグランドラインに入るつもりはなかった。何故なら態々グランドラインに入らずとも西の海でも十分に拷問はできるし、略奪で収入も得られる。

 

"白ひげ"エドワード・ニューゲートや"ビック・マム"シャーロット・リンリン、"金獅子のシキ"を筆頭とし"王直"、"銀斧"、"キャプテン・ジョン"らも所属していた世界最悪の海賊団ロックス海賊団の残党や、そのロックス海賊団を倒した男であるゴールド・ロジャー。他にも"錐のチンジャオ"、"世界の破壊者"バーンディ・ワールド、"赤の伯爵"パトリック・レッドフィールドなど名を挙げるとキリがないほどグランドラインは強敵が多い。

また、その海賊に対応するため、海軍も精鋭揃いだ。英雄ガープを筆頭に"仏のセンゴク"、"黒腕のゼファー"、"大参謀"おつると言った精鋭が沢山いる。

 

このメンツを見ればわかるようにどう考えてもグランドラインに入るリスクが大きすぎ、メリットと釣り合わないのだ。

 

しかし、"海賊王"ロジャーの死によりその状況は大きく変わった。ワンピースという海賊王の秘宝の存在だ。

海賊の頂点であるロジャーの遺産。莫大な財宝なのか、世界をひっくり返す秘密なのか、はたまた世界を滅ぼす兵器なのか。誰も具体的なことを知らないが、多くの人間、多くの荒くれ者たちがそのネームバリューと魅力に取り憑かれて海賊として海に出た。彼、ドン・タコスも取り憑かれたのだ。海賊王の遺産が持つその魅力に。

 

ドン・タコスは安心と安定を捨て、海賊王を夢見てグランドラインに入った。西の海でではあるが長年略奪をしてきたベテランの海賊であり、ベテランとしてのその自負もある。誰にも負けないとは言えないが、いくらグランドラインとはいえ、そうそう簡単に負けるつもりはなかった。

 

何故なら彼はゾオン系タコタコの実を食べたタコ人間であるからだ。ベテランとしての技術に加えて世にも珍しい悪魔の実の能力者。そして20隻の大艦隊。負ける要素はどこにもないはずで、順調な航海が約束されていたはずだったのだ。

 

しかし、その未来予想図とは裏腹にそのドン・タコス自慢の海賊団はたった今、壊滅しかけていた。

たった一隻の軍艦に乗る海兵たちによって。

 

 

「"ジェット────」

 

「ヒ、ヒィィィ!!またあのパンチが来る!よ、よけな──ガッッ!?」

 

「──獣厳(ジュゴン)"」

 

超速で迫りくるパンチによって海賊団の幹部が一人吹き飛ばされた。彼は西の海では槍術無双とまで呼ばれたドン・タコス自慢のクルーだったが、防御の構えすら取ることができず倒されたのだ。

 

槍術無双とまで呼ばれた幹部の一人が倒されたことにクルーたちは怖気ずき逃げようとする。そのクルー達を逃すまいと逃げるクルーの前に体の何倍もある大きな盾を構えた女性海兵が立ちはだかった。

 

逃げるクルー達は、あの超速パンチを繰り出してくる背中に羽の生えた男よりは与し易いだろうと、武器を構え突破しようと試みる。

 

「どけ女ァ!」

 

「邪魔なんだよ、死ねや!」

 

襲いかかってくる男たちに女性海兵は少しも動じず、大盾をしっかりと構え、ある盾に付属するダイアルを起動させる。

 

「"陸城要塞(りくじょうようさい)"」

 

「は、はや──」

 

溜め込んだ風を噴謝する噴風貝(ジェットダイアル)により加速した大盾によるシールドバッシュは襲いかかってきた海賊共を纏めて吹き飛ばす。

 

ドン・タコスは配下の海賊たちが手も足もでないその光景に絶望したが、あることを思い出した。本船以外の19隻の他の船がいることを。

そう、ドン・タコスにはまだ味方が数多くいる。確かにこの海兵共は強いが彼らがいればまだ勝ち目はあるはずだ。

 

そう思い、周りを見渡したドン・タコスは再び絶望することになった。

周りの船はもう既に制圧されていたのだ。海軍の軍艦の至る所に突然生えた大砲によって海賊達が軍艦に接近する前に沈められた。

また、偶然生き残り軍艦に接近できた船も船ごと爆発したり、長い長い燃え盛る剣──風貝(ブレスダイアル)に溜め込んだ可燃性ガスを炎貝(フレイムダイアル)の炎で燃やすことにより剣身を作る燃焼剣(バーンブレード)により真っ二つに切り裂かれたりして、もう一隻も残っていなかった。

 

数多くいたはずの配下は全滅し、もうタコス一人だけ。もうどうしようもなかったタコスは一か八かの賭けに出ることにした。偽装降伏による不意をついた奇襲だ。

向かってくる海兵に向かってタコスは銃を床に置き手を上げた。

 

「大人しく捕まる。……降伏させてくれないか」

 

「吾輩は降伏を申し出る人間を攻撃するような非情な男ではない。いいだろう、降伏を許可しよう」

 

タコスに近づき、能力者であるため海楼石の手錠をつけて能力を封じ捕縛しようとした海兵に対し、タコスは突然手をタコ足に変身させ攻撃を仕掛けた。

タコスの不意打ちは見事成功し、手錠をかけようとした海兵の首を数多の足と吸盤を使い剛力で締め上げ、動かなくなるのを確認し周りを見渡した。

 

「動くなよ、海兵共。動いたらこの男が死ぬことになる」

 

海兵たちが誰一人として動かないのを見てタコスは安心したのか、一人で高笑いをはじめた。

 

「オークオクオクオク……さァて、どんな手で苦しめてやろうかなァ……。散々俺の配下を潰しやがって……?」

 

高笑いをしながら拷問しようと男を見ると、タコ足で首をキツく締めている男が拳を構えているのが目に入ってきた。気絶しているはずの男が。拳を構えている姿が。

 

「き、きさま──」

 

「"ジェット・斬撃拳(アックスパンチ)"」

 

両肘に仕込んだ噴風貝(ジェットダイアル)により加速し、手の甲についた斬撃を溜め込み放出する斬撃貝(アックスダイアル)を起動させた超速斬撃の拳撃。

油断していたタコスに避けれるはずもなく、タコスは超速斬撃により切り刻まれ、グランドライン到達3日目でその夢に幕を閉じることになった。

 

タコ足から解放された男に大盾を構えた海兵が近づいてくる。

 

「全く、またいつものうっかりですかニルヴァーナ中将! ヒヤヒヤしましたよ……!」

 

「いやあすまぬすまぬ、うっかりしていたわ。全く、吾輩もゲダツのことを悪く言えないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ニルヴァーナはゲダツの親戚という設定。
空島のうっかり一族。


どこぞの遠坂家か何かか?
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