♈ ♉ ♊ ♋ ♌ ♍ ♎ ♏ ⛎ ♐ ♑ ♒ ♓     星座宮夜宵之闇物語之神話書記 ANAVIOSI SYN+       ♓ ♒ ♑ ♐ ⛎ ♏ ♎ ♍ ♌ ♋ ♊ ♉ ♈   作:lOOSPH

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勇者の中で最も勇者たる少女・・・・・・・・・


小狐座の勇者 海豚座の勇者

 

 

 

少女は何の変哲もない

ごくごく平凡な少女であった

 

明るくてだれからも好かれて

困ったときにはいつも頼りにされて

 

友達も多くて、顔も広かった

 

しかし、少女自身は別に自分が特別なものだとは

思ってなどいなかった、自分はただ毎日が充実したものだと

 

この充実した日々がいつまでも続けばいいと

それが少女の小さな願いであった、だがその願いは

 

いともたやすく握りつぶされてしまった

 

七年前に少女はすべてを失ってしまった

 

目の前に現れたのは、巨大な獣の様で

何やら尾のようなものから何かを飛ばし

 

其れであたりを蹂躙していっている

 

少女はそんな様子を、ただただ見ていた

だがな指針ではそんな自分を情けなく思っていた

 

やがて巨大な怪物は少女の方に気づき

ゆっくりと近づいていき、襲い掛からんと迫っていく

 

「あ…ああ…」

 

腰を抜かして、その場に座り込んでしまう少女

そんな少女にゆっくりと近づいていく、化け物

 

だが、少女はゆっくりと立ち上がると

自分に言い聞かせるようにつぶやいている

 

「絶望なんてしちゃだめだ‥‥立つんだ…立って‥‥…

 

 立って‥‥最後まで…抗うんだ‥‥…」

 

そう言ってぐっと握りこぶしを作って

目の前にいる化け物を力強く見つめていく

 

「ここで逃げたら‥‥だめだ…こんなところで‥‥…

 

 逃げたらだめなんだああああ!!!」

 

そう言うと彼女のもとに一匹の狐が飛び込んでいき

そのあたりに大きな輝きがあたりを包み込んでいった

 

「っ!?」

 

その場所に駆け付けた一人の青年は

目の前の光景を見て驚きを覚えた、そこには

 

長く伸びた髪をサイドテールにまとめ

九つの裾がまるで狐の尾のようにたなびいている姿の

一人の少女が、傍らに小さな狐を連れて佇んでいた

 

「はああああ!!!」

 

ぐっと拳を作って目の前の化け物に構えていく少女

 

怪物も少女の攻撃に抗わんと

尾から何かを飛ばして攻撃を仕掛ける

 

だがそれを彼女は

両腕から伸ばしていく長い

尾のようなものをふるって

 

それで攻撃をすべて弾いていく

更にその伸びたそれを拳を作った

自分の腕にぐるぐると巻いていくと

 

そのまま勢いよく飛ばしていき

化け物に一撃を叩き込まんとする

 

「やああああ!!!」

 

その一撃は見事に命中、化け物は悶えながら

そのまま後ろの方にゆっくりと飛ばされるように倒れていった

 

「はあ‥‥はあ…はあ‥‥…

 

 これは一体‥‥君の仕業なの?」

 

そう言っていつの間にか隣で

自分に向かって尾を振って見つめている

一匹の小狐に話しかけると、そこに近づいてくる影がいる

 

「貴方は…?」

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

七年後

 

自分の部屋の布団の中で

うるさい目覚ましの音で目を覚ますのは

 

「う、うーん…

 

 今日は懐かしい夢を見たな~」

 

うーん、っと背伸びをして

布団から起き上がる一人の少女

 

彼女はまだ残っている眠気を

我慢しつつ布団の中から出てきて

 

顔を洗って歯を磨いて、寝間着を脱いで

服を着て、急いで部屋の方を飛び出していく

 

飛び出しつつ端末の方を操作していると

メールの欄に今日の予定のことが書かれている

 

✉ーきょうはそれぞれの組において

  勇者システムの試運転を行うにあたり

 

  君たちとともに戦う存在である

 

  星霊を呼び出してもらうので

  急ぎそれぞれの指定された訓練場に集合

 

  集合時間は朝8時半、送れたら連帯責任として

  山道をランニングさせるのでくれぐれも遅れないようにー

 

「う、最後のこれって

 明らかに脅し入ってるよね…

 

 まあいいや、遅れなければいいんだもんね」

 

そう言って急いで指定された訓練場に向かって行く

 

途中、おばあちゃんに道案内したり

小学生の安全活動を手伝ってあげたりと

 

まあいろんなことがあったが

それでも何とかたどり着くことができた少女であった

 

「失礼しまーす!

 

 高嶋 友奈、ただいま参上!!」

 

そう言って扉を勢いよく開けていく少女

 

少女の名は、高嶋 友奈

 

英雄達に見定められた勇者の一人である

 

「おー、ぎりぎりだね友奈~

 

 もうみんな集まってるよ?」

 

「せっちゃん、いやーいつもよりは早く出られたんだけど

 なんでか今日に限っていろんなことが起こってきてね~…」

 

そんな友奈に最初に話しかけてきたのは

眼鏡をかけたどこかひょうひょうとした雰囲気の少女

 

秋原 雪花

 

彼女もまた、勇者として見初められた少女である

 

「相変わらず友奈の周りでは

 いろんなことが起こってるにゃー」

 

「別にそう言うわけじゃないと思うけれど…

 

 でもやっぱり私、困ってる人や苦しんでいる人

 見過ごすなんてできないって思うし、出来る限り何とかしたい…

 

 其れはいけない事かな?」

 

友奈はキョトンとやや首を傾げる

それを見た雪花は笑みを浮かべていう

 

「ううん、友奈のそれは間違ってないよ

 間違ってはないけれども、しっかりと

 自分の用事の方も忘れないようにね、でないと

 

 ここにいるみんなの迷惑になっちゃうかもだからね」

 

「うん」

 

雪花の言葉に友奈は安心したように笑顔で返事をする

 

暫く二人が談笑していると、前の方に三人の人物が降り立つ

 

「静かにしろ!」

 

中央の人物の凄みを利かせた声があたりに響き

その場にいた全員が前を向き、雪花と友奈も同じようにする

 

「お前たちのいる夏組の組長、南雀 夏三だ

 

 みんなも知っての通り、もうすぐお前たちが

 勇者として戦うお役目の時が迫っている、ゆえに今日は

 

 お前達が勇者として戦うために必要な力を知ってもらう

 

 よって今日はお前たちに力を与える存在であり

 同時にともに戦うパートナーである星霊と対話してもらう」

 

星霊、それは勇者の力のもとである

星の力が具象化した存在であり、その姿は

各々の加護を受けた星座を模した形になる

 

生き物の星座ならば生き物に、物であれば

物であったり、其れに関連するものであったりと

 

その形は様々である

 

「…それじゃあこれから

 星霊の呼び出し方を私、白鳥 信乃が説明するよ

 

 みんながここに来るときに端末に登録した

 システムにタップしてみて、そうすればその人の前に

 君たちの加護を受けた星座を模した星霊が現れるはず

 

 園子とうまく対話してみなさい、心を通わせれば

 その分、星霊から受ける力が強くなっていくから

 

 呼び出したら、しっかりと向き合ってみなさい」

 

そう言ってそれぞれが端末を取り出していく

 

「えい!」

 

どこかで一人が、画面をタップする

するとその目の前に現れたのは、一個の巨大な顕微鏡だった

 

「…なにこれ…」

 

その少女は突然自分の目の前に現れた

顕微鏡を見て、思わずそんな一言をつぶやく

 

「それは、顕微鏡座の星霊さんだね‥‥

 

 このように、星霊にはいろいろな形での

 具現化がなされて行く、一見するとただの道具に見えても

 意思の方はあるから投げやらずにしっかりと向き合ってね」

 

「ええ~…」

 

顕微鏡を出した、顕微鏡座の勇者は

どうしたらいいのかと戸惑っている様子である

 

「いやー…

 

 あれはいろいろと難しそうだよね…

 

 私らは動物系の星座だけど

 果たしてうまくいくかしらね…」

 

「とにかくやってみようよ

 為せばたいてい何とかなーるってね」

 

そう言って意気込んで見せる友奈

 

すると、歓声の声があたりに響いていく

 

そこにいたのは夏組の勇者たちをまとめる

リーダーを務める四人の少女たちであった

 

一人は、美しい音を奏でるとても美しい琴を

 

一人は、気高くも頼もしい雰囲気の鷲を

 

一人は、毒々しいがどこかに美しさを見せる蠍を

 

一人は、穢れを感じさせぬ純白の美しい白鳥

 

四人の見事な星霊に見ている者すべてが魅了されている

 

「わあ~

 

 すごいね」

 

友奈が真っ先に素直な感想を述べると

 

「友奈ちゃん」

 

そのうちの一人、白鳥を呼び出した少女が話しかける

 

「すごいね涼ちゃん

 

 すっごくきれいな白鳥さんだね」

 

「ありがと、友奈ちゃんも呼び出してみたら?

 

 友奈ちゃんの星座は確か、小狐座だったよね?」

 

「うん

 

 それじゃあさっそく呼び出してみるね」

 

友奈はその少女、涼と少々の会話を交わすと

早速一同よりも離れた場所でシステムをタップすると

 

「わあ…」

 

友奈の目の前に光が降り立ち

その目の前には、一匹の小さめの狐が

 

何故か口に鵞鳥を咥えて現れる

 

「これが、私の星霊さんか…

 

 あれ?」

 

 

友奈は不意に小狐座の星霊を見て

何やら疑問符を浮かべていく、なぜなら

 

「…私、この子のこと知ってる…?」

 

友奈は不意に目の前の小狐に手を伸ばしていく

 

「ちょっと待って、行くらなんでもそんないきなりは‥」

 

気高い雰囲気の鷲を腕に乗せた

どこか忍者のような服装の少女が制止する

 

すると

 

「あ…」

 

小狐は友奈の伸ばした手にすりすりと

その頭を摺り寄せていく、心なしかうれしそうに見える

 

「フフフ」

 

それを見て友奈は微笑みを浮かべて

その小狐の頭を優しくなでてやるのであった

 

「すごいね友奈ちゃん‥‥

 

 呼び出してすぐに星霊と対話するなんて‥‥」

 

それを見た六誠は感服したように見ている

 

「まあ、あの子は88人いる勇者たちの中でも

 一番適性が高いからな、むしろ妥当な結果だろう…

 

 まあ、他も悪いわけでもない」

 

そう言って次に見つめるのは

 

「おお~

 

 海豚か、いいじゃんいいじゃん

 かわいくっていい子で良かったにゃー

 

 それじゃあ、これからよろしくね」

 

雪花の方は、大きくも人懐っこい海豚で

その星霊はすぐに、雪花を認めたのか

彼女の眼前にすり寄るように近づいている

 

彼女だけでなく、他の少女たちも

それぞれの星霊とある程度の対話を済ませている

 

夏三はそれを確認して、一同に声をかけていく

 

「静かにしろ!」

 

夏三の声があたりに響き

それぞれの星霊と、ある程度の対話を済ませた少女たちは

それぞれ気を引き締めつつ、夏三の方へと体を向けていく

 

「これでようやくお前たちは勇者として

 戦うための下準備を整えたことになる

 

 万が一お前たちがしくじって敵の攻撃を

 受けるようなことがあっても、それぞれの星霊が

 守りを授け、お前達の命はもちろん、傷を負わせることもない

 

 だが、勇者になっていなければその力は弱くなるし

 守りの力を発動させればさせるほど、星霊自身は弱くなる

 

 そのことをしっかり頭に叩き込んで、備えるように

 では、以上だ、次はお前たちの武器ヲ顕現させてもらい

 

 そのうえで訓練の総仕上げを行ってもらう、そのあとはいよいよ実践だ…

 

 気を抜いて死なないように、自分の身を守れるすべを身に着けておけ…」

 

そこまで言って解散となる今回の集会であった

 

‥♈…♉‣♊‥‥♋…‥♌…‥‥♍……♎‥‥‥‥♏…‥‥‥⛎‥‥‥‥‥♐‥‥‥‥‥‥♑…‥‥‥‥‥♒…‥‥‥‥♓‥‥‥‥‥‥‥

 

その後、家路についていく各々

 

「星霊さん、すぐに懐いてくれたよね」

 

「アタシの方はいきなり現れてびっくりしたけどね…

 

 でも、この分だったら星霊の力の方は問題ないみたいだね」

 

友奈は雪花とともに談笑をして一緒に歩いていた

すると、二人の目の前に友奈と親しい間の少女の姿が見える

 

「あ、ぐんちゃん」

 

「うん?」

 

そこには何やらそわそわと何やら落ち着かない様子の

黒い長い髪の女の子、千景の姿があった、友奈は彼女に声をかける

 

「あ、高嶋さん」

 

「ぐんちゃんも帰ってたんだ

 

 ぐんちゃんの方も星霊呼び出せた?

 

 どんなのだった?」

 

友奈は親し気に話をしている

 

「う、うん…

 

 とっても大きな鶴、だった…」

 

「そういえばぐんちゃんは鶴座だったもんね

 

 ちなみに私のはね…」

 

友奈はそう言うとアプリのボタンを押して

鵞鳥を加えた小さな狐を抱えるようにして持ち上げて

 

千景にも見えるようにして出す

 

「ほら、この子が私の星霊ちゃんだよ

 

 すっごくかわいいでしょ」

 

「ちょっと友奈

 

 勝手に星霊を呼び出したらだめだよ

 夏三さんとっても厳しいからばれたら説教だよ?」

 

星霊を気軽に呼び出した友奈にやや驚きながら

彼女の行動をいさめるように進める雪花、すると

 

「あ、あの…」

 

「え、ああごめんごめん…

 

 別に二人の話を邪魔するつもりは

 なかったんだけれどもね、さすがにこれは

 

 うちの組の組長、ほんとに厳しい人だからさ…

 

 ほら友奈、早く星霊をしまって…」

 

雪花に進められて

友奈はえへへへ、と反省したように星霊を戻す

 

「えーっとその…あなたは…?」

 

「え、ああそういえば

 クラス一緒だけれど話すのは初めてだっけ

 

 私は秋原 雪花、友奈とおんなじ夏組に所属してまーす

 

 よろしくにゃー」

 

雪花はいつもの調子であいさつを交わしていく

 

「わ、私は…

 

 郡 千景…」

 

千景は恐る恐る、自分の名前を雪花に話した

 

すると

 

「っ!」

 

雪花は千景の挨拶のさなかに何かを感じた

 

「あれ?

 

 どうしたの雪花ちゃん?」

 

「‥‥え、ああうん

 

 何でもないよ、そう‥‥なんでも…」

 

雪花はいつもの調子で答えるがすぐに含みのあるように言う

 

「(なんだろう…

 

  一瞬だけ、どこか

  変な感じを受けたんだけれど…

 

  まさかあの子も…)」

 

雪花は千景にどこか自分と同じ何かを感じたように感じたが

とりあえずそのことは心の奥底にしまい込むことにしたのだった

 

「それじゃあまたね、ぐんちゃん」

 

「ええ、それじゃあまた…」

 

ふたりはただその短い挨拶ととともに別れた

 

雪花は去っていく千景をしばらく背中越しに見ていた

 

「どうしたの、雪花ちゃん?」

 

「ううん、何でもないよ

 

 それじゃあもどろっか…」

 

そう言って二人は寮に戻っていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪花の心にある思いを残して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 




海豚座の勇者の思惑・・・・・・・・・
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