♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

13 / 42
組長の過去・・・・・・・・・


夏組との交流

 

 

夏組

 

四つの組に分かれた英雄の中では

新たなる穢れの情報を調べていくことに特化した者達

 

この組に所属する主力は主に三人である

 

「…‥はあ…

 

 それにしても

 随分と大きくなってきたね…

 

 あいつのところ…

 

 確か、星座宮の御巫子って名乗ったんだっけ?

 

 随分と安直というか、ただ星座と星官合わせただけだよね…」

 

組長の彼は、南雀 夏三

 

やや自分本位な面が目立つ彼だが

それでもほかの面々の様に穢れと戦う意思は秘めている

 

「‥‥しっかし…

 

 どうして彼ってあそこまで

 人数を、それも女の子ばっかり

 集めてるのかしら、どうしてもそこが

 

 気になるところなんだけれども…」

 

そう疑問を口にするのはこの中では唯一の女性

 

北十字 白子

 

「…まあいいんじゃない?

 

 現に彼女たちのおかげで

 僕たちの方にも多かれ少なかれ

 影響は出てきているって思うし‥‥」

 

そして、年少者である

 

南斗 六誠

 

この三人が夏組の集会室にて雑談を行っていた

 

「確かにそうだね…

 

 現に君たち二人も

 それぞれの知り合いが無こうに引き抜かれている

 

 あいつのことはどこかきな臭い部分もあるから

 全面的に信じているってわけじゃないんだけれどね…」

 

「…‥あれ?

 

 そういう夏三さんも

 知り合いの何人かが引き抜かれているんじゃ?」

 

白子にそう言われて、ばつが悪そうにだんまりする夏三

 

「…‥言ってくれるじゃない白子…」

 

「…‥言われっぱなしも癪なので…」

 

「あ、あははは~‥‥

 

 ま、まあ何はともあれ

 みんなそれなりにうまくやってるんだし

 

 心配することはないと思うよ」

 

にらみ合っていく二人を仲裁していく六誠

 

「…‥そうだね…

 

 確かにそれは今は二の次だ…

 

 僕が気になるのはここのところの

 あいつの行動だ、どうにも彼は一人で

 行動していることが多くなってきている…

 

 もちろん何事もないのが一番いいし

 あいつがあくどいことをするタイプの性格じゃない事だって

 把握しているからな、でも一応調べてみる必要はあるって考えてる」

 

「それで私達夏組が独自に調べていこうってこと?

 

 もしそれで何にも出てこなかったらどうするの?」

 

白子はやや問い詰めるように言う

 

「…‥それはそれでいいって思うよ?

 

 だって別に彼の悪事をどうこうって

 しようってわけじゃないしね、それに…」

 

「うん‥‥?」

 

夏三はそこまで言うと口ごもってしまい

六誠はふとそんな夏三の様子に疑問符を浮かべていく

 

「…‥…」

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

夏組の組長 南雀 夏三

 

彼はかつてはスラムで過ごす浮浪児の一人であった

 

毎日、毎日

生きていくのに必死で

 

時には犯罪まがいの仕事にまで

手を出してしまうこともあった

 

しかし、そんなところで

勤めていてもまともな生活になどありつけない

 

お金をスったり、食べ物を盗んだり

とにかく、毎日が苦しいものであった

 

そんな毎日を過ごしていた彼であったが

当然、犯罪を繰り返していたので顔は悪い意味で

知られるようになっていき、やがて居場所をなくしていくことになっていく

 

そんな彼の耳に、何やら荒れ果てたスラムには

似付かわしくないほどにきれいな音色が聞こえてきた

 

「…‥?」

 

そこにいたのは、黒髪のやや短めの髪を

前の方で髪留めを模したクリップで止めている

 

整った容姿を持った、一人の少女であった

 

その少女が歌を歌った後、拍手と歓声が起こり

そばに合った空き缶の中に少ないながらもお金を入れていた

 

「‥‥ありがとうございます」

 

少女は笑顔をで聞いてくれた人たちにお礼を言う

彼は不意にその少女のもとにゆっくりと足を運んでいく

 

すると

 

「‥‥どうしたの?」

 

急に話しかけられて、思わずびくりと体を震わせた

 

「…‥あ、いや…その…‥…」

 

「‥‥ひょっとして、貴方も一人なの?

 

 よかったら、ついてきてくれるかな?」

 

そう言って少女は夏三を連れていく

 

その連れて行った場所は一人でどうにかして

作ったといったつぎはぎだらけの一室であった

 

「‥‥おなかすいてない?

 

 大したものは置いていないけれど

 よかったら、何か用意してあげるよ」

 

「あ、う、うん…」

 

人に良くされることに慣れていない彼は

どう返せばいいのかわからず、口ごもっていく

 

「あ、そういえば自己紹介してなかったね…

 

 私は音野、自分でそう呼んでるんだ

 

 貴方のお名前は?」

 

「…‥ない、俺の親はろくでなしで

 名前だってろくに呼ばれたこともないから…」

 

男の子はぽつりぽつりと話していく

 

「‥‥それじゃあ、私が付けてあげるね…

 

 あなたはそうだな‥‥夏三ってどうかな?

 

 私ね、夏の大三角が好きなんだ

 私の生まれの星座が琴座で、それにちなんでね…

 

 どうかな?」

 

「…‥夏三…

 

 うん、それでいいよ

 僕は今日から夏三だよ」

 

これが浮浪児の少年と一人の琴弾きの少女の出会いで

彼に名前と生きる意味が与えられた瞬間なのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

「…‥それから僕は

 英雄たちに引き取られて…

 

 僕は夏組に入り、功績を伸ばして

 その組長にまでなった、最初のうちこそ

 浮浪児である自分のことをよく思わない奴が多かったが…

 

 それでも僕は、こうして変わらずにやってこれることができた…

 

 信じられる人間と信用に値しない人間…

 

 それぞれの境界に線をつけて、今までやってこれた…

 

 おかげで今や夏組は人数が少ない分

 諜報部隊としての技能を伸ばしていっている

 

 まあだからって、本来の役目を

 疎かにしているわけでもないんだけれどね…」

 

「…まあ、この星座の都は

 のびのびとしている分、格差が激しいけれども…

 

 その分、信用に値する人を見つけやすいからね…」

 

白子がそう言うと、夏三はふと、六誠の方を見る

 

「…うん?

 

 どうして僕の方を見るの?」

 

「…‥ううん、君を見ていると

 どうしても思い出してしまうからね‥‥

 

 初めてここに派遣されたときに周りから

 蔑まれていた僕に構ってくれた唯一の人をさ…」

 

「フフフフ…

 

 確かに彼だけだったものね

 最初の時から彼のことを気にかけていたのは…」

 

キョトンとした様子で六誠は聞くと

夏三は懐かし気な笑みを浮かべ、白子はそれを微笑まし気に笑う

 

「…‥まあ、君や七誠のような人が

 居てくれたのだからこそ、僕もこうして

 

 ここで活躍できているのかもしれないね…

 

 人の運命っていうのは本当に不思議なものだよ…」

 

「…ううん、僕達のおかげだけじゃないよ‥‥

 

 夏三さんや、他の組のみんなが

 お互いのことを信じてくれたから

 

 こうして、みんなはこうして

 ここにいるんだって思えるよ、僕はそう信じてるよ‥‥」

 

六制がそう言うと夏三は

よくもまあそんな臭いセリフを臆面もなく言えるなと

言わんばかりに彼に向かってやや苦笑いの表情を浮かべる

 

「‥‥しっかし、やっぱり気になるのは

 今やすっかり話題の彼のことだよね…

 

 彼の元には多くの者たちが集まっているわ…

 

 うちの組からも何人かが引き抜かれてるみたい…

 

 全員ってわけじゃないみたいだけれども」

 

「…‥僕の知り合いの子も一人

 志願して、彼のもとに行った…

 

 もともと彼にあこがれてきていたらしくって

 それで自分から彼のもとに移動したらしい…」

 

「僕の師匠も‥‥

 

 彼の引き抜きに応じたらしいし‥‥

 

 単純な戦力じゃあ他の組には及ばないけれど

 総合的だったら、他の組すら凌駕するんじゃない?」

 

六誠がそう言った、そこに

 

「へえ‥‥

 

 そんなに私が化け物に見えますか六誠?」

 

「ぬおっ!?」

 

突如として話しかけられて

思わず間抜けな声を上げてしまう六誠

 

「…え、愛理さん‥‥

 

 お久しぶりです‥‥」

 

「あいにく私と貴方は名前で呼び合う仲ではありません‥

 

 師匠とお呼びなさい」

 

「…は、はい‥‥

 

 師匠‥‥」

 

強く言われて思わず了承してしまう六誠

 

「…‥ほんとに六誠って

 愛理には弱いよね…

 

 この様子じゃあ、将来は

 尻に敷かれるのが目に見えてるよ」

 

「うるさいな‥‥

 

 別にいいじゃない

 女の子にかなわなくったって‥‥」

 

「…ところで、愛理?

 

 すごく久しぶりだけれども

 うちの組に何の用なのかな?」

 

白子はそう言って愛理の用件を聞く

 

「ええ、今日私たちのもとに

 新しい人が入ってきてね、それで

 案内がてら、夏三に会いたいって言うから‥」

 

愛理が自分の名前を出してきたので少し首を傾げてしまう

 

愛理はそんな彼の様子を気にすることなく

後ろの方に控えている、一人の少女を三人のもとに立たせる

 

「…‥っ!?」

 

夏三はそれを見て、驚いた様子を見せる

なぜなら目の前にいたのは、目の前にいるのは

 

「‥‥やっぱり…

 

 一目会った時に

 きっとそうだって気づいたんだよ?

 

 久しぶりだね…

 

 夏三君…?」

 

かつて自分と同じ浮浪児であり

自分に名前を付けてくれたかの少女、音野がいた

 

「紹介するね、彼女は

 

 琴原 音野

 

 スラムでならず者に襲われていたところを

 兄様と水波夜さんが保護したんです、それで

 私たちの一員になったので、この場所の案内を‥」

 

「…‥音野…ちゃん…‥…?」

 

夏三が驚いた様子で目の前の少女

音野に話しかけてみた、すると

 

「‥‥やっぱり夏三君だったね…

 

 久しぶりだね‥‥あの時以来…」

 

「うん…‥本当に久しぶり…」

 

夏三は嬉しさのあまりに涙を流していく

 

その様子を見ていたほかの面々は

その光景に驚きと混乱の入り混じった視線を浮かべる

 

「…ひょっとして‥‥

 

 さっき話していた

 スラムで出会った友達とは‥‥

 

 彼女のことなの!?」

 

「…‥そうだよ、まさか…

 

 まさかこうして君のことを

 思い出していた時に、また…

 

 また君に会うことができるなんて…」

 

「‥‥これも、星の運命、だね…

 

 私も会えてうれしいよ、夏三君」

 

二人で笑いあっていく夏三と音野

 

「‥‥えーっと事情は大体わかりましたけれど

 とりあえず、他の皆さんの自己紹介に移って

 もらってもいいでしょうか、そろそろ本題に移りたいので‥」

 

愛理にそう言われて、二人は慌てて距離を取る

 

「‥‥それでは改めまして…

 

 琴原 音野です

 

 今回、新しく星座宮の御巫子として

 お兄様や妹君達、愛理さん達の組に入りました…

 

 どうか、よろしくお願いいたします」

 

そう言って素直に頭を下げていく音野

 

夏三はやや慌てながらも改めて自己紹介をしていき

続いて白子は普通に自己紹介し、六誠は愛理の手前

やや緊張気味なのか、ややギクシャクしながら紹介する

 

それを見た愛理は呆れた様子で

しっかりしなさいよ、とありがたい喝を入れられた

 

それを見た、夏三と白子はやや笑いを浮かべて

六誠はやや罰が悪そうに頭を抱えていたのであった

 

「…まったく、いくら人見知りとは言っても

 自己紹介くらいまともにできないと話になりませんよ‥」

 

「…‥いや、六誠があいさつできないのは

 そういうことじゃないと思うけれどもね…」

 

「…まったく…

 

 こういうところは鈍いですよね愛理は…

 

 もうここは、積極にいかないとだめでしょう!

 

 もういっそここで思いを伝えてしまえば…」

 

そう言ったところで愛理は一息ついた

 

「そろそろ行きますよ音野‥

 

 私としてももうこれ以上

 ここに時間をかけていくわけにもいかないので‥」

 

「‥‥あ、はい!

 

 それじゃあね、夏三君」

 

そう言って二人は夏組の元を去っていくのだった

 

「…‥‥」

 

六誠はしばらく呆然としており

それを見ていた夏三と白子はやや同情的な表情を浮かべていた

 

「…まあ、その…ね?

 

 まだ焦らなくても

 機会だったらまだあるから…」

 

「え、ああ…うん‥‥」

 

白子に元気づけられるように話しかけられ

六誠の方も、放心状態からようやく抜け出したようだ

 

そんな二人の様子をよそに

夏三は去っていった音野の方を見ていた

 

「…‥音野ちゃん…

 

 久しぶりに会ったけれど

 なんだか変な感じがしたな…

 

 なんだかまるで、琴音ちゃんが

 別の存在になってしまったかのような…

 

 そんな感じが…」

 

そのつぶやきを聞いて

他の二人は何やら気になったように

夏三の顔を見つめていたのであった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

そのころ

 

愛理と音野は二人で歩いていた

 

「‥‥どうでした、音野さん?」

 

「‥‥悪い意味で、安心したかも…

 

 あの子がもしも昔と変わっていなかったら

 どうしようかなって思っていたけれども…

 

 あの様子ならもう、遠慮の方はいらないかな?」

 

そう言って背中に背負っている竪琴を

爪にはめている琴爪でほんの少しはじく

 

「やっぱり私の苦しみを理解してくれるのは…

 

 お兄様だけなんだということなんだろうね…」

 

「‥‥‥」

 

音野のそのつぶやきに含みを込めたため息をつく愛理

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

思わぬ出会いがあってからしばらくたったある日

 

白子はお役目を終えて戻ってくると

彼女の目の前に白い翼が舞っている

 

「…あら?

 

 どこからか醜いアヒルの子が

 わたってきたのかしら、まったく…

 

 久しぶりに会うからって

 素直に出てくることはできないの?

 

 北緒…」

 

白子がそう言って上を見上げると

そこには、純白の装備に身を包んだ

ボーイッシュな髪形の一人の人物がいた

 

「その呼び方、やめてって言ったよね姉さん…

 

 まったくいっつもいつも僕の事そう言うんだから…」

 

「別に悪い意味じゃないわよ

 

 最初は醜いって言われていた

 そのアヒルの子だって最後は美しい白鳥になるんだから

 

 まあ、最初は誰にも認められなくても

 いつか絶対に認めてくれる人がいるんだから

 最後のときまであきらめないでほしいって意味よ

 

 決して、悪く言ってるわけじゃないわ」

 

白子がそう言って説明していると

北緒が彼女のもとに飛び降りてゆっくりと近づいていく

 

「まあ意味なんてどっちでもいいけれどね…

 

 でもまあ、僕の力を認めてくれた人は

 もうすでに表れてくれたって意味だったら

 

 案外悪くない理由なのかもね…」

 

「あら?

 

 その口ぶりだとまるで

 そういう人を見つけたようじゃない?

 

 よかったらお姉ちゃんにも教えなさいよ」

 

そう言ってズイっと詰め寄っていく北尾

 

「フフフ、とっても素敵な人だよ

 

 その人の名前はあるけど

 僕たちはお兄様って呼んでるんだ」

 

「…っ!?」

 

北緒の口から出てきた名前に

白子は思わず驚愕のあまり、目を見開いてしまう

 

「本当にお兄様はすごいんだよ

 

 強くて頼もしいし

 何より不思議な魅力があるから

 

 おまけに僕みたいな人にも

 分け隔てなく接してくれて

 

 本当にすごい人なんだ」

 

うっとりと恍惚した様子で話していく北尾

 

それを聞いてしばらく開いた口が塞がらなかったものの

すぐに切り替えて、話を切り出していく白子

 

「へ、へえ…

 

 どうやら彼のもとに入って

 うまくやっているみたいね…

 

 うまくやってるみたいで何よりだよ」

 

「うん、僕はようやく

 僕のことを認めてくれる人に出会えたんだ

 

 だから僕、これからもお兄様のもとで頑張って

 お兄様に本当の意味で認められるようになりたいんだ

 

 それじゃあ、またね」

 

北緒はそう言ってその場を去っていく

白子はその背中を見て、どこか不安そうに見つめていた

 

「…北緒、なんだか私の知っているあなたとは

 違っているように思えたけど、大丈夫なのかしら…」

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

とある部屋

 

そこは真っ暗でほんの少しの光が

あたりを照らしており、そこには一人の人物が

見上げるようにそこに佇んでいた、さらにそこに

 

「兄さん!

 

 鷲座の御巫子

 

 鷲尾 倭子

 

 

 

 

 ただいま戻りました!!」

 

そう言って元気そうに入ってくる一人の少女、倭子

 

倭子と名乗ったその少女に向かって勢いよく

手刀が勢いよくふるわれ、情けない悲鳴が響き渡る

 

「ぎゃふん!」

 

「静かにしなさい、倭子!

 

 まったく、相変わらず馬鹿みたいに

 騒がしいんだから、少しはおとなしくできないの?」

 

手刀をふるったのは彼の妹の一人、水波夜であった

 

倭子は叩かれた部分を抑え

自分をたたいた水波夜を睨みつけるように見つめる

 

「ひどいですよ、水波夜!

 

 儂はただ、お兄ちゃんに挨拶をと‥」

 

「相変わらず騒がしいわね

 

 そっちの御巫子さんは…」

 

そう言って入ってきたのは

水波夜と同じく彼の妹の一人、木乃華であった

 

彼女は呆れたように二人のやり取りを聞いていう

 

「‥‥倭子ちゃんは相変わらず、元気?」

 

「‥‥倭子ちゃんらしいっていえばらしいよね…」

 

木乃華に続いて入ってきたのは、音野と北緒の二人であった

 

「あ!

 

 音野さんに北緒さん

 ちょっと聞いてください!!

 

 水波夜さんったらひどいんです

 お兄ちゃんに挨拶をしたらいきなり殴ってきて‥」

 

「‥‥まあ、それは大変?

 

 でもいきなりおっきな声で

 話しかけたら、誰だって吃驚する…

 

 そういう意味だったら…

 

 倭子ちゃんが悪い?」

 

「ま、まあ次から気を付ければいいよ

 

 今はそれよりも…」

 

三人と二人の妹は、目の前にて

立ち尽くしている彼の方に目を向けると

 

彼の方に向かって静かに頭を下げる

 

「ただいま戻りました、お兄ちゃん

 

 お変わりはないようで…」

 

水波夜がそう言うと彼は一同の方を向くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         




懐かしき出会いと、彼の思惑・・・・・・・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。