♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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嵐の前の静けさ・・・・・・・・・


それぞれの交流

 

僕が彼女に会ったのは

連盟に加入して、北斗の剣士と呼ばれ

 

それなりに名前をはせてきた時ぐらいだった

 

最初の時はただの動機で

どちらかというと親戚の子と話を

していくという感覚に近い部分があった

 

でも、その時に巨大な穢れに襲われ

危うく死んでしまうかもしれないほどに

追い詰められた僕を、彼女が助けてくれた

 

その時僕を守るようにして

目の前の穢れと立ち向かっていく姿に

 

僕は不思議と惹かれていって

気が付いたら僕の心は、彼女のことでいっぱいになった

 

それからというもの僕は不思議と

彼女と会って何気ない話をしていくのが

なぜだかこの上ない楽しみになっていった

 

彼女の表情や声を聴くと

不思議と安心して、不思議と温かい気持ちになって

 

気が付いたら僕は、ようやく彼女のことが大切だって感じた

 

できることだったら

君の隣に立って、これから先の未来

 

君と一緒に生きてみたい、僕はそう望むようになった

 

でもそんなある日、僕は彼女に大事な話があるといわれて

待ち合わせの場所の方に向かった、そこには僕が誰よりも見ているあの子

 

加東 絵美理

 

その子の姿があった

 

「…その、ごめんね…

 

 急に呼び出したりしちゃって…」

 

「う、ううん‥‥

 

 別にいいよ、だってその‥‥

 

 大事な話があるっていうから

 いったい何なのかなって思って‥‥」

 

絵美理ちゃんに話しかけられて、少し照れ気味に返す

 

絵美理ちゃんの方もやや緊張気味に言葉を濁す

その言葉に僕もちょっと期待を抱いてしまう

 

あくまではやる気持ちが抑えられなくなっちゃうけれど

僕はあくまでどうにか表面上は何とか落ち着こうと取り繕う

 

そして、絵美理ちゃんは意を決して言葉を伝えた

 

それは

 

「実はね私…春組を抜けることにしたの…」

 

「…え‥‥?」

 

なんと、七誠の所属する

春組から抜けるという、いわば脱会の意志である

 

「…そ、そうなんだ‥‥

 

 それってつまり

 英雄をやめるってことじゃないよね?

 

 どこか別の組や部署に移動するとか?」

 

僕はやや動揺を隠しきれない様子ながら

恐る恐る絵美理ちゃんに理由を聞いた、すると

 

「…ええ、移動するわ…

 

 陽菜子ちゃんのお兄さんの組にね…」

 

「…え‥‥?」

 

それを聞いて、僕はフリーズした

今なんて言ったの、彼の組に移動することになった?

 

「…ちょっと彼と話をする機会があって

 話をしてみたんだけれども、不思議と共感してね…

 

 よかったら来てみてくれない…って言われて

 それで了承したの、それに以前から彼のことが気になってたし…」

 

絵美理ちゃんは少し頬を染めながら言う

 

んな、な、な、な

なんて羨ましいいい

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「…ということで!

 

 絵美理ちゃんが彼の組に

 移動をしたって聞いたけれど

 

 本当なの春三!!」

 

ずいっと春三に詰め寄っていく七誠に

春三はやや押されながらもこたえていく

 

「‥‥あ、ああ‥‥

 

 本人の希望でな‥‥

 

 お前には悪いと思ったが

 絵美理自身が申請した以上

 

 断るわけにも行けないから‥‥」

 

「…別にいいんですよそれは

 絵美理ちゃんは別に僕の元から

 離れていったってわけじゃないんだから‥‥

 

 でもね、彼の話をした時の絵美理ちゃん

 どこかすっごい嬉しそうだったんだよおおお!!!!

 

 どういうことだよおおお!!!!」

 

「俺様に聞かれても困る‥‥」

 

どこか暴走気味になってしまっている七誠を見て

静かな様子で突っ込みを入れていく春三であった

 

するとそこに

 

「ななちゃん、ちょっと静かにしてよ!

 

 隣の部屋にもすっごく響いていたんだけど?」

 

優生がバタンと下手に入ってきて

七誠のあたまをチョップでたたいた

 

「優生ちゃん‥‥

 

 うん、ごめん

 ちょっと取り乱した…」

 

「ふう、それにしても

 ここ最近、彼の組は大所帯になってきたよね

 

 優香も彼にスカウトされたって喜んでたよ?」

 

「そうだったのか‥‥

 

 そう言えば照の奴も

 誘われたって言ってたな‥‥

 

 ほかにもあいつに首狩りに

 されたやつ結構いるんじゃないか?

 

 佐紀の奴だってそうらしいし…」

 

三人はそんな話に花を咲かせ始めていく

 

「…でも、いったいどうして彼は

 急にそんな人を集め始めていったんだろう‥‥

 

 あんなに他人を引き付けようともしなかった彼が‥‥」

 

「やっぱり響子ちゃんっていう

 恋人ができて角が取れたんじゃない?

 

 自分から他人に踏み込んでいこうかなって?」

 

「…しかし、話によると

 あいつが引き込んでいるのは

 

 女性ばっかりだとも聞いている‥‥

 

 噂によるとハーレムを作って

 ウハウハしようなんて噂が飛び交ってるが‥‥」

 

「「「あり得ないよねそんなの…」」」

 

春三の言った彼の不浄な噂を

春三も含めてその場にいた三人は全力で否定した

 

「だが、あいつが人を集めているのには

 必ず理由があるはずだ、一度調べてみる必要もあるか‥‥」

 

春三はそう言うとほかの二人も

何やら面白そうに彼の提案に賛同するように頷くのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

それからしばらくして

 

「あ、優香ー!」

 

優生はしばらく歩いていると

目の前に一人の少女が歩いているのを見て声をかける

 

すると少女は、優生の方を見て返してきた

 

「ああ、姉さん…

 

 久しぶりだね、どうしたの?」

 

「どうしたのなんてご挨拶じゃない

 

 私と優香はたとえ組は違ってても

 血のつながった姉妹なんだから声をかけるのは当然でしょ?」

 

優生はそう言って笑みを浮かべてそう返す

 

「…血のつながった姉妹、ねえ…

 

 まあ別に事実だから気にしてはないけれど

 改めてはっきり言われるのはちょっと思うところもあるかも…」

 

優香はやや含みを込めた言い方で返す

 

「思うところね…

 

 でもまあ、元気そうでよかった

 彼のもとに行くって聞いたときは大丈夫かなって思ってたし…」

 

「あら?

 

 姉さんは兄さんのことが信用できない?」

 

「…ううん、彼のことは信じてるよ

 

 でも彼の組にはいろいろと噂が広まってるから

 うまくやっていくことができるのかなって思ってね」

 

優生はそう言ってやや遠い方を見つめるような表情になる

 

「…フン、あんな噂程度で

 私たちの兄さんへの信頼を断ち切れるって

 思ってるんだったらそれは浅はかだよ…

 

 だって私たちは心の底から兄さんのことを

 家族の様に思ってるんだもの、他のみんなだってそうだし」

 

そう言ってフンッ、っと花で一息つくとそう言い放つ

 

「そうだよね…

 

 ああいう性分だから

 周りに誤解されやすいけれど…

 

 誰よりも誠実で純粋な人だからね…」

 

「…フン…

 

 さっきも言ったけれども

 別に噂なんて気にも留めていないよ

 

 どうでもいいことだからね

 兄さんにとっても、私にとっても…」

 

そう言って髪をかき上げるようなしぐさをして言う

 

「ねえ、優香

 

 よかったら今度久しぶりに

 どこかに出かけてみない?

 

 久しぶりに姉妹でどこかにお出かけしよ?」

 

「出かけるって…

 

 どこに行ったって同じような景色ばっかりです

 

 あたり一面真っ暗で、大した娯楽もない

 はっきり言って休日をもらってまで行きたいところがありません…」

 

優香はそう言って、つまらなそうに優生の元を離れていった

 

「あ…」

 

それを見てふと、悲しい気持ちになっていく優生であった

 

「…久しぶりに腹を割って話してみたいって思ったんだけれどな…」

 

優生は小さな声でそのようにつぶやいた

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そのころ

 

「うーん、調べてみるとは言うものの‥‥

 

 どうやって彼のことを調べてみたらいいんだろう‥‥」

 

七誠は悩みに悩んでいるが、その表情には深みが感じられない

 

気楽な気持ちで励んでいるということなのだろう

 

そこに

 

「珍しいね、七誠…

 

 悩みなんかとは縁のなさそうな性分のあなたが

 何かに悩んでいるなんて、ひょっとして雪でも降るのかな?」

 

「姉さん‥‥

 

 姉さんから見た僕って

 そんなに馬鹿の様に見える?」

 

そう言って話しかけてきたのは七誠の姉

北斗 七尾、彼女も英雄に所属している

 

「あ、そういえば姉さん‥‥

 

 姉さんも彼の組に入ったんだよね?」

 

「ええ、彼の結成した星座宮の御巫子

 

 大熊座の巫女にね…それがどうかしたのかな?」

 

七誠は姉である七尾と向き合っていく

 

「知ってることがあったら教えてもらえない?

 

 いったい彼は、彼と妹たちは一体

 何をしようとしているの、それも僕たちにも内緒で‥‥」

 

「…さあね‥‥

 

 あいにくと私たちは

 そこまで深い事情にはかかわっていないし‥‥

 

 それに、何か知っていたところで

 それをあなたに話す義務はないよ

 

 たとえ、血のつながった姉弟でもね‥‥」

 

七尾の口調にどこか含みが感じられている

 

「…信頼しているんだね‥‥

 

 彼のことを‥‥」

 

「それはもちろん、だってあの人は…

 

 私に意味を与えてくれ

 私の事を普通に受け入れてくれた人だもん

 

 そのうえであの人は私を必要としてくれたんだよ

 

 だったらそんな彼に最後まで尽くしてあげるのが

 私なりの恩返しだって思ってるから、そういうわけで‥‥

 

 いくらかわいい弟でも、彼のことを勘繰るつもりなら

 私も最悪、貴方とぶつかることになってでも止めるから‥‥」

 

そう言って手に持っている剣を七誠に見せる七尾

 

「待って待って!

 

 別に僕は姉さんとはもちろん

 彼と敵対するとか陥れたいわけじゃないよ

 

 僕はただ…彼のことがとっても心配で‥‥」

 

「…心配‥‥?」

 

それを聞いて、構えを解いていく七尾

 

「僕ね…見たことがないんだ‥‥

 

 彼が何を欲しがってるのか

 彼の持ち物らしい持ち物とか‥‥

 

 彼は無欲っていえば聞こえはいいけれど

 他人のことは愚か、自分のことにも興味がないって感じだから‥‥

 

 彼にはせめて…自分を大事にしてほしい

 

 彼は誰かのために生きるのは得意だけど

 自分のために生きていくのが不器用だから‥‥」

 

「……」

 

そんな言葉に七尾は

不思議と好感と共感を覚え

自然に笑みを浮かべていたのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そう言った話をして

久しぶりに七尾と一緒に歩いている七誠

 

するとそこに

 

「あら、誰かと思えば

 七誠じゃない、しばらくぶりに

 あったと思ったら、また女の子を隣に立たせているの?」

 

一人の少女がからかい気味に七誠と七尾に話しかける

 

「木乃華ちゃん…

 

 久しぶりだね

 しばらく会ってないけれど

 

 元気そうで何よりだよ」

 

「ひねりのないお世辞ね…

 

 そんな調子じゃあ、好きな女の子の

 心をつかみ取るなんてできないわよ」

 

木乃華にそう言われてややショックを覚える七誠

それを見ていた七尾は苦笑いを浮かべていたのであった

 

「…それで?

 

 私に何か用事で?

 

 ここに来たということは

 私に何か伝えたいことがあってきたのでしょう?」

 

「…察しが良くて助かるわ…

 

 あなたにさっそく頼まれて

 ほしいことがあるというお兄様からの言伝よ…

 

 すぐに戻ってきてほしいの…」

 

「…わかったわ…

 

 それじゃあ、行ってくるわ」

 

「うん、気を付けてね姉さん‥‥」

 

そんな言葉を交わして双方は分かれていくのであった

 

「…さてと…

 

 あなたにはぜひとも

 いくつか聞きたいことがあるのだけれど?」

 

「…何かな」

 

七誠はそう言われると

彼の首元に銀色の金属を思わせる

右腕で一気に掴みかかられてしまう

 

「…っ!?

 

 これは一体、何の真似なのかな?」

 

七誠は突然の子の行動に驚きを覚えるも

すぐに冷静に対応し、受けごたえをしていく

 

「何の真似…?

 

 それはこっちの台詞よ…

 

 あなたたち春組が

 私達星座宮の御巫子に探りを入れてきているのは

 もう気が付いている、いったい何を企んでいるのかしら?」

 

「企むっていうのは心外だね‥‥

 

 ただ僕たちはこれからともにこの世界を

 守るために戦っていく仲間の様子を知りたい‥‥

 

 そう思っていろいろ話を聞いていただけだよ‥‥」

 

七誠はあくまで何の下心もないことを伝える

 

「…フン、貴方は自分の顔を

 鏡で見たことがあるのかしら?

 

 そういうふうに何にも感じない様子を

 見せているような人が、何も企んでいないって言えるの?」

 

木乃華はそう言って不満そうに七誠に告げていく

 

「うーん…そうは言われても‥‥よくわかんないよ‥‥

 

 鏡とか見てもどういうふうに表情を作ればいいのかなんて‥‥

 

 やっぱり僕って…冷たい人間なのかな‥‥」

 

七誠はどこかものうつげにそう告げる

 

「知らないわよ…

 

 私はそもそも、貴方に興味があるわけじゃないもの

 人の子ことがわからない人に、自分の心なんてわかるわけないわよ…」

 

そう言って彼から腕を放して

さっさと立ち去っていくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

訓練場

 

そこでは二人の人物が

激しくぶつかり合っていた

 

片や槍を、片や長刀をふるう

最初のうちは互角に渡り合っていたが

 

次第に槍を持っている方が

大きく圧されて行き、やがて

 

「どわあ!」

 

一瞬のスキを突かれて

槍を飛ばされて、首元に切っ先を突き付けられる

 

「…‥‥‥…‥‥‥」

 

「‥‥ふう、しばらく見ないうちに

 随分と腕を上げたじゃないか、大したものだ‥‥

 

 まさか俺様が一本取られてしまうとは‥‥」

 

春三はそう言って素直に負けを認めていく

 

「…‥‥‥運が良かっただけですよ…‥‥‥

 

 それに、僕はまだまだ

 今よりももっと強くならないといけないから…‥‥‥

 

 貴方からたった一本取った程度で

 うぬぼれてなんていられませんよ…‥‥‥」

 

「そ、そうか‥‥

 

 しかし、どうしてそこまでして力を求めるんだ?

 

 俺様から見てもお前は十分すぎるくらいに強いと思うぞ?」

 

「…‥‥‥力なきは、無力なり…‥‥‥

 

 どんなに理想を思い描いていても

 それを成しえる力がなければ露と消える…‥‥‥

 

 世界は無力な者に優しくない…‥‥‥

 

 僕はあの時、十分すぎるくらいに思い知ったから…‥‥‥」

 

その言葉を口にする彼の表情からは

何やら冷たい何かを感じ取った春三

 

「‥‥そう言えば、俺様は聞いてみたかったんだが‥‥

 

 お前たち兄妹がこの星座の都に流れ着く前のことを

 聞いたことがないと思った、ひょっとしてそのことに関係が?」

 

恐る恐る訪ねる春三に対して

彼はただこう告げていくのであった

 

「…‥‥‥忘れたよ…‥‥‥」

 

そう言って彼は春三の元を離れていくのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そんな彼のもとに一人の人物が訪ねてきた

 

「久しぶり、こうして顔を合わせるのもひさしぶりじゃないかしら?」

 

「…‥‥‥響子さんか、確かにこうして

 君と話をするのもしばらくぶりだね…‥‥‥」

 

それは、彼と婚約をしている女性、響子であった

 

「まだ忙しい?

 

 時間は取れない?」

 

「…‥‥‥そうだね…‥‥‥

 

 まだ準備の方が進んでいないから…‥‥‥」

 

彼はそう言いつつ、響子の頭を撫でてやる

 

「…‥‥‥ごめんね、響子さん…‥‥‥

 

 せっかく僕のために時間を

 作ってくれているのに、どうにもしてあげられなくって…‥‥‥」

 

「‥‥もう、そう思うなら何とかしてよ

 

 私だってその、ずっと構ってくれないことには

 さみしいって感じるんだから、ちょっとくらい…

 

 私のための時間を作ってほしいわ…」

 

そう言って、普段のクールな印象とは

信じられないほどにすね気味な表情で訴える

 

それを見た彼はふう、と息をつく

 

「…‥‥‥それじゃあ、その時が来たら

 改めて僕の方から連絡をするから

 

 そしたらさ、久しぶりにいっぱいお話ししよ?」

 

「もう、そう言ってすぐにその気にさせてくるんだから…

 

 そう言ってどれだけの女の子をたぶらかしてきたのかしら?」

 

そう言ってややからかい気味に彼に追及していく響子

 

「…‥‥‥ひょっとして、例のうわさを信じてるの?

 

 おあいにく様だけれどそう言うつもりで

 いろんな子に声をかけてるわけでもないし

 

 そもそもそういう手のことには疎いからね…‥‥‥」

 

「‥‥天然ジゴロ…」ボソッ

 

彼のその言い方に何やら思うところがあったのか

響子は小さな声で不満そうにぽつりとつぶやいた

 

「…‥‥‥何か言った?

 

 小さすぎて何にも聞こえなかったけれども…‥‥‥」

 

「聞こえなくていいですよーだ

 

 この朴念仁の唐変木」

 

「…‥‥‥?」

 

フンと背けてそそくさと前の方に進んでいく響子であった

 

「…‥‥‥…‥‥‥」

 

彼はそんな様子を、含みのある表情で見つめていたが

彼はすぐさま何かを振り切るように、頭を振って追いかけていくのだった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そんなころ

 

暗くボロボロの部屋の中では

一人の人物が二羽の烏と戯れていた

 

その中で一人の人物が入ってきて

二羽の烏は慌ててその場から飛び去っていく

 

「‥‥来てくれたのですね、お兄様…

 

 お兄様の計画のほど、私もできる限り

 お手伝いの方をさせていただきますよ…」

 

そう言う彼女の目の前にいるのは

彼女が兄と慕っている人物、彼がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は静かに口角を上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          




彼の思惑・・・・・・・・・
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