♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓ 星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+ ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈ 作:lOOSPH
世界に見捨てられし者達
今よりおよそ
八千六百四十二年前
ある場所に一人の少年が閉じ込められていた
少年はもうボロボロで体中が縛られているように見える
はたから見ても生きているとは思えないその雰囲気だが
その彼の口からわずかに小さな呼吸音が聞こえている
こんな状態になっても少年はまだ生きているのだ
少年はそんな状態ながらもゆっくりと顔をあげていく
「どうして…‥‥‥どうして…‥‥‥」
その彼の顔はひどいもので
片目はつぶれ口も片方がひどく裂けていて
かろうじて残っている目から感じ取れるのは確かな憎しみ
「…‥‥‥世界は彼女よりも…奴らを選んだのか…‥‥‥
奴らの方が世界に生きていく価値があるとでもいうのか…
そんなの…‥‥‥そんなこと…‥‥‥あっていいというのか…‥‥‥…‥‥‥」
少年のつぶやきは、残念ながら誰の耳にも届くことはなかった
なぜならもうもはや少年の事を覚えている者は誰もいないのだから
‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥
世界の外側
そこには世界の歴史からはじき出され
人々から忘れ去られてしまった者達が集っている
この場所ではそんな者達が様々な境遇で過ごしている
この世界では人々が知る世界と違って
太陽に照らされておらず、代わりに満天の星々がこの場所を照らしている
この星々によっておおわれたこの神秘の世界を
ここに住まう人々は、星座の都と呼び、この世界で
新たな人生をはぐくもうと人々はこの場所でそれぞれの人生を謳歌している
だがこの世界には常にそんな人々の暮らしを阻む脅威があった
世界から漏れ出した穢れが、世界の外側において分裂と融合を繰り返し
ある時には怪物、ある時には場所や建物、ある時には概念に影響を及ぼしていく
ゆえにこの世界の者達は星の力を操り、穢れを浄化していく者達がいた
その者達の存在もあって、人々はこの星座の都においても平穏に過ごしているのだ
「ふう、お疲れさん‥‥
今回はいつも以上に多かったな‥‥」
一人の青年がそう言って背もたれに背中を預ける
しかしすぐに姿勢を正して、目の前の方に目をやる
「ここ最近穢れが頻繁に発生してきている‥‥
今回の頻度は例年よりもはるかに多きくなってる‥‥
やっぱりここ最近何かが起こったって見るのが自然だよね」
「お前もそう思うか七誠‥‥
ほかの組の奴もそう感じている
やっぱりもう少し人数を増やしておくべきか‥‥
しかし、下手をすれば命にもかかわる仕事だ
そう簡単に立候補する奴はいないと思うがな‥‥」
そう言ってうんうんとうなるように声を出す青年
すると、相手の七誠と呼ばれている少年が語り掛ける
「…春三、実はね‥‥
何人か優良株を見つけているんだ」
「ほう、お前がそこまで言う奴らがいるのか‥‥
それは一体誰だ?」
そう言って青年、春三は七誠に尋ねる
「名前は‥‥」
‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥
星座の都には常に襲い掛かる穢れの力を
調査及び討伐を主にする組織があり、その者達のおかげで
星座の都は穢れの脅威におびえることなく過ごしている
だが、穢れの力は強大でそう簡単に討伐は叶わない
誰かが死ぬことなど日常茶飯事とまではいかないが
だからと言ってその命が多く散っていることに変わりはない
ゆえに彼らは強く、なおかつ勇気のある者を求めていた
そして、そんな彼らの元に一人の少年が連れられてきた
「来てくれたんだね、てっきり来てくれないと思ったのに‥‥」
「来ないと無理やりにでも連れていくくせによく言うよ…‥‥‥」
そう言って連れられた少年、その顔の左側は布で覆われている
「初めましてだな
俺様は東龍 春三
春組の隊長を務めている‥‥
七誠が進めるから相当優秀なんだろうな」
「それは彼がそう言い張ってるだけだよ
僕はそんなに大したものじゃないよ
僕は結局…‥‥‥何もできなかったんだから…‥‥‥」
そう言ってまるで自分を卑下するように言う
すると春三は何かを察し、言葉を続けていく
「‥‥お前の過去に何があったのかは詳しくは聞かない‥‥
お前もこの世界に来て聞いているだろうが
この世界は常に穢れの脅威に襲われている‥‥
危険ではあるが、だからこそ誰かがやらないといけないんだ‥‥」
「…‥‥‥誰かが、やらないといけない…‥‥‥」
「‥‥そう言う事だ‥‥
この世界の人々の平穏を
ひいては世界に生きる人たちを守ること‥‥
それも踏まえて、俺様達は戦っている‥‥
だが、それでもまだ立ち向かうには足りないんだ‥‥」
そう言って春三は彼の前に立って静かに頭を下げるのだった
「お前の力を‥‥この世界に生きる者達のために貸してほしいんだ‥‥」
そう言って、彼に頭を下げる春三
彼は特に何も言わずに、彼の申し出を受けることに決めた
‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥
春三の提案を受けた彼と、その隣を歩く一人の青年
「良かったよ、君がここに入ってくれて
てっきり君は断るものだって思ってたから」
「そりゃもちろん、最初は断るつもりだったよ…‥‥‥
ううん、今もそうだよ、ただ
受ける理由がないけど断るのに
納得させられる理由もないって思ったの…‥‥‥
だったらもう、僕が何言っても意味はないことだって思ってね…‥‥‥」
彼の目に映っているそれは、どこか力がないようにも思えた
「でもさ、これから君はこの世界で
君と一緒に流れてきた妹さん達と一緒に
この最後の楽園でどうにか生きていかないといけない
だったら、何か出来る事を見つけておくべきだって思ってね‥‥」
「相変わらずおせっかいな人だね…‥‥‥」
呆れた声でそうつぶやく彼
「うん、よく言われるよ‥‥
でもさ、僕はこの生き方が間違ってるって
思ってなんていないよ、ただ単純に誰かの支えになりたいって
思ってるだけだからさ‥‥」
「…‥‥‥それに関しては僕もおんなじさ…‥‥‥
僕は僕が正しいって思うことから
目をそむけたくなんてないよ、だって…‥‥‥
それをやったら、相手の間違いを正しいって
認めてしまうのとおんなじだもの、だから僕は…‥‥‥
僕に与えられた運命を変えられる力が欲しいんだ…‥‥‥」
彼はやや表情に影を落としつぶやく
「フフフ、初めて僕の言ってくれたことに同意してくれたね‥‥
ちょっとうれしいよ」
「別に、僕は思ったことを言っただけだよ…‥‥‥」
七誠は笑みを浮かべて、彼は一息ついてあきれたように言う
「…そうだ、あとで姉さんに会ってもらえる?
ここのところあってくれなくて、寂しがってるからさ」
「七星か…‥‥‥
そう言えばしばらく会っていないな…‥‥‥
あっていないと言えば、絵美理はどうした?」
絵美理という言葉を聞いて七誠は急にその態度が急変する
「え、えええ絵美理ちゃん!?
え、ええええーっととととその‥‥
げ、元気なんじゃないかって思うよ、僕は」
「君って絵美理の事になると
今までの態度が嘘のように変わるよね…‥‥‥
むしろ僕よりも絵美理の方を気にしたらどうなの?」」
呆れるように言う彼に七誠はややジト目に睨みつけていく
「ちょっと、なんで絵美理ちゃんを呼び捨てにしてるの?
僕なんていまだに絵美理ちゃんの前じゃ恐れ多くて
苗字にさん付けで読んでるって言うのに、まさか‥‥」
「まさかって何…‥‥‥
別に呼び方なんてどっちでもいいでしょ?
むしろ呼び方ひとつでそこまでかしこまってる
君の方がむしろおかしい方だって思うけれどね…‥‥‥」
呆れるように言い放つ彼に対して
ぐぬぬぬ、とうなるようにつぶやきながら何も言い返せない七誠であった
‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥
今より8年前
この世界に八人の少女と
その少女の周りに囲まれている一人の少年がいた
少年はどこかうつろで、少女達はそんな彼のことを
心配して付き添っているように思えた、そんな一同の元に
近付いていく気配を感じた
「こんなところに人が…ひょっとして流れてきたの‥‥!?」
「ななちゃん、急いで保護してあげないと…」
二人の男女は急いで一同の元に向かっていく
だが
「来るな!」
少女の一人が叫んで二人の男女に立ちふさがるように前に立つ
「お兄ちゃんに‥‥手を出すな!」
「お兄ちゃん…ひょっとしてその男の子が…」
「待って落ち着いて、僕たちは君たちを助けに来たんだよ‥‥
とにかくここから出るよ、ここは危n‥‥」
すると、そんな双方の元にすさまじい轟音とともに
一体の巨大な怪物が現れて、一同の方に襲い掛からんとする
「何あれ…」
「あ、ああ…」
「く、やっぱり現れたか…
ななちゃん!」
「わかってる、行こう!」
そう言って二人はお互いにそれぞれの武器を手に構える
「な、何あれ…」
「ば、化け物…」
おびえる少女達、その前に立って武器を構えていく二人
だが
「…‥‥‥…‥‥‥」
少女達にかまわれていた少年がふと立ち上がり
少女達と男女の前に、目の前の怪物と対峙するように立つ
「僕の家族には…‥‥‥
誰にも手出しなんてさせるかよ!」
そう言って少年は一人それも丸腰で、怪物に向かっていく
この誰もが衝撃を受けたこの出会いこそが
こののちの神話という物語の幕開けなのであった
英雄たちの原点